◇夜間飛翔紳士淑女録B-1◇

 600CP前後の、PCレベルの能力を持つ妖怪のデータです。


白壁長十郎(しらかべ・ちょうじゅうろう)/想像の象(599CP/未使用CP1)

60/体力:15
+78/妖怪時体力:60/38
  妖怪時のみ(-30%)、巨大化時のみ(-10%)
60/敏捷力:15
10/知力:11
45/生命力:14/114
移動力:7.25+1.75
能動防御:10/11(素手、妖怪時は牙)・11(妖術)/-
合計253CP

―特徴―
15/戦闘即応
10/暗視
12/意志の強さ3レベル
-10/誠実
-15/平和愛好/専守防衛
-10/義務感/知人
-5/名誉重視/芸術家の名誉
-5/くいしんぼ
-5/色盲
 妖怪時のみ(-50%)
-5/強迫観念/浪費家(軽度)
合計37CP/-55CP

―癖―
梨みたいな名前と言われると機嫌が悪くなる、生活時間が不規則、美術館・博物館巡りが趣味、塩の味にはうるさい、水泳はプールより海辺

―技能―
2/格闘16
4/ランニング14
1/彫刻14
1/木工14
0.5/忍び13
0.5/登攀13
0.5/水泳14
0.5/動物使役8(哺乳類には12)
0.5/運転/乗用車(AT車)13
0.5/運転/工事車輌13
合計11CP

―妖力―
100/基本セット
10/外見/異界の美
16/防護点4
+17/妖怪時防護点:10
  妖怪時のみ(-30%)
50/追加HP100
18/人間変身
 衣服が消える(+20%)
6/巨大化1レベル
 妖怪時のみ(-30%)、最大サイズで固定(-10%)
33/打撃部位/牙(刺し)13レベル(ダメージ:刺し/3D+14(7D)(〈格闘〉ボーナス含む))
 口の外の牙で攻撃(嘴に準じる)(±0%)、妖怪時のみ(-30%)
8/打撃部位/鉤爪1レベル(ダメージ:叩き/7D+4(8D)(〈格闘〉ボーナス含む))
 妖怪時のみ(-30%)、脚だけ(-20%)
4/複数の脚(4本)
 妖怪時のみ(-30%)
9/オーラ感知
 ダイレクトに感じる(±0%)、10m以内(-10%)
15/異類会話/哺乳類
合計286CP

―妖術―
大地咆哮(直接攻撃/実体=大地、エネルギー=音・振動)
48/威力8(ダメージ:叩き・エネルギー/8D)
 瞬間(+20%)、自分以外から発射(+10%)、手加減無用(-10%)、状況限定/地面に接している目標のみ(-20%)
12/精度16
大地変形
10/威力1
 人工物にも有効(+100%)、範囲拡大2レベル(+40%)、気付かれない(+10%)
1/精度12
合計71CP

―弱点―
-10/一本腕(鼻が腕代わり、パンチは叩き/7D-2(〈格闘〉ボーナス含む))
 妖怪時のみ(-50%)
-15/依存/塩(1日ごと、摂取できれば回復)
合計-25CP

―社会的な顔―
5/身元/偽造戸籍
5/我が家/普通の家
0/職業/工芸家(地位レベル0)
25/財産/標準
0/容貌/魅力的
10/ネットワーク/中規模・〈纐纈社〉東京支部
1/溜まり場/大使館のフロア
-20/態度/友好
合計46CP/-20CP

 「象」を仏教説話や物語でしか聞いた事のなかった昔の人々の想像が生み出したのが、この「想像の象」です。外見は本物の象より一回り小柄で、普段は穏やかだが一度怒れば爛々と輝く瞳、虎も一刺しで屠れるであろう長く鋭い牙、そして全身を覆う鎧のような皮膚を持っています。古い想像の象は仏教に関わりのある聖獣として能力が動物離れしましたが、この場合は江戸時代の末期(中期以降は本物の象を見た人々が存在します)に誕生したため、ある程度生態が本物の象に近くなっています(それでも[オーラ感知]ができますが)。
 普段の長十郎の姿は、目立たないながらも温和な印象の強い青年です。そこそこ腕の良い木工製品の作り手として関東の外れにある住居兼工房で日々仕事をし、休日に東京まで出てきて美術館や博物館を巡ります。もちろん帰りには、生存に不可欠な自然塩を大量に買い込んで帰ります(普通の食塩でも構わないのですが、やはり味にも拘りたいようで)。
 妖怪としての姿は……説明済みですので略します。牙や脚で直接攻撃するのと同時に「瞬間」で攻撃妖術も放つため戦闘能力は高いですが、狭い所での活動には向きません。あとはアスファルトだろうとコンクリートだろうと引き剥がす[大地変形]と、なぜか工事車輌まで動かせる運転技術くらいです。


フランセスカ・イレーネ・デ・ファシュマ・イ・コルーナ/眼鏡の付喪神(599CP/未使用CP1)

0/体力:2/10
-6/分身時体力:9/10
  追加疲労点も含む、分身のみ(-10%)
20/敏捷力:12
100/知力:17
20/生命力:12/72
移動力:6+1.125
能動防御:7/8(素手)・10(妖術)/-
合計134CP

―特徴―
10/暗視
16/意志の強さ4レベル
-10/誠実
-10/義務感/知人
-10/神経質(軽度)
-5/強迫観念/整理整頓
-2/性格傾向/お嬢様
-1/才能がない/水泳
合計26CP/-38CP

―癖―
貴族趣味、インドア派を自任、自分は少食だと思い込んでいる、暇さえあれば読書する、朝起きると即座にネット接続

―技能―
1/格闘12
0.5/ランニング9
0.5/文学14
0.5/歴史14
0.5/神秘学15
0.5/神学/カトリック19(その他13)
0.5/調査15
-/スペイン語17
0.5/日本語15
0.5/中国語/官話15
0.5/ポルトガル語15
0.5/フランス語15
0.5/イタリア語15
0.5/ラテン語15
0.5/ギリシア語15
0.5/英語15
0.5/アラビア語/フスハー15
0.5/動植物知識15
0.5/管理15
0.5/外交14
0.5/礼儀作法16
0.5/嘘発見14
0.5/演技15
0.5/コンピュータ操作16
合計12CP

―妖力―
100/基本セット
20/外見/畏怖すべき美
28/防護点7
30/追加HP60
23/分身/人間変身
 衣服が消える(+20%)、本体が密着(+30%)、2mまで(±0%)
30/器物変身/眼鏡
 妖力・妖術が使える(+100%)
9/飲食不要/光を浴びる
 本体のみ(-10%)
23/酸素不要
 本体のみ(-10%)
14/毒無効
 本体のみ(-10%)
15/赤外線視覚
10/オーラ感知1レベル
10/オーラ隠蔽
10/透視1レベル
12/拡大視力3レベル
18/望遠視力3レベル
合計362CP

―妖術―
呪詛の視線(直接攻撃/エネルギー=精神)
30/威力5(ダメージ:エネルギー/5D)
 瞬間(+20%)、気絶攻撃(+10%)、目標限定/無生物には無効(-10%)、手加減無用(-10%)、状況限定/分身が身に着けている時のみ(-10%)
24/精度16
隷属の瞳(魅了)
36/威力5
 瞬間(+20%)、視線を合わせる(-20%)、状況限定/分身が身に着けている時のみ(-10%)
4/精度16
邪視(狂気)
36/威力5
 瞬間(+20%)、視線を合わせる(-20%)、状況限定/分身が身に着けている時のみ(-10%)
4/精度16
合計134CP

―弱点―
-12/永久縮小4レベル
 本体だけ(-10%)
-15/移動できない(分身を作れる)
-15/支持肢がない(分身を作れる)
合計-42CP

―社会的な顔―
5/身元/偽造戸籍
5/我が家/普通の家
0/職業・地位レベル/大学生(地位レベル0)
15/財産/貧乏
0/容貌/美しい
10/ネットワーク/中規模・〈纐纈社〉東京支部
1/溜まり場/大使館のフロア
-20/態度/友好
合計36CP/-20CP

 眼鏡の付喪神です。眼鏡の「視力を強化する」という機能に由来する、視力を強化する妖力や視線を介する妖術を使います。
 フランセスカは19世紀のスペインで、貴族の女性が愛用していた眼鏡に想いが宿り誕生しました。持ち主が亡くなるまでは書物や屋敷の景色を見る事だけで満足していたのですが、形見分けの際に受け取ったその人物の甥フランシスコ・デ・ファシュマが共和国の政治運動家になった事で否応なしに革命と内戦に巻き込まれました。カリスマ性ゆえに「邪視」の持ち主と恐れられた恋人イレーネ・コルーナとの悲恋を経て、共和国の敗北寸前にフランシスコは大西洋を渡る船に乗り込みましたが、洋上で共和国と反乱側の工作員に同時に襲われ、そこで眼鏡は力を目覚めさせます。フランシスコは命を救われた礼に、メキシコに戸籍を登録する際に今は亡き伯母の面影を持つ女性を娘として申請しました。養父の死後は王政復古の成ったスペインに帰還、国内に居残っていた一族の元に遠縁の親戚として受け入れられ、大学の交換留学で来日します。
 フランセスカの普段の姿は、眼鏡を掛けている若い女性です(実際には[分身]で、掛けている眼鏡が本体なのですが)。黒髪に白い肌が印象深い美人であり、性格は最初の持ち主を反映した少々古風なお嬢様です(の割にはネット接続が好きで、自分のホームページも持っています)。妖怪としての姿は眼鏡を掛けたドレス姿の美女で、纏う霊気が恐ろしいばかりの圧迫感を与えます。分身は食事も呼吸も必要ですが、本体は器物なのでそんな必要はありません。高い知力と視力を強化する妖力により捜査に適性が見られますし、戦闘では邪視で傷付けたり狂わせたりが可能になります。


穎川冬霞(えがわ・とうか)/鴆(599CP/未使用CP1)

10/体力:11
80/敏捷力:16
30/知力:13
30/生命力:13/93
移動力:7.25+1.25(飛行時14.5)
能動防御:8/10(素手、妖怪時は嘴)・10(妖術)/-
合計150CP

―特徴―
10/美声
16/意志の強さ4レベル
0/仲間/旅館の番頭(75CP、ときどき)
-10/誠実
-5/義務感/友人
-10/かんしゃく
-5/気まぐれ
-10/不眠症
合計26CP/-40CP

―癖―
ゲームをしているとつい徹夜、酔わないのをいい事にヤケ酒を飲む、人のいない浴場で泳ぎたがる、青系統の服が好き、「毒婦」とからかわれると激怒する

―技能―
1/格闘16
0.5/ランニング10
0.5/外交12
-/礼儀作法15
1/会計11
1/商人12
1/接客12
0.5/コンピュータ操作12
0.5/演技11
0.5/歌唱14
0.5/踊り14
0.5/手品13
0.5/調理12
1/運転/乗用車(AT車、マイクロバス)15
0.5/地域知識/神奈川県12
0.5/忍び14
0.5/登攀14
0.5/軽業13
0.5/水泳15
0.5/探索12
0.5/罠11
1/毒物11
0.5/応急処置12
合計14CP

―妖力―
100/基本セット
10/外見/異界の美
24/防護点6
40/追加HP80
18/人間変身
 衣服が消える(+20%)
15/毒無効
12/赤外線視覚
 明るい場所は除く(-20%)
15/異類会話/鳥
7/打撃部位/牙(刺し)1レベル(ダメージ:刺し/1D-1(〈格闘〉ボーナス含む))
 嘴で攻撃(±0%)、妖怪時のみ(-30%)
21/翼での飛行
 妖怪時のみ(-30%)
合計262CP

―妖術―
鴆毒羽(直接攻撃/実体=一般(羽)、化学)
53/威力7(ダメージ:切り/7D)
 連動(+10%)、瞬間(+20%)、切り(+25%)、遅い(舞うように飛ぶ)(-20%)、手加減無用(-10%)
8/精度16
鴆毒麻痺(金縛り)
74/威力7
 独立連動(+20%)、瞬間(+20%)、連動すると能動防御される・連動しない時は接触のみ(-25%)、目標限定/神経毒が有効な相手にだけ(-10%)
8/精度16
鳥使い(動物使い)
14/威力5
 鳥だけ(-30%)
4/精度12
鳥招き(動物招き)
11/威力5
 鳥だけ(-30%)
4/精度12
合計176CP

―弱点―
-15/支持肢がない/妖怪時のみ
-10/行動不能/医療を司る神(神農、大国様、薬師如来など)に関わる場所(ペナルティ-4)
-10/依存/酒(1週間ごと、無いと妖力・妖術が使えない)
合計-35CP

―社会的な顔―
15/身元/正規の戸籍
5/我が家/普通の家
0/職業/旅館経営兼大学生(地位レベル1)
45/財産/富裕
0/容貌/魅力的
10/ネットワーク/中規模・〈纐纈社〉本部
1/溜まり場/社務所
-25/態度/自分は人間だ
合計76CP/-25CP

 鴆というのは、中国の伝説に出てくる羽毛に毒を持つ鳥で、羽を酒に浸した鴆酒は自害するための毒薬としてしばしば使われたといいます。ニューギニアには毒を持つ鳥が(現実の世界でも)実在し、それが鴆のモデルだと言われますが、妖怪としての鴆は「毒を持つ鳥である」という共通点以外は見事にばらばらです。
 元来穎川家は明の滅亡と共に日本に移住した家で、元の姓は「陳」でした。明治初期までは長崎に居住し、その後は外国人向けの避暑地として開発たけなわの箱根に一家揃って移住、旅館経営を始めます。冬霞もそうした家に生まれ、大学の経営学部に入っていたのですが……。
 ……ある日曜に出掛けた横浜の中華街の裏道で、見た事もない奇妙な鳥を目にしました。他の通行人は誰も気にせずにいたその鳥を拾おうとしたその時、鳥は冬霞の胸元に潜り込むように溶け込んでしまったのです。実はその鳥は冬霞の先祖であった鴆で、昔の中国の妖怪に死んだ状態で封印されたものが横浜で解放されてしまい、幻影の状態で逃げ出してしまっていたのでした。そうして鴆はCPを不十分ながらも一気に回復し、冬霞は先祖返りを起こし、新しい鴆が誕生してしまったのです(汗)。おかげで〈赤い靴〉や〈裏の中華街〉に再封印させようと捕まるわ、香港の悪のネットワーク〈万鬼幇〉に追い回されるわと散々な目に遭い、しかも大学のテストをほとんど落としてしまいました。結局冬霞が鴆の直接的な生まれ変わりでなかったために事なきを得ましたが、旅館半壊や両親の負傷もあり、そのせいで妖怪に対する心象を相当悪くしてしまった冬霞は、未だに妖怪としての自分を受け入れかねています。現在両親は妹の秋那(しゅうな)を連れて別の県にあるグループ会社の経営にあたっており、冬霞だけが復旧した旅館に残されています(大学は辛うじて進級しました)。
 冬霞の人間としての(本人としては本来の)姿は、美しいというよりは可愛いタイプの快活な女の子で、透き通るような声(「美声」です)も印象的です。夜更かしがひどい上に「かんしゃく」持ち、しかも酔わないのをいい事にヤケ酒を飲むのが欠点ですが、それ以外は概ね問題は無い……はずです。妖怪としての姿は、人間よりやや小柄な、大きな翼を持つスマートな鳥で、全身は光沢のある黒にほんの少し濃い朱色が交じっています。戦闘では鴆毒を帯びた羽を撃ち出して戦えますし、捜査では鳥を含む聞き込み以外にも、触れてきた相手を即座に麻痺させて「お持ち帰り」する事も可能です(多分やりたがらないでしょうが)。


穴穂部雨藻(あなほべ・あまも)/夢魔(599CP/未使用CP1)

-10/体力:9
30/敏捷力:13
80/知力:16
20/生命力:12/62
移動力:6.25+1.125(飛行時12.5)
能動防御:7/9(素手)・9(妖術)/-
合計120CP

―特徴―
10/暗視
12/意志の強さ3レベル
10/美声
20/仲間/恋人(150CP、たいてい)
-10/好奇心2レベル
-5/義務感/友人
-5/誠実
 人間時のみ(-50%)
-5/過小評価
 人間時のみ(-50%)
-2/高慢
 妖怪時のみ(-50%)
-5/好色/「魅力的」以上で心の美しい相手
 妖怪時のみ(-50%)
-5/残忍
 妖怪時のみ(-50%)
-3/不器用1レベル
合計52CP/-40CP

―癖―
ズボンは絶対にはかない、変身した後は自己嫌悪に陥る、古風な洋館が好き、夜の散歩が好き、退屈すると指を咥える

―技能―
2/格闘14
0.5/ランニング9
1/嘘発見14
0.5/尋問14
1/心理学14
0.5/性的魅力14(16・18)
1/建築15
0.5/文学13
0.5/歴史13
0.5/神秘学14
1/絵画14
0.5/調査14
0.5/コンピュータ操作15
0.5/外交15(17)
0.5/演技14
0.5/言いくるめ14(16)
0.5/忍び11(20)
0.5/探索15
0.5/罠14
0.5/地域知識/東京15
0.5/地域知識/神田神保町15
合計14CP

―妖力―
100/基本セット
20/外見/畏怖すべき美
16/防護点4
25/追加HP50
15/人間変身
 服が消える(+20%)、集中が必要(-10%)、別の判定が必要/意思判定(-15%)
13/物質透過/扉(稀)
 他人に影響(+40%)、不都合/実際に扉を「開け」る(-10%)
33/透明
 オフにでき欠点も隠せる(+50%)、心理的透明(-30%)、状況限定/接触している相手には無効(-10%)
25/フェロモン
21/翼での飛行
 妖怪時のみ(-30%)
3/透視1レベル
 扉のみ(-75%)
10/オーラ隠蔽
合計281CP

―妖術―
精神侵蝕(直接攻撃/エネルギー=精神)
33/威力5(ダメージ:エネルギー/5D)
 瞬間(+20%)、射程短縮2レベル(-10%)
8/精度14
誘眠
64/威力8
 瞬間(+20%)、本人には無効(+20%)、範囲拡大1レベル(+20%)、連鎖:普通の生物には持続が日単位・範囲拡大されない・妖怪時のみ(±0%)
8/精度16
感情知覚
10/威力5
2/精度14
思考探知
20/威力5
2/精度14
記憶操作
13/威力5
 接触のみ/準備時間も(-40%)、疲労消費2レベル(-10%)
2/精度14
夢操り
8/威力8
 接触のみ/準備時間も(-40%)、疲労消費2レベル(-10%)
2/精度14
憑依合体(憑依)
15/威力1
 体が消える(融合する)(+100%)、記憶に残らない(+50%)、妖怪時のみ(-30%)、目標限定/女性だけ(-20%)、接触のみ/準備時間も(-40%)、疲労消費2レベル(-10%)
2/精度14
合計189CP

―弱点―
-30/依存/異性との精神的な繋がり(1週間おき、摂取すれば回復)
-10/行為衝動/異性を蔑む者が許せない
合計-40CP

―社会的な顔―
15/身元/正規の戸籍
1/我が家/マンション(親と同居)
0/職業/学生(地位レベル0)
15/財産/貧乏
0/容貌/美しい
10/ネットワーク/中規模・〈纐纈社〉本部
1/溜まり場/社務所
-20/態度/友好
合計42CP/-20CP

 人間の無意識の「想い」が集積した夢魔には、様々な種類が存在します。この夢魔はインキュバスやサキュバスに近い種類で、精気ではなく「精神の繋がり」を生命の糧としています(実際に[思考探知]を使って感じ取ります)。外見は女性型ですが、精神的な繋がりを得るための「恋人」は男女どちらでも構いません(待て)。
 雨藻は長い間人間社会に紛れていた夢魔同士の間に生まれた存在で、正規の戸籍を持っています。両親――どちらも夢魔――の手によって雨藻は成長し、大学の工学部で建築デザイナーを目指しています(生まれつき持っていた〈建築〉は、家の内部構造を想定して寝ている人間に忍び寄るための技能だったのですが……)。今では仲の良い親友もおり、とある事件で妖怪の存在を知った後もますます仲良くなっています(親友は男性ですが、男性でなく女性でも構いません)。
 人間としての姿は、美しい黒髪のあどけない感じを残す美女で、いつも長袖と長いスカートを着ています。服の趣味も大人しめで、性格も見た目通り控えめです。妖怪としての姿は整った美貌の豊満な美女で、背中から大きな蝙蝠に似た翼を生やしています。性格も変身すると大きく変わり、傲慢で敵に容赦しない、しかも好みの相手と見ればすぐに誘惑に掛けるような性格になります。「多重人格」とは違うので、人間の姿に戻ってから自分のした事を振り返って激しい羞恥感に襲われますが。
 戦闘では、[誘眠]で眠らせるのは得意ですが、ダメージを与えるのは(CP総計と比べると)やや不得手です。夢や記憶の操作は得意なので、目撃者の記憶を消すのにも適しているでしょう。最後の手段としては、疲れますが女性に憑依して操る事もできます。


〈三つの輪の書〉/魔導書(599CP/未使用CP1)

-15/体力:8/26
10/敏捷力:11
175/知力:20
10/生命力:11/71
移動力:5.5(飛行)
能動防御:5/-/-
合計180CP

―特徴―
60/記憶力2レベル
10/特殊な背景/自分自身が呪文書
5/方向感覚
-10/義務感/記録全般
-5/狭量/知識を私利私欲に用いる者
合計75CP/-15CP

―癖―
静かな場所が好き、無口、話の合う相手にだけは饒舌になる、黒い髪の女性が好き、本棚に立てられるのを窮屈に感じる

―技能―
0.5/神秘学20
0.5/歴史19
0.5/神学/カトリック24(その他18)
0.5/数学20
0.5/天文学19
0.5/医師19
(、毒物16、診断15、手術14、生理学14)
0.5/化学19
-/ラテン語20
0.5/フランス語20
0.5/英語20
0.5/日本語20
2/身体感覚13
合計7CP

―呪文―
記述の無い物は「1CP/18レベル(マナが「並」なら23レベル)」
体力賦与、生命力賦与、覚醒、小治癒、大治癒17、接合17、再生17
痒み、ひきつり、痛み、不器用、すばやさ、目くらまし、口封じ、怪力、痛み止め
生命感知、敵感知、感情感知、嘘発見、読心、精神探査17
鉱物探知、水探知、空気浄化、発火
光、持続光、色彩変化、閃光、闇、ぼやけ、暗視、闇視、鷹目、透明、透明看破
方向探知、追跡
間抜け、眩惑、心神喪失、誘眠、恐怖、パニック、勇気、忠実、魅了
韋駄天、倍速17、念動、浮揚、飛行17、高速飛行17、瞬間移動17、瞬間回避、他者移動17
盾、矢よけ、鉄の腕
合計60CP

―妖力―
100/基本セット
5/外見/怪奇
16/防護点4
30/追加HP60
20/器物変身/魔導書
 妖力・妖術が使える(+100%)
54/追加疲労点18
20/疲れ知らず
20/呼吸不要
10/飲食不要
15/毒無効
15/無言の会話
 妖力を持たない相手に伝わる(+100%)、人間にも伝わる(+100%)
20/飛行
 移動力は地上と同じ(-40%)、床から10mまで(-10%)
35/魔法の素質3レベル
合計369CP

―妖術―
成分探知
7/威力11
 目標限定/金属と鉱物だけ(-20%)、必要行動/印を結ぶ(-10%)、状況限定/マナが「なし」では使えない(-10%)
0.5/精度16
錬金術(変質)
3/威力1
 目標限定/金属と鉱物だけ(-20%)、目的限定/より高価な物質に変えるだけ(-20%)、疲労消費1レベル(-5%)、必要行動/呪文と印(-20%)、状況限定/マナが「なし」では使えない(-10%)
0.5/精度16
合計11CP

―弱点―
-10/行動不能/水に濡れる(ペナルティ-2)
-5/行動不能/封印の魔法印を描かれる(ペナルティ-4)
-15/変形の手/本のページ
-35/歩行障害/両脚喪失
合計-65CP

―社会的な顔―
-/身元/なし
1/我が家/妖怪屋敷の一角
-/職業/なし
0/財産/どん底
-/容貌/なし
10/ネットワーク/中規模・〈纐纈社〉東京支部
0/溜まり場/大使館のフロア
-20/態度/優越/庇護
合計11CP/-20CP

 ヨーロッパの魔導書の中には、自身が呪文の行使能力を得た者も存在します。ヨーロッパの魔術師(その多くは妖怪化した存在)は、妖怪の魔導書を「仲間」や[しもべ]にする事を夢見て日夜修行に励んでいると言われます。その能力は呪文だけでなく、「魔法」という形を取った妖術も存在しています。
 〈三つの輪の書〉は元々、19世紀のとあるオカルト結社の教主が所持していた魔導書でした。教主は人間でしたが、その高い魔力と高潔な精神により妖怪も含む結社員の信望を一身に集めた偉大な人物としてオカルト史上に名を残しています。しかし死後に後を継いだ新たな教主は、魔力は高いものの精神は堕落しきっており、魔法や錬金術を自分の力を増すためにだけ使いました。このままでは目覚めた魔導書も汚され、恐ろしい邪悪の書物と化していたところだったでしょう。しかし第一次大戦の後に他の邪悪な妖怪と持ち主は相討ちになりその後教団は崩壊、その数十年後にタラスコンの竜によりアジト跡から発見され、多くの宝物の中に入れられました。人間に押し付けられた役割に飽いていた竜は宝物より知識を求める性質に変わっており、そこで魔導書は純粋な知識欲を植え付けられて目覚めたのです。妖怪として目覚めた魔導書の処置に悩んだ竜は「外の世界を見て来い」とばかりに知り合いを介して魔導書を日本に送り出してしまい、そのままほったらかしにしています。受け取った側の妖怪は屋敷に居候させて、人間に変身できるようになったら仕事を世話して独立させるつもりのようです。
 魔導書はまだ人間としての名前を持っていませんが、大きな黒の革表紙の本に化ける事は可能です。精神的な性別はどうやら男性らしく、今では屋敷の妖怪達としばしば話を交わしています。妖怪の姿に戻ると、全体に不思議な霊気を帯びた本になり、表紙の魔法印は白く輝いています。本なのですが、炎には特に弱くはありません。
 未だ名前は付いていないとはいえ、この魔導書は様々な補助呪文を自分で会得しています。しかも自分自身が呪文書であるため、師匠に頼る必要なく独自に呪文を学んで行く事でしょう。妖術で錬金術が行えますが……あまり大っぴらにしない方が身のためかもしれません。知力が20あるため、人間としての顔を得てからは精神技能を取るのもお勧めです。


時次盈樹(ときつぐ・みつき)/強化人間(599CP/未使用CP1)

0/体力:10
100/敏捷力:17
30/知力:13
45/生命力:14/94
移動力:7.75+1.375
能動防御:11/13(素手)・13(フェンシング)・14(妖術)/-
合計175CP

―特徴―
10/暗視
12/意志の強さ3レベル
0/仲間/姉(75CP、ときどき)
-10/誠実
-5/義務感/友人
-5/名誉重視/侮辱を看過できない
-10/過小評価
-10/恐怖症/汚れ(軽度)
-1/借り/皇居の妖怪ネットワーク
合計22CP/-41CP

―癖―
動転すると口ごもる、白衣の人が苦手、ハイキングが趣味、他人の名前を覚えるのが苦手、本はファンタジーとSFを愛読

―技能―
4/空手17(ダメージ:叩き/1D-1・1D+1)
2/フェンシング17(競技用フェンシング武器:ダメージは様々)
0.5/準備/剣18
0.5/ランニング11
0.5/戦術10
0.5/軽業14(17)
0.5/跳躍16
0.5/登攀15
0.5/脱出14
0.5/水泳16
0.5/投げ14
0.5/社交12
0.5/礼儀作法12
0.5/忍び15
0.5/罠11
0.5/演技11
0.5/隠匿11
0.5/探索12
0.5/追跡11
0.5/応急処置12
合計15CP

―妖力―
100/基本セット
20/外見/人間そっくり
20/防護点5
+18/防護点+5
  鎧として出現(-10%)
40/追加HP80
45/受動防御2
 鎧として出現(-10%)
7/衣裳
 目的限定/洋服だけ・制服は含まない(-30%)
15/毒無効
10/空中バランス
60/超反射神経
合計335CP

―妖術―
精霊弾/精霊剣(直接攻撃/エネルギー=精神)
53/威力8(ダメージ:エネルギー/8D(10D+1))
 瞬間(+20%)、気絶攻撃(+10%)、必要行動/手をかざす(-10%)、手加減無用(-10%)、連鎖:追加打撃(+20%)・武器形態(-20%)
12/精度18
感覚混乱(感覚麻痺)
27/威力4
 瞬間(+20%)、感覚混乱(±0%)、視覚効果/レーザーを放つ(-10%)
4/精度16
合計96CP

―弱点―
-15/弱み/銀3レベル
-9/弱み/トリカブト3レベル
-15/即時退場1レベル
合計-39CP

―社会的な顔―
15/身元/本物の戸籍
5/我が家/普通の家
0/職業/学生(地位レベル0)
15/財産/貧乏
15/容貌/美しい
10/ネットワーク/中規模・〈纐纈社〉本部
1/溜まり場/社務所
-20/態度/友好
合計61CP/-20CP

 盈樹の見た目はまるで漫画やゲームに出るような身体にフィットしたスーツを着た人間ですが、妖具を身に纏った人間ではなく(一応は)妖怪です。元々は普通の大人しい女子高生だったのですが、とある事件で死にかけたところを、事件の張本人だった妖科学者に肉体を強化されてしまい、妖怪化した強化人間になってしまいました。妖科学者は傍迷惑であっても邪悪な存在ではなかったためあれこれと力を与えてくれましたが、やっている事は誘拐と大差ないために妖科学者は他の妖怪達にのされてしまい、やっと家に帰してもらえます。その後姉を襲った妖怪を倒すために戦闘能力を使ったために改造された事実がばれてしまい、……そもそも姉は妖怪の存在を知っており、妹の捜索をネットワークに依頼したのも姉だったので事なきを得ました。その後もごく普通に高校に通いながら、時折姉共々ネットワークに顔を出しています。
 あくまでも人間をベースに改造されたため、人間の姿と妖怪の姿との差は存在せず、常に同じ人間の姿――華奢な体つきの長い黒髪の女性の姿をしています。しかし戦闘時には妖力の鎧を生み出し、妖術で生み出した精神エネルギーの剣と弾丸を振るって戦うため、見た目明らかに普通の人間でない事が分かるでしょう。妖力により単なる人間だった頃より敏捷性や耐久力が上がっている一方、戦闘には妖術を使うため体力自体は上げられていません。肉体素材に人狼の筋肉組織を模しているため銀やトリカブトで大ダメージを受けてしまうのも欠点ですが、最大の問題は肉体にセーフティリミットが掛けられているせいで、生命力が限界近くなると死ぬより先に動けなくなるという点です。直接攻撃妖術以外に感覚を置換する光線を放てますし、他にもあれこれ技能を取っていますので、戦闘以外でも役に立てるでしょう。


ローエル・レノックス/トールキンのエルフ(599CP/未使用CP1)

60/体力:15
60/敏捷力:15
45/知力:14
30/生命力:13/73
移動力:7+1.25
能動防御:9/10(武器)・11(素手)/-
合計195CP

―特徴―
15/戦闘即応
10/暗視
12/意志の強さ3レベル
4/言語能力2レベル
3/音楽能力3レベル
5/動物共感
-10/誠実
-15/義務感/自然
-10/使命/「灰色港」のキアダン(いつも、危険少)
合計49CP/-35CP

―癖―
トールキンの作品の一説を口ずさむ、妄想/オークやバルログも妖怪として発生している、言語表現に凝った小説が好き、ゴクリは旧訳の方が好み、お茶はぬるくして飲む

―技能―
8/武器の手18
1/格闘15
0.5/ランニング10
0.5/戦術11
0.5/楽器/ハープ14
0.5/歌唱15
0.5/吟遊詩人12
1/文学/英文学17(その他11)
1/言語学11
-/ウェールズ語17
0.5/英語15
0.5/古英語15
0.5/古ノルド語15
0.5/フィンランド語15
0.5/ラテン語15
0.5/ヘブライ語15
0.5/日本語15
0.5/指導12
0.5/応急処置13
0.5/武具屋/武器の手12
0.5/運転/乗用車(マニュアル車)13
0.5/動物使役15
0.5/乗馬/馬17
0.5/動植物知識11
0.5/生存/森12
合計21CP

―妖力―
100/基本セット
20/外見/畏怖すべき美
20/防護点5
+12/防護点+5
  鎧として出現(-10%)、妖怪時のみ(-30%)
30/受動防御2
  鎧として出現(-10%)、妖怪時のみ(-30%)
30/追加HP60
17/人間変身
 服が消える(+20%)、耳の先がやや偏平(-10%)
12/植物会話
 樹木だけ(-20%)
74/武器の手/分離型13レベル(ダメージ:切り/2D+14(6D)(〈武器の手〉ボーナス含む))
 非実体にも影響(+20%)
合計315CP

―妖術―
動物使い
18/威力3
 長時間持続1レベル(+100%)、陸上の動物だけ(-30%)、狼と蝙蝠を除く(-20%)
4/精度14
人払い
46/威力10
 妖怪にも有効(+50%)、別の時空間に取り込む(+100%)、視覚効果/効果範囲内にあった物を動かすと元の場所に薄く残像が残る(-10%)、疲労消費2レベル(-10%)
4/精度13
合計72CP

―弱点―
-10/依存/清浄な自然の空気(1週間ごと、摂取できれば回復)
-10/行動不能/緑が全く存在しない空間(ペナルティ-2、1ターンごとに減少)
-15/弱み/鉛3レベル
-5/行為衝動/神話や伝説の本を所構わず読みまくる
-5/行為衝動/トールキンの著作を他人に薦める
合計-45CP

―社会的な顔―
5/身元/偽造戸籍
1/我が家1/大学の宿舎
5/我が家2/隠れ里「灰色港」
5/職業/大学講師(地位レベル1)
25/財産/標準
0/容貌/美しい
10/ネットワーク/中規模・〈纐纈社〉東京支部
1/溜まり場/大使館のフロア
-20/態度/友好
合計52CP/-20CP

 イギリスの言語学者・文学者にしてファンタジー小説家であったジョン・ロナルド・ローエル・トールキンの作品世界から誕生した「エルフ」です。昔から存在する妖精タイプのエルフとは違って、背は高く容姿は優雅な美しさを備え、知恵・力共に人間を大きく凌駕する種族です(というか、600CPでは半ば当然でしょうが)。ローエル・レノックスは様々なエルフの中でもシンダール族に含まれ、森と動植物に親しむ生活を理想としていますが、アイルランド西部沿岸のどこかに存在する隠れ里「灰色港」の領主キアダンの命令により、トールキンの作品を世間に広めてその「想い」で作品内のアマンの地――エルフ達が船出すべき行き先――を出現させるために日本のとある大学まで来て、英語と英文学を教える教師となりました。
 ローエルはトールキンのエルフの常として体力に優れ、主に剣を振るって戦います。妖具職人を兼ねるノルドール族に鍛えられた[武器の手/分離型]は霊体も切り裂く強力な武器ですが、妖術はあまり戦闘向きではありません。トールキンが言語学者だったためか、文学や言語学にも通じています。


司寇廉(しこう・れん)/銀の箸(599CP/未使用CP1)

-10/体力:9(縮小時1/9)
60/敏捷力:15
60/知力:15
30/生命力:13/73
移動力:7+1.25(妖怪時・飛行時:7×0.8×2=11.2)
能動防御:7(妖怪時5)/10(素手、鉤爪)・10(妖術)/-
合計140CP

―特徴―
8/意志の強さ2レベル
-5/くいしんぼ
-5/お祭り好き
-10/好奇心2レベル
-5/義務感/料理人
-2/性格傾向/求道家
-1/才能がない/コンピュータ操作
合計8CP/-28CP

―癖―
油の少ない料理が好き、挿絵や写真付きの料理本が感覚的に合わない、普段は畳の上で和服姿、羊肉が好き、古い食器の収集が趣味

―技能―
2/格闘16
0.5/ランニング10
10/調理20
1/商人14
-/管理11
1/会計13
0.5/外交12
0.5/言いくるめ13
0.5/礼儀作法14
0.5/社交11
-/中国語/官話15
0.5/日本語13
2/毒物14
0.5/宝石屋12
0.5/探索14
0.5/生存/森13
0.5/動植物知識12
合計21CP

―妖力―
100/基本セット
5/外見/怪奇
16/防護点4
30/追加HP60
18/人間変身
 衣服が消える(+20%)
30/器物変身/箸
 妖力・妖術が使える(+100%)
60/縮小4レベル
 妖怪時のみ(-30%)、通常か最少サイズで固定(-10%)
33/鋼の体3レベル(受動防御1、防護点3)
 変身時に欠点が隠せる(+25%)、磁力の影響を受けない(+10%)
18/酸素不要
 妖怪時のみ(-30%)
10/飲食不要
15/毒無効
15/赤外線視力
14/無言の会話
 妖力を持たない相手に伝わる(+100%)、人間にも伝わる(+100%)、妖怪時か器物時のみ(-20%)
21/無生物との会話
 目標限定/飲食に関係ある存在だけ(-30%)
15/超嗅覚
17/鉤爪4レベル(ダメージ:刺し/1D+3([鋼の体]〈格闘〉ボーナス含む))
 妖怪時のみ(-30%)、腕1本だけ(-30%)、「刺し」だけ(-10%)
24/飛行
 妖怪時か器物時のみ(-20%)、床から3mまで(-20%)
10/超技能/調理
合計346CP

―妖術―
銀箸刺突(直接攻撃=実体/金属(一般))
59/威力7(ダメージ:刺し/7D)
 瞬間(+20%)、刺し(+40%)、ピンポイント攻撃(+20%)、妖怪時か器物時のみ(-20%)、必要行動/先端を向ける(-10%)、射程短縮2レベル(-10%)
12/精度16
成分探知
10/威力14
 目標限定/飲食に関係ある存在だけ(-30%)
4/精度14(19)
物品探知
18/威力5
 目標限定/飲食に関係ある存在だけ(-30%)
4/精度14
変質
7/威力1
 飲食物にしか変えられない(-30%)
2/精度13
修復
5/威力1
 来歴探知不要(+30%)、目標限定/飲食に関係ある存在だけ(-30%)
2/精度13
物品取寄せ
11/威力5
 目標限定/飲食に関係ある存在だけ(-30%)
4/精度14
合計138CP

―弱点―
-10/一本腕
 妖怪時のみ(-50%)
-15/移動できない/持ち運びが簡単、変身すると動ける
-12/言語障害
 妖怪時のみ(-50%)
-5/行為衝動/食卓や食器棚は執拗に綺麗にする
-10/行為衝動/まずい食事の存在が許せない
-15/蘇生不可能/身体を供養されると回復しない
合計-67CP

―社会的な顔―
5/身元/偽造戸籍
5/我が家/マンション
0/職業/料理人(地位レベル0)
25/財産/標準
5/容貌/魅力的
10/ネットワーク/中規模・〈纐纈社〉本部
1/溜まり場/社務所
-5/態度/中立
合計51CP/-5CP

 廉は銀製の箸の付喪神で、「銀の箸は毒物を感知して変色する」との言い伝えを元に誕生しました。最初は触れた料理を[成分探知]するだけだったのですが、長い年月の間に様々な能力が付加されていきました。曰く「銀の箸は味を見分ける」、また曰く「銀の箸の精が料理人となって皇帝に仕えている」、また曰く「銀の箸を暗器にした刺客がいた」……。そうして長い年月が経つうちに、銀の箸は中国人の間を転々とし、いつの頃か日本に流れ込んでいました。今は中華街で料理人をしており、〈裏の中華街〉の妖怪達と比べてもベスト20に入るかどうかという辺りです(元来は食べる方専門ですし、生まれた時代と現代とでは味付けも違いますから……)。
 人間としての姿は、温和そうな笑みを浮かべた、小柄ながらも目が大きめの老人です。妖怪としての姿は飾り気のない銀の箸で、2本の間を玉から彫り出した鎖が繋いでいます。空を飛ぶ事も可能で、近代の中国語で「快」の発音と結び付けるようになったせいか普通の器物系妖怪より速い速度で飛行します。箸先は見た目より器用ですが、両手が必要な行為をこなすのはちょっと無理でしょう。
 戦闘では妖術[銀箸刺突]を敵に突き刺し、攻撃を受けても自分自身(ルール上は[鉤爪4レベル])で「受け」てしまいます。他に探知や物体操作の力もあるのですが、食器、飲食物、台所用品、飲食店の看板、料理の本……といった物にしか効きません。


都筑玄弥(つづき・げんや)/妖怪高級自動車(599CP/未使用CP1)

10/体力:11
+98/本体体力:90/41
  本体だけ(-10%)、支持肢がない(-40%)
45/敏捷力:14
30/知力:13
30/生命力:13/93
移動力:6.75+1.25(本体は更に+1、走行時72)
能動防御:8/9(素手)・-/-
合計213CP

―特徴―
10/暗視
8/意志の強さ2レベル
-10/誠実
-10/残忍
-5/義務感/乗客
-15/熱狂/所有者
-5/狭量/品性に欠ける者
-2/性格傾向/物事を斜めから見る
合計18CP/-47CP

―癖―
車内の内装は上品なのが好み、ガキを載せるのは嫌だ、カーラジオは交通情報だけ、都市の夜景が好き、バットカーに憧れているのは内緒

―技能―
1/格闘14
0.5/ランニング10
4/運転/乗用車(自分自身、AT車)15
0.5/機械工/妖怪の体11
0.5/軽業11
0.5/進軍11
0.5/礼儀作法12
0.5/地域知識/関東12
合計8CP

―妖力―
100/基本セット
5/外見/怪奇
32/防護点8
40/追加HP80
30/分身/人間変身
 離れて行動できる(+100%)
15/器物変身/黒塗りの車
 本来の機能を発揮できる(+100%)、妖力・妖術を使用できる(+100%)
6/巨大2レベル
 本体だけ(-10%)
30/飲食不要
 空間からエネルギーを補充(+200%)
23/酸素不要
 本体だけ(-10%)
18/睡眠不要
 本体だけ(-10%)
18/超タフネス
 本体だけ(-10%)
14/無言の会話
 持っていない妖怪にも伝わる(+100%)、人間にも伝わる(+100%)、本体だけ(-10%)
11/打撃部位/鉤爪1レベル(ダメージ:叩き/10D+5(11D+1)(〈格闘〉ボーナス含む))
 脚だけ(-20%)、本体だけ(-10%)
5/複数の脚(4本)
 本体だけ(-10%)
72/高速走行3レベル
 瞬間的に停止(+30%)、本体だけ(-10%)
25/搭載6レベル
 密閉(+10%)、本体だけ(-10%)
10/オーラ隠蔽
合計433CP

―妖術―
なし

―弱点―
-15/支持肢がない/分身を生み出す
-18/機械の体/自然治癒する
 本体だけ(-10%)
合計-33CP

―社会的な顔―
5/身元/偽造戸籍
1/我が家/溜まり場の駐車場
0/職業/運転手(地位レベル0)
15/財産/貧乏
0/容貌/普通
10/ネットワーク/中規模・〈纐纈社〉本部
1/溜まり場/社務所
-20/態度/優越/庇護
合計32CP/-20CP

 乗り物の付喪神は、現代のネットワークの移動手段として欠かせないとも言われています。もちろんそんな都合のいい妖怪がごろごろしているはずもなく、普通のネットワークは鉄道やバス、自家用車、鳥系統や竜系統の妖怪(笑)、果ては汎用性の高い種別の[門]を移動に使っています。最も多いのは自動車妖怪ですが、船、潜水艦、馬車、都電、ヘリコプター、駕篭、気球、古代中国の戦車などという例も存在します。自動車の付喪神にも様々な例が存在しますが、やはり最も多いのは「想い」を受けやすい自家用車のようです。
 この自動車妖怪は、実在する自動車が変化した付喪神ではなく、高級乗用車に送迎される政府の要人や官僚、財界の中心者への羨望と嫉妬がない交ぜになった感情から生まれました。しかし幸いにも羨望の方が強かったらしく、生まれたばかりの頃は[オーラ隠蔽]もあるために妖怪達は誰も気付かず、気ままな深夜ドライブに熱中していました。しかし挑発してきた暴走族を大勢轢き潰したのが原因で存在が明るみになり(急カーブの連続する場所で猛スピードを出したようにぐしゃぐしゃになっていれば、怪しく感じて当然です)、捕獲されてネットワークに引き取られました。
 普段の姿は全長5.4mの黒塗りの乗用車で、運転手を含めて6人を載せられます。運転手は分身である玄弥が務めるので実質5人ですが、運転手の腕次第では分身を消して6人乗りになる事もできます。付喪神の出自ではないために肉体は金属製ではなく、しかも燃料も必要としません。一直線に走れば時速259.2kmを出せますが、実際の道路上ではそこまで出せないでしょう(サーキットなら話は別ですが)。玄弥は高級車の運転手らしい折り目正しい格好を好んでおり、運転も基本的には丁寧ですが、下品な人物(特に騒がしい子供)が嫌いなため、走行中に投棄されないように気を付けましょう。ちなみに分身はもちろん、本体も車外スピーカーで声を出す事が可能です。
 戦闘では、相手を轢き潰してダメージを与えます(キックのルールを適用し、〈格闘〉-2で命中判定を行います)。それ以外に攻撃手段や妖術はありませんが、玄弥はバットカーに憧れているため、知らないうちに妖術機関銃が生まれているかもしれません(汗)。


纐纈綾子(こうけつ・あやこ)/吸血桜(548CP/未使用CP2)

10/体力:11
+98/妖怪時体力:25
  妖怪時のみ(-30%)、腕だけ(-10%)
30/敏捷力:13
45/知力:14
20/生命力:12/62
移動力:6.25+1.125
能動防御:7/8(武器の手)/-
合計203CP

―特徴―
5/聖職者/神道
10/暗視
8/意志の強さ2レベル
0/仲間/神主の息子(75CP、まれ)
-10/残忍
-15/好色
-5/義務感/年下の知人達
-10/好奇心2レベル
合計23CP/-40CP

―癖―
草木染めが好き、紐や縄での縛り方にうるさい、西行法師の大ファン、旧暦2月15日には供養を欠かさない、面倒見がいいがとりあえずお返しを要求する

―技能―
8/武器の手16
0.5/ランニング9
0.5/神学/神道16(その他10)
0.5/文学11
0.5/作詞12
0.5/家事12
1/庭師13
1/植物学12
0.5/染色12
0.5/礼儀作法13
0.5/外交11
1/演技13
0.5/性的魅力10(12・16)
0.5/水泳12(17)
0.5/応急処置13
0.5/武具屋/武器の手12
合計17CP

―妖力―
100/基本セット
40/外見/絶対の美
20/防護点5
25/追加HP50
18/人間変身
 衣服が消える(+20%)
5/植物変身/枝垂桜
10/飲食不要
22/木の体5レベル(防護点5)
 変身した時に欠点が隠せる(+25%)
12/植物会話
 目立つ花が咲くものだけ(-20%)
51/武器の手8レベル(ダメージ:切り/5D+7(7D)(〈武器の手〉ボーナス含む))
 フレイル型(+40%)、妖怪時のみ(-30%)
35/攻撃回数増加1レベル
 妖怪時のみ(-30%)
合計338CP

―妖術―
狂気
28/威力7
 制御不能(-50%)
4/精度13
合計32CP

―弱点―
-10/依存/土に根を張って6時間の休息(1週間ごと、摂取すれば回復)
-15/行為衝動/不実な人物には狂気を植え付ける
-5/行動不能/満月の光(ペナルティ-4)
-10/行動不能/氷点下の空気(ペナルティ-2、1ターンごとに減少)
合計-40CP

―社会的な顔―
5/身元/偽造戸籍
10/我が家/古い神社
0/職業/巫女さん(地位レベル0)
15/財産/貧乏
0/容貌/最高
10/ネットワーク/中規模・〈纐纈社〉本部
1/溜まり場/社務所
-20/態度/友好
合計41CP/-20CP

 「桜の木の下には死体が埋まっている」という言葉から生まれた妖怪で、枝垂桜の木霊に属しますが、性質的には人の血を啜る纐纈柳に近いものがあります。かつてはもっと強大な妖怪で、太陰太陽暦の2月15日(西行の和歌に影響を受けています)に山奥に人間を引き込んでは枝で引き裂いて血と肉を食らっていたのですが、大正時代に退治されて数十年を経て復活、その際に人間の血肉への欲望は収まったらしく、今では再生した場所である神社の巫女さんになっています。神主は国文学の研究者でもあり、普段は遠くにある研究所に半ば住み込みになっているため、行事の時期以外にはその息子と2人で神社を管理しています。かつての男を誘惑しては弄んでいた性癖……というより習性は影を潜めましたが、今でも美男美女と見ると遊びでちょっかいを出したがるのは治っておらず、ネットワークの溜まり場の女性陣からは苦笑いされる毎日です(……被子植物は両性具有なので、植物的には変な事でないのかもしれませんが……)。
 普段の綾子の姿は、やや栗色がかった長い髪を腰まで垂らした清楚な美女で、着痩せするタイプで水着姿になるとナイスバディというお約束過ぎるパターン(笑)を呈しています。蘇る前の変身した姿が黒髪に白い肌の古典的美人だったのと比べると、復活する際にそれなりの事前調査をしてデータ改造していたようです(こら)。
 妖怪の姿に戻ると、背丈が2m近い枝垂桜に変わり、香りを孕んで漂う霊気が人間とは相容れない、しかし本能から蝕んで壊していきそうな凄絶美を放っています。長い枝の中でも2本は鋭い切れ味を秘めており、1ターンに両方を同時に振るってかつては哀れな犠牲者を、今は悪事に走る妖怪をずたずたに引き裂きます。戦いで返り血を浴びた姿も美しさを引き立てこそはすれ、魂を奪われたかのように嘆息する妖怪達(そして、辛うじて正気を保った人間)の数を減らす事はないでしょう。しかしそれ以外の攻撃手段は[狂気]くらいしか存在せず、リサーチ過程では地道に技能で迫るしかないようです。


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