バーシア「なーにこんなとこでくすぶってんの」 ゼファー「バーシアか。ノックくらいしろ」 バーシア「ずいぶんと落ち着いてるわね?メンバーが一人いなくなるかもしんないってのに」 ゼファー「・・・・・・・・。」 バーシア「今ごろ連邦の書類にサインしてるかもね。アイツ」 ゼファー「そうかもしれんな」 バーシア「冷めてるわねぇ」 ゼファー「これはルシード個人の問題だぞ。あいつ自身が決めるべき事だ。 周りがとやかく言う事じゃない」 バーシア「そうやって自分の気持ちにウソをつくんだ?」 ゼファー「・・・・・・・・。」 バーシア「…あんたとルシードの腐れ縁ってその程度のものだったんだ?」 ゼファー「・・・・・・・・。」 バーシア「ねえ、回りくどい言い方ななkじゃなくってさ。 ドーンとルシードにアンタの本音をぶつけちゃいなさいよ。 もしかしたら…これが最後のチャンスかもしれないんだしね…。」 ゼファー「・・・・・・・・。」 バーシア「もしかしたらルシードだって待ってるかもよ?…行ってあげたら?」 ゼファー「…今日はやけに気をまわすな」 バーシア「まあね。アタシだって本音が言えなかった人間の一人だからね…。」 ゼファー「・・・・・・・・。」 バーシア「あ、外行くんだったらタバコ買ってきてくんない?」 ゼファー「考えておこう」 バーシア「よろしく〜。ルシードが帰ってきたらパーティーでもやろうよ。 他のメンバーにはアタシが言っとくわ。更紗やリーゼたちにも声をかけてみる」 ゼファー「ああ…」 バーシア「…まったく、世話が焼けるわね…」 ルシード「よう。来てたのか」 ゼファー「…話はついたのか?」 ルシード「まあな」 ゼファー「そうか」 ルシード「詳しく聞かねぇのか?」 ゼファー「…断ったんじゃないのか?」 ルシード「なんでわかったんだ?」 ゼファー「推測だ。おまえとは長い付き合いだからな」 ルシード「…へぇ」 ゼファー「なんだ?」 ルシード「おまえの口からそんなセリフが出てくるなんてな。ちょっと意外だったぜ ゼファー「そうか」」 ルシード「いつもとどこか様子が違うが…なんかあったのか?」 ゼファー「いろいろとな…」 ルシード「ま、聞かねぇけど」 ゼファー「・・・・・・・・。」 ルシード「足、大丈夫か?」 ゼファー「…ああ」 ルシード「少し休もうぜ」 ゼファー「俺は構わんが、他のメンバーがパーティーの準備を…」 ルシード「俺、のど渇いた」 ゼファー「…わかった」 ゼファー「…良かったのか?連邦の誘いを断ってしまって…」 ルシード「自分で決めたんだ。後悔もしてない」 ゼファー「そうだな…」 ルシード「それより、おまえどうしてここに?」 ゼファー「・・・・・・・・。」 ルシード「もしかして俺の事を心配してくれたのか?」 ゼファー「どうだろうな」 ルシード「俺がもし連邦の話に乗ってたら、おまえどうしてたろうなぁ?」 ゼファー「どうもしない。いつも通りに仕事をこなすだけなんじゃないか?」 ルシード「んだよ、つまんねぇな」 ゼファー「・・・・・・・・。」 ルシード「おまえが動揺するトコってあんま見たことねぇな」 ゼファー「態度の表れないだけだろう」 ルシード「あのなぁ…」 ゼファー「なんだ?」 ルシード「おまえとは長い付き合いだから、この際、はっきり言っとくぞ。」 ゼファー「・・・・・・・・。」 ルシード「俺はおまえのいいところも、汚ねぇところも、みんな知ってる。 俺はそう言ったもの全部をひっくるめておまえのこと認めてんだ。 …だから俺の前では自分をごまかさねぇでくれ。」 ゼファー「・・・・・・・・。」 ルシード「そんなに自分自身を抑えつける必要なんかねぇよ」 ゼファー「俺は…」 ルシード「なんだ…?」 ゼファー「俺はおまえほど上手に自分をさらけ出すことはできないし、弱さを受け入れるだけの強さも無い」 ルシード「ああ、知ってるよ…。気づいてるヤツは少ねぇと思うがな」 ゼファー「・・・・・・・・。」 ルシード「なんかこの頃改めて実感してたんだ。…名前を呼べばすぐに応えてくれるヤツが隣にいたってことをな…。 それが当たり前だったんで、なかなか気付かなかったけど…」 ゼファー「・・・・・・・・。」 ルシード「いまさらバラバラにはなれねぇよな」 ゼファー「・・・・・・・・。」 ルシード「…まだまだおまえを楽にはさせねぇぞ。これからだっておまえの力をあてにさせてもらうからな」 ゼファー「…そうか。覚悟しておこう」 ルシード「じゃ、帰るか」 ゼファー「そうだな。バーシアたちがパーティーの用意をして待っているはずだ」 ルシード「へえ、なんのパーティーだ?」 ゼファー「おまえが連邦のところへ行くのならお別れパーティー、残るのなら残念会といったところだろう」 ルシード「要するに騒ぎてぇだけか…」 ゼファー「戻ろう。みんなが待ってる」