GURPS moo Series Games
(2nd Edition)


第8章 モンスター


 moo系世界には様々なモンスターが存在しています。その例を少し記しましょう。「※」マークを名称の後に記したモンスターは魔力を帯びており、魔力を帯びない攻撃からは「突き飛ばし」しか受けません。どのような攻撃が魔力を帯びないのかは、特徴に関するデータの「魔法の素質」の扱いに関する記述を参照して下さい。
 この世界、特に「EM」「UQ」「PB」のモンスターは大きく見て、
・「動物・植物(通常の生物)」
・「魔獣(魔法的能力を持つ生物)」
・「霊的存在(精霊、精神体、アンデッド、悪魔、天使など)」
・「魔法構造物(魔法で動く存在。生物ではない)」
 に分けられますが、ヘザー(人であり魔獣でもある)やキラニア(動物であり魔獣でもある)に見られるようにしばしばその境界線はあいまいな物です。邪悪でなく知性を持つ魔獣や霊体は人権を認められている事もありますが、ごく一部の例外を除くと人(人間やエルフ、ライシアンなど)とはあまり付き合いがありません。それ以外のモンスターは社会的に保護される事も少なく、特に人間と敵対関係にある種族や売買目的で乱獲された種族の中には絶滅したものも存在します。
 モンスターの中には他のファンタジー世界と共通するものもありますが、そうでないものの方が多く見られます。特に〈大陸〉の南方南部には特殊なモンスターが数多く存在し、いつの時代にも人々の悩みの種であり続けました。それは文明の発達した「PB」の時代にも続いており、人間の魔法能力の減退と社会の複雑化により一層の問題となっています。

*攻撃手段に関して
 肉体に備わった手段で攻撃してくる場合、武器での「受け」に成功すればその部位にダメージを与えられるかもしれません。以下に扱いを記しておきます。
〈素手・素足〉
 人間の素手・素足に対するのと同様に、「受け」に使った武器の技能判定に成功すればダメージを与えられます。ただし〈空手〉〈柔道〉に類する技で攻撃してきた場合には技能判定に−4のペナルティを受けますし、硬かったり魔法で防護されたりといった理由で更にペナルティを受けたり判定その物が不可能だったりする事もあります。
〈鉤爪〉
 妖怪を作成する際に取得できる妖力の「鉤爪」と同じく、ダメージを与える事はできません。
〈鎌その他〉
 鉤爪と同様、妖力の「武器の手」と同じ物と見なされるので「受け」てもダメージを及ぼす事はできません。
〈触手〉
 人間の素手と同様に扱います。ただし戦闘系技能〈触手〉(肉体/並、技能無し値=敏捷力−3)を使用している相手には技能判定に−4のペナルティを受けます。
〈牙〉
 人間の素手と同様に扱い、口に生命力の半分(端数切り上げ)のダメージを受けると牙攻撃は不可能になります。
〈角〉
 角自体が硬いので、ダメージは及びません。しかしGMの判断次第で、技能判定に成功すると脳震盪を起こさせ、生命力判定に成功しない限り朦朧となる事にしても良いでしょう。
〈尻尾〉
 人間の素手と同様に扱い、尻尾に生命力の半分(端数切り上げ)のダメージを受けると尻尾攻撃は不可能になります。
〈それ以外の攻撃手段〉
 GMが判断して、その部位にダメージを与えられるかどうか決めて下さい。

*属性
 「EM」「UQ」「PB」では、全てのモンスターが属性を持ちます。通常は魔法の修得に際して影響を及ぼす程度ですが、しばしば弱点と密接に関わっていますので軽視はできません。


*動物・植物
 鼠から象までに至る様々な生物です。稀に魔法の影響を受けて高度な知能や特殊能力を備えますが、その場合魔獣との区別がはっきりしません。「ベーシック完訳版」に記されている動物もこの世界には生息していますが、ラクダやガラガラヘビのような乾燥地の生物はほとんど生息していません。ちなみにバジリスクやストリクスは存在しません。
 動物は知力が低いのが普通ですが、必ずしも感覚が鈍い訳ではありません。基本的に感覚の基準値は10として扱って下さい。聴覚や味覚・嗅覚は人間より鋭い動物が多く12〜14程度は普通ですが、鳥を除いては人間より視覚の弁別能力に優れた動物は多くないので注意するように(例えば犬の場合、ほとんど色を理解できず動かない物には鈍感です)。

スライム(EM) 属性:水
 森や洞窟に棲息するピンクのカップゼリー状の体長1m程度の生物で、明暗を感じる細胞の集中した「目のような物」と口のような食胞を持ちます。「人間を消化して食べる」という誤解がありますが主食は草や虫で、人間は大き過ぎて食べられません。人間に攻撃を行うのは単にスライムの方が怯えているからか、人間がスライムの生息域に入り込んだからです。
 スライムは戦闘の際に、体当たり以外に酸の唾を口(食胞)から吐いて攻撃を行います。
 体力10、敏捷力11、知力3、生命力11、移動力4、受動防御0/防護点0、よけ5
 体当たり(叩き/1D-2)、酸の唾(11、叩き/1D、射程1〜2)
 痛みを感じない、「切り」「刺し」のダメージボーナス無視、「叩き」のダメージ半減

オオグモ(UQ) 属性:火
 歩き回って餌を捕える蜘蛛の一種で、体長は1.5〜2m前後に及びます。特に大きな種類は「超クモ」と呼ばれ、最大で体力や生命力が15に達するそうです。ちなみにこの「超〜」という表現はエンフィールド一帯で好まれ、オーガーやグリフォン、ドラゴン、果ては丸いヤツやフサやヤマダッチにまで使われます。
 体力10、敏捷力12、知力4、生命力12/10、移動力6、受動防御1/防護点1、よけ6
 牙(12、叩き/1D)
 壁や天井を移動力半分で這い回る

小犬(UQ) 属性:火
 マーシャル武器店近くに住んでいる野良犬で、エルになついています。痩せた体格の割に力は強く、決して侮れる相手ではありません。
 体力12/15、敏捷力12、知力7、生命力12/8、移動力10、受動防御0/防護点0、よけ7
 牙(16、切り/1D-1)
 我慢強さ、戦闘即応、《怪力》を15レベルで使用可能

「所長」※(PB) 属性:火
 ブルーフェザー事務所に昔から住んでいる犬です。……実際は犬ではなく、昔のメンバーが事務所に残して行った「犬のような何か」なのですが。
 体力16、敏捷力14、知力7、生命力14/24、移動力10、受動防御1/防護点1、よけ7
 牙(14、切り/1D)
 我慢強さ、精神に干渉する呪文が無効で試みると反動で修正−5の恐怖判定、炎や熱によるダメージは防護点を適用する前に半減

キラニア※(PB) 属性:水
 〈大陸〉南方南部のプレーステール海に棲息している魚で、倍速攻撃を行う特殊能力を持ち魔物扱いされています。水妖はこれを飼い馴らす事がありますが、気性が荒く〈動物使役〉に−4のペナルティを受けます。
 体力10、敏捷力18、知力4、生命力10/7、移動力9(実質18)、受動防御1/防護点1、よけ10
 牙(18、切り/1D-1)
 戦闘即応、倍速能力(《倍速》と同様にみなす。瞬間で発動しエネルギー消費5点、10ターンで切れ自動的に肉体的な朦朧状態に)

牛(PB) 属性:火
 この世界の牛は、比較的気性が荒く攻撃的です。このデータの牛は〈大陸〉南方種の肉牛で、肉の質の良さと獰猛さで知られています。
 体力60、敏捷力13、知力4、生命力15、移動力8、受動防御1/防護点1、よけ6
 角(13、切り/2D)、踏み付け(13、叩き/2D(走り抜けるとダメージ半分)、大振りにならない)
 バーサーク(意思判定の基準値10)

蚊(EM) 属性:風
 もはや言う必要もない害虫ですが、暑い所の密林では蚊柱になって集団で血を漁る事が時折あります。熱帯だけでなく寒帯でも、稀に暖かくなるとやはり蚊柱が大量発生します。
 蚊の群れは人間やその他の動物(哺乳類のみ)と同じヘクスに入り込み、血を吸います。この際人間サイズの動物はいくら血を吸われてもダメージは受けないのですが、妖精のような小さな生物は最初のターンに1点ダメージを、鎧などの防護点を無視して受けてしまいます! 蚊に血を吸われた後、犠牲者は「生命力−たかられたターン数」を目標値として判定をして下さい。失敗すると刺された跡が痒くなって1時間の間敏捷力が−1されます。ファンブルすると敏捷力が−1された上に1点ダメージを受けます。ヴァンパイアとヴァンパイア・ハーフは、血が好まれないのか蚊には刺される事がありません。
 蚊柱は平均数百匹で移動力は4、15点のダメージで散らす事ができます。

眠り蝶(EM) 属性:火
 鱗粉に毒を含む危険な大型の蝶で、森の中の木陰に群れて飛んでいる事があります。鱗粉を吸うと(1ヘクス以内に群れが入り込むと)生命力判定を行わねばならず、失敗すると1D秒後に眠ってしまいます(毒による眠りは1時間続き、その後普通の眠りに移行します)。とっさに息を止めるには知力判定(「戦闘即応」があると+2)が必要ですが、それでも最初のターンは生命力+3判定をして下さい。眠り蝶の群れは平均15〜20匹で移動力は5、10点のダメージを与えると散らす事ができます。
 眠り蝶自体は外敵に反応して鱗粉を撒くだけなので、迂回して通れば何も起こりません。

一角獣(UQ) 属性:水
 額に角を生やした犬のような生き物で、「UQ1」公式コミックファンブックではマリアの魔法でエルそっくり(通称エス・ルイス)に変身させられました。
 データは狼と同様になりますが、知力は平均でも6点になります。

大顎月光魚(UQ) 属性:水
 発光器官を持つ魚である夜光魚(別名月光魚)の体長1mにも及ぶ大型の亜種で、ローズレイクの中央にあるマリオン島周辺にのみ生息しています。群れで行動する上にかなり獰猛な性格をしており、大きさの割に力も強いためボート程度なら簡単にひっくり返してしまうでしょう。このためマリオン島には大型船で渡るしかなく、「大顎月光魚は渡島許可料目当ての役所が魔法で作り出した」という噂が流れていますが真偽は定かではありません。
 余談ながら実は美味なのですが、〈大陸〉南方では夜光魚を食用にしないため北方出身のフォスター家しかその事実を知りません。
 体力10、敏捷力12、知力3、生命力12、移動力6、受動防御2/防護点2、よけ6
 牙(12、切り/1D)
 顎や頭突きに限り体力を13と見なす、2点分の《持続光》と同じ強さで周囲を照らす、集中・技能判定不要で《閃光》と同じ効果の光を放つがそれから1時間の間光れなくなる

化けガラス(UQ) 属性:風
 〈大陸〉各地の街や森に分布する大型で獰猛なカラスです。データは「ベーシック完訳版」P182サイドバーにある鷹のデータを参照して下さい(ただし、知力は5です)。急降下を仕掛ける事はありませんが、代わりに暗い所でも視界がある程度利きます。

南方猿(UQ) 属性:風
 〈大陸〉南方に生息する一般的な猿は、小柄な人間程度の体格と類人猿並の知能を持っています。戦闘に際しても比較的賢い行動を取る事が可能で、舐めて掛かると痛い目にあうかもしれません。あまり従順な性格ではありませんが、器用なため富豪のペットやサーカスの曲芸用として飼われる事もあります。
 ちなみにもっと小さな猿や大きな猿、「ベーシック完訳版」P180サイドバーにあるチンパンジーやゴリラもこの世界には存在しています。
 体力11、敏捷力14、知力6、生命力12、移動力7、受動防御0/防護点0、よけ7、受け7(棒)
 棒(14、叩き/1D+2)、パンチ(14、叩き/1D-1)、稀にナイフ投げ(14、刺し/1D-1)

野犬(UQ) 属性:火
 現世の野犬より遥かに獰猛で体格も大きな動物で、この世界の犬の原種と類縁関係にあります。狼のデータを流用して下さい。

サーペント(EM) 属性:水
 湖や浅い海に生息する長さ5m前後の大水蛇です。水上へのジャンプ力も非常に強く、樹上の動物や船上の人間を水面から跳ねながら牙で引き裂こうとする事もしばしばです。ちなみにこれは食用にもなり、特に蒲焼にすると絶品だそうです。
 体力20、敏捷力13、知力5、生命力14/19、移動力3/9(水中)、受動防御1/防護点2、よけ7
 牙(13、切り/2D-1)、水噴射(13、エネルギー消費3点の《水噴射》相当、集中不要だが1点疲労)
 戦闘即応、水上攻撃(高さ3m、幅6mのジャンプをしながら、進路上に存在する対象1体に通常通りの攻撃が可能)

吸血コウモリ(EM) 属性:風
 家畜や魔物、人間の血を吸うコウモリで、しばしば(魔物の)吸血鬼に召喚されます。現世のチスイコウモリとは違い、血を吸っても軽快に飛び回ります。「ベーシック完訳版」P183のコウモリのデータに準じますが、血を吸い疲労ダメージを与える事も可能です。

狐/狸(UQ) 属性:風
 この世界の狐や狸の中には、幻覚や精神操作を用いる個体が突然変異で現れます。「ベーシック完訳版」の犬(中型犬)のデータを用いて、知力8として作成して下さい。魔法を使う狐や狸は、主に幻覚・作成系(全て)や精神操作系(難易度「難」で必要素質1レベルまで)、稀に光/闇系(全て)や風霊系(全て)を12〜15レベルで行使します。《霊気感知》を掛けると、普通の動物とは明らかに違うオーラを発しています。


*魔獣
 魔法の関わる生物で、多かれ少なかれ知能を備えている事が一般的です(人間に理解できる思考形態とは限りませんが……)。〈大陸〉では、北へ行くほど種類が少なく個体は多く、南へ行くほど種類が多く個体が少なくなります。「PB」でいきなり魔獣を出す必要がある場合、「パワーアップ」P109・110のランダム虚獣作成チャートを能力値やデータごとに振って能力を決定して下さい。周囲に結界を張り巡らせる力はありませんが、通常は属性による効果(ダメージは対立属性は1.5倍、同じ属性は半分)を受け、魔力は普通に周囲から引き出すために呪文の技能レベルは−5します。耐えうるダメージ限界は様々です。
「魔法の武器」には「魔法の素質」の持ち主が持つ銃器以外の武器も含みます。

犬型魔法生物※(UQ) 属性:様々
 小柄な犬に似ていますが人語を解する魔法生物で、アリサの夫が拾ってきたテディはアリサの盲導犬代わりになっています。主人に忠実になるように調整されていますが自我が弱く、周囲に流されがちなのが欠点です。「臆病」なので戦闘には向きませんが、魔物との通訳代わりに使えるでしょう。
 体力9、敏捷力15、知力12、生命力12/10、移動力8、受動防御1/防護点1、よけ7
 牙(15、切り/1D-2)、爪(15、切り/1D-1)
 魔法のみかん箱に乗って移動可能(移動力8(浮遊))、感情察知、自主性が無い、動物や魔獣の言語を理解可能

ミッキー君(UQ) 属性:水
 秘密結社が作成した合成魔獣3号です。フサの子供の脳を使用したため非常に素直な性格をしていますが、その戦闘能力は驚異の一言に尽きます。
 体力20、敏捷力16、知力14、生命力16/32、移動力8、受動防御3/防護点4、よけ8、受け8(素手10)
 パンチ(16、叩き/2D-1)、キック(14、叩き/2D+1)、丸太(16、叩き/3D+6)
 我慢強さ、魔法の素質3レベル、任意の戦闘用呪文を15レベルで所持

合成魔獣2号(UQ) 属性:火
 ミッキー君のプロトタイプですが、作成の際に精神的平衡を失い狂暴化しています。体力はともかく、俊敏性や知性ではミッキー君に遠く及びません。
 体力18、敏捷力12、知力10、生命力13/26、移動力6、受動防御2/防護点3、よけ6、受け6(素手8)
 パンチ(12、叩き/1D+2)、キック(10、叩き/1D+4)、丸太(12、叩き/3D+4)
 我慢強さ、バーサーク、《韋駄天》《小治癒》を12レベルで所持

フサ(UQ) 属性:風
 全身を毛に覆われた小柄な種族で、魔獣の中でも特に高度な知能を備えています。詳しくは「追加種族」を参照して下さい。
 体力8、敏捷力12、知力14、生命力9/7、移動力5、受動防御0/防護点1、よけ6
 素手(12、叩き/1D-3)、通常は魔法で攻撃
 魔法の素質1レベル、精霊系や光/闇系、動物系などを13レベルで所持
 毛が空気を濾過して気体の毒に対する抵抗に+6
(不良フサ)
 体力8/12、敏捷力12、知力16、生命力9/7、移動力5、受動防御0/防護点1、よけ6
 素手(12、叩き/1D-3)、通常は魔法で攻撃
 魔法の素質3レベル、精霊系や光/闇系、動物系に加え、肉体操作系や精神操作系、移動系なども17レベル以上で所持
 毛が空気を濾過して気体の毒に対する抵抗に+6

小鬼※(UQ) 属性:様々
 身長1m程度の人間型種族で、非常に多くの亜種に分かれます。詳しくは「追加種族」を参照して下さい。
 体力8、敏捷力13、知力12、生命力10、移動力6、受動防御1/防護点1、よけ6
 短剣(14、切り/1D-2)
 魔法の素質2レベル、精霊系や幻覚・作成系、物体操作系を中心に12レベルで所持、その他姿隠しや鉱脈感知、幸運分与など様々な能力

ワー・スパイダー(UQ) 属性:様々
 体長2m程の蜘蛛の姿に変身する人間型種族です。詳しくは「追加種族」を参照して下さい。

オオカミ(EM) 属性:火
 薄青や白の毛皮と赤い目を持つ、狼が直立歩行をしたようなモンスターです。子供並の知性は存在しており会話も可能ですが、魔法を使う事はありません。もっとも狂暴な割にいざという時に気の弱い種族ですので、力押しや言いくるめも行いやすいでしょう。
 体力12、敏捷力14、知力8、生命力11、移動力6、受動防御2/防護点2、よけ6、受け9
 鉤爪(14、叩き/1D+2)、牙(14、切り/1D)
 特殊能力無し

オーガー(EM/UQ) 属性:様々
 魔物としてポピュラーな人間型モンスターです。何種類か亜種が存在し、それぞれ能力が違います。詳しくは「追加種族」を参照して下さい。
(ホーン・オーガー)
 体力14、敏捷力12、知力8、生命力12、移動力6、受動防御1/防護点2、よけ6、受け6〜7(棍棒)・8〜9(格闘)
 棍棒(12〜14、叩き/2D+1)、角(12〜14、刺し/1D+1)
 我慢強さ、バーサーク
(大陸オーガー)
 体力12、敏捷力13、知力12、生命力11、移動力6、受動防御2/防護点3、よけ6、受け8〜9
 棍棒(13〜14、叩き/1D+3)、呪文射撃ないし呪文噴射(14、ダメージは呪文の種類による)
 魔法の素質2レベル、精霊系魔法を12レベルで所持

ゴブリン(UQ) 属性:火
 醜い外見をした人間型の種族です。肉体的には人間と遜色はありませんが、知能は大半のオーガーより劣りますし、魔法の使える個体もほとんど存在しません。装備も毛皮と棍棒がせいぜいです。性格は臆病なのですが、意外に興奮しやすく注意が必要です。
 体力11、敏捷力12、知力9、生命力10、移動力5、受動防御1/防護点1、よけ5、受け6
 棍棒(12、叩き/1D+2)
 特になし

マランゼ※(UQ) 属性:火
 土色のぬめる肌と茶色の甲殻に赤い目、それに乱杭歯を持つ人間型の怪物で、主に湿り気の多い洞窟に生息しています。マランゼは食物を得るために《体変え》〈演技〉を使用して人間の中に紛れ込もうとする事がありますが、乾燥に弱いために住処を離れて長時間行動する事はありません。特に塩には弱く、1リットル浴びる毎にHPに1D点のダメージを受け、敏捷力と知力にも−4修正を受けてしまいます。
 マランゼはナメクジから進化した軟体動物であり、脳や重要器官を狙う際には〈手術〉か〈生化学〉の判定に成功しないといけません。
 体力15、敏捷力14、知力13、生命力13/18、移動力7、受動防御3/防護点3、よけ7、受け9
 棍棒(14、叩き/2D+2)
 粘る液(動物捕獲用ネットと同じ扱い、技能レベルは敏捷力と同じ、4点疲労かHPダメージ)
 肉体操作系・精霊系魔法を13レベルで使用
 変身能力(自動的に成功する《体変え》、エネルギーが4・3)、〈演技〉を13レベルで所持
 弾力があり、「叩き」ダメージは防護点を引く前に半減
 乾燥に弱い(1日湿り気を受けないと1時間毎にHPに1点のダメージ)

ハーピー※(UQ) 属性:水
 やや青みがかった人間の女性に鳥の翼を手の代わりに付け、下半身を羽毛(と尾羽)で覆ったような姿をした魔獣です。脚に鉤爪を生やしており、これを使って飛びながら敵を引っ掻いて攻撃します。ちなみに両性具有です。
 そこそこ知能が高く魔法も使いますが、喉の構造が違うため「クエックエッ」としか声を出せずコミュニケーションを取る事は不可能です。他の種族には攻撃的ですが、少しでも情勢が悪いと逃げ出すような意気地の無い所も持ち合わせています。
 体力10、敏捷力14、知力10、生命力11/9、移動力5(空中12)、受動防御2/防護点1、よけ6(地上)・7(空中)
 鉤爪(14、切り/1D)
 戦闘即応、精霊系魔法を12レベルで所持

森林小人(EM) 属性:地
 森に住む小さな(人間の半分程度)人型種族です。異種族を嫌っていますが、プレゼントが大好きなのでどうしても領域に立ち入る場合には物で機嫌を取りましょう(笑)。
 体力7、敏捷力13、知力12、生命力9/7、移動力4、受動防御1、防護点1、よけ4、受け6
 ナイフ(13、刺し/1D-3)、ショートボウ(刺し/1D-3)、呪文射撃ないし呪文噴射(15、ダメージは呪文による)
 一部の個体は精霊系魔法を12〜13レベルで所持、狭量、強欲

戦闘用使い魔(UQ) 属性:地
 邪術師ムーグが邪術で作り上げた戦闘用の使い魔、ワルドルフのデータです。本来のグロテスクな姿を隠してムーグの手足として働いていましたが、最後には主人を裏切ってトドメを刺しました。
 なおこの世界の広義の「使い魔」とは、魔法的な手段により魔法能力者に従属している生物全てを指します。
 体力16、敏捷力14、知力10、生命力12、移動力7、受動防御2/防護点2、よけ7、受け9
 鉤爪(14、切り/2D+2)か牙(14、刺し/1D+3)
 変身能力、呪文遅発能力(《遅発》された呪文を必要エネルギー合計が「体力」点に達するまで保持できる、技能レベルは主人の物を使用)、痛みを感じない

ガーゴイル※(UQ) 属性:火
 蝙蝠に似た翼と紫色の体皮を持つ魔物です。山や洞窟に主に生息していますが、強力な魔法の波動を好むため、遺跡の奥深くに群れている事が時折あります。この習性にちなんで遺跡の見張り番の「ガーゴイル」が作られたのですが、そちらはどことなくユーモラスな雰囲気さえ漂わせた本物と違っていかにも恐ろしげな外見をしています。
 体力15、敏捷力14、知力12、生命力12/18、移動力7/14(飛行)、受動防御2/防護点2、よけ7、受け9
 鉤爪(14、叩き/1D+4)、呪文射撃ないし呪文噴射(16、ダメージは呪文による)
 精霊系・肉体操作系・防御・警戒系魔法を12レベルで所持

グリフォン※(UQ/PB) 属性:水
 鷲に似た頭と前足と翼、獅子に似た後半身を持つ魔物です。主に高山に生息し、動物を狩って暮らしています。かつて牧畜民に徹底的に狩り出された事があるため、〈大陸〉では南方・北方境界線付近と南方の多々良島でしか生息が確認されていません。
 体力18、敏捷力13、知力11、生命力12/15、移動力7/14(飛行)、受動防御2/防護点2、よけ7
 鉤爪(13、叩き/1D+4)、呪文射撃ないし呪文噴射(16、ダメージは呪文による)
 精霊系魔法を12レベルで所持

でーもん※(UQ) 属性:風
 自称「Q極の魔物」です。外見は緑色のガーゴイルですが、常に支離滅裂な雰囲気を漂わせています(どんな雰囲気かは聞かないで下さい(笑))。
 どうやらどこかの魔術師が異世界から召喚したらしく、今までにはエンフィールドでショート家の令嬢が発見した1体しか目撃が報告されていません。
 体力12/18、敏捷力12、知力16、生命力10/15、移動力6/12(飛行)、受動防御2/防護点2、よけ6、受け8
 鉤爪(12、叩き/1D+4)、呪文射撃ないし呪文噴射(14、ダメージは呪文による)
 精霊系・移動系・音声系魔法を18レベルで所持

護身獣※(UQ) 属性:風
 魔術師が護身用に作り上げる魔獣の一種で、普段は魔法陣に封じられて魔術師によって実体化して戦います。その姿は様々ですが、ここではリオの狼型護身獣、ビーティのデータを記しておきましょう。「百鬼」の[しもべ]相当と見なす事が可能で、術者本人を出入りできる[よりどころ]として扱いますが、PCが使用するには「特殊な背景/妖力使い」に10CP以上が必要です。
 体力20、敏捷力14、知力7、生命力12、移動力7(14)、受動防御2/防護点2、よけ8
 鉤爪(14、叩き/2D+1)、牙(14、切り/2D-1)
 我慢強さ、戦闘即応、闇視、透明看破、透明化能力(《透明》21レベル、「動物共感」「魔法の素質」を併せ持つ相手には無効)、病気無効、毒無効

Ω555(UQ) 属性:水
 エンフィールドにあるアメージング・バレーの遺跡で発見された、濃いピンクの蟹に似ている魔物です。調査に赴いたジョートショップの一同の前で転倒してそのまま死んでしまったために研究は進んでいないのですが(笑)、遺跡で発見された書類などからここで作り出された生物と見られています。身体の構造に不自然な点も見られ、作成に関する技術もこの世界の物と明らかに違うので「遺跡ごと異世界からやって来た」という説もありますが、書類が大陸語に類似の言語で記されていたため反対意見も出ています。
 体力18、敏捷力10、知力3、生命力9、移動力4、受動防御4/防護点6、よけ4
 ハサミ(10、叩き/3D)、溶解液(10、叩き/3D+3、射程3ヘクス、「受け」不可)
 痛覚過多、頭部が衝撃に弱い(頭狙いの攻撃(−5修正)に対しては受動防御0、防護点1。頭蓋骨の防護点は、そもそも頭蓋骨が無いため含まれない)

ドラゴン※(EM/UQ) 属性:様々
 強力な魔獣で、やや華奢ながら全長数メートルに及ぶ蜥蜴と鰐と鳥を足したような体は全面が緑や茶色の鱗に包まれ、背中の蝙蝠のような皮膜を持つ翼で空を飛びます。足には鉤爪を生やしていますが、一般のファンタジーとは違ってあまり鋭くありませんし、特殊な亜種でもない限り炎を吐いたりはできません。知性は高いものの、その行動は大抵本能的です。食事は雑食で、かなりの悪食で何でも食べます。
 体力50、敏捷力14、知力14、生命力15/30、移動力7/21(飛行)、受動防御4/防護点4、よけ7
 牙(14、切り/2D+2)か爪×2(14、叩き/4D+2)のどれか
 我慢強さ、魔法の素質3レベル、精霊系を中心に15レベルで呪文を所持
 かんしゃく、直情、自信過剰、名誉重視/戦士の名誉、義務感/自然など

ファイヤードラゴン※(UQ) 属性:火
 〈大陸〉南方北部に生息するドラゴンの亜種で、普通のドラゴンとデータは同じですが炎を吐く事が可能です(炎の息は技能レベル17、叩き/4D、《爆裂火球》扱いだが集中は不要、疲労4点です)。《火炎武器》で牙と爪に火を帯びる事も可能であり、その他の呪文も火霊系を中心に使用します。火のダメージも受け付けませんが、水や氷のダメージは防護点を引く前に2倍にされ、普通はダメージを受けない《水噴射》からもエネルギー1点あたり1D点のダメージを受けてしまいます。

邪竜※(UQ) 属性:様々
 ドラゴンでも最強の能力と邪悪な魂を併せ持つ最悪の怪物です。通常のドラゴンを遥かに凌駕する種族でしたが、遥か過去(「UQ」の700〜800年前)に英雄達に滅ぼされ、今は見る事が出来ません。
 体力70、敏捷力14、知力17、生命力15/80、移動力6/24(飛行)、受動防御4/防護点7、よけ6
 牙(14、切り/3D+3)か爪×2(14、叩き/5D+1)か炎の息(17、叩き/5D、《爆裂火球》扱いだが集中は不要、疲労5点)のどれか
 我慢強さ、魔法の素質3レベル、精霊系・死霊系を中心に18レベルで呪文を所持、急所(武器攻撃の修正−12、受動防御0/防護点1)に1点以上ダメージを受けると即死
 強欲、残忍、サディスト、嫉妬、高慢、熱狂/自分自身、その他諸々

トリアケラス※(PB) 属性:火
 肩から角状の突起を生やした、人型の魔物です。山に居住する魔物の中では平均レベルの強さですが、やはり魔法能力の無い者には手出しも出来ません。
 体力17、敏捷力14、知力11、生命力13、移動力7、受動防御2/防護点3、よけ7
 パンチ(14、叩き/1D+2)、全力パンチ(14、叩き/3D-1、能動防御に+2)
 我慢強さ

シンカー※(PB) 属性:地
 一言で言うと「鎌ゴキブリ」といった感じの魔物です。光り物を好み地中透過能力を使って金物やガラスを盗む事がありますが、水を嫌うため川や海には近付きません。実際に水とは極度に相性が悪く、もし水中に落ちればほんの数秒で泥になって死んでしまうでしょう。
 体力16、敏捷力15、知力13、生命力15/30、移動力7、受動防御3/防護点2、よけ7
 鎌(15、叩き/2D+2)、呪文射撃/球体(17、ダメージは呪文による)
 我慢強さ、地中透過(石も可能、身体か地面が油に包まれると使えない)、《石弾》《砂噴射》《粉砕》などを15レベルで使用、地霊系呪文のダメージを受けない(《肉を石》《埋葬》無効)、《脱水》を除く水霊系呪文は防護点を引く前にダメージ2倍、《水作成》の霧に包まれると1D点ダメージ(「よけ」で隣接ヘクスに出て回避できるが受動防御無効、《聖水》だと2D点)、水中に落ちると1ターン毎に3D点ダメージ(防護点無視)、恐怖症/水(重度)を持つ

カンティーダ※(PB) 属性:火
 人間の倍はある直立した体、赤い剛毛、節くれだった手足に鉤爪、吊り上がった赤い目、耳まで裂けた口に鋭い牙、額にねじれた1本の角を持つ魔物です。古い工芸品に取り憑く能力を持っており、港から港へ、船から船へと渡り歩いて凶行を働くタチの悪い性質を持つため、本来の生息地である別の大陸から上陸した事がシープクレストでは記録されています。戦闘時には火炎の魔力と瞬間転移能力を活用して暴れ回ります。
 体力20、敏捷力15、知力17、生命力15/40、移動力7、受動防御3/防護点3、よけ7、受け10
 鉤爪(15、切り/3D+2、刺し/2D-1)、魔法の息(17、ダメージは呪文による)
 我慢強さ、《火球》《爆裂火球》《消火》《防火》《聖火》《幻炎》を除く火霊系呪文を18レベルで、《瞬間移動》を21レベルで使用可能、炎のダメージ半減、水や氷のダメージ2倍(共に防護点を引く前に計算)、角(命中修正−5、HP5)を折られると魔法が使用不可・体力−5(鉤爪ダメージが「切り/2D+1、刺し/1D+1」に)
 古い工芸品(最低でも製作から100年以上。大きさは最低でも20cm立方以上)に取り憑く(1分集中でエネルギー不要、魔法や生命・霊気を感知する魔法に引っ掛かる、工芸品が破壊されると3D点のダメージを防護点無視で受け朦朧状態で出現)

クロベエ※(PB) 属性:地
 暗い所が好きな、直径1mほどの黒い金平糖型の魔物です。片言の言葉を話せ、臆病ですが住処を荒らされると狂暴化して襲って来ます。
 体力13、敏捷力14、知力10、生命力11、移動力7(飛行)、受動防御3/防護点4、よけ7
 体当たり(叩き/1D+2)、呪文射撃(15、ダメージは呪文による)
 防御/警戒系、光/闇系(闇関係のみ)、《肉を石》《火山》などを除く地霊系の呪文(《転倒》《まきびし》を含む)を12レベルで使用、暗視
 光に弱く《光条》《閃光》への抵抗に必ず失敗

グリフレンツ※(PB) 属性:風
 闇鍋が大好物の、ピンク色ののっぺりした感じの魔物です。データは平均的に闇鍋を与えて育成させた個体の物です。
 体力18、敏捷力13、知力12、生命力13/23、移動力6、受動防御3/防護点3、よけ6、受け8
 腕(13、叩き/3D)×2、呪文射撃(17、ダメージは呪文による)
 我慢強さ、魔法の素質2レベル
 風霊系魔法を12レベルで、《電光》《爆裂電光》(《爆裂火球》とエネルギー消費や使い方は同じ)《風刃》(「ルナル」のルドラの特殊攻撃と同様。「SKA」の呪文と同様でも良い)《くすぐり》《くすぐりの矢》を15レベルで使用可能
 風霊系魔法のダメージ半減(防護点を引く前に計算)、《電撃武器》の追加ダメージを受けない、地霊系魔法のダメージが1.5倍(同上)

ウーア※(PB) 属性:水
 〈大陸〉南方南部のプレーステール海に棲息する大型の首長竜で、つやつやした青緑の表皮を持っています。大人しい生物ですが他聞に漏れず、子供のいる母親は気が立っており危険です。
 体力80、敏捷力12、知力10、生命力15/60、移動力6、受動防御2/防護点2、よけ6
 噛み付き(12、叩き/4D)、尻尾(自動命中、叩き/2D&跳ね飛ばし(ダメージ2倍換算))
 特殊能力無し

召還魔獣2号※(PB) 属性:風
 魔法動力プロセッサの作り出した魔法陣により「召還」された魔獣の中で、最強の部類に属するものです。まともな手段では勝てないでしょうから、弱点を突いて戦って下さい。
 この魔物は超太古には同じ世界に生息していたものが何らかの理由により異次元に移住した存在であるため、「召喚」ではなく「召還」をされます。
 体力30、敏捷力15、知力15、生命力20/100、移動力5、受動防御4/防護点7、よけ5
 触手×2(15、叩き/4D)、呪文射撃ないし呪文噴射(17、ダメージは呪文の種類による)
 我慢強さ、魔法の素質2レベル、鋭敏感覚3レベル、意思の強さ3レベル、眠らない
 全ての風霊系魔法を15レベルで、《爆風球》(効果範囲やエネルギー、ダメージは《爆裂火球》と同様。抜撃13、正確さ+1、半致傷20、最大射程60)を21レベルで使用可能
 風霊系魔法はダメージや転倒など無効
 火霊系魔法のダメージが倍増(防護点を引く前に2倍)、受動防御・防護点はいかなる手段を取ろうと無効
 《発火》《火炎》《聖火》でダメージ(抵抗不可、防護点無視)・ダメージは《発火》が(基本エネルギー)D点、《火炎》が2D点、《聖火》が4D点
 《火炎武器》《火矢》の掛かった武器は魔法の追加ダメージが4点・攻撃自体に対しても受動防御・防護点無効
 眉間(修正-6)に防護点がなく、「突き」攻撃や射撃呪文で脳を貫通可能

フェンリル※(PB) 属性:水
 巨大な狼の姿をした魔獣です。水、特に氷と縁が深いらしく、更に強力な毒まで持っています。
 体力24、敏捷力14、知力13、生命力14/19、移動力7、受動防御2/防護点3、よけ7
 牙(14、切り/2D+4、強力な毒を持つ)、冷気の息(16、自動成功する《火吹き》と同様に扱うがダメージは冷気)
 《冷凍》《凍傷》《氷面》を21レベルで使用、牙に毒(生命力−6で抵抗、失敗すると1Dターン後に麻痺して死ぬまで1時間毎に1D点ダメージ(生命力判定に成功すればダメージ0、クリティカルすれば復活)、レンカの花を使えば毒から1D秒で回復し、以後フェンリルの毒が効かなくなる)
 《脱水》《間欠泉》以外の水霊系魔法のダメージを受けない、《脱水》《間欠泉》や火霊系魔法のダメージ2倍、気温が氷点下でないと陸シャチ(「ルナル完全版」)と同じく朦朧とする

変身魔獣※(PB) 属性:火
 大きな舌を持つどことなく間の抜けた雰囲気の魔獣ですが、実は舐めた相手の能力や行動パターンを完全にコピーするという恐ろしい能力を持っています。邪悪な種族ではないのですが享楽的で怠惰ですので、ほっとくと町中で騒動を巻き起こします。しかし悪知恵で墓穴を掘るタイプでもあり、策が裏目に出て正体をばらす事もあります。戦わざるを得なくなった時には変身した相手の全能力を発揮しますが、欲を出して多重変身を行い自滅するケースも多いでしょう(笑)。
 なお、能力の記憶は1週間〜10日が限度です。
(変身前)
 体力12、敏捷力16、知力12、生命力15/25、移動力8、受動防御2/防護点4、よけ8
 パンチ(16、叩き/1D-1)、舌(16、受動防御無視、ダメージ無し)
 舐めた相手そっくりに変身して相手の能力全てを使う(嗅覚判定に成功すると異常に気付く)、能力は部分発揮可能だが体力・敏捷力・生命力は変身した部位にしか適用されず、知力を発揮したい場合は頭、魔法能力を使う場合は頭か胴を変えなくてはいけない、移動力と荷重は脚のデータ元と同じ、変更する際の部位は頭・胴体・右腕・左腕・両脚のみ
(頭をルシード、右腕をバーシア、左腕をルーティ、胴体をフローネ、両脚をシェールに変身後)
 体力10/右腕11/左腕9/脚11、敏捷力12/頭14/右腕14/左腕14/脚14、知力14(魔法関係は16)、生命力9/頭11/右腕12/左腕10/脚11
 移動力7、受動防御2(銃弾には3)/防護点2(銃弾には4)、よけ8、受け9(槍)/8(ハンマー)
 高品質の槍(16、刺し/1D+2)、《高速準備》付きハンマー(14、叩き/1D)
 魔法の素質3レベル、我慢強さ、戦闘即応、暗視、意思の強さ2レベル
 ルシードとバーシアとフローネとルーティの使用可能な呪文を全て17レベル、武器攻撃2回と同時に使用が可能
 部位の負傷はダメージ蓄積を別々に計算し、頭と胴体のどちらかが気絶したら全体が気絶する(両方気絶判定が必要な段階でも、生命力判定は低い方に合わせて1回だけ)

マモンガー※(PB) 属性:地
 姿や大きさがモモンガに似ている魔獣で、脚の間の皮膜で滑空を行います。魔法能力者や他の魔獣、魔法の品物の放つ魔力を餌としており、そのために害獣指定を受けています。そのため重要設備の魔法動力プロセッサには、マモンガーが嫌がるような波動を《動物召喚》の逆呪文により放つ魔化を施してある事があります。
 マモンガーは魔力を食らう他には攻撃能力を持ちませんが、危機に陥ると溜め込んだ魔力を一気に放ってダメージを与えます。
 体力6、敏捷力14、知力6、生命力11/8、移動力10(滑空)/5(地上)、受動防御0/防護点0、よけ7
 牙(14、切り/1D-3)
 「魔法の素質」を持つ人間や魔獣、精霊、悪魔などの魔法的存在から魔力を吸い取る。同一ヘクスでのみ働く技能レベル16の《酩酊》として扱う。
 同一ヘクスにある魔法の品物の魔力を吸い取る。一時的に付与されたエネルギー1000未満の呪文は1分毎に、及び永久的に魔化されたエネルギー1000未満の呪文は10分毎にレベルが1ずつ低下して、パワーレベルが6になると消滅する。減少しただけならパワーレベルは同じ時間を掛けて自然回復する。生物に掛けられた魔法は吸収できない。
 魔力放出でダメージを与える。空腹状態でない限り使用可能。4m先まで届き、技能レベル16で命中判定を行う(部位狙いは不可。「受け」は無効)。ダメージは叩き/3D+3。使用すると空腹状態になる。

ロゴス※(PB) 属性:火
 人間とあまり変わらない姿の魔物ですが、腕と舌が妙に長いのが特徴で、人間離れした怪力と火霊系呪文を扱う能力を持ちます。舌を見ずに正体を見抜くには〈生理学〉−2か〈神秘学〉−8判定に成功しなくてはなりませんが、ロゴスは人間並みの知能と狡猾さを持つため、そう易々と感付かせたりはしないでしょう。人間社会で犯罪者として暮らしている事もありますが、種族として人間を嫌っているわけではありません。なお好物が生肉とはいえ、人肉にまで手を出しているわけではないようです。
 体力20、敏捷力15、知力13、生命力13、移動力7、受動防御0/防護点0(通常は防具を装備)、よけ8、受け11
 舌(15、刺し/2D+1、舌で攻撃できる事を知らない相手には技能レベル19のフェイントと見なす)
 パンチ(15、叩き/2D)
 武器(様々)
 我慢強さ、戦闘即応、魔法の素質2レベル、火霊系呪文を13レベルで使用。
 舌を攻撃されると自動的に朦朧状態になり、通常の2倍の衝撃を受ける。舌には受動防御も防護点も無く、生命力の半分のダメージで使えなくなる。「待機」により舌を攻撃する事が可能。

トレント(EM) 属性:地
 枯れ木のような体に裂け目のような赤い2つの目と牙を持つ口が存在する、食肉植物の魔物です。普通の食肉植物とは違い、光合成はほとんど行っていません。見掛けに反して、火で大きなダメージを受けるような事もありません。
 体力35(枝は15)、敏捷力13、知力12、生命力13/39、移動力5、受動防御1/防護点3、よけ6、受け9(3回まで)
 噛み付き(14、刺し/2D-1)、枝(14、叩き/2D+1、1ターンに3回)
 痛みを感じない

バジリスク(EM)※ 属性:地
 全長3〜4mほどの大きさをしたトカゲやワニに似た魔物で、舌の先端が数本に裂けているのが特徴です。主に洞窟や遺跡に生息し、肉食性ですが餌が少なくても大丈夫なようです。石化の視線を持つために、冒険者からは生息数以上に恐れられています。
 敵に遭遇するとまず石化の視線を放ち、通用しなければ顎で噛み付きます。非常に腹をすかせていると、石化すると獲物を食べられないので噛み殺してから食べようとします。
 体力25、敏捷力13、知力6、生命力15/25、移動力6、受動防御2/防護点2、よけ6
 噛み付き(13、切り/1D+2)、噛み締め継続(顎の体力を15とみなして即決勝負、叩き/1D)
 赤外線視覚、我慢強さ、石化の視線(21レベルの《肉を石》とみなす、負傷した際の維持判定の目標値は13、視線が通らないと使えない、特殊な秘薬(GMが設定)を飲んでいれば効果なし)

ウーパー(EM) 属性:水
 幼形成熟したサンショウウオを全長5mほどの胴長スタイルに引き伸ばして、前足を鰭状にしたような魔物です(要するにメキシコサンショウウオ(ウーパールーパー)ですが、最近の人には分からないでしょう)。湿気の多い洞窟に生息していますが、詳しい生態は知られていません。ひたすら体力だけで力押しするため、対戦する側もタフな事が望まれます。
 体力40、敏捷力12、知力3、生命力15/35、移動力5、受動防御0/防護点4、よけ6
 噛み付き(12、切り/2D)、噛み締め継続(顎の体力を15とみなして即決勝負、叩き/1D+1)
 痛みを感じない、乾燥すると保護する粘液が干からびて防護点が0になる

アハトバイン(PB) 属性:火
 古い地方語の「8本脚」という言葉が転じた蜘蛛型の魔物で、通常の蜘蛛が魔力を持って変質した存在です。絵の中に潜んで人間の精気を吸い取りますが、普通は大人しいため生存に必要な程度の精気しか吸おうとしません。しかし潜んでいた絵の内容によっては、精神的に絵の影響を受けて凶暴化する事もあります。
 体力10〜16、敏捷力14、知力11、生命力14/28、受動防御2/防護点3、よけ8、受け10
 前脚(14、切り/1D〜2D+2、2回連続)、顎(14、刺し/1D〜1D+3、同時に熱による追加ダメージ1D点)
 糸([絡みつき]威力2、精度14扱い)
 精気吸収(技能レベル21の《脱水》扱い。ただしダメージは疲労ダメージで最大2D-2点)
 絵に取り憑く(1秒集中でエネルギー不要、魔法や生命・霊気を感知する魔法に引っ掛かる、絵が破壊されると2D点のダメージを防護点無視で受け朦朧状態で出現)
 闇視、戦闘即応


*霊的存在
 幽霊(死霊)や邪精霊、悪霊などの総称です。死霊が死体に憑いたゾンビやスケルトンもこれに含みます。#の付いている魔物はアンデッドで、《死人返し》などの呪文が有効です。

ゾンビ/スケルトン/マミー#(WH/EM/UQ/PB/ME) 属性:様々
 この世界は比較的湿度が高いためマミー(ミイラ)は少なく、魔法などで誕生するのは大抵ゾンビかスケルトンです。普通の《死人使い》を使ったゾンビやスケルトンは魔法の能力や技能の大半、特徴のほとんどを失いますが、上級呪文を使えばより完全な物を作り出せるそうです。下僕にしたはずの戦士にその場で斬り殺された邪悪な魔法使いの話は、笑い話としてよく使われますが。
 現世への心残りなどで復活を遂げたような場合は、このようなデータに当てはまりません(擬似的に痛覚が残ったり、倒してもそのまま幽霊になって戦闘を続行したりします)。
(チンピラのゾンビ) 属性:様々
 人間の屑がゾンビ化した、いわばゾンビの屑です。
 体力11、敏捷力12、知力7、生命力15、移動力5、受動防御1/防護点1、よけ5、受け6
 パンチ(12、叩き/1D-3)、棍棒(12、叩き/1D+2)
 「切り」「刺し」のダメージ修正無し、痛みを感じない、HP0で崩壊
(チンピラのスケルトン) 属性:様々
 人間の屑がスケルトン化した、いわばスケルトンの屑です。チンピラのゾンビ共々、もしかしたらPCが成敗した悪党のなれの果てかもしれません。
 体力9、敏捷力14、知力7、生命力10、移動力6、受動防御1/防護点1、よけ6、受け7
 パンチ(14、叩き/1D-4)、棍棒(14、叩き/1D)
 「切り」「刺し」のダメージ修正無し(「刺し」はダメージ−2)、「叩き」のダメージ修正2倍、痛みを感じない、HP0で崩壊
(スケルトン・ウォリアー) 属性:風
 屈強の戦士が、戦闘への執念でスケルトン化した存在です。このデータは「ケルベロス」の海賊がスケルトンになったもので、中には生前の格闘動作を駆使する強敵もいます。
 体力11、敏捷力15、知力8、生命力12、移動力5、受動防御2/防護点2、よけ5、受け8
 シミター(16、切り/1D+2、刺し/1D)、GMの判断で格闘動作を付け加えてもよい
 「切り」「刺し」のダメージ修正無し(「刺し」はダメージ−2)、「叩き」のダメージ修正2倍、痛みを感じない、HP0で崩壊
(スケルトン・ブロス) 属性:水
 「ケルベロス」の船長であった海賊王ブロスが、財宝に対する怨念でスケルトン化した存在です。生前の記憶は薄れていますが、魔法能力も所持しておりかなりの強敵でしょう。
 体力12、敏捷力16、知力12、生命力12、移動力7、受動防御3/防護点3(刺しには0/1)、よけ8、受け10(剣)・11(マンゴーシュ)
 高品質のシミター(18、切り/1D+4、刺し/1D+1)、鉤爪(16、刺し/1D-1、切り/1D)、呪文射撃/氷剣(18、ダメージは呪文による)、呪文噴射(18、ダメージは呪文による)
 「切り」「刺し」のダメージ修正無し(「刺し」はダメージ−2)、「叩き」のダメージ修正2倍、痛みを感じない、HP0で崩壊、戦闘即応、魔法の素質2レベル、水霊系呪文を12〜15レベルで所持
(遺跡のミイラ) 属性:風
 エンフィールドの石切場の遺跡で、2000年間眠り続けたミイラです。
 体力12、敏捷力13、知力12、生命力16、受動防御2/防護点2、よけ6、受け10
 古びた剣(15、叩き/1D+4)、呪文射撃/電光(15、ダメージは呪文による)
 「切り」「刺し」のダメージ修正無し、痛みを感じない、HP0で崩壊、火のダメージを一度に4点以上受けると燃える、魔法の素質2レベル、精霊系の適当な呪文を12レベルで所持

死霊/生霊/狭義の幽霊※(死霊と狭義の幽霊は#)(WH/EM/UQ/PB/PS/EA/ME) 属性:様々
 死霊とは死んだ後もさまよう霊体で、同じく霊体である生霊や狭義の幽霊を含めて広義の「幽霊」と呼ばれます(ちなみに霊体とは単なる精神体ではなく、身体を抜け出た生命エネルギーも含んだ物です)。大抵現世に何らかの心残りを持っており、それが無くなれば消え去ります(時折心残りなど少しも無く、幽霊ライフをエンジョイしている者も存在します)。「魔法の素質」を持つキャラクターには霊体が「姿を隠そうと」しない限り自動的に姿が見えますが、「魔法の素質」の無いキャラクターには普段は見る事ができません。
 霊体が抜け出ても身体が生きていれば、それは死霊ではなく生霊という別個の存在になります(どちらも《霊魂感知》に反応するため、魔術師でさえ死霊と生霊の区別が付かない事があります)。生霊が抜け出た上に本体も仮死状態にならずに動いている現象は、「二重存在」「コ・ウォーカー(Co-Walker)」「ドッペルゲンカー(Doppelganger)」などと呼ばれます。その代表例は主人公(1)から抜け出したシャドウですが、このような事例は極めて稀であるという事を忘れないで下さい。
 狭義の幽霊とは厳密には生物の霊ではなく、空間や物に染み付いた強い思念が具現化した存在です。「百鬼」世界の妖怪幽霊に近い存在と言えるでしょうが、元々生命と繋がりの無い不安定な存在であるため、死霊と同じくアンデッドとして扱います。
 いずれにせよ霊体には通常の攻撃は効かず、ダメージを与えるには(味方の霊体の攻撃を除くと)魔法に頼るしかありません。しかし強力な霊体は、自らの武器や素手による攻撃で他者を傷付ける事も可能です。霊体の能力は生前に準じた物ですが、死霊の場合は強力になっていたり特殊な能力を得たりしている事も多々見られます。

邪精霊※(WH/EM/UQ/PB/ME) 属性:様々
 邪悪な術者に召喚された精霊や何らかの悪影響で狂気に侵された精霊の総称です。能力は「マジック」の精霊のデータを参照して下さい(体力・知力・生命力は8点以上、敏捷力は10点以上です(通常の精霊の能力値も同様))。《精霊支配》が掛かった場合、持続時間中は術者に従います(持続時間中に消滅を命じる必要があるでしょう)。クリティカルした場合は普通の精霊に戻り、持続時間後も暴れません。

スピリット※#(UQ) 属性:水
 強い残留思念が歪み、他者に危害を加える存在になった姿です。魔法の素質を持つキャラや魔法の武器なら、普通にダメージを与えられます。
 体力8/12、敏捷力14、知力13、生命力10、移動力5(飛行)、受動防御2/防護点0、よけ7
 接触(14、叩き/1D、受動防御・防護点無視、悪霊も1点疲労)
 精霊系呪文を12〜15レベルで所持(射撃や噴射の技能レベルは16)

マンジャッカー※(PB) 属性:風
 人に取り憑くタイプの悪霊です。通常は人間や動物に憑依していますが、追い出されたら仕方なく実体化します。
 体力10/15、敏捷力14、知力14、生命力10、移動力6、受動防御1/防護点1、よけ6
 体当たり(叩き/1D-2、成功度0の《心神喪失》の呪文と同じ効果を受ける)
 情報伝達系・精神操作系呪文を15レベルで使用可能、退避(技能レベル15、消費エネルギー3の防御呪文扱い)、憑依(技能レベル16、集中10秒、消費エネルギー0の《完全憑依》扱い、持続中は実体として存在しない)、痛みを感じない、物質透過、憑依していないと疲労点とHPに1時間あたり1点のダメージ

ガーベル※#(PB) 属性:風
 「食」に関する怨念から誕生した怨霊です。大きくユーモラスな感もある頭部に細い両腕が生えていますが、主に長い尻尾で武器(ナイフやフォークなど)を掴んで攻撃を行います。
 魔法は元より、特殊攻撃として食物を用いた攻撃も行うので注意が必要です。
 体力11/14、敏捷力15、知力14、生命力9、移動力7、受動防御1/防護点1、よけ7
 フォーク(15、刺し/1D+1)、ナイフ(15、切り/1D+2)、レモン汁や唐辛子の粉末、練り辛子を塗ってある場合もあり、その場合は痛みの衝撃が1.5倍される
 風霊系・火霊系・食料系呪文を15レベルで所持、食材召喚(野菜炒めの怨霊なら油(敏捷力で命中判定、火のダメージ増加)、タマネギ(《雹》の呪文を参照)、塩胡椒(目潰し)など)

イフリート※(EM) 属性:火
 双面山の火口で魔宝を守護していた精霊ですが、物質的な実体を持つため武器や火の魔法もある程度有効です。外見は恐ろしい男性の顔と鋭い爪を持つ炎の塊で、火霊系呪文を巧みに操り攻撃を行います。
 体力19、敏捷力14、知力14、生命力14/42、移動力7、受動防御3/防護点2、よけ7
 鉤爪(14、叩き/2D-1、《火炎武器》と同じく追加ダメージ2点)、炎の息(14、叩き/3D、射程3m、3点疲労)
 痛みを感じない、切り・刺しのダメージボーナス無効、通常の炎は無効、火霊系呪文のダメージ半減、《消火》《耐火》《防火》を除く火霊系呪文を全て21レベルで使用
 水や冷気のダメージが防護点を引く前に2倍、《氷結武器》の追加ダメージ3点

流れ星※(UQ) 属性:火
 宇宙空間に棲息する星の精です。尻尾の能力は本体と分離している時にのみ使われ、合体している時には長距離移動時にしか尻尾の能力は発揮されません。
(流れ星本体)
 体力8/12、敏捷力13、知力14、生命力10、移動力6(飛行)、受動防御3/防護点0、よけ6
 光の波動(15、叩き/1D+1、1点疲労)、流星召喚(目標値15の範囲呪文扱い、1D秒後に直径7ヘクスの円内に叩き/4D+4点ダメージ(「よけ」でダメージ半減)、4点疲労)
 光/闇系魔法を全て15レベルで使用、日の光に当たると消滅
(尻尾)
 体力12、敏捷力18、知力5、生命力14/10、移動力20(地上での飛行、高度が上がる毎に速度も上昇)、受動防御3/防護点0、よけ9
 体当たり(叩き/2D〜速度に応じて無限、尻尾もダメージを1点受ける)
 日の光に当たると消滅

吸血鬼(ヴァンパイア)※#(UQ/PB) 属性:風
 魔族の亜種であるヴァンパイアと混同される事がありますが、こちらは正真正銘の魔物です。能力的にはゴシックホラーに登場する吸血鬼のイメージそのままを思い浮かべて下さい。ただし吸血鬼になるのは人間やエルフ系統の種族のみであり、魔族やヘザーは血を吸われても吸血鬼にはなりません。性格も邪悪であるとは限りません。
 以下のデータは平均的な吸血鬼で、実際にはかなりの個体差が存在します。
 体力15、敏捷力14、知力15、生命力12、移動力8、受動防御1/防護点2、よけ9、受け10
 鉤爪(14、切り/2D+1)、牙(16、切り/1D+1、主に喉狙い)
 痛みを感じない、戦闘即応、高速治癒、血を吸う事で1点ダメージを与える毎に疲労点かHPを1点回復(知的種族以外だと回復量が半分以下)、血を吸い生命力を分け与える事も可能(1点ダメージを受ける毎に相手の疲労点かHPを1点回復、知的種族以外には回復量が2倍以上)、高速回復(1秒に1点HPが回復。生命力を分け与えた分は通常と同様に回復)
 霧に変化(《肉体気化》状態、集中・判定不要、持続1時間、エネルギー消費4・2)、コウモリに変化(21レベルの《変身》として扱う)
 吸血コウモリの群れ召喚(集中1秒・判定不要、持続1分、エネルギー消費3・1、データはこのコーナーを参照)
 風霊系・死霊系を中心とした呪文を15レベルで使用
 生命維持に血が必要(1日1点分)、流れ水を渡れない(足を踏み入れると麻痺)、太陽光線を浴びると1ターンにダメージ1D点・全判定に−4修正

天使※(EM/UQ) 属性:様々
 神の使いである天界の種族で、人間の姿に白い光の翼が生えています(実際に翼が生えているわけではなく、部位狙いで傷付ける事もできません)。基本的に人間やエルフなどの手に負えない出来事が発生した際に収拾を付けるために天使が現れますが、その場合も解決能力を持つ人物を導いたり人に身をやつして援護したりという事が普通であり、可能な限り直接的な干渉は忌避します。また活動も邪悪な存在が相手でない限り守りに徹する事が一般的で、人間同士の争いに介入する事もまずありません。魔界の魔族や地獄の悪魔とは敵対しており、出会うと大抵は戦いになります。稀に聖職者により召喚されますが、そんなものと戦う羽目になる前に日頃から行動を慎むべきでしょう(笑)。
 天使の能力は千差万別ですが、基本的には「マジック完訳版」の悪魔のデータを流用し、イメージを正反対のものに置き換えます。

黄泉の悪霊※#(EM) 属性:地
 〈黄泉の口〉周辺で頻繁に出現する悪霊ですが、死者と関係の深い所(墓地や古戦場など)にも稀に現れます。姿は「腐りかけた青白い肉を持つ腕の長い人間」といったところであり、複数がぐちゃぐちゃに融合して巨大な悪霊になる事もあるそうです。死に対する怨念と生物への衝動的殺意でのみ動いているだけとはいえ、その強大なパワーは単独で対峙するわけにはいかないでしょう。実体化して存在するため、武器や呪文で倒せるのが救いです。
 霊に対する魔法以外に弱点となるのは、〈黄泉の口〉を封印する使命を負っている影の民の存在です。影の民が10m以内にいると全ての能力が( )内まで下がり、影の民の死霊系呪文と《悪魔退散》に対する抵抗に−4されます。
(通常の悪霊)
 体力19(15)、敏捷力15(12)、知力13、生命力16(13)/26、移動力5、受動防御2/防護点3、よけ7(6)
 腕(15(12)、叩き/3D+1(2D+1)、2回攻撃)
 精霊系呪文を13〜15レベルで使用、痛みを感じない、部位狙いは無効、視力がなく魔法感覚で代用(幻覚や光、闇の影響を受けないが、《感知防御壁》《呪文障壁》などで騙される)
 HP0で崩壊、影の民に弱い(解説参照)
(融合後の悪霊)
 体力25(20)、敏捷力13(10)、知力13、生命力18(14)/60〜80以上、移動力4、受動防御2/防護点3、よけ6(5)
 腕(13(10)、叩き/3D+1(2D+1)、4回攻撃)
 長所・弱点は融合前と同じ

通信悪霊※#(EM) 属性:風
 凶暴な悪霊の一種で、通常の死霊系呪文で作る「悪霊」より強力です。情報伝達系や精神操作系の呪文を使う能力を利用して、魔族は通信用の水晶球にこの悪霊を封じます。
 他にも魔族は悪霊を封じて魔法の品物を安上がりに作る方法を秘伝として伝えているので、魔族の作った魔法の品物は破壊すると非常に厄介な事になるかもしれません……。
 体力0/20、敏捷力16、知力10、生命力10/20、移動力8(空中)、受動防御0/防護点0、よけ8
 接触(16、切り/1D-2、「受け」「止め」、常動防御、防護点無効)、情報伝達系と精神操作系を15レベルで使用
 長所と弱点は「マジック完訳版」の悪霊のデータを参照


*魔法構造物
 ゴーレムその他の、魔法的ロボットです。普通は命令に従うだけですが、知能が高い者の一部は自分の判断で行動します。

ワーカー・ゴーレム(UQ) 属性:地
 「マジック」のゴーレムと同じタイプの物が文明レベル4までは一般的ですが、魔法工学の初歩が確立した文明レベル5以降はロボットに近いタイプの物となります。以下に記すのは一般的な汎用タイプゴーレム、通称「ワーカー」のデータです。通常は感情を持ちませんが、特別仕様としてある程度の感情を持つ物が作られる事があります。音声機能が取り付けられているので簡単な応答も可能ですが、機能や命令に関する事しか通常は理解できません。
 体力15、敏捷力13、知力8、生命力13/20、移動力6、受動防御2/防護点4、よけ6
 パンチ(13、叩き/1D+1)、棒(13、叩き/2D+2)
 痛みを感じない、魔力回路の中枢(《魔力視覚》を使わないと分からない、命中修正−12)に1点以上ダメージを受けると機能停止

ホムンクルス(PS) 属性:様々
 錬金術で作られる人造人間、分かりやすく言うと「機械じゃないけどロボット」です(笑)。この技法は平行世界にも伝わっており、例として人体模型くんのデータを記しておきます。
(人体模型くん)
 平行世界のディアーナとルーが、生物部とオカルト研究会の宣伝用に作ったホムンクルスです。
 体力14、敏捷力14、知力10、生命力12、移動力7、受動防御0/防護点0、よけ7
 パンチ(14、叩き/1D)
 バーサーク、恐ろしい外見(見た者は修正無しで恐怖判定)、見て分かりやすいため目と胴体重要器官への攻撃修正に通常より+1(それぞれ−8・−2)、スイッチ(命中修正−9)を押されると機能停止(攻撃されて1点以上ダメージが及ぶとバーサークする)

セアレス・ゴーレム(EM) 属性:地
 黄金都市セアレスの宝物庫の番人として機能していたゴーレムです。全ての物が黄金化の呪い(1日毎に敏捷力が−1され、合計−10されると完全に黄金化する)に晒されるセアレスで唯一、魔法紋様で黄金化されない存在でした。
 体力25、敏捷力11、知力8、生命力17/51、移動力4、受動防御2/防護点4、よけ5
 ストレートパンチ(11、叩き/2D+2)、横殴りのパンチ(11、叩き/5D、能動防御に+2)
 痛みを感じない、クリティカル率増加(6以下)、HP0で作動停止、額の魔法紋様(命中修正−8)に5点以上ダメージを受けると黄金化への防護が失われ1時間毎に敏捷力−1

守護者(EM) 属性:風
 イルム・ザーンから空中庭園に通じるストーンサークルの守護者です。高度な知能も備えており、暁の女神の端末として魔力も得ています。
 体力20、敏捷力16、知力14、生命力16/80、移動力7、受動防御3/防護点3、よけ7、受け9
 剣(18、切り/3D+4、刺し/2D+2)、呪文射撃(18、ダメージは呪文による)、クリティカルビーム(自動、叩き/3D+3、射程10m、3点疲労、能動防御不可)、精神操作は一切無効
 我慢強さ、魔法の素質3レベル、精霊系を中心に適当な魔法を技能レベル15で所持、体が大きく半径3m以下の狭い場所では攻撃や回避に−2

ミミック(EM) 属性:火
 遺跡や宝物庫などで宝箱に擬態して待ち構え、触れようとした相手に襲い掛かる擬似生物です。現在は多くのミミックが野生化していますが、人工環境以外に不適切な外見をしている上に繁殖も行わないために年々遺跡荒らしや探検家、魔術師などに倒されたり番人用に捕獲されたりして数を減らしています。開発された場所が地理的に偏っているという事もあり、エンフィールドやシープクレストでは絶対に見る事ができません。ちなみに〈大陸〉の魔術師達は、ゴーレムや錬金術による人工生命の方を好んでいます。
 ミミックは魔法的に飢えを植え付けられているため、戦闘では常にバーサーク状態となり全力攻撃を行って敵を食らおうとします。「オラッ!カミツキッ!」「シネ!コンチキショウ!」などと叫びますが、戦闘中に知性はフェイント即攻撃や部位狙いにしか発揮されません。時には自分が罠である事を忘れ、生物を目にすると即座に攻撃を開始するミミックも存在します。
 体力13、敏捷力12、知力9、生命力13/10、移動力5、受動防御2/防護点3、よけ6
 噛み付き(14、切り/2D-1)、常にバーサークして全力攻撃を行う
 バーサーク、傷みを感じない

ガーディアン・ガーゴイル※(EM) 属性:地
 遺跡に生息する魔獣「ガーゴイル」を模して作られた岩のような肌をした魔物で、重要な場所の番人として配置されます。ガーディアン・ガーゴイルは〈偽装〉を16レベルで所持しており、彫像のふりをして「不完全な奇襲」を行う事を得意とします。
 体力15、敏捷力14、知力12、生命力13/26、移動力7/14(飛行)、受動防御2/防護点2、よけ7、受け9
 鉤爪(14、叩き/1D+4)
 痛みを感じない、HP0で作動停止

“手”(UQ) 属性:風
 《従者作成》をアレンジした呪文により作成される、空中に浮かんだ全長40cmほどの白い「手」で、表面には魔法文様が浮かんでいます。元は大きな物の運搬のために作られたのですが、現在では魔術師見習いのお仕置きのために使われる事が多くあります(2つ作成して、1つで相手を掴み、もう1つでお尻を叩くのが一般的です)。
 体力15、敏捷力12、知力10、生命力12、移動力6(浮遊)、受動防御0/防護点0、よけ6、受け10
 パンチ(16、叩き/1D)
 痛みを感じない、〈格闘16〉(体当たりの目標値が16)


*分類不明
 分類のよく分からない謎のモンスターです。

丸いヤツ(UQ/PB) 属性:様々
 大人しく人に懐く、人間の腰の高さ程度の丸い形をした謎の生物です。ペットとしてエンフィールドで流行していますが、魔術師組合の調査でもどんな生物なのか(それ以前に本当に生物なのか)分かっていません。成長すれば能力に応じて変身し、その際に特定個人のデータを魔法的に付与する事もできます(本人の同意が必要ですが)。
 体力10〜15、敏捷力10〜15、知力10〜15、生命力10〜15、移動力5〜7、受動防御2/防護点2、よけは移動力と同じ
 体当たり(普通の攻撃と同じ扱い。技能レベルは敏捷力と同じ、ダメージは叩き/「振り」の致傷力と同じ)
 その他様々な特徴や魔法(技能レベルは知力と同じ)

スカム※(PB) 属性:水
 汚泥や汚れた水に魔力が反応し、擬似生命体になったのがこのスカムです。見た目は黒い泥の塊で大きさは通常30cm、伸びてもせいぜい人の腰までですが、特に濃厚な魔力を浴びると2〜3mほどにまで膨れ上がる事があります。通常の生物とは違って五感はなく、魔力のレーダー感覚で周囲を感知しています。
 これを意図的に作り出す《スカム作成》という呪文がありますが、PCは特に認められない限り修得できません。
(小型)
 5〜6体の群れ、移動力3、毎ターン叩き/1D点ダメージ(防具は常に有効)、10点のダメージで散らせる
(中型)
 体力10、敏捷力11、知力2、生命力13、移動力5、受動防御0/防護点0、よけ5
 触腕(11、叩き/1D、長さ2)
 痛みを感じない、「切り」「刺し」のダメージボーナス無視、「叩き」のダメージ半減、《水変化》《土変化》で移動不可状態・《水破壊》《土を空気》でダメージ1D(生命力で抵抗)、《脱水》と火霊系呪文のダメージ2倍
(超大型)
 体力16、敏捷力11、知力2、生命力18/36、移動力5、受動防御0/防護点0、よけ5
 触腕(11、叩き/2D+2、長さ4、4回攻撃、同じ目標には2本まで)
 通常サイズの物と同じ

ヤマダッチ1号※(UQ) 属性:風
 巻き毛のユーモラスなゼンマイ人形に生命が宿った存在です。エンフィールドの各地を気紛れに出没していますが、物見高いため騒ぎが起こると引き寄せられます。
 体力9/13、敏捷力13、知力14、生命力10、移動力5、受動防御2/防護点3、よけ5
 パンチ(13、叩き/1D-2)、呪文射撃(14、ダメージは呪文による)
 魔法の素質3レベル、精霊系・肉体操作系・移動系を15レベルで使用可能(〈身体感覚〉を13レベルで所持)、我慢強さ
 ゼンマイ(修正−5、前面ヘクスからは狙えない)は防護点無視

ヤマダッチ2号※(UQ) 属性:風
 生命の宿った紙人形で、行動パターンはヤマダッチ1号と一緒です。
 体力16、敏捷力10、知力7、生命力10、移動力5、受動防御0/防護点1、よけ5
 パンチ(13、叩き/1D+1)、乱斬(8、叩き/2D+2、判定に成功すればクリティカル扱い、部位狙いは不可)
 痛みを感じない、「切り」「刺し」のダメージボーナス無視、魔法を除く「叩き」攻撃のダメージ半減
 火霊系攻撃魔法のダメージ2倍、《発火》《火炎》《聖火》でダメージ(生命力で抵抗可能、《発火》が(基本エネルギー)D点、《火炎》が2D点、《聖火》が4D点)

超ヤマダッチ※(UQ) 属性:風
 丸いヤツにより潜在能力を引き出され、究極の進化を遂げたヤマダッチです。弱点も存在しないため、結構手強い相手となるでしょう。
 体力13、敏捷力13、知力14、生命力11、移動力6、受動防御2/防護点2、よけ6
 杖(13、叩き/2D+1)、乱斬(8、叩き/2D+1、判定に成功すればクリティカル扱い、部位狙いは不可)
 魔法の素質3レベル、精霊系・肉体操作系・移動系を15レベルで使用可能(〈身体感覚〉を13レベルで所持)、我慢強さ

ゴミ(UQ) 属性:水
 亜空間投棄などで魔法的に変な作用を受けたゴミに、《動像》で吹き込まれるのと同じ霊体が宿ってしまった存在です。敵というよりは、シナリオに雰囲気を添える道具として扱った方が適しています。
 体力7、敏捷力11、知力9、生命力9/6、移動力4、受動防御0/防護点0、よけ5
 体当たり(11、叩き/1D-2)
 「叩き」ダメージ半減(端数切り捨て)、「刺し」のダメージボーナスを受けない、HP0で崩壊

泥人形(EM) 属性:地
 崩れた泥の塊に目と口のような穴が開き、腕を生やしたような形をした魔物です。沼地や洞窟の中に生息していますが、どういう部類に入る存在かは確定していません。通常は数体で群れており、敵には腕で殴り掛かります。
 体力13、敏捷力12、知力6、生命力14、移動力4、受動防御0/防護点0、よけ4
 腕(12、叩き/2D-2)
 痛みを感じない、「切り」「刺し」のダメージボーナスを受けない、転倒しない


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