エルダムお茶の間ショッピング 





 


 第1回:生活之章 



ミック:「さて、『悠久書店・偽通信販売』第1回の商品は――」
ジェナス:「……コーナー違いますよ」
レイカ:「……そもそも、前置きなしに始めるのは不適切なんじゃない?」
ミック:「だーっ、分かった分かった。『THIRD MEMORIES』特別企画・エルダムお茶の間ショッピングを始めるぞ! これでいいのか?」
レイカ:「はいはい。では今回のゲストはこちら!」

がちゃっ。

オリビア:「失礼しま〜す」
シャーロット:「えと……失礼します」
ミック:「私は干支ではない!」
シャーロット:「…………?」
ジェナス:「……あ、これの事は気にしないでいいから」
ミック:「…………」
レイカ:「えー、では続きね。2人はどんな品物を紹介してほしい?」
オリビア:「魔導学院に入学する生徒のために、何か助けになる品物を紹介するのがいいと思います」
シャーロット:「私もそれがいいかな……」
ミック:「分かった分かった。それなら何と言っても、豊かな学生生活をエンジョイするための触媒屋特製の悪魔召喚キットが不可欠だな」
オリビア:「…………」
シャーロット:「……ジェナス君、私帰る」
ジェナス:「だああっ、待った待った!!」
ミック:「待つも待たんも、これで買うのはどーせオリビアやシャーロット君ではないだろ」
ジェナス:「そーゆー問題じゃないでしょう?」
レイカ:「そうよ。送思機と封音機をさしおいて学生に必要な道具なんてある訳ないじゃない?」
ミック:「私はサヴォールのを借りてるから、別になくたって不自由しないぞ」

…………。

オリビア:「…………」
ミック:「気を取り直して説明しよう。送思機というのはだな、思考を送るための機械だ」
レイカ:「説明になってないわよ」
ミック:「ここからが本番だ。回線で互いに結ばれている送思機は、音声のやり取りが可能なのだ。つまり、互いに離れていても立派に会話を交わす事が出来るという訳で」
オリビア:「友達と宿題の連絡をする時、役に立ちます」
ミック:「「友達と」じゃなくて「ジェナス君と」だろ?」
ジェナス&オリビア:「ミック先輩っ!」
ミック:「(無視)なお、回線が切れると送信できないが、送魔管からの精製マナの供給が無くてもコネクターで自分の集めたマナを変換すれば立派に作動する。ジェナスくらいの魔力でないと十分ではないがな」
オリビア:「へぇ、そうなんですか」
ミック:「……最大の秘訣は、常に着信者払いを使って通話する所だ」

…………。

シャーロット:「…………」
オリビア:「……帰っていい?」
ジェナス:「待ってくれえええっ!」
レイカ:「あーあ、有望な青少年を泣かすなんてかわいそーに」
ミック:「分かった分かった。封音機の説明すりゃあいいんだろ、すりゃあ――えーと、封音機というのはだな、ボトルに液化して封じ込めてある音を再生するための装置の事だ。本体にボトルを組み込んで、バルブを開けて音が機械内を循環するようにする。それからスイッチを入れればオーケーだ。なお、差し込んである最中にボトルは抜けないので注意するように」
シャーロット:「ふうん……」
ミック:「ボトルの中身を混ぜ合わせて出来る不協和音もなかなか乙なものだぞ。はっはっは」

…………。

ジェナス:「…………」
レイカ:「さ、あーゆーバカはほっといて帰りましょ」
オリビア:「はい……」
シャーロット:「え、ええ……」
ミック:「まだ遊び方はあるぞ!例えばボトルの中身を舐めて味見をするとか、ボトルに爆炎魔法を込めて空き地で爆発させるとか――」
ジェナス:「(……ろくな事やってないな)」

レイカ:「では、第2回に続くわね♪」


 第2回:旅行之章 



ミック:「第2回は旅行編だ。全3回で終わりらしいのは、やはり管理人の愛が足りないからであろう」
マーシャ:「違います。明らかにネット上のページ数の相違です」
イーフィー:「確かにそー思うの。いらすとれたーが違うだけでここまで数が少ないなんて」
アリアン:「私達の口調も、プレイ回数が少ないから間違ってるかもしれませんし……」
ミック:「おほん……。気を取り直して、君達は旅行で一番大切な物は何だと思うかね?」
アリアン:「移動手段でしょうか?」
マーシャ:「寝る所じゃないでしょうか?」
イーフィー:「ひまつぶし〜!」
ミック:「三番目の回答に異議はあるが、概ねそんな物だろう。そこで最初に登場する物は……飛行船だ!」
アリアン:「外見は概ね、海や川を行く船と変わりはありませんね。各都市間には定期便も飛んでいます」
ミック:「さて、飛行船はマナを使用して空を飛ぶ。その際に重要なのが飛行石だ」
マーシャ:「飛行石の結晶構造に、魔法剣に刻んであるようなオン――魔法文字が組み込んであるので、そこに注ぎ込めばいいんですよね」
ミック:「うむ。だが空中のマナは高度が上がるほど濃度が低下する。実際、空中を飛べる魔族も一定以上の高度を飛行する事は不可能だ」
イーフィー:「うん、それ知ってる」
アリアン&マーシャ:「……(何でそんなに魔族の事に詳しいの?)」
ミック:「しかしそれに反して、飛行船は高度を上げてもそれに比例して速度が落ちる事はない。確かジェネレーターが付いてるからマナを濃縮して使えるんだったと思うが、細かい事はど忘れした」
マーシャ:「……で、買うとまでは言いませんけど、借りるとしたら1日あたり何マインくらいするんでしょうね」
イーフィー:「新魔法モニターのバイト代とどっちが高いかな?」
マーシャ:「明らかに安いんじゃないですか、新魔法モニターの方が……」
ミック:「うむ。実は高いので持ち合わせがない。……アリアン、魔導探求会会長の命により適当な飛行船をルフタール王国に接収するのだ」
アリアン:「……は?」
ミック:「そしてレンタル料は国庫か、スタンリー王子のポケットマネーから払う。これで万事はめでたしめでたし」

…………。

アリアン&イーフィー:「…………」
マーシャ:「せんぱい、そーゆー事したら王子に『毒』の魔法を食らいますよ」
ミック:「安心しろ。その時はアリアンの実家が揉み消さざるを得ないように働き掛けてやる」
イーフィー:「……そーゆー狡猾なトコがデイル先輩と違うのね」
ミック:「はっはっはっ、誉めてくれたまえ♪」
スタンリー:「誰も誉めとらんっ!」
ミック:「おや、噂をすれば」
アリアン:「……どこから出て来られたんですか、スタンリー殿下?」
スタンリー:「さっきからずっと割り込む隙を狙っていたのだ。はっはっは」
アリアン:「…………」
ミック:「(平然として)では、次に宿泊施設から行こうではないか。……スタンリー殿下、確かあなたもおいでになられましたな」
スタンリー:「…………ま、まさか……」
ミック:「その通り! 1年目の夏合宿で訪れたコテージの利用券〜っ!」
スタンリー:「いらんわああああっ!」
ミック:「いや実はな、去年に魔術研究部員が悪霊に取り憑かれたおかげで更に名声が広まり、うち以外借りるような奇特な客が居なくなったのだ」
マーシャ:(それって普通、名声じゃなくて悪名とでも言いませんか?)
イーフィー:「とゆコトであたしはよく知らないけど、お腹の赤ちゃんの責任は取ってほしいって」
ミック:「しかも、怪談用に召喚した特殊効果担当の精霊付きだ。殿下も精霊魔術の専攻でしたらこのプレゼントを有難く受け取って……」
スタンリー:「断る!!

ミック:「……ふん、心の狭い奴」
アリアン:「いくらスタンリー殿下が心の広いお方でも、曰く付きの部屋にお泊りになられるのは嫌なのでは……」
イーフィー:「あたしは面白い方が好きだけど」
ミック:「……まあいいか。では最後に、旅行の無聊を慰めるのにふさわしいソケット君人形でも」
アリアン:「ソケット君……?」
ミック:「おや、アリアンは知らないようだな。マーシャとイーフィー、説明してやれ」
マーシャ:「マーシャは知ってますよ。ジェナスせんぱいのお部屋にある貯金箱を元にデザインされたキャラクターですよね」
イーフィー:「エルダムの街中でリューコーしてるから、チョーホしてるの」
アリアン:「なるほど、そうだったんですか」
ミック:「その通り。無論、マスケットでもランセットでもベルベットでもビスケットでもない。どうだ1つ、このソケット君型破壊兵器・試作品第1号のテストモニターを触媒屋で募集して――」
マーシャ:「いりません」
ミック:「がっくり……」
マーシャ:「そんな露骨に危険そうなもの、店頭に置いたらおばあちゃんが営業停止処分受けちゃいます……」

マーシャ:「では、第3話に移ります〜」


 第3回:対決之章 



ミック:「とうとう第3回、最終回だ」
ティカ:「そー言えば、管理人はあんまりアナメモに入れ込んでなかったな」
デュラン:「シャーロット&シャーリーシナリオが好みでないのと、大学4年であんまりプレイに熱中できないのがネックなんだろうな」
ジェナス:「確かにあのシャーロットシナリオ2年目前半の度重なる陰湿な苛めは俺だって……」
ミック:「はいはい。元気を出して最終回行くぞ」
ジェナス:「(……と言いつつ、密かに冷や汗流してません?)」

ミック:「第1問:魔族には魔法攻撃以外は無効である。○か×か?」
ティカ:「○だろ?」
ジェナス:「理論的には×ですが、実質的には○です」
ミック:「ほう、それは何でかね?」
ジェナス:「魔法攻撃以外でもダメージを与えられますが、そのような攻撃のダメージは即座に再生能力で打ち消されてしまうからです」
デュラン:「正解。……なんてやってるとまるで教師だな(^^;)」

ミック:「では、その対処手段と訓練法をレクチャー……してると時間がないので(笑)、今回は器具関連のみにしよう」
デュラン:「魔法には一般魔術、神聖魔術、精霊魔術、魔法剣とあるが、この中で道具が絶対必要なのは魔法剣――と魔法工学だ」
ミック:「……つまり、一般魔術や神聖魔術や精霊魔術でも、触媒としての道具が必要な場合があるわけだ」
デュラン:「補足してくれてありがとう」
ティカ:「魔法剣とは要するに、魔法語を素材に刻んで、魔力を注ぎ込むだけで魔法が発動するようにした技術だな」
ジェナス:「ちなみに俺の専門は一般魔術、ミック先輩は精霊魔術、ティカとデュラン先輩は魔法剣だ」
ミック:「子供の頃から魔法が使えたジェナスには魔力がストレートに攻撃力に反映するジェオネス、剣の達人のティカには素材自体が属性を帯びたサークギルダーが向いてるだろう」
デュラン:「なお、これらの分類については別のページにまとめてあるから参考にしてくれ」

ミック:「そして、訓練用には学院の備品の試験用魔族」
ジェナス:「……は?」
ティカ:「試験用……魔族?」
ミック:「その通り。魔族とほぼ同等の能力を持たせた訓練用の魔法生物だ」
ジェナス:「この世界に不慣れな異世界の視聴者のために聞きますけど、先輩……」
ミック:「ん?」
ジェナス:「どうして、訓練用の魔法生物に生徒の相手をさせるんですか?」
デュラン:「戦闘に不慣れな学院の生徒達を、いきなり本物の魔族相手に戦わせる訳には行かないだろ?」
ジェナス:「なるほど、だから試験の度にこういうのが……」
デュラン:「そうそう」
ティカ:「技量やコンディションが安定している戦闘相手だから、確かに試験に向いてるかもね」

ミック:「という訳で、行くぞジェナス!」
ジェナス:「え?今から戦うんですか?」
ミック:「その通り。勝たなければティカとの結婚は許さん」
ジェナス:「……いつからティカのお父さんになったんですか、先輩?」
ミック:「私は先輩でお前達は後輩。先輩と後輩といえば親子も同然。つまり私の意思は神の意志〜っ!」

…………。

デュラン:「…………」
ティカ:「……ミック先輩、斬りますよ」
ミック:「(聞いてない)ははははは、ティカとのEDが見たければこの試練を乗り越えるのだ!」
ジェナス:「くそーっ!こうなったらヤケだーっ!!」
ティカ:「オリビアEDだと音楽家の付き人になるのに、この場合だけそんなに肩肘張らなくても……」

そして数分後。

魔族:「炎の3連番!」
ジェナス:「それならこっちは光・闇・雷・力の4枚ペア!」
魔族:「シールド&自己再生!」
ジェナス:「ええい、毒で再生を打ち消してクリティカルで中身を貫いてやるっ!」
ティカ:「デュラン先輩。さっきより心持ち試験用魔族の行動が激しくなってません?」
デュラン:「まさかミック……」
ミック:「ちなみに天才の私にはリミッターを解除する事など朝飯前。はっはっはのは」
ティカ:「……先輩、リミッター再設定の方法は?」
ミック:「そんな物はない」
デュラン:「…………」
ミック:「なぜならこの私が天才だからだ!」

づぎゃっ!

ミック:「ぐはっ!」
ティカ:「天災の間違いでしょーが」
デュラン:「確かにな……」
ミック:「ま、まあジュエルドラゴンがあるから何とかなるだろう」
ティカ:「……確か先輩のジュエルドラゴン、単なる輸送用でしたよね」
ミック:「大丈夫だ。ジュエルドラゴンに空き缶をくくり付け、騒音で相手を撹乱すれば――」
ティカ:「そのせいで王宮広場の敷石が全面剥げて、予備費に手を付ける羽目になったんだけど……」
ミック:「ちょっと待てティカ! お前、退位したんじゃなかったのか?」
ティカ:「退位したって元女王は元女王だっ!!」
ミック:「……体位?」
ティカ:「…………(がちゃり)」

デュラン:「……この後に何があったかは、各自で想像してくれ(汗)」
魔族:「とゆー事で、このコーナーも終了と」
ジェナス:「いいんかおい……」


注意:このページの設定は、多少公式設定を無視しているかもしれませんのであんまり信用なさらないように(笑)。


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