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 ルール解釈
 追加選択ルール/一般
 追加選択ルール/儀式・魔化
 追加選択ルール/追加ルールに追加
 追加選択ルール/全く違った魔法
 追加特徴
 追加技能


#ルール解釈#

 
*過剰疲労による気絶

 《進軍》《倍速》による追加疲労や《精神打撃》のような疲労ダメージを与える攻撃で、受けた疲労ダメージがその時点での残り疲労点より大きくなり、疲労点が計算上マイナスに達する事があります。この場合の処理は、以下から選ぶのが良いでしょう。
 (a)マイナスに達した分は無視し、疲労点を0にする。
 (b)疲労点は0にするが、「マイナスになった分」が「自然回復」するまではいかなる手段でも意識は回復しない。
 (c)マイナスに達した分は、疲労点ではなくHPへのダメージとする。

 
*「接触呪文」と同時に行う攻撃について

 「マジック完訳版」P8において、「素手や杖による攻撃は通常の物理的なダメージも及ぼす」と記されています。これは以下のように解釈する事が望ましいでしょう。
 ・3Dが「能動防御」以下…呪文と物理攻撃、どちらの影響も受けない。
 ・3Dが「能動防御」より大きく「能動防御+受動防御」以下…呪文の影響のみ受ける。
 ・3Dが「能動防御+受動防御」より大きい…呪文の影響を受けた上に、物理的ダメージも同時に受ける。

 
*通常呪文と目標のサイズ

・簡単な処理
 「マジック完訳版」P9には「通常呪文の消費エネルギーは、2ヘクス以上の大きさの対象に対しては「ヘクス数」倍される」と記してあります。しかしこれを厳密に適用すると、
 (A)2ヘクス以上を占める巨大な敵(ドラゴンや〈悪魔〉など)と戦う際に、《不器用》《脱水》などの障害系・ダメージ系の魔法が掛けられない。
 (B)巨大な敵の側も、《すばやさ》《大治癒》などの補助・回復系の魔法の助けを受けられない。
 (C)寝ている時と起きている時でサイズが違う目標――例えば人間や熊――は一体どーなる。
 という弊害が発生してしまいます。よほど大きな敵(水竜マハノチや皇帝竜ウルクなど)を相手にする時以外は、生物のサイズは気にしない方が良いでしょう。「ルナル・ジェネレーション」でも、マナが「濃密」の白の谷とはいえザドリーがダイザウラー……もといウルクに《爬虫類制御》使ってましたし。
 なおこの場合も、《小治癒》《大治癒》は常に通常消費で掛けられるはずです。巨大な目標の場合、治癒できる量のHPに対する割合が大きさ(追加HP)に応じて低くなりますので問題ありません。

・厳密な処理
 以上のような適当な処理がお気に召さないなら、占めるヘクス量を無視し、直径1m、高さ1.8mの円筒(体積約1.44m3)に、目標と同じ体積の粘土をどれだけ詰め込めるかを基準にしても構いません。比重が水とほぼ同じ生物なら、おおよそ1440kg以下で基本消費に収まります(牛でも辛うじて1倍消費ですが、象では5倍消費になります。ルナルの〈悪魔〉でも完全版掲載分ではゴンロック(3t)とバクラルヘ(2t)くらいしか引っ掛かりません)。

 
*範囲呪文と目標のサイズ

 「百鬼夜翔」P97の範囲型妖術の扱いに準じて、「体の半分以上が範囲内なら通常効果、それより少ないなら抵抗に+1〜+10」とできるでしょう。こちらを援用する場合、「通常呪文を巨大な敵に完全に掛けるには「占めるヘクス数の半分(端数切捨て)」倍の消費が必要、それより少ないなら抵抗にプラス修正」ともできます。

 
*呪文の中断

 「呪文の解除」(「マジック」P10参照)の一種で、エネルギーを1点消費して、持続時間が過ぎる前に強制的に呪文を解除させます。
 この行動の対象は本人が制御下に置いている呪文に限られ、維持が不要な呪文――持続が「永久」の呪文や《持続光》《遅発伝言》などを「中断」させる事はできません。タイミングとしては、射撃呪文の射撃と同じく「自由行動」として扱います。そのため、「呪文の中断」を宣言する機会は、自分のターンが回って来た時にのみ限られます。
 「呪文の中断」を行ったターンに別の呪文を使う事は可能ですが、前のターンから引き続いて集中していた呪文があった場合、その呪文の集中は自動的に乱れてしまいます。「集中」を必要とする他の能力も同様です。

 
*呪文集中の手順

 「マジック」のルールでは、細かい事を意外と埋めていない部分があります(笑)。やはり記述してある通り、魔法が気まぐれな力である故でしょうか(汗)。
 しかしそういう事で喧嘩しても困るので、集中の手順で疑問になりやすい部分を下に記します。世界のスタイルに応じて、好きなものを選んで下さい。
 ちなみにルナルの公式リプレイでは、(1)は(1-a)と(1-b)の中間、(2)は(2-a)を使用しています。個人的には(1-b)(2-c)かも。

(1)集中に入る際に、具体的な呪文名まで宣言するか?
 (1-a)宣言する。エネルギー消費に幅のある呪文なら強度も含めて宣言する。GMの操るNPCも、動作や詠唱が不要でなければ同様。
 (1-b)宣言する。エネルギー消費に幅のある呪文なら強度も含めて宣言する。GMの操るNPCは、見て分かる場合(同じ流派、詠唱が普通の言語、身振りが大きい、など)を除いて具体的な呪文名は宣言しない。
 (1-c)見てすぐに分かる場合(技能レベル11未満、など)を除いて、プレイヤーもGMも使う呪文の内容を公開せずにメモして、発動した瞬間に公開する。

(2)呪文の目標はいつ固定するか?
 (2-a)集中開始時に固定。後で目標を変更したいなら「放棄」して集中をやり直す必要がある。
 (2-b)集中開始時に目標を設定するが、固定されるのは集中が終わって発動する瞬間。集中の途中や終了直前での目標変更は自由。
 (2-c)集中が終わって発動する瞬間に固定。集中している間は目標を決める必要はない。

 
*受動防御と防護点

 「マジック完訳版」には「射撃呪文に受動防御無効」と受け取られる文がありますが、SNEのエラッタによると《呪いの矢》だけの話だという事です(おい)。魔法の強力な世界にしたい場合、水霊系以外にも抵抗タイプのダメージ魔法を作るなり「止め」の装備制限を行うなりの工夫が必要でしょう。特に高度な文明と高度な魔法が同居する世界では、コンバット・アーマーを貫通できる呪文、もしくは(高速振動剣や単分子剣のように)高度な防具の防護点をいくらか無視する効果がある事が多いでしょう。

 
*異なる世界のマナ

 月から〈波動〉として放たれるルナルのマナ、「想い」により存在する百鬼世界のマナ、飽和状態で暴発の危険を伴うマジカルシーフ世界のマナ、魔装具を通してのみ発現するユニオラ世界のマナ……という具合に、一言にマナと呼んでも様々に分かれます。そのような馴染みの無いマナの環境においては、いくらか不利な影響を受ける事にします。

・異なる世界から来たばかりの呪文の使い手は、世界法則の違いにより呪文の目標値に−1〜−5の修正を受ける事があります(技能レベルには影響しないので、来訪者も原住者と同じマナによる恩恵や制限を受けます)。この世界法則による不利な修正は、双方向で必ず同じとは限りません。
(例)
 「ベーシック」の地球からルナルに来た者は7種類の〈波動〉から選択を行う必要があるため混乱を起こして目標値に−2(マナが上昇しているので技能レベルは+5され、実質的には目標値は+3)されますが、ルナルから「ベーシック」の地球に来た者は単純に漂うマナを用いればよいので目標値には−1(実質的な目標値は−6)で済みます。

・マナの原理がほぼ、または完全に同一なら、呪文の目標値に不利な修正を受ける事はありません。パラレルワールド間での行き来や、統一された宇宙観に含まれる次元間の行き来がこれに相当します。

・マナの原理が根本から異なれば、技能レベルそのものに不利な修正を受けたり、まるでマナが「なし」であるかのように呪文が全く働かない事もあります。空中のナノマシンが「魔法」の効果をもたらす世界から来た魔術師は、ナノマシンを散布しない限りマナを「なし」としか見なす事ができません。

・マナの性質次第では、目標値や技能レベルの低下以外の厄介な効果が及ぼされるかもしれません(マジカルシーフ世界の日本のマナは「濃密」ですが、呪文魔法では14以上は全てファンブルであり、妖術や魔装具のファンブル表を要求される可能性もあるので、調子に乗って呪文を乱発すると……)。このような影響は実際に被害を受けるまで分かりませんが、「魔法の素質」によるマナの感知(「マジック」P6サイドバー参照)を行えば、漠然とした印象として朧気に察知する事が可能です。

・呪文の目標値に不利な効果を受けるだけなら、いずれこの世界に馴染んで不慣れを克服する事もできます。
(a)4時間の瞑想により、不利な修正を1点減らします。もう8時間(合計12時間)の瞑想によりさらに1点(合計2点)、もう16時間(合計28時間)の瞑想によりさらに1点(合計3点)……と、1点ずつ打ち消すごとに必要な瞑想は2倍ずつ増加します。GMの好み次第で、「修正を全て打ち消すだけの瞑想をしないと1点も減らす事ができない」としても構いません。
(b)呪文を本気で「5×不利な修正」回使う事により、不利な修正を克服できます。安全な場での無駄な使用はこの回数に数えず、通常の成功は1回分、通常の失敗は0.5回分、クリティカルは2回分(もしくは1D-2(最低1)回分)として数えます。5回分溜まるごとに、不利な修正は1点ずつ消えていきます。

 
*度量衡の違う世界における魔法

 度量衡がメートル法でない世界では、魔法の効果範囲をその世界の単位の近似値に修正しても構いません(もちろん面倒ならメートル法のままで構いませんが、キャラクターは厳密な計算をする時に困るかもしれません)。この場合、ルール上の全ての単位を換算した表を手元に作っておくべきでしょう(「1ヘクスの直径=3尺」とか)。ヤード・ポンド法を使うなら、英語版をそのまま参照すればいいでしょうが(笑)。
 世界内部の各地で度量衡が異なる場合、メートル法を使うか、基準となる1種類の度量衡を常に使うか、どちらかを選択して下さい。

 
*時間単位の違う世界における魔法

 時間単位が現行の太陽暦(グレゴリオ暦)ではない世界では、魔法の持続時間に用いる「分」より長い単位をその世界の単位の近似値に修正しても構いません。ただし、魔法における時間は常に定時法を用い、一般社会で不定時法を用いていてもそちらには従いません(例えば江戸時代の日本の場合、持続時間が1時間≒半刻の呪文を使っても、季節や昼夜によって持続する長さが変化する事はありません)。度量衡とは違い、0.75倍〜1.5倍ほどの範囲内なら大雑把に変換しても構わないでしょうが、製品価格やキャラクターの収入に直接響く魔法の品や霊薬の作成時間は大雑把に扱わない方がいいでしょう(例えば中国風の世界で「1週間」を「1旬(=10日)」に変換してしまうと、ほとんど全ての霊薬の価格が割増しになってしまいます)。
 世界内部の各地で時間単位が異なる場合、グレゴリオ暦の時間単位を使うか、基準となる1種類の時間単位を常に使うか、どちらかを選択して下さい。


#追加選択ルール/一般#

 
*魔法致傷力

 ダメージ系魔法のダメージ基準として、「知力+魔法の素質」を体力とみなして算出した「魔法致傷力」を使用します。例えば知力14で「魔法の素質3レベル」のキャラクターなら、「突き」が1D+2点、「振り」が3D−1点になるのです。なお集中に必要な時間は、射撃呪文では1段階につき1秒です(つまり4倍消費は3段階目なので、集中には3秒掛かります)。
 エネルギーの消費量とダメージの関係は、以下の通りです。
  基本エネルギー:突き±ダメージ修正
  2倍消費:振り±(ダメージ修正×2)
  4倍消費:突き+振り±(ダメージ修正×4)、「マジック完訳版」で4倍消費が認められる呪文のみ
 つまり前述のキャラクターの《電光》は、1点消費で叩き/1D+1、2点消費で叩き/3D−3点のダメージを与えます。4点消費して叩き/4D−3点にする事はできません。
 このルールは魔法が強力な世界に相応しいため、導入する事が世界観に相応しいか十分に考慮して下さい。

 
*回復呪文に対する魔法致傷力の適用

 《小治癒》は3点消費で「突き−2(最低1点)」の回復力を、《大治癒》は2点消費で「突き−2(最低1点)」・4点消費で「突き+2(最低2点)」の回復力を発揮します。

 
*回復呪文のペナルティ軽減

 主に戦闘が頻繁な世界において、《小治癒》などの治癒魔法は、複数使用時のペナルティーは1回につき−1とします。自分に掛ける際のペナルティも適用されませんが、その際にHPを消費する事はできません(HPを消費して掛ける場合、本来のルール通りのペナルティが目標値に加わります)。

 
*移動系を中心とする一部魔法に対する「体力」の変更

 「マジック完訳版」において「体力15」として規定されている《従者》《騒霊》《飛ぶ剣》などについては、《踊る武器》と同様に呪文の技能レベルを魔法の「体力」として扱います。

 
*距離修正の起点

 呪文を掛ける際の距離修正の起点となるヘクスは、術者の精神活動の中枢とします(どこが精神活動の中枢なのか判別できない場合は、最も肉体の中心に近いヘクスを起点として下さい)。人間の場合は脳ですので、倒れた状態で脚の傍にいる毒蛇に《爬虫類制御》をする場合、接触していない限り−1の修正を受けます。肉体で直接接触さえすれば、精神活動の中枢からの距離は無視します。

 
*呪文の連鎖発動

 「グリモア」P24の「物を持った作成物」のルールを、他の呪文にも拡張します。複数の呪文を「同時に」連鎖発動させた場合、必要エネルギーと準備時間は全て合計して、判定の基準値は最も低い技能レベルのものを用います。これを使う事により、《水作成》《冷凍》で氷を作成したり(「グリモア」に《氷作成》がありますが)、《水作成》《冷凍》《水変化》で氷の像を作成したりする事が可能となります。


#追加選択ルール/儀式・魔化#

 
*魔化する対象の大型化による必要エネルギー軽減

 《魔化》で作成する魔法の品物は、通常の手持ちサイズを超える事により、下の記述に従って必要エネルギーを軽減する事が可能です。ただしこうして作られた品物は所持が非常に困難となり、破壊もされやすくなる事に注意して下さい。通常は必要エネルギーを1/4〜1/5にするのが限度です。
 ・普通の物体に魔化するエネルギーを1/nにするには、物体の体積を(n3)倍にする。この場合体積は最低でも(n3)m3となり、個人での持ち運びはできなくなる。
 ・床や絨毯などの平面に魔化するエネルギーを1/nにするには、魔化の対象となる面積を(n2)倍、直径をn倍にする。呪文は魔化した範囲の中央を中心としてのみ働く。

 
*技術水準に応じた魔化儀式及び霊薬作成の簡易化

 魔法が一般的な世界では、技術的な文明レベルの向上に従って、魔化及び霊薬作成に要する時間は以下の通りに短縮されます。霊薬の場合、作成時間の短縮ではなく同時生産可能な量の増大として扱っても構いません。
  文明レベル5〜6:本来の1/2
  文明レベル7〜8:本来の1/4
  文明レベル9〜:様々。世界をデザインした責任者の判断による。
 なお、このルールは生活水準の向上とそれに伴う賃金の上昇に対応したものです。ほとんどの場合、このような魔化には特殊な材料や装置などが必要とされるため、PCが個人で魔化を行う事は事実上不可能となります。

 
*肉体に魔化を施す

 肉体を魔化の素材とするためのルールです。

・必要な呪文・技能
 必要な呪文は通常の魔化と同じである事が多いですが、世界によっては肉体に魔化を行うための専用呪文が存在します。また、〈刺青師〉(「百鬼」P54参照)、〈秘伝知識/種別〉(「パワーアップ」P220参照)、〈魔法理論〉(「パワーアップ」P220参照)といった技能をしばしば必要とします。

・魔化の手順
 通常通りに行いますが、以下の点が普通の魔化と異なります。
 ・魔化の判定にファンブルすると、魔化の対象となった者は5D点のダメージを受けます。
 ・魔化の対象となる者は、自分自身が術者や助手になっても構いません。
 ・「手軽で危ない魔化」で、魔化の対象となる者は(本人が術者や助手でなくても)呪文に不利な修正を与えません。

・魔化の限界量
 過剰な魔化は、肉体の機能を損ねる危険があります。「生命力−7(最低1)」個までなら何の影響もありませんが、それを越えるとランダムに(=GMの任意の瞬間に)1D点の疲労が襲い掛かります。肉体に魔化を施すのに刺青が必要な場合は、上記の限界を超えて刺青を施すスペースは身体の表面にはありません。「SKA」と同様に、能力上昇型の常動魔化に対しては、+1ごとに1つの魔化と見なしてもかまいません。「追加HP」と「追加疲労点」は、どちらか低い方のレベルだけ魔化の限界量を上げる事ができます。


#追加選択ルール/追加ルールに追加#

 
*魔法の親和力

「魔法の親和力/四大」
 「マジック完訳版」P120にある選択ルールですが、以下の点が異なります。
・水属性に治癒系を追加して下さい。これは誤植による脱落ですので、改造版ルールでない場合にも適用されます。
・空属性ではなく「風属性」と呼びます。
・《魔化》《巻物》も制限外となります。
・《神託》は、最も多く前提呪文数を要する精霊系の系統と同じ属性に含まれます(前提呪文数が同じなら、修得するキャラクターにとって都合の良い方と見なします)。ただし、4系統から同じだけ要求される神託、前提が精霊系呪文でも他の《神託》でもない神託、以上は風属性と見なします。前提が他の《神託》なら、その《神託》と同じ属性となります。
  「マジック完訳版」の《神託》は、以下の通りに分類されます。
  地属性…腸占い、足跡占い、土占い、宝石占い
  水属性…水占い
  火属性…炎占い、植物占い
  風属性…占星、タロット占い、こっくりさん、ルーン占い、数字占い、手相占い、月占い、空気占い、サイコロ占い、矢占い、霊感占い
  地・水属性…水晶占い
  地・風属性…筆跡占い
  水・火属性…モリブデン占い
  水・風属性…夢占い
  火・風属性…香占い
・技能レベルへの修正と修得数の制限を、以下のように変更します。友好属性と中立属性の違いは存在せず、まとめて「中立属性」と呼びます。
  自分自身の属性:+1、修得数制限なし
  対立属性:−1、「全体の20%」以下
  中立属性:±0、対立属性と合計して「全体の60%」以下

「魔法の親和力/五蘊」
 四大に加え、上位属性として「空属性」(別名「エーテル属性」)が存在します。
 なお、四大もそれぞれの内容が微妙に異なります。
・《魔化》《巻物》も制限外となります。
・《神託》は、最も多く前提呪文数を要する精霊系の系統と同じ属性に含まれます(前提呪文数が同じなら、修得するキャラクターにとって都合の良い方と見なします)。ただし、4系統から同じだけ要求される神託、前提が精霊系呪文でも他の《神託》でもない神託、以上は水属性と見なします。前提が他の《神託》なら、その《神託》と同じ属性となります。
・技能レベルへの修正と修得数の制限を、以下のように変更します。友好属性と中立属性の違いは存在せず、まとめて「中立属性」と呼びます。
  自分自身の属性:+1、修得数制限なし
  対立属性:−1、「全体の20%」以下
  中立属性:±0、対立属性と合計して「全体の60%」以下
・10CP消費する事により、空属性を選べます。この属性は他の全ての属性が中立属性扱いになり、しかも修得数制限が「全体の80%」以下となります。

地属性
 地霊系、動物系、食料系、物体操作系、死霊系、呪文操作系、科学技術系
水属性
 水霊系、治癒系、知識系、植物系、防御/警戒系、呪文操作系、転送系
火属性
 火霊系、肉体操作系、魔化系、幻覚・作成系、光/闇系、精神操作系、呪文操作系
風属性
 風霊系、情報伝達系、移動系、音声系、呪文操作系、転送系
空属性(10CP、「魔法の素質」3レベル必要)
 全ての精霊系、呪文操作系

「魔法の親和力/五行」
 「金」を特別に分けている点と、風霊系を「木属性」としている点が特徴です。
・《魔化》《巻物》も制限外となります。
・《神託》は、最も多く前提呪文数を要する精霊系の系統と同じ属性に含まれます(前提呪文数が同じなら、修得するキャラクターにとって都合の良い方と見なします)。ただし、4系統から同じだけ要求される神託、前提が精霊系呪文でも他の《神託》でもない神託、以上は金属性と見なします。前提が他の《神託》なら、その《神託》と同じ属性となります。
・技能レベルへの修正と修得数の制限を、以下のように変更します。
  自分自身の属性:+1、修得数制限なし
  友好属性:±0、修得数制限なし
  対立属性:−1、「全体の15%」以下
  中立属性:±0、対立属性と合計して「全体の50%」以下
 友好属性になるのは相生(木→火→土→金→水→木)、対立属性になるのは相克(木→金→火→水→土→木)の関係にある属性です。

木属性
 風霊系、情報伝達系、移動系、植物系、音声系、呪文操作系、転送系
火属性
 火霊系、魔化系、幻覚・作成系、光/闇系、呪文操作系、科学技術系
土属性
 地霊系、動物系、肉体操作系、食料系、死霊系、呪文操作系
金属性
 地霊系、魔化系、知識系、物体操作系、防御/警戒系、呪文操作系、科学技術系
水属性
 水霊系、動物系、治癒系、精神操作系、植物系、呪文操作系


#追加選択ルール/全く違った魔法#

*技能レベルの系統別取得

 「各々の呪文を技能と同様に取得する」標準ルールとは違い、「呪文を一種の特徴として取り」「発動専用の呪文を系統別に取る」ルールです。

・呪文
 キャラクターは、呪文1つごとに1CPを消費して修得します。呪文の発動には、後述の〈呪文発動/種別〉が必要です。

・発動呪文
《呪文発動/種別》(至難) 特殊
持続:一瞬、発動させた呪文の持続は通常通り
消費:なし、エネルギー消費は発動させる呪文の分だけ
準備:発動させる呪文と同じ
前提:「種別」の範囲に含まれる呪文1種
 修得済みの呪文を発動させる際に、この技能の技能レベルを基準とします。難易度が「至難」の呪文の発動には、技能レベルに−1の修正を受けます。
 呪文の発動には対応する系統の《呪文発動/種別》が必要です。種別は各系統に対応しています(《呪文発動/動物系》《呪文発動/音声系》のように)。ただし強力な戦闘呪文が多い系統や「至難」の呪文が多い系統の場合、対応する《呪文発動》が複数に分割されます。
 ・肉体操作系
  …障害(能力を下げダメージを与える呪文)、支援(能力を上げる呪文と《〜変え》)
 ・治癒系
  …基礎(難易度が「難」の呪文)、上位(難易度が「至難」の呪文)
   ※「上位」の技能レベルは、「基礎」の技能レベルより高くできない
 ・精神操作系
  …感知(《間抜け》《(感覚)強化》を前提とする呪文など、主に感知能力に関わる呪文)、意思(《恐怖》を前提とする呪文など、主に意思に関わる呪文。重複するならこちらを優先)
 ・移動系
  …基礎(難易度が「難」の呪文)、上位(難易度が「至難」の呪文)
   ※「上位」の技能レベルは、「基礎」の技能レベルより高くできない
 (例外)
  複数系統に属する呪文は、レベルの高い方の《呪文発動》の影響を受けます。
  精霊召喚系の呪文は、召喚する精霊と同じ属性として扱います。
  《体力賦与》《体力回復》は、系統を問わず最もレベルの高い《呪文発動》の影響を受けます。

・魔法の品物
 呪文行使タイプの魔法の品物の発動にも、品物のパワーレベルと使用者の《呪文発動》のどちらか低い方を使う事にできます。その場合は使用できる者が減少するので、魔化のエネルギーが−10〜20%されます。

(例)
 知力14、「魔法の素質3レベル」の魔術師が、以下のように呪文を取りました。
 ・動物系:変身/鷲(至難)
 ・肉体操作系:痒み、ひきつり、痛み、不器用、すばやさ、口封じ、腕痺れ、腕萎え、死の手、顔変え、体変え
 ・風霊系:空気浄化、空気作成、空気変化、空中歩行、風、嵐、電光
 ・治癒系:体力賦与、体力回復、生命力賦与、覚醒、小治癒、大治癒(至難)
 以上で呪文は27種で、27CPを消費します。
 次に、呪文の使用に必要な《呪文発動》を修得します。
 ・呪文発動/動物系:14Lv(1CP)
 ・呪文発動/肉体操作系・障害:16Lv(4CP)
 ・呪文発動/肉体操作系・支援:15Lv(2CP)
 ・呪文発動/風霊系:15Lv(2CP)
 ・呪文発動/治癒系・基礎:16Lv(4CP)
 ・呪文発動/治癒系・上位:16Lv(4CP)
 基本的に15レベル以上にして必要エネルギーを減らしますが、動物系は16レベルにしないと《変身》のエネルギーを減らせないので14レベルにしておきます。《大治癒》を15レベルにするには《呪文発動/治癒系・上位》を16レベルにしなくてはならないので、《呪文発動/治癒系・基礎》も16レベルに上げました。以上で17CPです。
 結果として合計44CPで、以下の通りになりました。
 ・動物系
  変身/鷲→目標値13
 ・肉体操作系・障害
  痒み、ひきつり、痛み、不器用、口封じ、腕痺れ、腕萎え、死の手→目標値16
 ・肉体操作系・支援
  すばやさ、顔変え、体変え→目標値15
 ・風霊系
  空気浄化、空気作成、空気変化、空中歩行、風、嵐、電光→目標値15
 ・治癒系・基礎
  生命力賦与、覚醒、小治癒→目標値16
 ・治癒系・上位
  大治癒→目標値15
 ・(最大レベルの呪文発動に準拠)
  体力賦与、体力回復→目標値16
 ……普通に修得すると38CPですから、初期段階では分が悪い結果となりましたが(《大治癒15》を使うために5CP消費したのが特に痛かったようです)、肉体操作系や治癒系でまとめ取りをすれば挽回も夢ではないでしょう。
 全般的に言うならば、少数の呪文しか取らない兼業型には不利で、専門魔術師に有利なルールかと。

 
*あらかじめ呪文を準備する

 「D&D」のように、あらかじめ呪文を準備するルールです。一度に大量の呪文を連発できますが、ガス欠状態を回復するには時間が掛かり過ぎるため、ゲームバランスが物凄く微妙になります。

・呪文を準備する

 呪文の準備は、基本的に1日1回行えます。準備には「呪文の消費エネルギー合計」分かかります。一度に準備しておける呪文の量は以下の通りです。
  準備個数限界=知力+「魔法の素質」+「記憶力」(1レベルなら+1、2レベルなら+2)+《体力回復》(15レベルで+1、20レベルで+2)−10、最低でも1
  消費エネルギー合計限界=疲労点+知力+「魔法の素質」+《体力回復》/5(15レベル以上の場合のみ)、「素質」がないと1/2(端数切捨て)
 呪文のエネルギーは、高い技能レベルによる減少分を考慮します。ただし0点になっても、便宜的に1点と見なします。通常の持続時間を超えて維持したい場合も、あらかじめ準備の際のエネルギーに含めておいて下さい。
 前の日から準備してあり、まだ使っていない呪文があれば、改めて準備し直さずに保持し続ける事が可能です。もちろん放棄して、別の呪文を覚え直しても構いません。

(例)
 体力11、知力14、「素質」3レベル、「記憶力」1レベル、《体力回復》16レベルの魔術師が、その日に使う呪文を準備します。呪文の準備個数限界は9個、消費エネルギー合計限界は31点となります。
 魔術師は、以下のように呪文を準備しました(全て15レベル以上ですので、消費が減少しています)。今日は古い屋敷に潜む山賊の群れと戦うため、戦闘呪文を主体とします。
  《べたべた》直径3m、持続10分…消費5点
  《浮揚》80kg、持続1分…消費1点
  《瞬間移動》500m…消費5点
  《爆裂火球》3D…消費5点
  《爆裂電光》(「SKA」参照)3D…消費5点
  《大治癒》8点…消費3点
  《大治癒》8点…消費3点
  《覚醒》直径3m…消費1点
  《透明壁》持続1分…消費3点
 31分後、合計9個・31点の条件を満たして準備完了です。

(例)
 体力10、知力13の盗賊が、その日に使う呪文を準備します。呪文の準備個数限界は3個、消費エネルギー合計限界は11点となります。昨日使わなかった《目くらまし》を保持し続けるつもりなので、あと呪文を2個、エネルギーを7点分覚えられます。
 盗賊は、以下のように呪文を準備しました。
  (《目くらまし》持続10秒…消費4点、準備済み)
  《番犬》直径9m、持続10時間…消費5点
  《発火》2点分…消費2点
 7分後に準備完了です。準備済みの呪文は合計3個・11点です。

・呪文を発動する

 通常通りの精神集中を行い、準備済みの呪文を発動させます。通常のルールの「準備」は、「精神集中」と読み替えます。射撃呪文の場合、威力の段階と同じ秒数集中してから、手元に既に大きくなった弾が現れます。
 あらかじめ準備していたエネルギーを解放するだけなので、発動させる際に改めてエネルギー消費は不要です。

・魔法の品のルール対応

 呪文使用型の魔法の品は、使用者の消費エネルギー合計限界からエネルギーを転用して作動します。既に準備済みの呪文を放棄してエネルギーを転用しても構いません。
 または、パワーレベル−10を準備個数限界、パワーレベルを消費エネルギー合計限界と見なします。この場合は使用者のエネルギーで作動させる事はできません。

・関連特徴

「追加疲労点」(「ベーシック」参照)
 「あらかじめ呪文を準備する」ルールを使う場合には、作成時や成長時にCPを消費して取得・レベル上昇が可能です。

「呪文の準備前に休息が必要」(-2CP)
 呪文を準備する前に、完全な休息を8時間取る必要があります。休息中は平静な環境が保たれる必要があり、何らかの努力を要する行為は行えません。もし環境を乱されたなら、必要な休息時間に15分〜1時間延長されます。

「特定の時間帯にだけ準備が可能」(-2CP)
 呪文の準備は、特定の時間帯(幅は最大でも2時間)にしか行えません。「呪文の準備前に休息が必要」と重複する事はありません。

「後で改めて準備が可能」(2CP)
 その日の呪文の準備の際にわざと上限まで覚えきらずに、後で改めて呪文を準備する事が可能です。

「防御呪文に変換可能」(2CP)
 あらかじめ防御呪文を準備していなくても、消費エネルギーがその防御呪文と同じかより多い呪文の準備を消費して、代わりに防御呪文のエネルギーにする事が可能です。余分なエネルギーは失われてしまいますが、その際に「マジック」P15の「エネルギーと修正」に従って防御呪文のレベルを上げる事ができます。
 この特徴は、防御呪文1つ以上を前提とします。

「治癒呪文に変換可能」(2CP)
 あらかじめ治癒呪文を準備していなくても、消費エネルギーがその治癒呪文と同じかより多い呪文の準備を消費して、代わりに治癒呪文のエネルギーにする事が可能です。余分なエネルギーはそのまま失われてしまいます。
 この特徴は、「聖職者」と治癒呪文1つ以上を前提とします。治癒呪文に含まれるのは以下の呪文です。
  体力賦与、生命力賦与、体力供与、覚醒、小治癒、大治癒、療治、解毒、その他の疲労点減少・HP減少・病気・毒を回復させる呪文

「呪文の事前準備不要」(0CP)
 呪文を事前に準備しなくても、準備の際に「呪文の消費エネルギー合計」分を費やして瞑想などをすれば、精神集中によりエネルギーから好きな呪文を引き出せます。ただし全ての呪文に必要な「素質」が1レベル、消費エネルギーが発動・維持共に1点上昇します。


#追加特徴#

「呪文の副作用」
 超能力の副作用(「ベーシック完訳版」P216・217サイドバー)に準じて扱います。ただし呪文の副作用は、1つごとに1つの系統全ての呪文が対象となってしまいます。全ての系統の呪文に作用する副作用は、得られるCPが2倍(最大で−15CP)になります。超能力の副作用と同様に、これによって得たCPは通常の不利な特徴の制限には引っ掛かりません。
 「特殊効果/呪文の準備中、術者の周囲に青白い光の粒が浮かぶ」(−2CP)、「特殊効果/作成した水は飲用に耐えない」(−1CP)、「欠点/転移を伴う呪文の起点と終点で轟音と光が発生する」(−5CP)、「欠点/使用した呪文に対応した魔法陣が呪文の目標地点に出現する(「よけ」による飛び退きや、転移呪文の終点では「待機」して攻撃も可能)」(−10CP)という辺りが、典型的な呪文の副作用の一例です。


#追加技能#

(なし)


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