◇謹製呪文之書・分冊3◇


 11.精霊系
 ├12.地霊系
 ├13.風霊系
 │  ├13-1.天候系/風霊
 │  └13-2.電気系
 ├14.火霊系
 └15.水霊系
    ├15-1.天候系/水霊
    ├15-2.氷霊系
    ├15-3.酸系
    └(15-4.蒸気系)

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―精霊系呪文―


・「マジック」の呪文

召喚系全て
 「グリモア」のチャートでは「全ての精霊系呪文」に入っていたので、独立した項立てはここではしていません。

《精霊召喚》
 精霊がより強い世界を再現する場合、以下のような強化も可能です。
・体力
 2D+3、ただし疲労点は最低でも9。元素の豊富な場所の近くで召喚にクリティカルすると1.5〜2倍(もしくはそれ以上)。
・敏捷力
 1/2D(端数切上げ)+9、ただし〈呪文射撃〉〈呪文噴射〉〈魔法の息〉などの技能無し値は常に16。
・知力
 1D+6、ただし感覚と意思は最低でも9。
・生命力
 2D+3、ただし生命力判定の基準値は最低でも9。元素の豊富な場所の近くで召喚にクリティカルすると1.5〜2倍(もしくはそれ以上)。

《肉体〜化》
 「マジック」掲載のこの分類の呪文全ては、「グリモア」の同類の呪文と同じく、目標が意識を失うと呪文も効果を失います。

《〜中視覚》
 透視できる物質は、全く見えなくなるのではなく、輪郭が明瞭な半透明に見えます。また、複数の透視できる物質の間に別の物質が割り込んでいる場合、割り込んでいる物質が視線を遮る物でなければ、その向こうまで透視する事が可能です。
 光の不足による視覚の不備は、呪文の対象となる物質の内部でのみ補われます。つまり、暗視能力がなくても深海で《水中視覚》を使えば到達距離内の視覚は通常通りとなり、暗視能力がないのに《地中視覚》を使うと、地中に完全に埋まった宝箱は見えるのに、光の無い地底洞窟内にある宝箱は見る事ができなくなります。


・「グリモア」等の呪文

(無し)


・自作呪文

(無し)


―地霊系呪文―

 「土」には砂や粘土を、「石」にはガラスを含みます。特に記されない限り、地霊系呪文で特殊な(世界にありふれていない、または価値の高い)土や石を作成する事はできません。例えば、《土作成》では普通の粘土、赤土、白砂などを作れますが、陶土、腐葉土、鹿沼土、砂金、星の砂などを作る事はできません。


・「マジック」の呪文

《肉を石》
 この呪文の犠牲者の状態は、一切行動できず、装備が外されない他は、《肉体石化》の目標と同じ扱いになります。持ち主と一緒に石になるのは、有機物の装備品だけです。

《肉体石化》
 肉体が不定形の種族に使用した場合、(a)動けなくなる、(b)人間型になる(←地霊からの類推)、(c)何も起こらない、などから適当な結果を選んで下さい。


・「グリモア」等の呪文

《金属透過》
 この呪文が掛かった対象には、魔化系の《霊剣》は無効です(でないと、非実体の相手も攻撃できる《霊剣》に比べて《金属透過》に対抗する魔化(b)の武器が利点に乏しくなります)。いわゆる「精神体」の肉体は、非実体であるだけで「精神」そのものではないため、対象が精神を持っていても傷付けられない《霊剣》には我慢してもらいましょう。

《地形変化》
《地形移動》
 地中の効果範囲は、呪文の範囲の中心で直径の半分(=半径と同じ)、そこから範囲の端に向かって、断面図で半円を描くように働きます。
 範囲の内外に跨るようにして存在する建造物は、範囲境界で分断されるか、呪文を無視して移動せず残るかします。大型の植物(巨樹、竹薮、葡萄棚の葡萄など)も、この扱いに準じます。


・自作呪文

《土破壊》通常
 土や石を破壊します。破壊された後には何も残りません。閉鎖空間で下手に使うと、気圧の急減を招いて大変な事になるでしょう。
持続:永久
消費:1ヘクスあたり4
前提:《土変化》
魔化:杖、錫杖、装身具。魔術師にしか使えず、目標に接触が必要。必要エネルギー750。$1000相当の宝石が必要。
◇ルナル:ジェスタ神官、デルバイ神官、高司祭共通、〈導き手〉共通、爬虫人(蛇人)、多足のもの、白の月、黒の月

《石を宝石》(至難)通常
 固い石を宝石に変えます。ただし宝石の質は、消費エネルギーがよほど高くないと宝飾品に向きません。〈宝石屋〉判定に成功すれば、魔法で作られた事が容易に分かってしまうでしょうが、魔法のアイテムの素材として使う分には問題ありません(価格相当は一律、エネルギー消費と同点という事にして下さい)。宝石に土を張り付けて《土を石》してから、この呪文を使って宝石を大きくする事も可能です。ただしこの場合、石は接触している宝石と同じ種類にしかなりません。
 なお余談ですが、正確な意味での「鉱物」に含まれない琥珀や真珠をこの呪文で作る事をGMは禁止しても構いません。
持続:永久
消費:宝石の価格(ドル換算)と同じ。目安としては高価な宝石なら1g(2カラット)につき100以上、宝石ではなく貴石にするなら1gにつき10かそれ以下(最低で1/10まで)。最低でも10
準備:エネルギーと同じ秒数
前提:《土を石》《石を土》《冷却》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー1500。
◇ルナル:ジェスタ高司祭、デルバイ高司祭、多足のもの、白の月、黒の月

《石剣》射撃
 ガラス質の石の鋭い欠片を作って投げ付けます。ダメージはエネルギー1点毎に刺し/1D−1点で、射撃に関する数値は《氷剣》を参照します。射撃用技能も同じ〈呪文射撃/氷剣〉です。
消費:1〜3
準備:1〜3秒
前提:《石弾》、または《砂噴射》
魔化:短剣型の装身具。魔術師にしか使えない。必要エネルギー400。
◇ルナル:ジェスタ神官、デルバイ神官、多足のもの、白の月、黒の月

《炸裂石弾》射撃
 炸裂して周囲にダメージを与える石弾を撃ち出します。ダメージはエネルギー2点毎に叩き/1D+1点で、射撃には〈呪文射撃/球体〉を用います。周囲へのダメージについては、《爆裂火球》を参照して下さい。
消費:2〜6
準備:1〜3秒
前提:《石弾》
◇ルナル:ジェスタ神官、多足のもの、白の月、黒の月

《発掘》通常/生命力で抵抗
 あらかじめ分かっているか、《地中視覚》で見ている目標を地中から秒速10mで引きずり出します。目標が術者より下にある(もしくはいる)場合、距離修正は目標から真上に引いた線が術者のいる高さと同じになった所から計算します。引きずり出す途中で姿勢を変えさせる事はできず、途中に土や石などを除く障害物があるとそこで呪文は途絶えてしまいます。地中に埋まっていない相手を引きずり出す事もできません(地中で移動する際に再度使える穴を残すかどうかが目安になります。ミミズは構いませんがモグラは対象外です)。
 《埋葬》された目標を《発掘》する事も可能ですが、それだけでは《活動中断》状態は解除されません。
持続:引きずり出すまで
消費:10mごとに4・同
前提:素質2+《地中視覚》
魔化:杖、錫杖、つるはしやスコップ。魔術師のみ使用可能で目標の真上に接触が必要。必要エネルギー800。
◇ルナル:ペローマ高司祭、デルバイ高司祭、多足のもの、白の月、黒の月

《死火山》通常/《火山》と互いに抵抗
 《火山》や活動中の火山の中心に掛けて、活動を弱めます。火口を1日毎に2ヘクスずつ小さくして下さい。中心ヘクスの場所を肉眼や《地中視覚》などで見て確認しさえすれば、距離修正は遠距離修正を用います。呪文の効果が切れると活火山は次第に元の活動を取り戻しますが、元が《火山》の呪文なら小さくなったままか、あるいは活動を停止させるでしょう。
持続:1日
消費:15・10
準備:最初の効果が現れるまでに1日。火山を小さくするには1日あたり8時間の集中が必要。
前提:《地震》+水霊系呪文6種、または《火山》
◇ルナル:デルバイ高司祭、多足のもの、白の月、黒の月

《砂煙》範囲
 砂煙が巻き起こり視界を遮断します。視界遮断の効果は《霧》と同様に扱い、更に踏み込むとエネルギー1の《砂噴射》を受けた場合と同じ効果をもたらします。砂煙は風に吹き飛ばされるため、屋外では10秒ほどしか持続できないでしょう。
持続:5分
消費:1・維持不可
前提:《砂噴射》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー50。

《泥靴》通常
 泥の上を普通の地面のように渡れます。泥のために課せられるペナルティを減らしてくれますが、水分の多い泥や底無し沼のような「不安定な」表面ではペナルティを受けます。
 この呪文は地霊系と同時に、水霊系にも属します。
持続:1分
消費:2・1
準備:2秒
前提:《土変化》、または《水変化》
魔化:履物。身に着けている者にしか効果がない。必要エネルギー250。
◇ルナル:ジェスタ神官、リャノ神官、デルバイ神官、カアンルーバの〈兄〉〈姉〉、グルグドゥ、多足のもの、白の月、黒の月

《砂靴》通常
 砂の上を普通の地面のように渡れます。砂のために課せられるペナルティを減らしてくれますが、流砂や砂丘の斜面のような「不安定な」表面ではペナルティを受けます。
持続:1分
消費:2・1
準備:2秒
前提:《土変化》
魔化:履物。身に着けている者にしか効果がない。必要エネルギー250。
◇ルナル:ジェスタ神官、デルバイ神官、カアンルーバの〈兄〉〈姉〉、多足のもの、白の月、黒の月

《地中適応》通常/抵抗は自動
 地上と同じように土の中を歩き回る事が可能になります。地中に埋まっている際には10m先まで見通せますが、土の外から中を見る事はできません。地中でも呼吸は可能です。
 この呪文の持続中は、空中ではうまく体が動かず体力と敏捷力に−4の修正を受けてしまいます。
持続:1分
消費:5・4(2倍消費で石を、3倍消費で金属を通り抜けられる)
準備:1分
前提:素質2+《地中歩行》《土を空気》《地中視覚》
魔化:常動型の装身具。必要エネルギー4000。
◇ルナル:白の月、黒の月

《土人形》(至難)通常
 1ヘクス分の加工されていない土を材料としてクレイゴーレムを、石を材料としてストーンゴーレムを一時的に作り出します。持続時間が切れると人形の体はばらばらに壊れます。同じ呪文なら再利用が可能ですが、《動像》を使う事はできません。
 この呪文は地霊系と同時に、死霊系にも属します。
持続:1分
消費:土には4・2、石には8・4
準備:4秒
前提:《土変化》《動像》、石を使うには《石変化》も必要。
◇ルナル:白の月、黒の月

《眠りの砂》噴射
 術者の手から眠気を誘う砂粒が噴き出します。砂粒が命中してもダメージはありませんが、目標は生命力判定に失敗すると、エネルギー1点につき1秒間激しい睡魔に襲われ朦朧状態になり、睡魔が去ってもあまりのだるさに1D秒間は敏捷力が−3されます(ファンブルすると、朦朧状態はエネルギー1点あたり1D秒続きます)。生命力判定に成功しても、目標はだるさに襲われて1秒間敏捷力が−3されます。クリティカルすれば何の影響も受けません。
持続:1秒
消費:1〜3・同
前提:《砂噴射》《誘眠》
◇ルナル:多足のもの(《誘眠》不要)

《隧道》通常
 土の中にトンネルを掘ります(呪文に成功すると即座に1m、次のターンから術者の行動前に1mずつ)。トンネルは幅1ヘクス、高さ1.8mと見なし、よほど脆い場所でもない限り人間の通過に耐える強度を持ちますが、呪文が切れるとゆっくりと(1m毎に1秒ずつ)、トンネルの終点から起点に向けて塞がります。
 呪文の目標ヘクスは、トンネルを掘り始める地点です(《隧道》で開けたトンネルの中を目標にする事はできません)。トンネルはまっすぐに伸びますが、途中で空間があると途切れてしまいます。トンネルの長さは、具体的に指定する他にも「この先の空間まで」という指定が可能です(発動する瞬間に消費エネルギーが分かってからキャンセルする事はできないので、生命力を大量につぎ込んでファンブルするか発動失敗で気絶する可能性も高いですが)。
持続:1分
消費:1ヘクスにつき1・1(最低2・2)、石には2倍、金属には3倍。
準備:4秒
前提:《地中歩行》
魔化:杖、錫杖、装身具、スコップなど。必要エネルギー700。
◇ルナル:デルバイ神官、多足のもの、白の月、黒の月

《岩塊》(至難)通常
 落石を目標(通常の距離修正が掛かります)の頭上からぶつけて、エネルギー1点につき叩き/1D+2点のダメージを与えます。呪文の判定に成功すれば自動的に命中し、目標は「よけ」のみ可能です。盾の受動防御は使えず、《矢よけ》《矢返し》では防げません。
持続:瞬間。ダメージは永久。
消費:1〜4
準備:2秒
前提:素質2+《石弾》
◇ルナル:ジェスタ高司祭、デルバイ高司祭、多足のもの、白の月、黒の月

《岩石武器》通常
 武器(土、石、金属製の物のみ)を岩石で包み、追加ダメージを+3します。ただし切れ味は鈍くなり、「切り」は「叩き」に、「刺し」は「切り」に変化してしまいます。
持続:1分
消費:4・1
準備:2秒
前提:《土作成》
魔化:エネルギー消費なしで、所有者が望んだ時に岩石をまとう武器。必要エネルギー750。400ドル相当のトパーズが必要。
◇ルナル:ジェスタ神官、デルバイ神官、多足のもの、白の月、黒の月

《石の弓》通常
 《岩石武器》に似ていますが、射撃武器に対して唱えます。射出された弾体は、目標に命中するか10秒経過すると朽ちてしまいます。
持続:1分
消費:4・2
準備:3秒
前提:《岩石武器》
魔化:エネルギー消費なしで、所有者が望んだ時に岩石をまとう射撃武器。必要エネルギー1000。500ドル相当のトパーズが必要。
◇ルナル:ジェスタ高司祭、デルバイ高司祭、多足のもの、白の月、黒の月

《防土》通常
 目標とその持ち物は、土や砂、石の影響を受けなくなります。土ぼこりや《砂噴射》を浴びても平気ですし、投石や《石弾》、そして地中への生き埋めのダメージも半減します。地面や岩盤に落下しても、自動的に「柔らかいもの」と見なします(「ベーシック」P169参照)。《肉を石》《埋葬》などに対しても、技能レベルで抵抗を行えます。
持続:1分
消費:2・1
前提:《土を空気》《石を土》
魔化:杖、錫杖、装身具。身に付けている者にしか効果がない。必要エネルギー300。
◇ルナル:ジェスタ高司祭、デルバイ神官、多足のもの、白の月、黒の月

《瞬間防土》防御
 防御呪文として用いる《防土》です。
消費:2
前提:《防土》、または《念動》《土変化》
魔化:装身具、武器、鎧。必要エネルギー200。
◇ルナル:ジェスタ高司祭、デルバイ神官、多足のもの、白の月、黒の月

《地雷》(至難)通常
 地面に爆発を起こして、エネルギー1点につき叩き/1D+1点のダメージを与え、さらにランダムな方向への「はね飛ばし」ダメージとしても扱います(1Dで1=前、2=右前、…6=左前と時計回りにして下さい)。呪文の判定に成功すれば自動的に命中し、目標は「よけ」のみ可能です。盾の受動防御は使えず、《矢よけ》《矢返し》では防げません。
持続:瞬間。ダメージは永久
消費:1〜4
準備:2秒
前提:素質2+《土破壊》
◇ルナル:ジェスタ高司祭、デルバイ高司祭、多足のもの、白の月、黒の月

《地割れ》通常/敏捷力で抵抗
 目標は地割れに飲み込まれ、「身長+1」m(最大で「技能レベル」m)下で押し潰されて4D点のダメージを受けます。防護点は落下した際と同様に有効です(「ベーシック」P169参照)。地割れが起きた際の隙間が残るため、閉じ込められても即座に窒息するわけではありません。しかし地面にしっかり挟まれるため、自力での脱出はほとんど不可能でしょう。掘り起こすかこの呪文を逆に唱えれば、目標を救出する事が可能です。
持続:永久
消費:10、逆に唱える時は6
準備:3秒
前提:素質2+《石変化》《粉砕》
◇ルナル:デルバイ高司祭、多足のもの、白の月、黒の月

《土変質》通常
 土や石の性質を変化させます。砂や粘土は土に、ガラスは石に含みますが、宝石や純度の高い鉱石は石に含みません。土を石に、石を土に変化させる事もできません。特殊な土や石に変化させる場合は、あらかじめ〈地質学〉判定に成功しておく必要があり、呪文の目標値にも−1以上の不利な修正があります。
持続:永久
消費:《土を石》の2倍
準備:2秒
前提:《石を土》《土作成》《土を空気》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー400。
◇ルナル:ジェスタ高司祭、デルバイ入信者、多足のもの、白の月、黒の月


―風霊系呪文―


・「マジック」の呪文

《空中歩行》
 見えない「階段」が生じる場所は、1つ前に生じた「階段」(1歩目なら最後に踏み締めていた地面や床)から見て傾斜が45度以内に収まる必要があります。普通に1ヘクス(1m)移動する際に、上下できる高さは最大で1mまでです。
 この呪文を使用したまま「地面」や「床」を歩く事はできますが、実際には1cm未満の隙間を空けて空中を歩いています。そのために足跡は決して残さず、カモフラージュした落とし穴や感圧式の床を反応させる事もありません。


・「グリモア」等の呪文

 「パワーアップ」にのみ存在する呪文は、以下の通りです。
 《風刃》(SKA)

《霧中視覚》
 透視する対象が霧とは限らないので、名称を英語名に近い《空中視覚》に変更していいでしょう。
 この呪文により無視されるのは「空気の状態による視覚の修正」ですので、自然に空中を漂う砂埃や霧の粒子より大きな物体(木の葉や虫の「大群」など)により遮られた先を見る事はできません。

《爆裂衝球》
 射撃に必要な〈呪文射撃/球体〉は、「マジック」の〈呪文射撃/火球〉と同じ技能ですので注意して下さい。


・自作呪文

《永久空気浄化》通常
 特定のヘクス1つに掛けて、そこを通る空気を全て《空気浄化》し続けます。
持続:永久
消費:1分に1ヘクス分浄化するなら100。速度を増す場合は速度に応じてエネルギーも増加。
準備:1時間
前提:素質2+知力13+《空気浄化》
◇ルナル:サリカ高司祭、翼人、白の月、黒の月

《永久空気作成》通常
 特定のヘクス1つに掛けて、そこから空気を発生させ続けます。完全に密閉された空間では、限度を越えると一時的に働かなくなります。目標ヘクスでの《空気破壊》は自動的に失敗します。
持続:永久
消費:1分に通常気圧で1ヘクス分作り出すなら500。速度を増す場合には速度に応じてエネルギーも増加。
準備:1時間
前提:素質2+知力13+《空気作成》
◇ルナル:サリカ高司祭、翼人、白の月、黒の月

《空気泡》範囲
 《霧》とは逆に、水中で空気の細かい泡を作り出して視界を妨げます(泡はなぜか、効果範囲内に留まり続けます)。視界を妨げる以外に特に効果はありませんし、空中で使っても何も起こりません。
 この呪文は風霊系と同時に、水霊系にも属します。
時間:1分
消費:2・半
前提:《空気変化》《水変化》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー300。
◇ルナル:サリカ高司祭、グルグドゥ(《空気変化》不要)、白の月、黒の月

《空中適応》通常/抵抗は自動
 目標は空中で呼吸できるようになり、陸上で行動に制限を受ける種族(ディワン等)でも敏捷力や移動力に対するペナルティを打ち消されます。ただし、体型の都合で行動に不自由を来す種族(マーマン等)が自由に行動できるようにはなりません。
 この呪文の持続中は、本来水中で呼吸できる種族でも水に戻ると溺れてしまいます。ただし水中における行動能力は失われません。
持続:1時間
消費:8・3
準備:1分
前提:素質2+《空中呼吸》《浮揚》
魔化:常動型の装身具。必要エネルギー1500。
◇ルナル:白の月、黒の月

《癇癪玉》射撃
 圧縮空気の小さな弾丸を放ち、命中した場所で弾け飛んでダメージを与えます。ダメージはエネルギー1点ごとに叩き/1D−1点ですが、サイコロで6が出た個数1つごとに1点のダメージが鎧を貫通します(《鎧》や生来の防護点も貫通しますが、「頑強」で防御する事は可能です)。射撃には〈呪文射撃/電光〉を使い、その他のデータも《電光》と同じです。この呪文は物体操作系にも属します。
消費:1〜3
準備:1〜3秒
前提:風霊系6種、または風霊系4種+《粉砕》
魔化:先端から発射する杖や錫杖。必要エネルギー800。300ドル相当の瑪瑙が必要。
◇ルナル:サリカ入信者、アルリアナ神官、プファイトの〈導き手〉、翼人、白の月、黒の月

《爆風》(至難)特殊
 術者の周辺に爆風を叩き付けます(術者自身は影響を受けず、近くにいる者は無差別に爆風の影響を受けます)。ダメージはエネルギー1点ごとに2D点の「はね飛ばし」ダメージですが、気体の存在や「群れ」には通常のダメージが及びます。1ヘクス離れるごとにダメージは−1Dされ、「受け」「止め」は不可能ですが「よけ」で一歩外に踏み出す事は可能です。
 この呪文のバリエーションとして、火霊系の《爆炎》や水霊系の《爆流》が存在するそうです。
持続:一瞬
消費:1〜4
前提:素質2+《空気噴射》《空気破壊》
◇ルナル:翼人、白の月、黒の月

《烈風武器》通常
 武器を圧縮した風で包み、追加ダメージを+1、長さの上限を+1します。
持続:1分
消費:3・1
準備:3秒
前提:《空気変化》
魔化:エネルギー消費なしで、所有者が望んだ時に風をまとう武器。必要エネルギー750。400ドル相当の瑪瑙が必要。
◇ルナル:サリカ神官、アルリアナ神官、翼人、白の月、黒の月

《風の弓》通常
 武器を圧縮した風で包み、追加ダメージを+1、半致傷・最大射程を+50%します。射出された弾体は、目標に命中するか10秒経過すると砕けてしまいます。
持続:1分
消費:4・2
準備:3秒
前提:《烈風武器》
魔化:エネルギー消費なしで、所有者が望んだ時に風をまとう射撃武器。必要エネルギー1000。500ドル相当の瑪瑙が必要。
◇ルナル:サリカ高司祭、アルリアナ高司祭、翼人、白の月、黒の月

《防風》通常
 目標とその持ち物は、極端な風圧や気圧の影響を受けなくなります。その結果として、風による「はね飛ばし」ダメージを受けなくなります。付帯効果として、空中の有害成分も目標の周囲に影響を与えなくなります。
持続:1分
消費:2・1(10気圧・1/10気圧まで。2倍使えば100気圧・1/100気圧まで。3倍使えばほぼ無限に耐えられる。風の戦闘呪文には最低限の《防風》で対抗可能)
前提:《空気破壊》《空気変化》
魔化:杖、錫杖、装身具。身に付けている者にしか効果がない。必要エネルギー300。300ドル相当の瑪瑙が必要。
◇ルナル:ジェスタ高司祭、翼人、白の月、黒の月

《猛毒ガス》範囲/生命力で抵抗
 空気中を一瞬だけ猛毒で満たし、空気呼吸をする生物は抵抗に失敗すると基本消費1点ごとに1D点のダメージを受けます。このダメージは防護点を無視し、たとえ気密性防具でも防具の内部に猛毒を発生させます! この呪文は、空気のない場所では効果を発揮しません。
持続:一瞬
消費:1〜3
準備:3秒
前提:素質2+《悪臭》+風霊系8種
◇ルナル:シャストア高司祭、翼人、白の月、黒の月

《瞬間防風》防御
 防御呪文として用いる《防風》です。
消費:2
前提:《防風》、または《念動》《空気変化》
魔化:装身具、武器、鎧。必要エネルギー200。100ドル相当の瑪瑙が必要。
◇ルナル:ジェスタ高司祭、翼人、白の月、黒の月

《切り裂く手》通常
 術者が触れた目標に対して、消費エネルギー1点につき切り/1D点のダメージを与えます。ただし《風刃》(「SKA」)と同じく、鎧や「頑強」などの防護点は2倍として扱います。
消費:1〜3
前提:素質1+風霊系6種
魔化:杖、錫杖、短剣。目標に接触する必要がある。必要エネルギー1500。
◇ルナル:アルリアナ高司祭、翼人、白の月、黒の月


―天候系/風霊呪文―

 天候系呪文には流れの向きを22.5度単位で変更する呪文がありますが、これは方位を16等分(北、北北東、北東、東北東…)、あるいは8等分(北、北東、東…、または子、艮、卯…)するシステムに合致したものです。昔の中国風に方位を12等分(子、丑、寅、卯…)するシステムの場合、流れの向きは30度単位で変更が可能で、単位あたりの消費エネルギーは1/12÷1/16=4/3されます。こういう計算が煩わしい場合、「仙術使いは天候操作に長けている」とでも設定して、単位あたりの消費エネルギーはそのままで構いません。


・「マジック」の呪文

 天候系/風霊ともなる呪文は、「グリモア」にある以下の通りです。
 《天候予測》《雲》《雨》

《天候予測》
 遠隔地の天候が気軽に分かり過ぎないように、目標となる土地との距離に応じた長距離修正を判定に受けさせて構いません。

《雨》
 降水量の「25mm」は、「25mm/h」の事とします(単なるにわか雨ではなく、「大雨」のレベルです)。より弱い雨を降らせる事ができるとしても構いませんが、その場合でもエネルギー消費は変わりません。
 また、魔化を追加します。
魔化:中に魔法の水を封じた水晶球。水に浸す必要は無いが、作成には《聖水》の修得も必須。必要エネルギー800。


・「グリモア」等の呪文

《気流》
 計算が面倒ですので、ちょっと実例を出して慣れ親しんでみましょう(主に筆者が)。
(例)
 風力3の北風が吹く中を、全長20m(ほぼ電車1輌分)の漁船が北に向かって進もうとしています。操船に熟練すれば斜め移動を繰り返して呪文の助けなく北へと向かえるのですが、短時間で向かおうとしている魔術師は、北に向かうのに適した風を呼ぼうとします。
 まず風向きは、南……ではなく南東(135度変更)にします(漁船に帆は2枚あるため、真南の風では帆1枚分が無駄になるためです)。風力はやや高めの5に決めました。この場合の基本消費は、1/50×6×(5-3)=12/50=0.24。直径21ヘクスなら11倍消費で消費エネルギーは2.64≒3点になりました。この程度の疲労なら、持続する1時間の間に休息で自然回復します。


・自作呪文

《霞》範囲
 野外で霞――ごく薄い霧――を作り出すか、あるいは消す事ができます。《霧》とは違い完全には視界を妨げず、視線が霞の中を掠めた距離を射撃の際に用いる距離修正に照らし合わせ、視覚判定のペナルティに足し合わせるだけです。いくら大きな霞でも、暗闇とは違って完全に見えなくする事はできません。GMが望むなら、《雨》でも同じだけ視界を妨げる事にできます。
持続:1時間
消費:1/20・同(維持しなければ、自然に流れたり蒸発したりして消える)
準備:10秒
前提:《雲》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー400。
◇ルナル:翼人、白の月、黒の月

《驟雨》範囲
 《雨》より準備時間が短い分持続時間も短いですが、熱帯のスコール並の激しい雨をもたらします。《霞》の3倍視界を妨げ、更に近接戦闘でも目標値に−1の修正を受けます。足元の状況に応じては、泥沼になったり滑りやすくなったりもするでしょう。弓矢や初歩的な銃器も扱えませんし、号令も聴覚判定に成功しないと聞こえません。
持続:10分
消費:1/2・同(既に雨が降っていれば半分。乾燥した地域では2倍)
前提:《雨》
魔化:中に水を封じた水晶球。作成には《聖水》の修得も必須。必要エネルギー800。
◇ルナル:翼人、白の月、黒の月

《雷雨》範囲
 野外で雷雨を降らせます。降水量は《驟雨》と同じ程度になり、更に1Dターン毎に3D−3点ダメージの落雷が範囲内にランダムで落下します。ただし術者は落雷を受けません。
 この呪文は、電気系呪文にも属します。
持続:10分
消費:1・同(既に雨が降っていれば半分。乾燥した地域では2倍)
前提:《雨》《電光》
魔化:自然の雷に撃たれた木を使った杖。必要エネルギー1000。
◇ルナル:翼人、白の月、黒の月

《乾燥》範囲
 効果範囲内の空気から湿り気を取り除き、1時間毎に湿度を半減させます。雨や霧がある場合も有効ですが、湿度の減少が幾分相殺されてしまいます。
持続:1時間
消費:1/10・同(湿った地域では2倍)
準備:消費1ごとに1分
前提:《空気変化》《水破壊》《雲》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー400。
◇ルナル:翼人(《水破壊》不要)、白の月、黒の月

《湿潤》範囲
 効果範囲内の空気に湿り気を与え、1時間毎に湿度を倍増させます。乾燥した場所でも使えますが、1時間に湿度が百分率で2倍にしかならないため、あらかじめ他の呪文で湿り気を与えてからの方が効率的かもしれません。湿度が100%に達している時にこの呪文を使うと、そこら中の物に水滴が大量に付着するでしょう。
持続:1時間
消費:1/10・同(乾燥した地域では2倍)
準備:消費1ごとに1分
前提:《空気変化》《水作成》《雲》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー400。
◇ルナル:翼人(《水作成》不要)、白の月、黒の月

《凪》範囲
 範囲内は風の流れが止まります。自然な風や息吹は全て勢いを失い、魔法で風を起こす場合は《凪》との即決勝負に勝たないと成功させる事はできません。
持続:1分
消費:1/2・半
前提:《風》
◇ルナル:アルリアナ神官、翼人、白の月、黒の月


―電気系呪文―


・「マジック」の呪文

 「グリモア」の記述通り、《電光》だけがこの亜系統にも属します。


・「グリモア」等の呪文

 「パワーアップ」にのみ存在する呪文は、以下の通りです。
 《爆裂電光》(SKA)


・自作呪文

《電気探知》情報
 最も近くを流れる電気の方向、距離、電圧、電流、電力、その他の性質(直流/交流/三相交流、…)を知る事ができます。この呪文は静電気を探知できますが、生体電流を探知する事はできません。遠距離修正を用いる事と既に知っている対象を除外できる事は、他の探知呪文と同様です。
消費:2
前提:風霊系6種
魔化:金属の杖。必要エネルギー50。
◇ルナル:サリカ入信者、アルリアナ神官、翼人、白の月、黒の月

《電気噴射》通常
 電撃を指先から噴射します。ダメージはエネルギー1点毎に叩き/1D−1点で、射程はエネルギー1点毎に1ヘクスです。命中させるには〈呪文噴射〉を使います。電気に対しては、金属鎧の防御効果は《電光》と同じだけしか働きません。
持続:1秒
消費:1〜3。1点消費する毎にダメージが叩き/1D−1ずつ増える
前提:《電光》
魔化:杖、錫杖、装身具。魔術師のみ使用可能。必要エネルギー700。300ドル相当の白金とオパールの装飾が必要。
◇ルナル:サリカ神官、アルリアナ神官、翼人、白の月、黒の月

《電光の雨》範囲
 落雷を効果範囲の全ヘクスに雨のように降らせ、1ターンにつき「叩き」で1D−2点のダメージを与えます。範囲内にいる者は、毎ターン自分の行動順にこのダメージを受けます。効果範囲内で1ターンを全て過ごしたのでなければ、ダメージは半減(端数切捨て)します。この呪文は屋外でのみ使え、防護点は有効です(金属鎧ではダメージを1点しか防げません)。ミディアムシールドとラージシールドは頭上に構えて電光の雨を防げますが、この場合盾がダメージを受けます。そのようにして防御するには両手を使い、1ターン掛けて準備しなくてはいけません。一度頭上に盾を掲げてしまえばそのキャラクターは自動的に《電光の雨》から守られますが、盾で他の攻撃を「止め」る事はできず、盾の受動防御を他の防御判定に加算する事もできません。
 無生物は防護点で身を守りますが、電気製品や通信設備は莫大なダメージを受けるでしょう。
持続:1分
消費:1(最低2)・同。2倍消費すればダメージが2D−4になるがそれ以上にはダメージは増えない
前提:素質2+《電光》
魔化:杖。魔術師のみ使用可能。必要エネルギー800。400ドル相当の白金と400ドル相当のオパールが必要。
◇ルナル:サリカ高司祭、アルリアナ高司祭、翼人、白の月、黒の月

《落雷》(至難)通常
 電撃の塊を目標(通常の距離修正が掛かります)の頭上からぶつけて、エネルギー1点につき叩き/1D点のダメージを与えます。呪文の判定に成功すれば自動的に命中し、目標は「よけ」のみ可能です。盾の受動防御は使えず、《矢よけ》《矢返し》では防げません。
持続:瞬間。ダメージは永久
消費:1〜4
準備:2秒
前提:素質2+《電光》
◇ルナル:サリカ高司祭、アルリアナ高司祭、翼人、白の月、黒の月

《静電気》範囲
 範囲内に静電気を起こし、空気が乾燥していれば、範囲内のキャラクターは意思判定に失敗すると気が散って敏捷力と知力に−1の修正を受けます。高電圧に弱い精密機器にも、ダメージを与える事が可能でしょう。湿度の高い場所や導電性の高い空間ではこの呪文は効果が発揮されず、アースを付けているキャラクターにも効果が及びません。
持続:1分
消費:1・1
前提:風霊系6種
魔化:(a)杖、錫杖、装身具。必要エネルギー200。
   (b)静電気をアースする装身具。電撃のダメージは減らせないが、「グリモア」の選択ルール使用時にはショックに対する生命力判定に+2の修正を受ける。必要エネルギー40。
◇ルナル:サリカ入信者、アルリアナ神官、翼人、白の月、黒の月

《通電》通常/生命力で抵抗
 体組織に電流を流してダメージを与えます。離れて唱えれば全身にダメージが及び、接触すれば触った部分の部位ダメージとなります。防具は効果ありません。ダメージは小さいですが、抵抗に失敗するとダメージが0でも肉体的な朦朧状態になります。抵抗にファンブルすると痙攣を起こして転倒し、更に1D点疲労します。
持続:永久
消費:1〜3(1点につきダメージ1D−2点)
準備:2秒
前提:《電光》
魔化:杖、錫杖。魔術師しか使えず接触が必要。必要エネルギー700。1000ドル相当の白金が必要。
◇ルナル:サリカ神官、アルリアナ神官、翼人、白の月、黒の月

《魔法の電光》射撃
 《電光》と同じ効果を持ちますが、目標に命中するまでは金属に引き付けられる事はありません。
前提:素質1+《電光》
魔化:《電光》と同じだが、文明レベル6にならないと一般化しない
◇ルナル:白の月、黒の月

《瞬間防電》防御
 防御呪文として用いる《防電》です。
消費:2
前提:《防電》
魔化:装身具、武器、鎧。必要エネルギー300。300ドル相当の白金が必要。
◇ルナル:サリカ神官、アルリアナ神官、翼人、白の月、黒の月

《絶縁》通常/生命力で抵抗
 《防電》に似ていますが、目標の内部の電気の流れまで停止させます。電化製品は作動しなくなり、一部のサイバーウェアや生体電流感知器官は働かなくなります。生物の体内に流れる生体電流を止める事はできません。
持続:抵抗しようとすれば10秒、そうでないなら1分
消費:2・1
準備:2秒
前提:素質1+《防電》
◇ルナル:翼人、白の月、黒の月

《電気変化》通常
 目標を流れる電気の状態を変化させます。電力(W)は変化しませんが、その範囲内で電圧(V)、電流(A)、電気抵抗(Ω)を操作する事が可能です。直流(DC)・交流(AC)・三相交流を相互に転換する事も、交流なら周波数(Hz)を変更する事もできますし、不安定な電流を整流する事も、安定した電流を不安定にさせる事も可能です。
 電気系の戦闘呪文の与えるダメージは電力に依存するため、この呪文では全く変化しません。
持続:1分
消費:2・1
前提:《電光》《防電》
◇ルナル:翼人、白の月、黒の月


―火霊系呪文―

 炎の基本の温度は、「百鬼」の妖力[炎の体]に準じて摂氏500度とします(英語版「スーパー」では華氏500度だそーですが)。エネルギーを2倍消費すれば摂氏1000度に、4倍消費すれば摂氏2000度に上がります(1.5倍や3倍という中途半端な消費に対しても、この対応に従います。通常の限界温度は摂氏2000度です)。射撃呪文や噴射呪文の場合、基本消費で摂氏500度です。また、無生物の破壊されやすい世界(「百鬼」P262参照)の場合、この温度を2倍以上と見なします。ちなみに、白色の家庭用花火の温度は摂氏2000度を突破するそうです(注意注意)。逆に温度を下げると、エネルギー消費はそのままで摂氏200度にまで下がり、ダメージが半減(端数切捨て)します。
 維持の必要な、あるいは時間が「永久」の呪文により燃え続ける炎は、それ自体は周囲の酸素を消費しませんが、「火種」から燃え広がった普通の炎は酸素(または酸素なしで燃える物質)を必要とする、という事にします。呪文の炎でも、可燃物を燃やした場合はそれに応じた酸素を消費します。
 例(a):地底に閉じ込められた探検家が、身体を温めるために《火炎》を使いました。この場合でも閉鎖空間内の酸素の残量が早く減る事はありません。
 例(b):探検家はお腹が減ったので、持っていた魚を《火炎》で焼きます。この場合、魚の表面を焦がすのに必要な分の酸素が減ります。


・「マジック」の呪文

《発火》
 銃器が存在する世界では、暴発させるために使えても良いでしょう。
 例:3点の《発火》を装填済みの銃に掛けられた場合、持ち主の知力による抵抗に失敗すると爆発します。〈黒色火薬銃〉か〈銃器〉(目標となる銃器の種類に応じて異なる)を持たないキャラクターの場合、「目標が見えない」と見なして呪文の判定に−5の修正を受けます。

《火炎》
 「火種」から燃え広がった火は、「火種」に接触している限りは《火炎》であると見なしますが、維持のエネルギーには影響しません。一旦「火種」を離れたら、以降は(再度接触しても)普通の炎として扱います。この解釈は《聖火》にも適用させます。
 また、魔化を追加します。
魔化:(b)100倍のエネルギー消費で永続させる。この魔化を行うには、「素質2」と知力13が必要。

《火炎変化》
 炎の大きさを狭めた場合の温度は、炎の範囲を円形にまとめたと見なした場合に半径を1ヘクス小さくするごとに100度ずつ上がるとします。ただし、温度を摂氏で本来の2倍より高くする事はできません。

《火球》
 英語版Q&Aによると、命中するまでは炎の形になっていないそうです(笑)。ですので、夜襲の際に悠長に狙いを付けていても安心です(をい)。

《火炎武器》
 「敵の木製武器に掛け、1秒後に集中を切って破壊」という裏技を通用しないように、「1D6して「呪文が維持された秒数/10(小数点以下は四捨五入)」以下が出れば壊れる」という事にしてもいいでしょう。もちろん「武器の所持者が抵抗可能」「呪文は鉄製の石突きに掛かった」「相手は〈空手〉〈柔道〉使いだった」「武器を《防火》する魔化コストが極度に低くなった」「相手が持っているのは無傷で手に入れると有益な魔法の品物」という事でも構わないでしょうが(笑)。

《防火》
 上記の通り、敵の杖を燃やしたがるPCがいる場合には「武器を燃えないようにする」魔化を100点以下で行えるようにするべきでしょう(笑)。炎の魔物の多い世界では、市販の武器には必ず魔化されているかもしれません。

《防熱》《防冷》
 魔化を追加します。
魔化:中に入れた物を冷たいまま、あるいは熱いままに保てる常動型の容器。必要エネルギーは内容量0.5kgにつき50。

《火矢》
 「グリモア」の同類呪文は全て、《〜の弓》という形になっています。しかし「開発時期が古い」とか理由を付けて、このままの名称でも構わないでしょう。統一が取れていないのが嫌でしたら、この呪文を《火の弓》にするか、他の同類呪文を「SKA」のように《〜矢》にしてしまいましょう。


・「グリモア」等の呪文

《炎返し》
 システム的には《瞬間防熱》です(基本消費で無限界という、根本的な違いはありますが)。ちなみに前提条件の《防火》は誤植のようで、正しくは呪文前提表の《防熱》でしょう。


・自作呪文

《熱病》通常/生命力で抵抗
 体組織に熱を与えてダメージを及ぼします。離れて唱えれば全身にダメージが及び、接触すれば触った部分の部位ダメージとなります。防具は効果ありません。
持続:永久
消費:1〜3(1点につきダメージ1D−1点)
準備:2秒
前提:《加熱》+火霊系呪文4種
魔化:杖、錫杖。魔術師しか使えず接触が必要。必要エネルギー700。1000ドル相当のルビーが必要。
◇ルナル:デルバイ神官、爬虫人、白の月、黒の月

《熱球》射撃
 《火球》とほぼ同じですが、命中地点で弾けると、炎を伴わない高熱によりダメージを与えます。ですので暗い場所では遠くから見ても命中に気付かれにくいでしょうし、物体に引火する確率も《火球》の1/2になります。
消費:1〜3
準備:1〜3秒
前提:《火球》
◇ルナル:デルバイ神官、爬虫人、白の月、黒の月

《火の粉》範囲
 効果範囲内を細かい火の粉で満たします。視界を妨げ、内部に入ると「燃えているヘクス」のダメージから−2したダメージを受けます。よほど燃えやすい物でないと発火する事はないですが(特に燃えやすい油でさえ確率は1/6)、火霊は火の粉のヘクスを1つ移動する毎に1点回復します。
持続:1分
消費:2・半
前提:《火炎》《火炎変化》
◇ルナル:デルバイ入信者、爬虫人、白の月、黒の月

《火柱》(至難)通常
 炎の柱を目標(通常の距離修正が掛かります)の足元から吹き上げさせて、エネルギー1点につき叩き/1D+1点のダメージを与えます。呪文の判定に成功すれば自動的に命中し、目標は「よけ」のみ可能です。盾の受動防御は使えず、《矢よけ》《矢返し》では防げません。
 ちなみに、炎の柱が吹き上がるのは地面からである必要はありません。建物の床や空中からでも可能です。
持続:瞬間。ダメージは永久。
消費:1〜4
準備:2秒
前提:素質2+《火球》
◇ルナル:デルバイ高司祭、爬虫人、白の月、黒の月

《見えない火炎》範囲
 可視光線を放たない《火炎》です。赤外線を見る事ができない相手は、視覚判定に成功して空気の揺らぎを発見しないと気付かないでしょう。
持続:1分
消費:3・半
前提:《火炎》《色彩変化》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー600。200ドル相当のルビーと200ドル相当の水晶が必要。
◇ルナル:爬虫人、白の月、黒の月

《火炎拳》通常
 《火炎武器》に似ていますが、この呪文は手足に掛かります。呪文の掛かった手足を傷付ける事はありませんが、自分の体に触れると火傷しますので注意して下さい。
持続:1分
消費:4・1
準備:2秒
前提:素質2+《加熱》《防熱》
◇ルナル:爬虫人、白の月、黒の月

《焼却》通常
 既に燃えている物体を短時間で焼き尽くし、後に灰だけを残します。エネルギー消費は《発火》を参照し、「燃え始める」を「1ヘクス×1.8m相当分の質量が燃え尽きる」に読み替えて下さい。この呪文は生物には効きませんが、知性を持たない(平均知力7未満の)植物には有効です。
持続:1秒
消費:1〜4(対象による)・同
前提:《加熱》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー400。300ドル相当のルビーが必要。
◇ルナル:デルバイ神官、爬虫人、白の月、黒の月

《浄火》範囲
 《火炎》に似ていますが、アンデッド、悪霊、悪魔といった「不自然な生命」「本質的に邪悪な存在」に対して特に有効な淡白色の炎を作り出します。通常の生物や物体にはダメージが−1されますが、先にあげたような存在には逆にダメージが実体の有無に関わらず+2されて与えられ、更に恐怖判定を行う必要があります。
 《浄火》は、《聖水》《呪文除去》でのみ消す事が可能です。
持続:1分
消費:3・2
準備:2秒
前提:《聖火》《死人返し》
魔化:杖、錫杖、装身具。魔術師にしか使えない。必要エネルギー400。
◇ルナル:爬虫人(蛇人)、白の月

《浄火球》射撃
 浄火の球体を投げ付け、ダメージを与えます。扱いはほとんど《火球》と同じですが、ダメージはエネルギー1点につき通常は叩き/1D−1、不浄な存在には叩き/1D+2です。
消費:1〜3
準備:1〜3秒
前提:《浄火》
魔化:杖、錫杖。魔術師にしか使えない。必要エネルギー600。
◇ルナル:爬虫人(蛇人)、白の月

《爆裂浄火球》射撃
 爆裂する浄火球を放ちます。扱いは《浄火球》《爆裂火球》を参照して下さい。
消費:2〜6
準備:1〜3秒
前提:《浄火球》
魔化:杖、錫杖。魔術師にしか使えない。必要エネルギー900。
◇ルナル:爬虫人(蛇人)、白の月

《断熱》通常
 目標とその持ち物は熱を外部に洩らさなくなり、外部からの熱も伝わりにくくなります。熱や冷気のダメージも1点だけ減少できますが、熱が外部に逃げないために運動や戦闘による疲労が2倍になります。
 「赤外線視力」《赤外線視覚》の影響下にある対象には、この呪文の影響下にある目標は見え辛くなります。視覚判定や戦闘の修正はこれらの影響を無視しますが、気温が摂氏21度以上ある時に身体を動かしていると、周囲の空気の揺らぎにより感知できるため修正を半分(端数切上げ)と見なします(可視光線が存在しない場所では−5修正です)。赤外線センサーは、この呪文の目標を感知できません。
持続:1分
消費:2・1
前提:《冷却》、または《凍結》
魔化:(a)杖、錫杖、装身具。身に付けている者にしか効果はない。必要エネルギー300。
   (b)常動型の容器。必要エネルギーは内容量0.5kgにつき50。
◇ルナル:デルバイ神官、爬虫人、白の月、黒の月

《火炎防御》防御
 目標の近くに一瞬だけ激しく燃える炎の防壁を作り上げ、高熱と衝撃で攻撃を防ぎます(ルール的には「止め」として扱います)。目標の存在するヘクスの縁に壁を作るため、同一ヘクスからの攻撃を防ぐ事はできません。また、炎で防げない攻撃(火霊系呪文、銃弾など)も防げません。
消費:2
前提:素質2+《火炎》
魔化:装身具、武器、鎧。必要エネルギー200。
◇ルナル:デルバイ神官、爬虫人、白の月、黒の月

《プラズマ》(至難)範囲
 超高熱(摂氏5000度程度)を放つプラズマを発生させます。効果範囲内の地面や物は、よほど丈夫でなければ完全に破壊されるでしょう。幸運にも吹き上げるエネルギーが爆発的なため、人間程度の大きさならたとえ範囲内にいても即座に弾き出されます。ダメージの処理は《間欠泉》に準じて、熱湯はプラズマ、蒸気は熱気、しぶきは火の粉として読み替えて下さい。地面以外にも掛けられますが、大抵は1秒から数秒で床や屋根を破壊してプラズマは下へ落ちる事になります。
持続:1秒
消費:5・2
準備:5秒
前提:素質2+火霊系呪文12種
◇ルナル:デルバイ高司祭、爬虫人、白の月、黒の月(第一師団、第七師団)

《空中爆裂火球》射撃
 《爆裂火球》のアレンジ版で、何かに当てなくても空中で爆発させる事が可能です。空中で「よけ」ても、ダメージを−1Dして受けなくてはなりません。鳥や羽虫の「大群」を仕留めるのにも最適でしょう。他の呪文の空中爆発バージョンも、密かに開発されていると噂されています。
消費:2〜6
前提:素質2+《爆裂火球》《念動》
◇ルナル:デルバイ高司祭、爬虫人(蛇人)、白の月、黒の月(第一師団、第七師団)

《炎爆武器》通常
 《火炎武器》より強烈な炎で武器を包みます。普段はダメージボーナスが+2(または1D−2)ですが、攻撃がクリティカルすると炎が炸裂してボーナスが+4(または1D)に上昇します。他の《火矢》《氷結武器》などにも、同類の上級呪文が存在するそうです。
持続:1分
消費:5・2
準備:2秒
前提:素質3+《火炎武器》
魔化:《火炎武器》と同じ。必要エネルギーと材料費は+50%。
◇ルナル:デルバイ高司祭、爬虫人、白の月、黒の月(第一師団、第七師団)

《瞬間防冷》防御
 防御呪文として用いる《防冷》です。
消費:2
前提:《防冷》
魔化:装身具、武器、鎧。必要エネルギー300。
◇ルナル:デルバイ神官、爬虫人、白の月、黒の月


―水霊系呪文―

 1ヘクス・高さ1.8mを埋め尽くす水の量は1440リットル(1.44m3)で、《水浄化》では360点、《水作成》では720点、《水変化》では18点のエネルギーが必要となります(《水破壊》が3点で済むのにこの違いは一体……)。水中種族の使う呪文の場合、エネルギー消費や使用形態は《空気〜》に準じてしまうか、ここに掲載する《水域〜》を使うのが良いでしょう。
 「マジック」で魔化の際に要求される「材料」は、基本的にエメラルドであるとして扱って下さい。ただし氷霊系はサファイア、蒸気系はカーネリアンを代わりに用います。
 この系統の呪文は、特に世界設定で限定を加えない限り、水以外の液体にも影響を与えます(ただし、高温でのみ存在する液体(溶けた鉄、溶岩など)は除外します)。もちろん、特殊な呪文でもなければ水以外の液体を作り出す事はできません。


・「マジック」の呪文

《水探知》
 熊手状の棒を使わなくてはならないというのは、きっぱり無視しても大した支障はないでしょう。ただし、細かい所にこだわるGMが行うセッションに参加するプレイヤーは、くれぐれも熊手状の棒の所持を忘れないで下さい(……値段も重量も不明ですが)。

《水変化》
 明記されている通り、蒸気も操れる事は忘れないで下さい。


・「グリモア」等の呪文

《涸れ井戸》
《井戸作成》
 「well」には「泉」という意味もあります。ですので名称を《涸れ泉》《泉作成》にしても問題はないでしょう。
 《井戸作成》が不自然過ぎる場所に掛けられるのが嫌な場合は、下方向に自然の地盤や岩盤が4m以上続く場所にしか掛けられない事にして構いません。


・自作呪文

《永久水浄化》特殊
 輪に掛けて、これを通して注がれる水から全ての不純物を取り除きます。
持続:永久
消費:1分に4リットル分浄化できるなら500。速度を増す場合は速度に応じてエネルギーも増加。
準備:1時間
前提:素質2+知力13+《水浄化》
◇ルナル:リャノ高司祭、グルグドゥ、白の月、黒の月

《水域浄化》範囲
 《水浄化》とは違い、一定の範囲に存在する一塊の水に掛けます(全部でも一部でも構いません)。不純物は水に溶けない形に変質し、滓のようになって浮くか沈むかするでしょう。氷や霧も浄化できます。
 なおこの呪文では、水にイオンとして溶け込む塩や酸、アルカリを浄化する事はできません。海水や草津のお湯を飲めるようにはできませんし、レモンジュースは単なる酸っぱい水になってしまいます。
持続:一瞬、効果は永久。
消費:3
前提:《水作成》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー800。
◇ルナル:リャノ神官、高司祭共通、〈導き手〉共通、爬虫人(蛇人)、グルグドゥ、白の月、黒の月

《永久水域浄化》通常
 特定のヘクス1つに掛けて、そこを通る水を全て《水域浄化》し続けます。塩、酸、アルカリを浄化する事はできません。
持続:永久
消費:1分に1ヘクス分浄化するなら300。速度を増す場合は速度に応じてエネルギーも増加。
準備:1時間
前提:素質2+知力13+《水域浄化》
◇ルナル:リャノ高司祭、グルグドゥ、白の月、黒の月

《永久水作成》通常
 特定のヘクス1つに掛けて、そこから水を発生させ続けます。目標ヘクスでの《水破壊》は自動的に失敗します。
持続:永久
消費:1分に4リットル作成するなら200。速度を増す場合は速度に応じてエネルギーも増加。
準備:1時間
前提:素質2+知力13+《水作成》
◇ルナル:リャノ高司祭、グルグドゥ、白の月、黒の月

《水域変化》通常
 《空気変化》のように、水中で小さな範囲の水を動かす事ができます。陸上で使っても意味は無く、《水変化》とは違って水は重力の制限を無視できません。水面より上に持ち上げる事はできないのです。
 水は水中の目標ヘクスから流れ、1ヘクスの幅でエネルギー×5ヘクス先まで届いて消え去ります。毎ターン消費エネルギー2点毎に1Dを振って、合計が8になると水でキャラクターを1ヘクス後退させられるのも一緒です。
持続:1分
消費:1〜10・同。1で微流、4で軽流、6で強流、8で烈流。
前提:《水作成》
魔化:(A)杖、錫杖、装身具。必要エネルギー200。
   (B)船の舵。舵の存在するヘクスから舵の向いている方向にしか流れない。必要エネルギー150。通常は非常用動力だが、《発電》と組み合わせた船もあるらしい。
◇ルナル:リャノ神官、グルグドゥ、白の月、黒の月

《香水》通常
 術者の知っている良い香りを水に持たせるか、もしくは何も無い所からそのような水を作ります(色は付けられないので《染色》を使って下さい)。こうして作り出した香水は、容器に入れてあれば香りが1日残りそれから次第に薄れますが、水中ではすぐ拡散してしまいます。《芳香》同様、香り以外の点では元の水のままです。汚れた水の臭いを取り去るには《消臭》を使いましょう。
持続:1日
消費:水に掛けるなら4リットルあたり1、香水を作り出すなら4リットルあたり3・維持は不可。
前提:《水作成》《芳香》
魔化:瓶。中に入れた水を魔化の際に指定した香水にする。必要エネルギーは容量4リットルにつき200。
◇ルナル:リャノ高司祭(《芳香》不要)、グルグドゥ(《芳香》不要)、白の月、黒の月

《水弾》射撃
 高圧力の掛かった水の球体を撃ち出して、破裂の衝撃によりエネルギー1点毎に叩き/1D点のダメージを与えます。〈呪文射撃/球体〉ではなく〈呪文射撃/火球〉を使う事以外、《氷球》とデータ的には何ら変わりはありません。自然環境に氷の存在しない地域の魔術師達に使用者が多く存在します。
消費:1〜3
準備:1〜3秒
前提:《水変化》
魔化:《氷球》と同じ
◇ルナル:リャノ神官(ジャナストラが中心)、グルグドゥ、白の月、黒の月

《炸裂水弾》射撃
 炸裂して周囲にダメージを与える水の球体を撃ち出します。ダメージはエネルギー2点毎に叩き/1D点で、射撃には《水弾》と同じく〈呪文射撃/火球〉を用います。周囲へのダメージについては、《爆裂火球》を参照して下さい。
消費:2〜6
準備:1〜3秒
前提:《水弾》
◇ルナル:リャノ神官(ジャナストラが中心)、グルグドゥ、白の月、黒の月

《水圧殺》通常/生命力で抵抗
 水圧を一瞬急増させて、《脱水》と同じダメージを与えます。目標が水中にいないと使えませんが、《脱水》が効かないアンデッドやゴーレムにも有効です。
 水中種族にはこの呪文のバリエーションとして、肉体操作系や移動系に類似した効果を与えるものがあるそうです。
消費:1〜3
準備:2秒
前提:《水変化》
◇ルナル:グルグドゥ、白の月、黒の月。海エルファも使うと言われている。

《水中適応》通常/抵抗は自動
 目標は水中で呼吸できるようになり、水中で行動に制限を受ける種族でも敏捷力や移動力に対するペナルティを打ち消されます。ただし移動力は地上か空中のものと同じです。
 この呪文の持続中は、本来空中で呼吸できる種族でも水の外に戻ると窒息してしまいます。
持続:1時間
消費:8・3
準備:1分
前提:素質2+《水中呼吸》《水泳》
魔化:常動型の装身具。必要エネルギー1500。
◇ルナル:白の月、黒の月

《水刃噴射》通常
 圧縮された水の刃を指先から放ち、エネルギー1点毎に切り/1D−1点のダメージを与えます。「よけ」「止め」はできますが「受け」はできず、射程は消費エネルギーと同じだけのヘクスです。《水噴射》とは異なり、跳ね飛ばしや顔面への目潰しは不可能です。
持続:1秒
消費:1〜3・同
前提:《水噴射》
魔化:杖、錫杖、装飾品。魔術師のみ使用可能。必要エネルギー800。
◇ルナル:リャノ神官、グルグドゥ、白の月、黒の月

《逃げ水》範囲
 効果範囲に実体の無い水を作り出します。触ると濡れる感触を受けますが、実際に濡れているわけではありません。完全に沈めば溺れるかもしれませんが、体力が0になって気絶してもそれ以上の影響は受けません。もちろん足が立たないほど深ければ〈水泳〉に成功しても沈みます。《水変化》《水破壊》を使えば、この幻の水に影響を与える事ができます。
 この呪文は、周囲よりくぼんでいる場所にしか効果を与えませんが、水のしみこみやすい地面や下に穴の開いた場所でも働きます。
持続:1分
消費:2・2
前提:《水変化》or《幻影》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー300。$200相当のサファイアが必要。
◇ルナル:リャノ神官、グルグドゥ、白の月、黒の月

《鹹水作成》通常
 《水作成》と同じく水を作り出しますが、この呪文で作り出した水には塩分や鉄分、石灰などが含まれており、家畜が飲むにはともかく人間の飲用には全く適していません。この呪文で畑に水をやっても、悪環境に耐える植物でなければ枯らしてしまうだけでしょう。人間が飲むには、《水浄化》を通す事が必須です。容器の中や空中に作る事はできますが、水滴でできた靄にする事はできません。
持続:永久
消費:1ヘクス×1.8m(1440リットル)あたり4
前提:《水作成》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー100。
◇ルナル:リャノ神官、グルグドゥ、白の月、黒の月

《水を空気》範囲
 水を新鮮な空気に変化させます。変化後の空気の量は、1気圧(あるいは術者の世界の標準的気圧)において同一の体積を持つだけの量です。
 この呪文は水霊系と同時に、風霊系にも属します。
持続:永久
消費:3
前提:《水破壊》《空気作成》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー300。
◇ルナル:リャノ高司祭、グルグドゥ(《空気作成》不要)、白の月、黒の月

《渦》範囲
 《風》と同等の渦を水中に作ります。
持続:全力になってから1分
消費:2・半
準備:《風》と同じ
前提:《水変化》
◇ルナル:リャノ神官、グルグドゥ、白の月、黒の月

《大渦》範囲
 《嵐》と同等の渦を水中に作ります。
持続:全力になってから1分
消費:4・半
準備:《嵐》と同じ
前提:《渦》
◇ルナル:リャノ神官、グルグドゥ、白の月、黒の月

《瞬間防水》防御
 防御呪文として用いる《防水》です。
消費:2
前提:《防水》
魔化:装身具、武器、鎧。必要エネルギー200。100ドル相当のエメラルドが必要。
◇ルナル:リャノ神官、グルグドゥ、白の月、黒の月

《水防御》防御
 目標の近くに一瞬だけ弾ける濃密な水の防壁を作り上げ、熱や衝撃、塵を吸収して攻撃を防ぎます(ルール的には「止め」として扱います)。目標の存在するヘクスの縁に壁を作るため、同一ヘクスからの攻撃を防ぐ事はできません。また、水で防げない攻撃(水霊系呪文(氷系を除く)、銃弾など)も防げません。
消費:2
前提:素質2+《水作成》
魔化:装身具、武器、鎧。必要エネルギー200。
◇ルナル:リャノ神官、グルグドゥ、白の月、黒の月

《水鏡》範囲
 水面を鏡のように変化させ、実際に鏡として使えるようにします。副次効果として水上から水中への視線を遮りますが、水中から水上への視線は遮りません。水面が非常に激しい流れや大きな波を伴う、または水が凍結している場合、この呪文は効果を発揮できません。水以外の液体にも効果はありません。
持続:1分
消費:1・1
前提:《水変化》+水霊系5種
◇ルナル:リャノ神官、グルグドゥ、白の月、黒の月

《水流武器》
 武器に水の塊をまとわせて、ダメージ型に関わらず「はね飛ばし」の効果を追加します。「はね飛ばし」の際には、ダメージを+4点(「叩き」武器なら+6点)と見なします。攻撃した相手が炎の生き物なら、追加ダメージに+3します。
持続:1分
消費:4・1
準備:2秒
前提:《水作成》
魔化:エネルギー消費なしで、所有者が望んだ時に水をまとう武器。必要エネルギー750。400ドル相当のエメラルドが必要。
◇ルナル:リャノ神官、グルグドゥ、白の月、黒の月

《水の弓》
 《水流武器》に似ていますが、射撃武器に対して唱えます。射出された弾体は、目標に命中するか10秒経過すると砕けてしまいます。
持続:1分
消費:4・2
準備:3秒
前提:《水流武器》
魔化:エネルギー消費なしで、所有者が望んだ時に水をまとう射撃武器。必要エネルギー1000。500ドル相当のエメラルドが必要。
◇ルナル:リャノ高司祭、グルグドゥ、白の月、黒の月


―天候系/水霊呪文―


・「マジック」の呪文

 天候系/水霊ともなる呪文は、「グリモア」にある以下の通りです。
 《霧》《霜》《雪》《雹》


・「グリモア」等の呪文

(無し)


・自作呪文

(無し)


―氷霊系呪文―


・「マジック」の呪文

 氷霊系ともなる呪文は、以下の通りです。
 《氷結武器》《氷球》《氷剣》《霜》《氷面》《冷凍》《雪解け》《氷中視覚》《雪靴》《雪》《雹》《凍傷》
 また、これらの中の一部は天候系でもあります。

《氷結武器》
 必要な材料は「2000ドル相当」と書いてありますが、他の同類呪文に必要な材料(手持ち武器は400ドル、射撃武器は500ドル、材料が2つ必要なら−100ドル)に準じて、「400ドル相当のサファイア」に変更します。


・「グリモア」等の呪文

(無し)


・自作呪文

《流氷》通常
 水面に、人や荷物を載せられる流氷を作り出します(表面はざらざらで滑ったりしません)。流氷の基本サイズは1ヘクスで、50kgまでの重量を支えられます。重い生物や物体の場合は2ヘクス以上に跨る流氷で支える事ができますが、生物や物体のサイズに応じて限度が生じます。人間なら2ヘクスが限度でしょう。呪文が切れたら流氷は普通の重さしか支えられなくなりますが、水温が0度程度ならしばらくの間は溶けずに漂います。確保しておけば再利用も可能です。流氷を動かす際には〈ボート〉技能か技能無し値の「知力か敏捷力−5」を使いますが、慣れていなかったり波が高かったりすればその修正も普通に受けます。オールか竿(クォータースタッフで代用できます)が無い場合には、《魚制御》で魚に押させたり《念動》で横に引っ張ったり(流氷は仮に40kgとします――水面を滑っているからです)波間に漂い続けるかしなくてはならないでしょう。
 この呪文は気温・水温が0度以上でも使えますが、その際は必要エネルギーが増加します。重みを支えようと分厚くすると却って安定性が損なわれるので、そのような使い方も不可能です。
持続:1時間
消費:8(水が温かければ)、4(冷たい水があれば)、2(既に存在する流氷に掛ける)。維持は1ヘクスあたり2(水が温かければ4)。
準備:4秒
前提:《氷面》《冷凍》
◇ルナル:グルグドゥ、白の月、黒の月

《冷気噴射》通常
 術者の指先から冷気を吹き出し、エネルギー1点あたり1D点のダメージを与えます。「よけ」「止め」が可能ですが「受け」はできません。〈呪文噴射〉で毎ターン命中判定を行いますが、跳ね飛ばしにも目潰しにも使えません。
 この呪文は、「グリモア」の《雪噴射》の代わりに《氷吹き》の前提とする事が可能です。
持続:1秒
消費:1〜3・同。射程はエネルギーと同じ。
前提:《水噴射》《冷凍》
魔化:杖、錫杖。冷気は先端から噴き出し、魔術師のみ使用可能。必要エネルギー600。$500相当のサファイアが必要。
◇ルナル:白の月、黒の月

《炸裂氷球》射撃
 炸裂して周囲にダメージを与える氷の球体を撃ち出します。ダメージはエネルギー2点毎に叩き/1D点で、射撃には《氷球》と同じく〈呪文射撃/球体〉を用います。周囲へのダメージについては、《爆裂火球》を参照して下さい。
消費:2〜6
準備:1〜3秒
前提:《氷球》
◇ルナル:リャノ神官、グルグドゥ、白の月、黒の月

《冷たい手》通常
 術者が触れた目標に対して、消費エネルギー1点につき1D点のダメージを与えます。鎧や「頑強」などの防護点は通常通り適用されます。
消費:1〜3
前提:素質1+氷霊系4種
魔化:杖、錫杖、手袋。目標に接触する必要がある。必要エネルギー1500。
◇ルナル:リャノ高司祭、グルグドゥ、白の月、黒の月


―酸系呪文―


・「マジック」の呪文

 ここにも属する呪文はありません。


・「グリモア」等の呪文

《酸球》
 射撃に必要な〈呪文射撃/球体〉は、「マジック」の〈呪文射撃/火球〉と同じ技能ですので注意して下さい。


・自作呪文

《酸霧》範囲
 《霧》と似ていますが、作り出す霧は酸でできています。視界を妨げ、呼吸していると毎ターン生命力判定を行い失敗するとむせて1点ダメージを受けます。無生物を侵蝕するほど濃厚な酸ではありません。
持続:1分
消費:3・半
前提:《酸作成》《水変化》
◇ルナル:爬虫人(亀人は《水変化》不要)、グルグドゥ、白の月、黒の月

《酸の泡》(至難)通常
 酸の泡を吹き出させて、エネルギー1点につき叩き/1D+1点のダメージを与えます。呪文の判定(通常の距離修正が掛かります)に成功すれば自動的に命中し、目標は「よけ」のみ可能です。盾の受動防御は使えず、《矢よけ》《矢返し》では防げません。
持続:瞬間。ダメージは永久
消費:1〜4
準備:2秒
前提:素質2+《酸球》
◇ルナル:爬虫人、グルグドゥ、白の月、黒の月

《瞬間防酸》防御
 防御呪文として用いる《防酸》です。
消費:2
前提:《防酸》
魔化:装身具、武器、鎧。必要エネルギー300。
◇ルナル:爬虫人、グルグドゥ、白の月、黒の月

《酸性武器》通常
 武器に強酸の液を帯びさせて、追加ダメージを+2します。武器そのものを即座に蝕む事はありませんが、金属製の武器なら1分間持続させる毎に1Dを振り、1が出ると武器が破損してしまいます。
持続:1分
消費:4・1
準備:2秒
前提:素質2+《酸作成》
魔化:エネルギー消費なしで、所有者が望んだ時に酸をまとう武器。必要エネルギー750。400ドル相当のネフライト(軟玉)が必要。
◇ルナル:爬虫人、グルグドゥ、白の月、黒の月

《酸の弓》通常
 《酸性武器》に似ていますが、射撃武器に対して唱えます。射出された弾体は、目標に命中するか10秒経過すると朽ちてしまいます。
持続:1分
消費:4・2
準備:3秒
前提:《酸性武器》
魔化:エネルギー消費なしで、所有者が望んだ時に酸をまとう射撃武器。必要エネルギー1000。500ドル相当のネフライトが必要。
◇ルナル:爬虫人、グルグドゥ、白の月、黒の月


―蒸気系呪文―

 「グリモア」をルナルに導入する際の記述に、「蒸気系呪文」なる亜系統が記されています。本文にはそんな亜系統はありませんが(汗)、蒸気を作成するような呪文を中心として、前提に火霊系を含む呪文を蒸気系呪文とします。


・「マジック」の呪文

 《間欠泉》だけが、蒸気系呪文にも属します。


・「グリモア」等の呪文

 蒸気系ともなる呪文は、以下の通りです。
 《沸騰》《凝結》《蒸気作成》《蒸気噴射》《蒸気吹き》


・自作呪文

《温泉》通常
 《井戸作成》と似ていますが、水でなくお湯(最高で摂氏80度)が湧き出します。
持続:永久。ただし再び元の地形に戻る。
消費:4リットル/秒ごとに5。
準備:2分
前提:《井戸作成》《加熱》
◇ルナル:リャノ高司祭、白の月、黒の月


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