◇謹製呪文之書・続編分冊1◇


 a01.油系
 a02.漆系
 a03.硫黄系
 a04.紙・印刷系
    ├a04-1.紙系
    └a04-2.印刷系
 a05.アルカリ系
 a06.ゴム系

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―油系呪文―

 油とは、常温で液体となる植物油の事です。元が植物である石油も一応含みますが、動物の脂は含みません。その由来から、地霊系及び植物系と深い関係を持ち、これらの亜系統と見なされます。
 なお、油を浴びたキャラクターが火に触れると1/2の確率で引火します(「ルナル完全版」P33参照)。


・自作呪文

《油探知》情報
 最も近くにある油の方向と距離、性質を知る事ができます。距離による修正は遠距離修正を使い、呪文を掛ける前に指定すれば既に分かっている油を探知から除く事ができます。
消費:2
前提:《鉱物探知》《植物探知》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー150。
◇ルナル:多足のもの(《植物探知》不要)、白の月、黒の月

《油浄化》通常
 油から不純物を取り除きます。燃料用はともかくとして、食用に使う際にはかえって味気なくなるでしょう。使用法は《水浄化》を参照して下さい。
持続:永久
消費:4リットルにつき1
準備:5秒
前提:《油探知》
魔化:通した油から不純物を取り除く漏斗。5秒に4リットル通せる毎に必要エネルギー60。
◇ルナル:多足のもの、白の月、黒の月

《油作成》通常
 何も無い所から油を作り出します。容器の中に作ったり、空中に球状に作って地面に落としたり、油滴でできた濃密なもやにする事ができます。4リットルのもやがあれば、1ヘクス分の炎のダメージを1Dにつき+1する事もできます。
 魔法で作った油は普通、菜種油に近い性質を持つさらりとした燃料用・食用兼用の物です。しかしサンプルを1滴用意した上で4リットルにつき1点余分にエネルギーを使う事で、機械油やガソリンを作る事も可能です。この際には成功判定とは別にGMは呪文の技能レベルを目標値とした判定を行い、性質が思い通りになったか調べて下さい。呪文の発動判定にクリティカルしたら、無条件で思い通りの性質になります。
 「グリモア」の動力系呪文が存在する世界では、機械用の燃料を作成する事はできません。ただし、作成した油を《燃料浄化》により燃料用に精製する事が可能です。
持続:永久。使われるまで
消費:4リットルにつき3、特殊な油なら4
前提:《油浄化》《土作成》、または《油浄化》《植物作成》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー250。
◇ルナル:多足のもの、白の月、黒の月

《油破壊》通常・範囲
 範囲内の油脂分を消し去ります。粘性・揮発性の高い油や《聖油》の場合は1回掛けた所で特殊能力を失い、もう1回掛けた所で消え去ります。
持続:永久
消費:1(拳大)、2(30リットル)、3(範囲使用時の基本消費)
前提:《油作成》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー400。
◇ルナル:多足のもの、白の月、黒の月

《油変化》通常
 《水変化》に似ていますが、変化させる対象は油です。油の重さは様々ですが、とりあえず80リットルで60kg(水の3/4)という事にさせて下さい。壁状にすれば、火の攻撃を煽り立てる事ができて不便です(汗)。
持続:1分
消費:80リットルにつき2・消費は油の量に関わらず2
準備:2秒
前提:《油作成》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー500。
◇ルナル:多足のもの、白の月、黒の月

《油噴射》通常
 指先から油を噴射します。射程はエネルギー1点につき1ヘクスで、エネルギー1点につき1D点の後退ダメージを与えたり、群れをなしている小さな生物を始末する事ができます。《油噴射》を顔面に受けた場合、次のターンは不快感で敏捷力と知力がエネルギー1点につき−1修正を受けます(続けて浴びない限り、それより後のターンには適用されません)。炎に浴びせて拡大する事も可能です。
持続:1秒
消費:1〜3
前提:《油変化》
魔化:杖、錫杖、装身具。松の木から作られる事が多い。必要エネルギー700。
◇ルナル:多足のもの、白の月、黒の月

《防油》通常
 目標(生物、物体)とその持ち物は油の影響を免れます。油が付いても自分の手で払えば簡単に落ち、油汚れも残りません。
 この呪文は油系と共に、防御/警戒系にも属します。
持続:1分
消費:2・1
前提:《油作成》
魔化:(A)杖、錫杖、装身具。身に着けている者にしか効果が無い。必要エネルギー800。
   (B)杖、錫杖、装身具。必要エネルギー1200。
◇ルナル:多足のもの、白の月、黒の月

《油面》範囲
 効果範囲内に油を敷きます。硬い地面や石畳、アスファルト舗装の路上、屋内の床などの油の染み込まない環境でないとあまり意味がありませんが、この上での行動は《氷面》《つるつる》と同じ制限を受けます。しかもこの上では火がつきやすく、炎はダメージが1Dにつき+1されます。
持続:油が消えるまで
消費:3
準備:エネルギー3点につき1秒
前提:《油作成》
魔化:(A)杖、錫杖、装身具。必要エネルギー700。
   (B)100倍のエネルギーで永久化が可能。何らかの手段で油を取り去っても1ターン後に元に戻る。
◇ルナル:多足のもの、白の月、黒の月

《油霧》範囲
 《霧》と似ていますが、作り出す霧は油です。視界を妨げ、燃えている武器や火球のダメージを+1します。火霊は油霧のヘクスを1つ移動する毎に1点回復します。
持続:1分
消費:2・半
前提:《油変化》
◇ルナル:多足のもの、白の月、黒の月

《香油》通常
 術者の知っている良い香りを油に持たせるか、もしくは何も無い所からそのような油を作ります(色は付けられないので《染色》を使って下さい)。こうして作り出した香油は、容器に入れてあれば香りが1日残りそれから次第に薄れます。《芳香》同様、香り以外の点では元の油のままです。
持続:1日
消費:油に掛けるなら4リットルあたり1、香油を作り出すなら4リットルあたり4・維持は不可
前提:《油作成》《芳香》
魔化:瓶。中に入れた油を魔化の際に指定した香油にする。必要エネルギーは容量4リットルにつき200。
◇ルナル:多足のもの(《芳香》不要)、白の月、黒の月

《聖油》通常
 魔法を帯びた油を作り出します(見た目はどの油に似ているとも言い難い、無色透明の微かに匂う液体です)。燃料としては通常の3倍長持ちし、しかも煙も放ちません。また《聖気》と同じく、炎のダメージには1D毎に+1します。全ての用途に適応し、これで調理した食べ物は非常に美味しく、油をさした機械は滑らかに動くでしょう。
 「グリモア」の動力系呪文が存在する世界では、機械用の燃料を作成する事はできません。ただし、作成した油を《燃料浄化》により燃料用に精製する事が可能です。
持続:永久。使われるまで
消費:4リットルにつき8
前提:油系呪文6種
魔化:杖、錫杖、装身具。魔術師のみ使用可能。必要エネルギー600。
◇ルナル:多足のもの、白の月、黒の月

《粘る油》通常
 粘性の高い、松脂のような油を作り出します。この油は人や物に付着しやすく(人に掛ける場合は、呪文の技能レベルと相手の敏捷力とで即決勝負を行って下さい)、しかも火に触れると5/6の確率で引火して激しく燃えて、消火されるまでターンの全てを「燃えている」ヘクスで過ごしていると見なして1秒毎に1D−1点のダメージを与え続けます。炎に対しては鎧は通常の防御効果を発揮してくれますが、「防護点×3」ターンが過ぎると毎ターン生命力判定を行い、失敗すると1点疲労します(「ベーシック完訳版」P168参照)。しかもこの炎は高熱を発するため、ダメージが0になるか、もしくは防護点で全て防がれたとしても、最低でも毎ターン1点はダメージを与え続けます。通常は10秒ほど燃え続けますが、《消火》や《聖水》で消火が可能です。《水作成》は2回分掛けないと効果がありません。
 《粘る油》は、滑り止めや接着剤としても使えます(というか、こちらが本来の使い道なのですが)。手足に少量を付ければ〈登攀〉に+3し、4リットルを1ヘクスに落とせば成功度0の《べたべた》と同じ効果を1時間持ちます。棒に塗り付けて固めれば、即製の松明にもなるでしょう。
持続:1時間で固まる。持続不可
消費:4リットルにつき6
前提:《べたべた》+油系呪文6種
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー800。
◇ルナル:多足のもの(《べたべた》不要)、白の月、黒の月


―漆系呪文―

 日本の産物として有名な、漆を扱う呪文系統です。水霊系の亜系統であると同時に、植物系とも関連を持ちます。
 和風の色合いの強い世界ではごく普通に存在するでしょうが、ヨーロッパ風の世界にはそぐわないどころの問題ではないでしょう。ルナルのリアド大陸の場合、旧ザノンの領域とカルシファード以外で使われる事は恐らくありません。
(漆について)
 漆に触れるとかぶれます。接触する毎に生命力判定を行い、失敗する毎に敏捷力が1日間−1されます(大抵は手だけですが)。燃やした煙を吸い込むと生命力+4判定を行い、成功しても痒さとくしゃみで1D分間敏捷力が1D点低下します。失敗するとその上に1D点のダメージを受けます。


・自作呪文

《漆探知》情報
 最も近くにある漆の方向と距離、性質を知る事ができます。距離による修正は遠距離修正を使い、呪文を掛ける前に指定すれば既に分かっている漆を探知から除く事ができます。
消費:2
前提:《水探知》《植物探知》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー150。
◇ルナル:白の月、黒の月

《漆浄化》通常
 漆から不純物を取り除きます。使用法は《水浄化》を参照して下さい。
消費:4リットルにつき1
準備:5秒
前提:《漆探知》
魔化:通した漆から不純物を取り除く漏斗。5秒に4リットル通せる毎に必要エネルギー60。
◇ルナル:白の月、黒の月

《漆作成》通常
 何も無い所から漆を作り出します。漆のもやを浴びたら呪文の技能レベルと目標の敏捷力で即決勝負を行い、呪文側が勝ったら目標は「剥き出しの部分が漆に触れた」事になり、適宜生命力判定を行わなくてはなりません。鎧の防護点は、5点毎に生命力判定の基準値に+1できるだけです。
持続:永久。使われるまで
消費:4リットルにつき3
前提:《漆浄化》《水作成》、または《漆浄化》《植物作成》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー250。
◇ルナル:白の月、黒の月

《防漆》通常
 目標(生物、物体)とその持ち物は漆の影響を免れます。漆が付いても自分の手で払えば簡単に落ち、肌もかぶれません。ニスやラッカーの影響も受けなくなります。
 この呪文は漆系と共に、防御/警戒系にも属します。
持続:1分
消費:2・1
前提:《漆作成》
魔化:(A)杖、錫杖、装身具。身に着けている者にしか効果が無い。必要エネルギー600。
   (B)杖、錫杖、装身具。必要エネルギー900。
◇ルナル:白の月、黒の月

《漆噴射》通常
 指先から漆を噴射します。エネルギー2点につき1ヘクス先まで届き、手に命中させてかぶれさせる事ができます。顔に浴びると大量に「漆の煙を吸い込んだ」扱いとなり、生命力そのままで判定を行わないといけません。しかも双方とも、エネルギーの点数の半分が生命力判定へのペナルティとなります。
持続:1秒
消費:2〜6
準備:2秒
前提:《漆作成》《水噴射》
魔化:杖、錫杖、装身具。漆の木から作られる。必要エネルギー700。
◇ルナル:白の月、黒の月

《漆霧》範囲
 漆の霧を作ります。視界を妨げる上に、踏み込んだ瞬間とそれから10ターン毎にかぶれるかどうか生命力判定を行わなくてはいけません。しかもこの霧は、気密性防具でも着ていない限り全身がかぶれます。
持続:1分
消費:3・半
前提:《漆作成》《霧》
◇ルナル:白の月、黒の月

《漆球》射撃
 漆の球体を飛ばします。目標は「剥き出しの部分が漆に触れて」「漆の煙を吸い込んだ」事になり、適宜生命力判定を行わなくてはなりません。しかも双方とも、エネルギーの点数の半分が生命力判定へのペナルティとなります。能動防御の判定に「能動防御+1」以上「能動防御+受動防御」以下で成功した場合、命中によるダメージは受けませんが漆が体に付着します。
 射撃には〈呪文射撃/粘液〉を使い、「抜撃13、正確さ+1、半致傷−、最大射程20」として扱います。
消費:2〜6
準備:1〜3秒
前提:《漆作成》《水変化》
魔化:先端から漆球を発射する杖、錫杖。魔術師のみ使用可能。必要エネルギー600。
◇ルナル:白の月、黒の月

《炸裂漆球》射撃
 漆の球体を飛ばし、着弾地点で弾けさせます。消費エネルギーが3なら直径1ヘクス、6なら直径3ヘクス、9なら直径5ヘクスに飛び散って《漆球》と同じ効果を与えますが、生命力判定に与えるペナルティはエネルギーの点数の3分の1です。「止め」「よけ」を行えば1ヘクス中心から離れたものとして影響を計算できます。能動防御の判定に「能動防御+1」以上「能動防御+受動防御」以下で成功した場合、命中によるダメージは受けませんが漆が体に付着します。
消費:3〜9
準備:1〜3秒
前提:《漆球》
魔化:先端から漆球を発射する杖、錫杖。魔術師のみ使用可能。必要エネルギー1200。
◇ルナル:白の月、黒の月

《聖漆》通常
 魔法を帯びた漆を作り出します。放置しても乾いてしまうまでに3倍の時間が掛かりますが、漆器に使うには1/3の量で済むので漆器の作成時間は変わりません。触れたり煙を吸い込んだりした際の生命力判定には、−4の修正が課せられます。
持続:永久。使われるまで
消費:4リットルにつき4
前提:漆系呪文6種
魔化:杖、錫杖、装身具。魔術師のみ使用可能。必要エネルギー1000。
◇ルナル:白の月、黒の月


―硫黄系呪文―

 何だか非常にローカルな感もする(笑)、硫黄と硫黄ガスを扱う呪文です。火霊系と風霊系の亜系統であり、《悪臭》もこれに属します。
(硫黄ガスについて)
 硫黄ガスは窒息ガスであり、巻き込まれた生物(硫黄ガスの環境に適応している生物を除く)は毎ターン生命力判定を行い、失敗すると1D−1点のダメージを与えます。便宜上、容積が1リットルの硫黄を他の可燃物と燃やすと1ヘクス分の硫黄ガスが発生する事にさせて下さい(実際はもっと複雑なのですが、詳しい知識が無いもので……)。
 また硫黄ガスは空気より重いため、発生した所から次第に下へ流れて行きます(〈化学〉判定で分かります。基本的事項に準じるので修正+2)。


・自作呪文

《硫黄作成》通常・範囲
 何も無い所に硫黄の塊を作ります。硫黄は塊以外の形態を取れないので、地面や桶の中、祭壇の上などの支えのある所に作って下さい。《悪臭》の効果範囲や硫黄泉、火山の噴出口に掛けて、硫黄を分離させて普通の空気や水にする事もできます(硫黄目当てでない限り、普通は《空気浄化》《水域浄化》を使うでしょうが)。
持続:永久
消費:容積1リットルにつき4、ヘクスの水や空気から分離させるには基本消費1
前提:《悪臭》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー200。
◇ルナル:デルバイ神官(前提不要)、翼人、爬虫人(前提不要)、白の月、黒の月

《硫黄火炎》範囲
 硫黄分を大量に含む炎を作ります。この炎の中にいる場合、炎のダメージと同時に硫黄ガスの効果まで受けてしまいます。燃え広がった先の炎や集中を切った後に残る炎は、もはや普通の炎です。
持続:1分
消費:3・半
前提:《硫黄作成》《火炎》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー350。
◇ルナル:デルバイ神官、翼人(《火炎》不要)、爬虫人、白の月、黒の月

《硫黄霧》範囲
 霧状の硫黄が範囲内に立ち込めます。この範囲内に自分自身が燃える、あるいは燃える物を所持している者が立ち入ると、その者がいるヘクスは《悪臭》の硫黄ガスに満たされていると見なして下さい。
持続:1分
消費:3/2・半
前提:《硫黄作成》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー400。
◇ルナル:デルバイ神官、翼人、爬虫人、白の月、黒の月

《硫黄ガス噴射》通常
 指先から硫黄ガスを噴射します。エネルギー1点につき1ヘクス先まで届き、高熱と窒息効果でダメージを与えます。まず高熱によるダメージをエネルギー1点毎に1D−1点与えてから、目標は生命力判定(消費エネルギー分不利な修正あり)を行い失敗したらダメージを「1D−1+エネルギー」点受けます。
 能動防御の判定に「能動防御+1」以上「能動防御+受動防御」以下で成功した場合、高熱によるダメージは受けませんが窒息効果を受けてしまいます。ただし気密式のヘルメットの受動防御は例外です。
持続:1秒
消費:1〜3・同
前提:《硫黄作成》《空気噴射》、または《硫黄作成》《火炎噴射》
魔化:杖、錫杖、装身具。魔術師のみ使用可能。必要エネルギー800。400ドル相当の黄色か緑の宝石が必要(杖や錫杖の場合、填め込んだ先端からガスを発射する)。
◇ルナル:デルバイ神官、翼人、爬虫人、白の月、黒の月

《硫黄ガス吹き》(至難)通常
 口から硫黄ガスを吹きます。《硫黄ガス噴射》と似ていますが、ダメージはエネルギー1点につき1D点で維持もできません。詳細は《火吹き》を参照して下さい。
持続:1秒
消費:1〜4・維持は不可
準備:2秒
前提:素質1+《硫黄ガス噴射》
魔化:装身具。魔術師のみ使用可能。必要エネルギー1000。500ドル相当の黄色か緑の宝石が必要。
◇ルナル:デルバイ高司祭、翼人、爬虫人、白の月、黒の月

《爆裂硫黄火球》射撃
 《爆裂火球》と同じ火のダメージを与えた後、爆発した範囲内が《悪臭》の効果を受けます。
消費:2〜6
準備:1〜3秒
前提:《硫黄作成》《爆裂火球》
魔化:杖、錫杖。先端から火球を発射する。魔術師のみ使用可能。必要エネルギー1400。700ドル相当の黄色か緑の宝石が必要。
◇ルナル:デルバイ高司祭、爬虫人、白の月、黒の月

《硫黄火矢》通常
 《火矢》に似ていますが、燐光のような色と硫黄の異臭を放つためすぐに区別が付きます。しかも発射後もかなり長い間燃え続けるため、火を放つ際に使われる事があります。
持続:1分
消費:6・3、不燃性の矢でも同じ
準備:3秒
前提:《硫黄作成》《火矢》
魔化:エネルギーを消費せずに硫黄の火矢を放てる射撃武器。必要エネルギー1700。500ドル相当の黄色か緑の宝石が必要。
◇ルナル:デルバイ高司祭、爬虫人、白の月、黒の月

《聖硫黄》通常
 魔法を帯びた硫黄を作り出します。しける速度が1/3になりますが、これから作られた硫黄ガスは抵抗に−2修正を与え、しかもダメージにも+2されます。
持続:永久
消費:容積1リットルにつき6、ヘクスの水や空気から分離させ作るには基本消費3/2。
前提:硫黄系呪文(《悪臭》も含む)6種
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー800。
◇ルナル:デルバイ高司祭、翼人、爬虫人、白の月、黒の月

《硫黄間欠泉》範囲
 熱湯と飛沫のみならず、硫黄ガスまで噴出する《間欠泉》です。しぶきと同じ範囲に硫黄ガスが溢れ出し、呪文の終了後も屋外なら10秒ほど、風が無ければ5分間は立ち込めます!
持続:1秒
消費:6・2
準備:5秒
前提:《間欠泉》+《硫黄作成》
◇ルナル:白の月、黒の月

《硫黄火山》通常
 硫黄ガスを大量に噴出する危険な《火山》です。火口の「技能レベル」倍の直径の範囲では、弱い風や低地への抜け道があっても硫黄ガスが溜まり続けます。
持続:1日
消費:20・15
準備:8時間の集中後、1日で効果が現れる。拡大には1日に8時間の集中が必要。
前提:《火山》+《硫黄作成》
◇ルナル:デルバイ高司祭、白の月、黒の月


―紙・印刷系呪文―
 筆記・印刷媒体とそこに記した文字を扱う呪文です。この系統は技術系統により、植物紙/獣皮紙(羊皮紙や犢皮紙)/パピルス/木簡/竹簡/絹布/粘土板/組み紐/白樺樹皮/経木/貝多羅葉/金属板(銅板や黄金板)などに分かれます。物体操作系と関係が深く、その亜系統と見なします。
 (*犢皮紙(とくひし):子牛(犢)の皮で作った、羊皮紙の仲間。羊皮紙より高級品)
 (*貝多羅葉(ばいたらよう):インドや東南アジアで使われた、束ねて紙代わりに使われた葉。南伝仏教の経典類には、これを使った物が多い)
 現代の日本で使っている紙の場合、A4版が210×297mm=62370mm2、B4版が257×364mm=93548mm2で、A4版は約16.03枚、B4版は約10.69枚で1m2にあたります。表面積が1m2を越す紙の場合は、1m2毎に1枚と見なして端数を繰り上げて「枚数」を計算します。巻物の「1ページ」は、確たる判断基準が無ければ長さ1m毎に1ページとして下さい。

紙種別表
種別 効果範囲倍率 《紙作成》に必要な《〜作成》など
植物紙
獣皮紙
パピルス
木簡
竹簡
絹布
粘土板
組み紐
白樺樹皮
経木
貝多羅葉
金属板
×1
×0.75
×0.75
×0.5
×0.75
×0.5
×0.25
×0.25(情報量を紙に換算)
×0.5
×0.5
×0.5
×0.25
《植物作成》《水作成》
《動物制御15》
《植物作成15》
《植物作成》《動物制御》
《植物作成》《加熱》
《昆虫制御15》
《土作成》《水作成》
《植物作成》《結び目》
《植物作成》
《植物作成15》
《植物作成15》
《修復》《土を石》


―紙系呪文―

 筆記・印刷媒体その物を扱う呪文です。特記しない限り専門化する必要があり、そうした呪文は他の媒体に対しては使えません。
 紙作成が一部集団の秘伝である場合は、その集団に属しないとその種類の紙を扱う呪文を使う事はできません。


・自作呪文

《紙探知》情報
 紙やその他の筆記・印刷媒体を探知します。一般的な探知呪文のルールに従って下さい。紙系呪文では唯一、この呪文だけは例外として専門化する必要はありません。
消費:2
前提:四大精霊系から各1種
◇ルナル:ペローマ入信者、白の月、黒の月

《紙修復》通常
 紙を修復します。同じ材質の紙を破損を補う分量だけ用意する必要がありますが、《修理》と違い判定にペナルティは受けません。
持続:永久
消費:1m2につき2(最低2)
準備:1m2につき1分(最低1分)
前提:《紙探知》
◇ルナル:ペローマ入信者、白の月、黒の月

《紙作成》通常
 紙屑や木から、もしくは何も無い所から紙を作成します。紙は切れていない一続きの物として出現するので、適当な大きさに切って使って下さい。材質は材料によるので、何も無い所から作ればレポート用紙、紙屑からなら藁半紙、木屑からなら詰め物用、楮からなら上質の和紙といった具合になります。
 「植物紙」以外の物に関しては、先に記した「紙種別表」から種別・効果範囲倍率・必要な前提条件を確認して適切な呪文を修得して下さい。
持続:永久
消費:1m2につき3(材料のある場合)、6(何も無い所から)。最低それぞれ3、6。
準備:1m2につき10分(最低10分)
前提:《紙修復》《植物作成》、植物の紙以外は適切な《紙修復/種別》《〜作成》など。
◇ルナル:白の月、黒の月

《特殊紙》通常
 色で染めたり透かしを入れたり色紙や金箔を漉き込んだりした、特殊な紙を作り上げる呪文です。紙とその他の材料を用意して呪文を使って下さい。
 この呪文は、「植物紙」「獣皮紙」「パピルス」「絹布」以外に使う事はできませんし、植物紙以外は全てのオプションを使う事はできません。
持続:永久
消費:1m2につき3(最低3)
準備:1m2につき10分(最低10分)
前提:《紙作成》《染色》
◇ルナル:白の月、黒の月

《紙裁断》通常
 紙を裁断して適当な大きさに揃えます。余りの分が出た場合は、《紙接合》で繋ぎ合わせて下さい。
 この呪文は、「木簡」「竹簡」「組み紐」「白樺樹皮」「経木」「貝多羅葉」に使う事はできません。
持続:永久
消費:10枚につき1(最低1)
準備:10枚につき10秒(最低10秒)
前提:《紙修復》
◇ルナル:ペローマ入信者、白の月、黒の月

《紙接合》通常
 小さな紙や紙の切れ端を繋ぎ合わせ、大きな紙に変化させます。
 この呪文は、「木簡」「竹簡」「組み紐」「白樺樹皮」「経木」「貝多羅葉」に使う事はできません。
持続:永久
消費:(変化させた後の)10枚につき2(最低2)
準備:10枚につき10秒(最低10秒)
前提:《紙修復》
◇ルナル:ペローマ入信者、白の月、黒の月

《綴り修復》通常
 ほどけたりちぎれたり、擦り切れたりして傷んだ本の綴り糸や糊による接着、木簡の綴り紐などを元に戻します。組み紐に専門化して修復する事も可能です。
 この呪文は、「粘土板」「白樺樹皮」に使う事はできません。
持続:永久
消費:紙100枚(200ページ)につき1、木簡の巻物1mにつき1、組み紐0.5mにつき1(最低1)
準備:エネルギー1点につき10秒(最低10秒)
前提:《紙修復》
◇ルナル:ペローマ神官、白の月、黒の月

《ページ操作》通常
 術者が指定した書物のページを、挿入/切り離しします。切り離しと挿入を同時に行うと、元のページが切り離された所にそのまま挿入が行われます。巻物の一部を操作する事も可能です。
 この呪文は、「粘土板」「組み紐」「白樺樹皮」に使う事はできません。
持続:永久
消費:1枚につき1(最低3)
準備:1枚につき10秒(最低30秒)
前提:《紙裁断》《紙接合》、または《綴り修復》
◇ルナル:ペローマ神官、白の月、黒の月

《製本》通常
 揃えた紙を製本します。大きな本は一度に製本しなくても、少しずつ繋げる事が可能です。巻物にする事も可能です。
 この呪文は、「粘土板」「組み紐」「白樺樹皮」に使う事はできません。
持続:永久
消費:20枚につき1(最低3)
準備:20枚につき1分(最低3分)
前提:《ページ操作》
◇ルナル:ペローマ神官、白の月、黒の月

《紙刃》射撃
 縁の鋭い紙を放ち、エネルギー1点毎に切り/1D−1点のダメージを与えます。射撃には〈呪文射撃/薄片〉を使い、抜撃13、正確さ+2、半致傷20、最大射程50として扱います。「植物紙」にしか使えません。
消費:1〜3
準備:1〜3秒
前提:《紙作成》《紙裁断》
◇ルナル:白の月、黒の月

《聖紙》通常
 何も無い所から、魔法を帯びた紙を作り出します。聖紙は虫が付かず色褪せもせず、耐久力も通常の紙の3倍あります。
持続:永久
消費:1m2につき9(最低9)
準備:1m2につき10分(最低10分)
前提:《紙作成》を含む紙系呪文6種
◇ルナル:白の月、黒の月

《紙吹雪》範囲
 効果範囲内に、視界を遮るほどの密度で紙吹雪を撒き散らします。《特殊紙》があれば、追加エネルギー不要で色紙を舞わせる事ができます。「植物紙」にしか使えません。
持続:3D6秒。維持は不可。
消費:1
前提:《紙作成》《紙裁断》
◇ルナル:白の月、黒の月

《紙テープ》通常
 紙テープを撃ち出します。紙テープは〈呪文噴射〉で扱い、エネルギー×3ヘクスまで届きます。「植物紙」にしか使えません。
持続:1秒
消費:1〜3
前提:《紙吹雪》
◇ルナル:白の月、黒の月


―印刷系呪文―

 印刷に関わる呪文です。特記しない限り専門化する必要があり、そうした呪文は他の媒体に対しては使えません。
 なお、《測定》(本のページ数と文字数を調べられる)や「グリモア」の《暗号化》もこの項目では印刷系呪文と見なします。


・自作呪文

《書写》通常
 目標は思考や会話をするのと同じ速度で、指で示した先に文字を印字します。《筆記》とは違い自分で指を動かす必要がありますが、ペンやインクを用意する必要はありません。記された文字は耐水性であり、そう簡単には落ちません。普通の速度で手書きの文字や絵を書く/描く事も可能ですが、生物に印字する事はできません。
 この呪文は「組み紐」には使えず、「粘土板」も乾き切っていると効果がありません。
持続:1分。文字はそのまま残る
消費:2・1。一般的な色(普通は黒)以外にすると3・1(粘土板には使えない)。
前提:《染色》。「読書障害」があると取得不可。「視覚障害」では点字だけ。
◇ルナル:ペローマ高司祭、白の月、黒の月

《書写操作》通常
 紙など(羊皮紙、パピルス、竹簡、…)にインクなど(鉛筆、墨、…)で記された文字など(記号、書き損じ、…)の場所を動かすか、他の紙に移すか消すかします。掛ける対象の文字は全て同じ紙の上で、施す操作も全て同じ内容でなくてはいけません。
 この呪文は「組み紐」には使えず、「粘土板」も乾き切っていると効果がありません。
持続:永久
消費:1m2までの紙面全体で5。操作する範囲が減ればそれに応じてエネルギーも減少。
準備:指で操作する範囲をなぞるだけの時間。最低10秒。
前提:《書写》
◇ルナル:ペローマ高司祭、白の月、黒の月

《検索》(至難)情報
 印刷媒体(の一部/全部/集まり)に掛けて、その中から特定の単語や短い文章の記されている位置を調べます。発見した個数が「技能レベル×10」個になるとそこで呪文が途切れるので、検索を続行したい場合はそこから新たに呪文を使って下さい。検索で発見した位置は「技能レベル×発見した個数」分の間は確実に頭に残っています。
 この呪文は専門化する必要はありませんが、印刷媒体に使用されている文字を知っている必要があります。同じ系統の文字でも知っている物と微妙に違えば、−1〜−5のペナルティを受けてしまいます。
消費:合計1m2のばらばらの紙か、いかなる形であれ「1冊」までなら1。1ヘクス内の全ての印刷媒体に掛けるなら5。
準備:1分
前提:知力13+《測定》《文字理解》+「読み書き」
◇ルナル:サリカ高司祭、白の月、黒の月

《製版》通常
 木か金属の板を用意して、その表面に紙に記した物を焼き付けて印刷するための版にします。
 この呪文は、GMが特に認めない限り「植物紙」にしか使えません。
持続:永久
消費:1m2につき5(最低5)
準備:1m2につき10分(最低10分)
前提:《複写》《書写操作》
◇ルナル:ペローマ高司祭、白の月、黒の月

《印刷》通常
 《製版》した物を大量に《複写》します。版と複写用の紙を用意してから呪文を使って下さい。両面印刷も可能ですが、その際には当然複写できる紙の量も半分になります。
 この呪文は、GMが特に認めない限り「植物紙」にしか使えません。
持続:永久
消費:2+複写1m2につき1/10(最低3)
準備:1m2につき1分(最低1分)
前提:《製版》
◇ルナル:ペローマ高司祭、白の月、黒の月


―アルカリ系呪文―

 ゲーム内のアルカリの扱いは、酸に準じます。対応する酸系呪文を参照して修得するか、もしくは酸系呪文でアルカリも作れる事にして下さい。
 なお、酸とアルカリは混ぜると中和し合って、与えるダメージの大きい方が残ります。


・自作呪文

(無し)


―ゴム系呪文―

 植物系の亜系統であるこの系統では、基本的に天然ゴムを扱います。


・自作呪文

《ゴム作成》通常
 固体の天然ゴムの塊か、液体の天然ゴムを作り出します。地面や容器の中にしか作る事はできません。
持続:永久
消費:4リットルにつき3
前提:《植物作成》
魔化:杖、錫杖、装身具。必要エネルギー250。
◇ルナル:〈兄・姉〉共通、白の月、黒の月(全てザムーラかジャナストラ限定。以下同じ)

《ゴム液噴射》通常
 液体の天然ゴムを噴き出します。ラバーコートやボートの隙間充填に使えるでしょう。浴びた敵は《水噴射》と同じ目潰し効果を受けます。
持続:1秒
消費:1〜3・同
前提:《ゴム作成》
魔化:杖、錫杖、装身具。ゴムの木から作る。必要エネルギー700。
◇ルナル:〈兄・姉〉共通、白の月、黒の月

《ゴム弾》射撃
 ゴムの弾丸を手元に作り、撃ち出します。ダメージはエネルギー1点毎に叩き/1D−2ですが、頭か胴体重要器官を狙って命中しダメージが1点でも鎧を抜ければ、通常の効果に加えて、相手は自動的に朦朧状態になります。射撃は〈呪文射撃/球体〉で行います。
消費:1〜3
準備:1〜3秒
前提:《ゴム作成》
◇ルナル:〈兄・姉〉共通、白の月、黒の月

《ゴム靴》通常
 足をゴムで包み、靴のようにします。滑りやすい氷の上や磨き上げて水を撒いた床の上、揺れる船の中や急斜面でのペナルティを減らしてくれます。
 なおこの呪文はスケイル・アーマーまでの足の防具には下に潜り込ませる事ができますが、プレート・アーマーのグリーヴを装備していると使えません。
持続:1分
消費:3・1
準備:2秒
前提:《ゴム作成》
◇ルナル:〈兄・姉〉共通、白の月、黒の月

《ラバースーツ》通常
 首から上を除く全身をゴムの薄い皮膜で包み、ラバースーツにします。スーツは「鎧の重ね着」(「ベーシック完訳版」P101参照)として扱い、通常の攻撃に対しては防護点を1点、電気や酸による攻撃に対しては防護点を5点与えてくれます(普通のラバースーツではここまで恩恵は得られません。魔法の力の為せる業です)。持続が切れても即座に剥がれ落ちたりはせず、防護点のないただの皮膜になり次第に剥がれ落ちます。防水性と保温性も高く、着用していても体温調節や排泄には支障をきたしません。
持続:1時間
消費:6・2
準備:10秒
前提:素質2+ゴム系呪文4種
◇ルナル:〈導き手〉共通、白の月、黒の月


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