―ルールセクション2―
特殊ルール
*長射程武器のフェイント
日本では至近距離で射撃する事が多いため、射撃でも「百鬼」P256の「妖術でのフェイント」(技能レベルと「知力+感覚修正」で即決勝負)を使えるものとして構いません。
*長射程武器の全力攻撃
長射程武器でも全力攻撃が可能になります。2回攻撃は、1ターンに1回以上攻撃できる武器が必要です(1ターンに2回以上の攻撃が可能なら、攻撃回数は1.5倍(端数切捨て)になります。フルオートの攻撃回数を増やす事はできません)。クロスボウや銃器のような機械的な武器を使用している場合、「ダメージ+2」を選ぶ事はできません。
CP獲得と仕事
CP獲得は「ベーシック」に準じますが、特にヒロイックな展開を想定している場合にはGM判断で1.5倍程度に上昇させても構いません。
仕事のルールに関しては、GMとプレイヤーの任意に任せます。煩わしいと思う場合や絶え間ない冒険が中心ならすっぱり無視して、市井の生活を描くのでしたらきちんと適用を行って下さい。
装備
主に武器が中心となりますが、特に注記がない限り文明レベルに応じた装備が手に入ると考えて下さい。古代〜中世では地位レベルがマイナスでない限り全ての武器・防具を入手する事が可能です(ただし、古代の弩は例外で軍団以外では入手できません)。近世では刀と脇差を同時に装備する「二本差し」は武士のみに限られますが、どちらか片方のみ腰に差す事は百姓や町人にも許容の範囲内です(とはいっても初期を除いて普段は身に付けません。祭礼の儀礼用や旅行の護身用です)。もちろん鉄砲や槍のような殺傷力の高い武器と戦場用の鎧は所持が厳しく制限され、普段は装備して歩き回る事ができませんでしたが、狩猟用の鉄砲は役所の許可の有無を問わず村には大抵存在しました。
なお、この章の武具に関する記述は「マーシャルアーツ」には一部従っていません。
◇武器◇
#ベーシックの武器
後の記述を参考にして下さい。記述されていない武器は基本的に入手できません。
#マーシャルアーツの武器/日本の武器
下記に記す武器を除き、文明レベルの許す範囲内で購入が可能です。また基本的に、本土で購入できる武器は沖縄や北海道でも輸入品として購入できます。これらの地方では、中国や北方民族の武器も手に入れる事が可能です。
ヌンチャク:江戸時代以降のみ購入が可能です。
十手:江戸時代以降のみ購入が可能です。
サイ:第二尚氏成立以降(本土の室町時代以降)の沖縄でのみ購入が可能です。
刀:詳しく分類するため、後の記述を参考にして下さい。平安時代中期から購入が可能になります。
木刀:刀の存在する時期のみ購入が可能です。
竹刀:本土の戦国時代、袋竹刀が発明されて以降にのみ購入が可能です。
小柄:南北朝時代以降にのみ購入が可能です。またこれは武器というより日用品であり、小柄(というか厳密には、小刀の握り部分が小柄)では首を刎ねるなど論外です。
鎖鎌:戦国時代以降のみ購入が可能です。
万力鎖:戦国時代以降のみ購入が可能です。
長刀:平安時代中期以降のみ購入が可能です。
脇差:南北朝時代以降のみ購入が可能です。それ以前は脇差ではなく短刀を身に帯びていました。
槍:全ての槍は、鎌倉時代には基本的に購入できません。平安時代までの「槍」相当武器は矛ですが、ゲーム上の扱いは槍と同一と見なします。
棒:通常の棒と区別するため、「六尺棒」と表記します。
トンファー:第二尚氏成立以降(本土の室町時代以降)の沖縄でのみ購入が可能です。
野太刀:南北朝時代から戦国時代までのみ購入が可能です。
ティンベー:沖縄でのみ購入が可能です。
#マーシャルアーツの武器/忍者の武器
下記に記す武器を除き、忍者しか購入できません。またGMは、実効が否定されている「忍者の特殊装備」の使用を認めない事も可能です。
半弓:娯楽用として、一般人も使用が可能です。
手裏剣(「刺し」ダメージの手裏剣のみ):意外かもしれませんが、れっきとした武術流派にも棒手裏剣の打ち方を専門に教える所が存在します。
#パワーアップの武器
「SKA」からは、以下の武器を使用できます。
ハンマー、ロングスピア、大槍、パイク(長槍)、トライデント(三叉銛)
「武侠」からは、「マーシャルアーツ」との重複を除くと以下の武器を使用できます。
鉄刀(戦国〜)、矛(弥生〜平安)、大まさかり(弥生〜)
〈剣〉〈両手剣〉
棒(縄文〜)
タダの棒です(購入する際はタダではないですが)。データは小型クラブの物を使って下さい。
剣(つるぎ)(弥生〜平安中期)
長さ1m強くらいの両刃の武器で、当然ながらデータはブロードソードと同じです。バスタードソードと同じデータとなる長い物も存在しますが、あまり多くはありません。祭具としては青銅製の物もありますが、強度や価格は鉄製の物と同じです。使用されなくなってから以降も、祭祀や奉納用として僅かな本数が作られていました。
直刀(弥生〜平安中期)
剣と似ていますが、刃があるのは刀身の片方だけです。データはブロードソード(やバスタードソード)と同じですが、突き刺し用になる事はありません。
野太刀(南北朝〜戦国)
太刀に似ていますが、重量で叩き切るための武器です。データは「マーシャルアーツ完訳版」を参照して下さい。
〈刀〉
太刀(平安中期〜南北朝)
反身の刃を持つ曲刀の一種で、世界的にも有名な鋭利さを持ちますが、戦場では射程の長さは弓矢や戦場用の長槍にかないません。ただし海戦や奇襲、夜襲、市街戦、小人数の戦闘には、死角となる距離が少ないために適しています。本式の装備では、太刀と同時に弓矢と腰刀を身に付けます。
太刀は身分を示す道具でもあり、同時に護身用の武器でもあります。太刀そのものは身分が低くても地位レベルがマイナスでない限り所持できますが、拵えや刀身が美しい物はそれなりの身分がないと許されません。なおこのような「美しい」太刀の品質は大抵通常の物と変わらず、高品質でも「美しくない」物は低い評価しか受けませんが、「/Magical」では「美しい」太刀が本当に壮絶な切れ味を誇っていても構いません。
データは「マーシャルアーツ完訳版」を参照して下さい。通常の価格で「上質」な物が入手できますが、雑兵や一般人の持ち物は大半が4割の価格で購入した「通常」の品質です。
打刀(南北朝〜)
太刀に似ていますが一般的傾向として反りが浅く、装着方法に至っては全く違います(太刀は刃を下にして紐などで帯に固定するが、打刀は刃を上にして帯に挟む)。データ的な違いはありません。
太刀と同様かそれ以上に、社会的な効力を持つ武器です。中世後期ではほぼ全ての成人男子が刀を差しており、近世でも市街地を除けば装備していても普段は咎められません(咎められるのは、認可を受けていない一般の家の者(大抵は武家奉公人経験者)が「二本差し」を行っている場合です)。
データは「マーシャルアーツ完訳版」を参照して下さい。通常の価格で「上質」な物が入手できますが、雑兵や一般人の持ち物は大半が「通常」の品質です。
棒(縄文〜)
〈刀〉技能でも小型クラブやクォータースタッフ相当の長い棒を振り回せます。データは〈剣〉及び〈両手剣〉使用時を参照して下さい。
〈槍〉
手矛(縄文〜平安)
長さが1m余りの柄の先に、金属製(古い時代は石製)の尖った穂先が付いている武器です。ジャベリンとして扱って下さい。
矛(縄文〜平安)
長さが身長をやや上回る柄の先に(後略)。スピア、または〈ポールアーム〉で使用する「武侠」の矛として扱います。両手で持つ場合、スピア扱いなら〈杖〉も修得してそちらで「受け」る事も多いでしょう。
手槍(南北朝〜)
手矛と似ていますが、後述する「槍」の小型版です。ジャベリンとして扱いますが、投げる事は滅多にありません。
槍(南北朝〜)
矛と似ていますが、滑り止めを巻いた矛の柄とは違って柄は滑りやすく、片手で掴んだ部分を滑らせるようにしてもう一方の腕に力を込めて突き出します。矛の使用が廃れてから誕生した武器であり、系譜的な繋がりもないと言われます。中世後期以降の戦場で頻繁に使われる武器ですが、普段から持ち歩いている者は旅をしている武士の従者か武芸者くらいしか存在しないでしょう。(多くは上質の)スピアとして扱いますが、投げる事は滅多にありません。「上質」の物も多く存在し、通常の50倍の価格で最高品質の物も、名匠に認められれば入手が可能かもしれません。矛と同じく、両手で持てば〈杖〉で「受け」を行えます。
〈ポールアーム〉
長刀(薙刀)(平安〜)
「ベーシック完訳版」の武器表に存在するグレイヴ(サイズとは別の草刈鎌型武器)と比べて準備時間が短い、刀にやや似た穂先を持つ長柄武器です。中世前期には弓矢に次いで頻繁に使われましたが、槍が頻繁に使われるようになってから使用は衰退しました。
データは「マーシャルアーツ完訳版」を参照して下さい。
大身槍(室町〜桃山)
穂先が長く、斬撃にも使える槍です。しかしその分動きも鈍るため、後には使われなくなりました。
刺し/突き+4、長さ2〜3※、攻撃後の準備不要だが技能レベルに−2、$400、5kg、必要体力12、両手用
切り/振り+4、長さ2〜3※、準備に1ターン
長槍(室町〜)
長さが身長の倍に及ぶ長大な槍です。集団訓練を受けた屈強の武士達による最前線防衛部隊でのみ用いられ、通常の武士やその他の身分の者が扱う事はまずありません。
データは「SKA」のパイクを使います。
〈斧・メイス〉〈両手斧・メイス〉
※この系統に属する武器は、「/Historical」の日本では戦闘用に使われる事はまずありません。
手斧(縄文〜)
鉈(弥生〜)
説明は恐らく不要な生活用具で、ハチェットのデータと同様に扱います。
木槌・金槌(縄文〜)
やはり説明不要な工具で、小型メイス、またはメイスとして扱います。木製の物は必要体力とダメージに−1されます。
鎌(縄文〜)
片手用の鎌です。
データは「マーシャルアーツ完訳版」を参照して下さい。
斧(縄文〜)
やはり説明は略します。アックスとして扱います。
大木槌・大金槌(縄文〜)
両手で持ち上げなくてはならない大きな槌で、モールとして扱います。木製の物は必要体力とダメージに−1されます。
鉞(弥生〜戦国)
金太郎が振り回すような巨大な斧で、グレートアックスか「武侠」の大まさかりとして扱います。
〈フレイル〉
※やはりこの系統に属する武器も、日本では基本的に戦闘用には使われません。
殻竿(弥生〜)
近世により効率の良い脱穀器具ができるまで使われた道具で、両手用のフレイルとして扱いますが、打撃部分が戦闘に特化していないため必要体力とダメージに−1されます。
〈短剣〉
短剣(弥生〜平安)
短い剣で、データはショートソードの物を使います。護身用として使われ、戦場でも予備武器として用いられます。
短刀(弥生〜南北朝)
短い刀で、データとしては短剣と全く同じです。
脇差(南北朝〜)
小さな打刀で、正式には打刀を左腰に、脇差を右腰に差します。【近接武器戦闘】を取り、格闘戦での使用を考慮している武士も多いようです。本式の使い方の他にも近世の平民が護身用に持ち歩いたりしますが、ヤクザの所持している「長脇差」は実質的には打刀と相違ありません。
データは「マーシャルアーツ完訳版」を参照して下さい。
〈ナイフ〉〈ナイフ投げ〉
小刀・腰刀(縄文〜)
言うまでもない、生活用具にも使える護身用武器です。データは各種ナイフの物を使って下さい。打刀のセットに備わっている小刀はダガーに準じますが、重量は0と見なします。
〈手裏剣〉
手裏剣(戦国〜)
投げてダメージを与える金属製の刃物で、威嚇用として主に使われます。手裏剣によるフェイントを選択した場合、投げる側の射撃目標値と相手の知力で即決勝負を行い、投げた側が勝てば直後のターンに行う攻撃への防御にペナルティを与えられます(当然ながら、負けると相手の防御にボーナスを与えてしまいます)。
データは「マーシャルアーツ完訳版」を参照して下さい。単純なナイフ型の手裏剣は〈ナイフ投げ〉を使えますが、この場合フェイントは行えません。
〈杖〉
六尺棒(縄文〜)
強靭な木材を削り出した飾り気の無い杖です。クォータースタッフと同様に扱え、〈剣〉〈刀〉〈槍〉でもぎごちなくはありますが使用する事が可能です。魔法が存在する場合には日本でも魔法使い(特に神官や修験者、またはその系統の影響を受けた俗人)がよく使いますが、ヨーロッパや西アジアの魔法使いとは違って飾り付けはほとんど行わず、白木のままの物を好みます。
鉄棒(弥生〜)
鋼鉄で全体を強化した、人の背丈以上の長さを持つ杖です。普通の杖とは違い、魔法を使うキャラクターが所持している事は滅多にありません。
データは「マーシャルアーツ完訳版」を参照して下さい。
〈鞭〉
馬上鞭(弥生〜)
馬上で馬を突付いて指示を与えるための物です。使用すれば〈乗馬〉に+2のボーナスを受けますが、技能無し値で判定している場合は逆に−2のペナルティとなります(加減が分からずに、逆に馬を苛立たせてしまうのです)。武器として使用する場合は当然鞭として扱いますが、長さは必ず「1」です。
〈弓矢〉
丸木短弓/丸木弓/丸木長弓(縄文〜平安)
しなりやすい木をそのまま加工した弓です。ショートボウ〜ロングボウのデータを使って下さい。
大弓(平安〜)
木と竹をはぎ合わせて作り、外側を竹と漆で覆った長い弓で、コンポジットボウに能力的に相当します。鉄砲が伝来する前は、戦争において最大の主力武器でした。
〈弩〉
弩(飛鳥〜平安)
クロスボウです。軍隊でしか用いられませんが、発射速度が遅いために嫌われ使用技術が廃れました。それ以前や以降でも伝手があれば輸入が可能ですが、〈武器屋〉でも修得していないと太矢が尽きてしまうでしょう。
〈投げ〉
石(縄文〜)
言わずと知れた手頃な大きさの石で、軍隊でも矢が尽きると石を投げて攻撃を行います(指揮官が指揮するのは従者と領民が中心であるため、損害が大きく響く接近戦は元々嫌がられます)。普通はどこでも手に入りますが、街中や沖積平野(関東平野など)では自然の物はまず手に入らないと考えた方が賢明です。
〈黒色火薬銃〉
銃器には故障値が存在し、3Dで故障値以上の数字が出ると不発と見なします。実用化されている銃器の故障値は14〜18の範囲内です。
手砲(南北朝〜戦国前期)
初歩的な銃器で、手筒花火を金属にしたような形……簡単に言うと単なる「弾丸を発射する金属の筒」という形をしています。射撃が簡単で使いやすいですが発射速度が遅く精度も悪いため、本土ではほとんど普及しませんでした。ただし沖縄などでは、軍の正式装備となっています。
叩き/2D−1、抜撃16、正確さ1、半致傷75、最大射程450、4kg、20ターンに1発、弾数1、必要体力12、反動−3、故障値14、$200、両手用
火縄銃(戦国中期〜)
データは「ベーシック完訳版」のマスケット銃に準じます(ただしダメージ3D、正確さは3です)。射撃速度を20ターンに1発に変更しますが(火薬の工夫などで射撃速度を短縮できます)、何も準備をしていない状況では準備に60ターン掛かってしまいます。火種や《発火》の呪文、黄燐マッチを用意していなければ更に準備時間が掛かるでしょう。
叩き/3D、抜撃18、正確さ3、半致傷100、最大射程600、5kg、20(60)ターンに1発、弾数1、必要体力12、反動−2、故障値15、$400、両手用
燧石銃(輸入品)
データは「ベーシック完訳版」のマスケット銃に準じます。射撃時の火打石によるぶれが大きいため、正確さは火縄銃より低くなっています。歯輪銃もデータ的には同じになりますが、正確さが3になる代わりに機構が複雑なため価格は2倍、修理の際の判定にも−3されてしまいます。射撃の精度が悪い上に国内の戦争が消滅していたために狩猟・戦闘共に日本での需要は存在しませんでしたが、「/Magical」の場合は何らかの理由を付けて「実は日本でも使用している」事にして構いません。
叩き/4D、抜撃18、正確さ2、半致傷100、最大射程600、5kg、20ターンに1発、弾数1、必要体力12、反動−2、故障値15、$400、両手用
燧石短銃(輸入品)
データは「ベーシック完訳版」のフリントロック短銃に準じます。
叩き/2D-1、抜撃11、正確さ1、半致傷75、最大射程467、1.5kg、20ターンに1発、弾数1、必要体力10、反動−1、故障値15、$200、片手用
弾薬
銃弾と火薬のセットで、別々に籠めるのが普通です。価格は1発あたり$2ですが、弾丸は〈武器屋〉〈黒色火薬銃〉で自作する事も可能です(鉛を買って鋳造して下さい。火薬は〈爆発物〉で作成しますが、冒険中には不可能です)。3点の《発火》を装填済みの銃に掛けられた場合、持ち主の知力による抵抗に失敗すると爆発します(〈黒色火薬銃〉を持たないキャラクターの場合、「目標が見えない」と見なして呪文の判定に−5の修正を受けます)。重量は短銃用が1個33g(3個100g)、長銃用が1個50gです。
〈銃器〉
ライフル各種(江戸末期〜)
リボルバー各種(江戸末期〜)
「ベーシック」の19世紀中期に存在する銃なら、当時の最新型を含めて入手が可能です。ただしこれらの銃器は、幕末段階では一般人が護身用に持ち歩いたり狩猟に使ったりする事はないでしょう。
◇防具◇
クロース・アーマー(縄文〜)
ライト・レザー(縄文〜)
ヘビー・レザー(縄文〜平安初期)
スケイル・アーマー(弥生〜平安初期)
形状は様々ですが、「ベーシック」と同一のものです。軍事活動でもない限り金属鎧を身に着ける事はありません。
「マーシャルアーツ」の鎧(平安中期〜)
革鎧、強化革鎧(竹ではなく金属片で強化)、鉄鎧、忍者の鎧を使用できます。
チェインメイル(フィクション)
フィクションの忍者は、しばしばチェインメイルを着てチャンバラを行います。実際の忍者は、戦場でもない限り重い鎧を着る事はありません。ただし「/Magical」の場合、鎖帷子の代わりにチェインメイルを使う事が可能です。
ハーフ・プレート〜ヘビー・プレート(戦国後期〜)
「南蛮胴」と呼ばれ、元は輸入品ですが国産品も存在します。兜の部分はスケイル・アーマーと同一であり(頭部のみ受動防御3、防護点4)、価格が$240、重量が2.5kg減少し、戦闘系技能と知覚判定への不利な修正を受けなくなります。
鎖帷子(平安中期〜)
チェインメイルより細かい鎖を編んだ鎧で、通常の服の下に隠す事ができます。鎧の下に着た場合は防護点は足し合わせますが、受動防御はどちらか高い方だけが有効です。
受動防御2(0)、防護点2(1)、$450、8kg、「刺し」攻撃には()内の数値。
大鎧(平安中期〜室町)
革の小片を糸で綴り合わせた鎧で、弓矢に対する防御力を重視していますが、その分動きの柔軟性を犠牲にしており徒歩での戦いには向いていません。上級武士の装備であり、一般兵は「MA」の革鎧相当の腹巻を用いました。ちなみに胴丸は「MA」の強化革鎧か鉄鎧、南蛮胴はプレートのデータを用いて下さい。
受動防御4、防護点3、$750、18kg、騎乗していないと移動力と「よけ」に−1。
*金属片を織り交ぜると防護点4、$750、25kgになるが、電撃などによるダメージに対しては増加した1点分は無効。
スモールシールド、ミディアムシールド(古墳〜平安前期)
ラージシールド(古墳〜)
古代の軍団で兵士が用いましたが、弓矢の使用が盛んになると共に邪魔者扱いされ廃れました。ただし身を庇うための障害物として使う盾(価格と重量はラージシールド扱い)は、それから後も使われます。
◇一般装備◇
乗用/荷役動物
日本では陸上輸送は馬が中心ですが、馬に人が乗る事はあまり多くありません。馬に荷を引かせる隊商ですら、人間が馬に乗らずに歩くほどです。馬には蹄鉄を打たずに藁沓を履かせます。
田畑を耕す際に東日本では馬を主に使いますが、西日本では牛を使います。ただしその数は決して多くはなく、特に近世では開拓と農業の集約化が進むと共に農家の家畜が減少してしまいました(馬に食わせる草を生やす土地を維持するより、その土地を畑にした方が都合が良いのです)。
日本の軍馬は非常に貴重な存在で、武士でもない限り入手できません。「ベーシック」で想定しているアラブ馬系の軍馬ほど身体も大きくなく(代わりに餌の消費量も少ないですが)、去勢を行わないので非常に獰猛な個体も多く存在します。中世前期では騎射に使われる事が多く、中世後期には指揮官の移動手段として主に用いられます。
・駄馬
「ベーシック完訳版」P184の「ポニー」のデータを参照して下さい。ただし敏捷力は10になります。
・軍馬(日本在来種)
小柄ながらも気性の荒い馬で、戦場でも恐怖を感じずに走り回ります。山歩きにも適しており、西洋の馬より敏捷力が高いのが特徴です。牡馬が去勢されていないため、去勢馬にしか慣れていない中国やヨーロッパの人間は、在来種の牡馬では〈乗馬〉に−2(繁殖期は−4)の修正を受けます。
体力35、敏捷力10、知力4、生命力15、移動力10、$4000、500kg
・軍馬(アラブ種、近世後期に輸入)
「ベーシック完訳版」P184の「騎馬」のデータを参照して下さい。ただし値段は最低でも$8000以上になりますし、種馬用である事も多いため去勢も施してありません。
・牛
「ベーシック完訳版」P184の「牛」のデータを参照して下さい。
馬車
日本では、いくら金を積んでも手に入れる事は一切不可能です。(律令時代の官道を除くと)道が細く険しいために荷馬に荷物を直接積みますが、かさばる物はできる限り船に積んで運びます。ただし川船ならともかく外洋航海を行う船は沈没する危険が存在するために、船員以外の旅客を乗せる事は幕末になるまでまずありません。
牛車
日本では京都周辺と江戸幕府開設後の江戸周辺だけで使われ、貴族が乗用に使う物は京都のみで、荷物の輸送に使う物は双方で見られます。しかし数は非常に少なく、近世の江戸では人間が引っ張る二輪車である大八車が荷物の輸送にしばしば使われました(ただし、大半の地域では、大八車すら使用できませんでした)。