―Yuell Topics1―

 「Runal Topics」の続編的コーナー、よーするにルナル世界の様々な話題を、ジャナストラ中心で綴ったコーナーです。

 
〈目次〉

 慣習言語通貨奴隷制


◇慣習◇

 ルナルの慣習を、相変わらずしつこく綴ります。
 

 ・リアドとジャナストラでは、特殊武器のバリエーションがやや違う。
  具体的には以下の通り。200年という時代差も反映しているでしょうが、リャノの楽器武器のバリエーションの違いは地域差によるものではないかと思います。
  リアド ジャナストラ
ガヤン ソードブレイカー
ガヤン・ネット
両手用ソードブレイカー*
ショートソードブレイカー*
打突用ソードブレイカー*
片手用ソードブレイカー
ガヤン・ネット
両手用ソードブレイカー
ショートソードブレイカー
打突用ソードブレイカー
ポールアーム型ソードブレイカー
ソードブレイカー/手甲剣
ジェイル・チェイン
ガヤン/ドワーフ ガード・グラブ ブラス・ナックル
サリカ バトル・ファン
ラージ・バトル・ファン*
バトル・ファン
ラージ・バトル・ファン
フェザー・ファン
ハード・ファン*
ペローマ スタン・ボール シーリング・シューター(a)
ブレス・パイプ
ジェスタ ジェスタ・アックス
ジェスタ・メイス
パリーイング・ハンマー
ウォーター・シューター
ジェスタ・アックス
ジェスタ・メイス
パリング・ハンマー(b)
ペネトレイター
ボード・シールド
デルバイ 火薬弾投擲器
マスケット銃
ホイールロックピストル
火薬弾投擲器
デルバイ・ライフル
デルバイ・ピストル
パイルバンカー
ファウン イブニング・スター イブニング・スター
クロスブレード
両手用クロスブレード
シャストア レイピア
サーベル
シャストアのマント
レイピア
サーベル
シャストア・マント
エストック
アルリアナ 九節鞭
シールド・バトン
アルリアナ・ブーツ
九節鞭
シールド・バトン
アルリアナ・ブーツ
アルリアナ・リング
銭星鞭
徹鎖甲
タマット アサッシンズ・ナイフ*
インペイラー
クイック・インペイラー*
アサッシンズ・ナイフ*
インペイラー
クイック・インペイラー
シャドウ・ピック
タマット・ツール
リャノ ブロウバグパイプ
ハープ・ボウ
クッキング・ブレイド
クッキング・シールド
ウォーター・シューター
鉄単笛
鉄方琴
虎切り包丁(c)
龍切り包丁
リャノ・トライデント(d)
リャノ・ハープーン(d)
バトル・エプロン
(エルファは同一なので省略)

*=「普及率が低い」「地域限定」「非合法」など一般的でないもの
斜字=「ユエル」で紹介されていない「ルナル」の特殊武器
(a)…「スタン・ボールに使われていた技術が進歩したのだろう」というご指摘を受けました。
   想像された進歩過程は以下の通り。
    1:弾丸の小型化(これはルナル【完全版】にも書かれています。)
    2:ダメージを増やす/飛距離を伸ばすためにダムダム弾化/内部を空洞化
    3:誰かが「ダムダム弾の中に霊薬を入れれば」と考える
   なおコーナー筆者としては、投げ付けただけで飲み薬が効果を発揮するような効果を瞬間的に与える魔法の方が気になります。
(b)…名前が微妙に違いますが気にしないように。
(c)…クッキング・ブレイドとデータは近いですが、扱う技能が違いますし、「突き」攻撃が追加されています。
(d)…「ルナル」でも、SNEサイト上で紹介済みです。ただし特殊武器ではありません。

 ・ついでに、ペローマとジェスタの信者の武器制限が撤廃されている。
  地域による教義の違いなのでしょう。……単なる「初心者には面倒なのにゲーム上の効果が見込めないから省略」でない事を祈りたいものです。

 ・同じく、対応職業に追加がある。
  詳しくは以下の通り。
  (対応職業追加表)
   ガヤン  …特になし
   サリカ  …料理人、木工職人、きこり
   ペローマ …官吏
   ジェスタ …特になし
   シャストア…記者
   アルリアナ…遊牧民、狩人、動物使い、織物職人、皮革職人(……とゆーかほぼ全部。なお、「若いうちだけアルリアナ信者」というのはないらしい)
   タマット …特になし
   リャノ  …特になし

 ・同じく、ボーナス技能や呪文も……、
  以下略。

 ・ジャナストラでは、「ルナル」時点のリアドより、上位の位階の信者の率が高い。
  割合自体は(高司祭を除いて)変わりませんが、「これは都会におけるもので村落では低下する」という文がありません。水場の多い環境でリャノ信者が多く、牧人や猟師がアルリアナを信仰する事が多いので、リアドの小さな村のような「ほぼ全員がサリカの平信者」という事例が成立し難いのでしょう。

 ・ジャナストラには「株式会社」「人権意識」はまだない(ただしもうすぐできるかも)。
  PCが発見しちゃえば早いのですが(待て)。

 ・ジャナストラのたいていの村や街には銭湯がある。
  リアドの公衆浴場はシャストア神殿が運営する事が多いそうですが、ジャナストラでは銭湯が娯楽施設より生活必需施設として扱われるので、サリカ神殿やアルリアナ神殿の経営となるようです。

 ・「陽月暦元年(1年)」≒「双月暦0年」である。
  200年前に、「例の事件」が起こった事になっているので。世界全体の一大イベントである双子の月到来を押しのけてまで国家暦を大陸共通暦にするほど双樹帝国が強大だった事をうかがわせますが、〈栄光の担い手〉は所詮リアド大陸の出身なので、ジャナストラの人間にとっては存在感が薄いのかと邪推。
  ちなみに双月暦1100年前後(「ルナル」の時代)には、シェイパー帝国が巨樹の帝国を一時的に制圧しており、ファラントに攻め込んで撃退されています。後の沿海四州はファラントだけが成立しており、シェベルはまだ巨樹の帝国領の沿岸に浮かんでいました。この当時、カラカヤ連邦は首都をまだ〈天空の龍の島〉に置いています。
  あと、双月暦には「0年」がありますが陽月暦にはありません。

 ・1300年代のジャナストラの神殿には、「神殿間協力事業員」なる役職が存在し、「事件相談受付所」なる共同の詰め所にいる事が普通。
 ・協力事業員のうち定住者を「解決者(ディサイダー)」(または「冒険屋」)、流れ者を「万色を追うもの(チェイサー)」と呼ぶ――総称は「ナインズ(九番目、エリート/はみ出し者)」。
  起源がいつ頃に遡るかは分かりませんが、多分「次なる色彩」現象が多発するようになってからではないかと。
  なお「事件相談受付所」の通称は「相談所」「寄り合い所」「何でも請負所」、蔑称は「はぐれだまり」、尊称は「勇士の神殿」…………多過ぎっ!!(汗)

 ・1300年代のジャナストラは、ユエル創世の力が時々降ってきて迷宮化現象を引き起こすワンダーランドと化している。
  なお、他の大陸がどーなってるのかは知りません。少なくとも滅亡はしてないようですが。

 ・ジャナストラでは、この時代でもリアドで言う「協力神」に対して「従属神」という名称を使っている。
  「ルナル・サーガ」小説版によると、協力神という名称は(双月暦1094年から見て)近年になって神学上で提唱されたものだそうです。神学流派が違うのでは。

 ・アロミアの貴族の称号は、香木の名称を用いる。
  香木が特産品というわけでもないようですが、シェベルだって名産が貝というわけでもないですし。

 ・シェイパー帝国の諸領は、征服以前の国々の政体の上にシェイパーの領主貴族が乗っているだけ。
  どーやら大半のシェイパー貴族達は、異種族を支配するだけで、(善政にせよ悪政にせよ)積極的に何かをしようとは考えていないようです。それでいいのかシェイパー帝国。

 ・ジャナストラの〈天空の龍の島〉は、全て100年前に姿を消している。
  例のイベントにより、何かがあって何かが起こったようです(笑)。

 ・ジャナストラの爬虫人の一部には生殖専用の雄は存在せず、鰐人(中性ではなく男性)が女王の夫となる。
  鰐人は「ユエル」では男性、「かくて世界は広がった」では女性、ほんとーにおんなじ種族ですか。

 ・1ゲット銅貨の重さは20グラム。
  銭星鞭の解説から抜粋(と、ELIZAさんのご指摘)。
  リアドの1ムーナ銅貨より随分と重いので、ジャナストラでは銅が安価=豊富に産出するようですが、銭星鞭に1/10ゲット鉄貨を詰めちゃいけないのでしょーか(←禁句)。

 ・ジャナストラには、リアドと異なる単位系が存在する。
  リアドの「長さ・重さはメートル法アレンジ、容積は尺貫法アレンジ」とは違い、日本の古い単位系と似た名前なのに内容が全く対応していません。詳しくは下を参照。
ルナル単位系 地球単位系
・1メイル=約1km
・1メルー=約1m
・1メルチ=約1cm
・1カガル=約1kg
・1ガルー=約1g
・1シャウ=約1.8l
・1ゴー=約0.18l
・1キロメートル(km)
・1メートル(m)
・1センチメートル(cm)
・1キログラム(kg)
・1グラム(g)
・1升=約1.1l(古代)・約1.8l(近代)
・1合=約0.11l(古代)・約0.18l(近代)
・1リーガ=約200m
・1ケーン=約2m
・1シャクラ=約20cm
・1スイン=約2cm
・1カウン=約4kg
・1メモン=約4g
・1里=約545m(古代)・約3.93km(近世)
・1間=約182cmか約197cm(近世)
・1尺=約30.3cm(近世)
・1寸=約3.0cm(近世)
・1貫=約3.75kg
・1匁=約3.75g

 ・象牙の国ファラントの国民は、象牙の飾り物をよく身に着ける。
  ファラントの象(全種類かは不明)は牙が毎年生え変わるため、現実世界の象牙よりも容易に入手できるのでしょう。

 ・ファラントの村人の朝は、サリカ体操から始まる。
  なおこのサリカ体操には、「サリカ体操第一」と「サリカ体操第二」があります(笑)。

 ・ファラントでは、王位継承順位をかなり下位まであらかじめ決めている。
  なおセルド・テペル・コアルト少年は36位(ただしクーデター以前のもの)。イド君曰く、「今頃は継承順位も15番目くらいになっている」とか(汗)。

 ・リアド大陸には、獅子舞のようなものがある。
  これはフィーラ談。カラカヤはリアド大陸と交流があるため、そうした情報を知識の専門家でない戦士系キャラクターでも聞きかじっているようです。

 ・コラリアの通貨は「ペソ」…………??
  言っておきますが、フィーラPLが口を滑らせただけです(笑)。そんな事を言っていたら、ソイルの通貨が「ガメル」になっちゃいますし。

 ・ジャナストラ(特にファラント)の人間は、八大神から名前を取る事がよくある。
  「ガヤン→ヤン」「サリカ→アーシェリカ」という某姉弟の命名パターンです(元はコンプRPG付録掲載のシナリオのサンプルキャラクターでした。ディミは「マット」、ライブは「ルン」でしたが……)。ファラントでは「よくある」レベルでも、1100年頃のバドッカでは「てきとーな両親」がする事と認識されています。

 ・アルマジロのニュールは一卵性の4つ子で生まれる(らしい)。
  ……つまり、あーいうのがあと3人ジャナストラ大陸を転がっているわけで……。

 ・シェイパーの社会的地位は、変身能力「だけ」で決まる。
  変身能力の遺伝性がよく分かりませんが、あまり遺伝しないものなら、シェイパー帝国の地位は教養や財産とあまり関わりがないのかと。
  ……遺伝しやすく、しかも変身能力が高ければ貴族に養子に出される事が判明したので、そこそこ関連性はある模様です。

 ・シェイパーは、変身中に人肉の味を覚えると簡単に精神が壊れてしまう。
  変身した姿(この場合は恐らく肉食獣)の本能につられて、人(=〈源人の子ら〉)としての理性を奪われてしまうのでしょう。そもそも「ガープス」の変身魔法は、知力にダメージを受けるような危険な代物でもありますし……。

 ・セルド君は、爵位を継げば公爵になる予定。
  ただし、領地はほとんど売り払っています(笑)。フィーラPLは「現代のイギリス貴族みたい」と言っていますが、イギリス貴族はピンとキリの差が激しく、ロンドンに広大な地所を持っている大富豪もいたりします。もっともそれは全部「所有」しているだけで、昔のように領主として君臨しているわけではありませんが。

 ・ファラントの貴族は、世襲領の領有権を売買できる。
  単なる「所有権」ではなく、統治の義務や収税の権利も含む「領有権」です。昔の日本では領有権は売買できませんでしたが、ヨーロッパでは領有権の売買も(特に時代を下ると)可能であり、リヒテンシュタイン侯国の誕生も、フランスがコルシカ島を領有したのも、みんな領有権の購入によるものです。

 ・モダ族は語尾に「〜だモダ」と付くが、近頃では生粋の人は「〜だモダ」とはまず言わない。
  全くの余談ですが、関西のみならず関東の外では「東京≒関東」と思われる事が多いようですが、少なくとも言葉の上では当てはまりません。言語学上でも、東京は東海や関西の影響が強い「言語の島」として扱われます。

 ・焔魔の沼には、服を溶かすオイルスライムが棲息している。
  「ユエル」の18禁同人誌に使用されるのに5ゲット賭けても……(エクスキューターで断罪)。

 ・闘象はファラント以外では(多分)行わないが、闘犬や闘鶏はパベールでも見られる。
  ギナ先生の先制発言より。……外貨も稼げそうなほどの大会を知らないのは、友人のお抱えチームを知っている割には不自然です。

 ・闘象の二番手人気種目「象の頭上落とし合い」の死者は大会につき約3人。「八脚象の背中落とし合い」は死にはしないが怪我人続出。
  ……………………まあ日本のお祭りでも、未だに危険なのは色々ありますし。

 ・闘象の乗り手に、ボディペインティングや刺青は基本らしい。
  という事は、一般人の間では珍しいようです。後のセッションによると、ファラント北端の国境地帯では顔に刺青を入れるそうですが。

 ・象牙兵は「ぞうがへい」と読む。
  竜牙兵(「ソード・ワールド」参照)を意識した仕様のようです。

 ・ファラントでは、そこそこ年を取ってから愛人なり側室を囲うのは、社会的に問題にはならないらしい。
  セルド君のおかーさんも側室でしたし、おじーさんも「その若さで愛人とは関心せんな」と言っていますし。
  ……でも、3巻掲載のあらすじではセルド君の母は「後妻」となっていました。平安時代の日本と同じく、正室や側室という制度自体ないのかもしれません。

 ・ラルファの民族衣装は超ミニ。
  なのに、異種族の超ミニはエロ呼ばわりです(汗)。

 ・牙獣平原のラルファは、肉食獣を竹筒に入れた蚤で追い払う。
  ……草原に竹があるんですか(←本題と無関係)。

 ・ヒュービーの子育てには、大量の生命力に満たされた場所が必要。
  最適地は〈天空の龍の島〉の体内です(待て)。

 ・ファラントには、真ん中に穴があって紐で吊るせる5ゲット硬貨が存在する。
  他国でも通用するかは謎。

 ・ギャビットは、他人を背中に乗せるのは嫌がる。
  人(〈源人の子ら〉)として騎馬扱いは嫌でしょうが、そもそも動物よりは下半身が小さいですので、武装した人間なんかを運ぶのは無茶ではないかと。

 ・「ダンジョンで迷ったら臭くない方に進め」と言い残した古代の賢人が存在する。
  元ネタがあるのかどうかは不明。

 ・ユエルの地平線上には、「何もかもがあって何もなかった」空間がある。
  世界創造が進行中の証です。各種怪物が生息しているのに草が1種類しかないのは、生態系の構築上バランスが悪すぎるようですが。

 ・ユエルのエネルギーで蘇生されると、大地創造を開始したアレイシアの行動パターンが少し染み付いてしまう。
  完成した暁にはどーいう住人が揃っている事やら(汗)。

 ・四法山のウィザードは、たまに山から下りてきて、お前には仙骨があると言って弟子を取る――ような感じ(笑)。
  「央華」の仙人みたいです。なお、この大陸には邪仙境のよーな場所(=闇の峡谷)もあります。

 ・ジャナストラの伝令組合は、リアドの伝令ギルド(1100年前後)とは違い、「本部」がちゃんと存在する(数は不明だが)。また構成員も、ミュルーンだけでなくニュールも含む。
  「ユエル」時点でのリアド伝令ギルドに、相変わらず本部がないかは分かりません。

 ・ファラント料理は香辛料を多用。モダ料理は甘辛いソースを何にでも使う。
  「料理の食感により民族名が付いた」という怪しげな説もあるとかないとか。

 ・イルージュ(=誰かさん)は、美少女戦士を名乗るのは100年前に諦めた。
  まあ、当時でも130歳くらいになっていますし……。

 ・パベールの、少なくとも一部の地方には饅頭がある。
  ちなみに果物入りもあり。ジャナストラの全体的イメージが熱帯なので、マンゴーやココナツ辺りかもしれません。

 ・偉大なる魔王アグマノールさまを崇める秘密結社が存在する。
  コケモモ様にでも鞍替えしなさい(一部笑)。

 ・フィーラ、キーラ、2人の親(のうち1人)はみんな洗濯が嫌い。
  残りの親が家事嫌いでない事を、サリカに祈っておきましょう。

 ・〈永煌〉の墓は現パベール領サブン村の東の山に造られたが、暴虐王に破壊される前に遺骸と遺品を西の岩竜の山に移した。
  ちなみに移したのはギナ先生の先祖と思しきイドくん(達?)。なおガープスにおける特徴のCPは外的評価が多分に影響しているので、心の中のイドくんの存在が妄想ではなく真実だとしても必要・獲得CPは変わらないはず(笑)。

 ・ギナ先生のバーサークの叫び声は「きょーっ」。
  「狂戦士」の「狂」ですか?

 ・スーちゃんには〈龍〉の血が混じっている。
  つまり、象の祖先はドラゴン(←誤情報)。

 ・暴虐王アグマノールは130年前に部下に毒殺され→不死の怪物となり→100年前に水の〈龍〉の代理戦士となり→大地の〈龍〉の代理戦士エバートに封じられ……、
  →大渦〈黒き牢獄〉に放り込まれ→アシュティに解放されたが自我を奪われ→魔獣王のパワーを引き出す扉にされ→アシュティが死亡して自我を取り戻し→〈津波の魔剣〉の攻撃も空しく、〈星の刃〉でフェイント即トリック攻撃されて倒されました。

 ・8人の代理戦士とパートナーは、全員違う信仰に属しているらしいっぽい。
  詳細は以下の通り。
   銀・地…クランド(タマット信者)+ソワレ(不明)
   銀・水…タークヤ(不明)+ラドゥ(リャノ信者)
   銀・火…キーラ(ガヤン信者)+ミアン(ペローマ信者)
   銀・風…セルド(ジェスタ信者)+ミュト(アルリアナ信者(モダ族なのでシャストア信者でもありますが、メインが蹴りなので))
   龍・地…未定
   龍・水…アシュティ(ペローマ信者)+ドルシア(ガヤン信者)
   龍・火…ゲオニト(リャノ信者)+レライエ(サリカ信者)
   龍・風…未定

 ・「立憲君主制」という概念が存在する。
  トリース森林共和国の共和制度確立から、経緯を経て形成された模様です。

 ・タークヤの座右の銘は「アンディさんほど悩まない」。
  後世まで有名なんですか例の癖。

 ・パベールでは、事ある毎に駄洒落を言うのが「センスがある」として扱われる。
  感染したフィーラは「いやだ――!」と絶叫。

 ・カラカヤの通貨は「円」……………………????
  言っておきますが(以下略)。

 ・ジャナストラの翼人は、カラカヤや沿海四州などに大勢住んでいる。
 ・ドワーフは(同上)。特にカラカヤの人口の3割はドワーフ。
 ・数百年前の大陸北部にはドワーフ大帝国があり、シェイパー帝国と抗争していた。当時の情勢がリアドに伝わり、ジャナストラ全土がそーいうモノだと誤解された。
  ここから、「かくて世界は広がった」より。
  「ルナル」時代の誤情報(笑)も、それなりに元があったようです。「人間が黒い肌で長身」というのも、そーいう民族だけが北方交易していたせいでしょう。

 ・ジャナストラの翼人は、人口過剰になると生態系のバランスを崩さないためにしばしば山を離れる。そのため、ジャナストラの人間の領域では翼人は珍しい存在ではない。
  リアドの翼人より随分とフレンドリーです。

 ・ジャナストラのミュルーンは、種族語を失っている。
  リアドのゼクス共和国のような「共通の故郷」がないのと、亜種のバリエーションが豊富すぎて種族文化の一体性が保ち辛いのが原因ではないかと。

 ・ジャナストラでは、エルファの「円環」哲学抗争は発生していない。
  「螺旋」派が森を出て、ラルファになったからのようです。

 ・ジャナストラのエルファは、基本的に「贖罪者の誓い」を持っている。
  ……まあ、敏捷力や知力のCPが高くなったり「義務感」のCPが安くなったりしたあおりを調整するための処置でしょう。

 ・ジャナストラのプファイトの樹は、一年中実を付けている。稀少な品種として、大きく鋭い破片を撒き散らすプファイトもある。
  リアドとは別の種としか思えません。例えばシシャモとカラフトシシャモくらい(←余計分かりませんそれは)。

 ・ポイズン・ブレードの強度が昔より高くなった。
  それでもナイフにしては不自然に重いですし、そもそも重装備の敵を倒すには不安が大きいですが。

 ・ジャナストラのドワーフ社会には、かつてのドワーフ大帝国を復興させようとする秘密結社などもある。
  「など」が一体どんなモノなのか気にしちゃいけません(笑)。

 ・デルバイ神殿の銃器が、魔法金属弾丸を使用するタイプに変化している。
  威力が高くなりましたが、相変わらず一発屋なのは個人的にイヤです。せめて本体掲載サンプルキャラの連発銃さえあれば……。

 ・ジャナストラのフェリアは、クティクティ以外も「村の名」を名前に入れる。
 ・ジャナストラのシャロッツは、個人名を長くする事はない。
  まあ大陸も違いますし、リアド系なら「ルナル」準拠でよさそうです。

 ・ジャナストラのフェリアは、大陸の高い気温に対処するための特殊装備を作っている。
  日向では気温が容易にフェリアの生存危険域に達するジャナストラなので、ケープ発明前は「森の奥(もしくは高山)に住む幻の生物」扱いだったのではないでしょーか。

 ・シャロッツの[閃く輝き]は、閃光ではなく「視覚を刺激するエネルギー」を放つ。
  範囲外では光が見えないため、夜襲の時に便利です。

 ・マーマンは、ディワンと文化・能力面で共通性が大きい事が判明した。
  ほぼ水中限定のくせに特殊能力が陸上限定なので、変身能力なしでは特殊能力を取る意味がほぼありません。感情移入が数少ないアドバンテージでしょうか。

 ・シェイパーは平民でも、生計を営むための仕事をほとんどしていない。ほとんどは他種族の使用人や奴隷にやらせる。
  選民思想に見合うだけの能力を持とうという気概を要求するのは無茶なのでしょうが、やはりシェイパー帝国は駄目っぽい国のようです。
  (一応平均CPは人間よりずっと高いので、種族としてはそれなりに優秀なはずなんですが……)

 ・シェイパー帝国のシェイパーの人口比は「ユエル」では約10%、「かくて世界は〜」では約5%。
  比率の相違はなぜですか。

 ・ホブゴブリンとオークは、どちらも人間やドワーフが歪んだ種族だと判明した。
  人間の女性が歪んだ場合の処理が判明しました。……ってゆーか普通のシナリオではとっとと〈悪魔〉になっちゃうでしょうが。

 ・オークの中には、稀に家事に精通した者がいる。
  PCがサービス受けられるわけでもないし、ゲーム上ほとんど意味が無いですが。

 ・シェクラシュは放火を好む。
  熱を感知できず、黒の月の種族としては珍しく「暗視」もできないがための防衛本能である可能性もないとはいえなくもありげなような雰囲気っぽさもそこはかとなく(以下略)。

 ・ヴァンパイアのほとんどは、屍の魔元帥ゾーンネルと協力契約を結んでいる。
  ヴァンパイアがファウンの聖印に弱いのはこの契約のせいですので、「白の月の時代に生まれたのに青の月の神の聖印に弱い」問題はこれで一件落着です(笑)。

 ・グーギは、ギャビットが歪んだ種族だと判明した。
  お猿さんレベルの知性しかないこーいう代物が、〈源人の子ら〉だというのは驚きです。

 ・シェベルは魔法の扉〈月の門〉を3つ保有しており、定期的に沿海四州の首都、カラカヤ連邦の主要都市、ドワーフやエルファの居住地の中心に繋がっている。
  タイミングによっては、シェベル経由で長距離移動が可能なようです。


◇言語◇

 ジャナストラの言語について、自作設定を中心とした解説です。

・ジャナストラ共通語
 神殿間の連絡や交易に使われる言語で、ぶっちゃけて言うならば、双樹帝国の官僚が用いた言葉ほぼそのもの。紫の諸島語が商売用に簡略化されたリアド共通語とは異なり、ジャナストラ共通語は日常会話や商取引以外の語彙も豊富で、学術論文や文学作品にも頻繁に使われる。そのため双月暦1100年頃までのリアドでは、「ジャナストラでは言語がほぼ統一されている」との誤解を生じていた。現世の言語では、中世前期のラテン語、あるいはアラビア語のフスハーの地位に相当する。
 文字は、緑の月の時代にウィザードが発明したジャナストラ文字を使っている。彷徨いの月の種族(特に平野や草原の種族)もジャナストラ文字を使うものが多いが、書体が大きく違うので見ただけではなかなか分からない。

・双樹帝国語
 ジャナストラ共通語や沿海語の元になった言語。ジャナストラ共通語とは大きな違いはないものの、雅語や俗語、特異な言い回しなどは、単語や文法を大幅に整理した共通語の知識だけでは理解できない。文字はジャナストラ文字だが書体が大きく異なり、貴族は崩れた古代神聖文字も使っていた。現代では共通語に取って代わられて死語となっているが、アロミアの巫女姫や貴姉だけは日常的にこの言語を使っているらしい。

・沿海語
 沿海四州などの言語。「バドッカの盟約」後の神殿間の折衝により一応は標準体(デューラーの知識層が使うものが基準)の存在するグラダス語とは違い、標準的な書き言葉や話し言葉を持っていない。行政でも、ファラント以外では共通語を中心にしている(特に神殿の力の強いパベール、メヌーク、シェベル)。現世の言語に例えるならば、中世前期の俗ラテン語や、アラビア語のアーンミーヤの扱いに近い。文字も共通語と同じジャナストラ文字だが、地域毎に好まれる書体が大きく異なり、方言専用文字も少なくない。

・大陸中央諸語
 シェイパー帝国の隷属民である人間が用いる様々な言語。話し手が少ないうえに研究も進んでおらず、互いに共通性が乏しい事以外はほとんど分かっていない。

・カラカヤ語
 カラカヤ連邦、水晶王国・白、水晶王国・黒の公用語。双樹帝国語の遠い類縁関係にあたる言語が元となっているが、高等語彙ではルークス聖域王国語やネクロス語(紫の諸島語)からの影響が大きい。文字はジャナストラ文字が変型したものと、ルークス文字が変形したもののどちらかを使う(ただし数字は、ルークス文字の数字だけ)。

・北東諸語
 カラカヤ連邦とその友邦で使われる、おびただしい数の言語の総称。「ジャナストラ在来の言語」「リアドの言語の分派」「その他」の3つに分類されるが、現在では参入の歴史の新しい民族や外部との交渉が極度に乏しい地域の言語でもない限り、ほとんどが事実上の死語と化している。

・シェイパー語
 シェイパーの種族語で、同時にシェイパー帝国の公用語。シェイパーは隷属民に教える事をあまり好まず、異種族との意思疎通にはジャナストラ共通語を主に用いる。帝国外ではほとんど使われていないが、「はぐれ」が大勢居住するカラカヤ連邦内のとある自治領では日常的に使われている。文字はシェイパー文字と呼ばれる丸みを帯びた独自のもの。

・シェイパー貴族語
 シェイパーの貴族が、変身の披露により貴族と認められてからのイニシエーション儀式で教えられる秘儀言語。平民や異種族に教える事は厳禁されており、別の姿を取る事により精神が壊れるのを防ぐ秘密があるという。口伝で伝えられるため、文字は存在しない。

・四法山語
 ジャナストラのウィザードのほとんどが母語とする、古代神聖語を元とした人工言語。周辺の庇護下にある村でもこの言語を用いている。文字は古代神聖文字を簡略化して使う。

・ラルファ語
 ラルファの言語。会話を母語レベルで修得していれば、エルファ語の会話も片言で可能になる。文字はジャナストラ文字の変形版を使っており、エルファ語との互換性はない。

・その他の言語
 「Runal Topics1」を参照(笑)。


◇通貨◇

 またもや、ジャナストラ各地の通貨を勝手に命名です。
 ジャナストラでは各国の独自通貨を双樹帝国で使っていた「ゲット」単位に換算して国際取引基準にしている(発行する側でも大きさ、純度、形を合わせている)という事ですので、あまり突飛なものでもなければレートや両替をあれこれ妄想する隙もないでしょう。――ゲット通貨の標準型が、打ち延ばした穴無し円形コインとは限りませんが(汗)。

・ファラント:ファラント・ゲット(フォンティア)通貨
 表にも裏にも、無数の象の牙のような抽象的な模様を刻印。建国以来コサーデ・ロのドワーフが中心となって製造している。独特のこだわりにより製造年毎に模様を微妙にアレンジしているが、ドワーフ以外の者には何が何だかさっぱり分からない。

・コラリア:コラリア・ゲット(コラーユ)通貨
 大珊瑚宮を表に、額面に応じた大小の珊瑚を裏に刻んでいる。都市国家が乱立していた時代には通貨も乱立しており、建国後もしばらくは各都市がばらばらに発行を続けていたが、四州連合成立後に規格が国内でも統一された。クルロスコでは1000ゲット相当のエリハルコン貨を作っているが、国外では地金に近い扱い(900ゲット前後相当)を受ける。

・パベール:パベール・ゲット通貨
 空に浮かぶ双子の月を表に、水面に映る双子の月を裏に刻んだもの。巨樹連合で使用していた伝統的なデザインに対する反発から、神殿統治制をダイレクトに示す通貨デザインを採用する事になった。沿海四州の通貨では、外部で見られる確率が最も高い。

・アロミア:アロミア・ゲット通貨
 双樹帝国→巨樹の帝国→巨樹連合と続けて発行していたデザインを今に伝える、表に〈アーハン〉を、裏に水晶墳墓の失われた双樹を刻印したもの。人口が少なく鉱物資源も乏しいために発行枚数は少なく、国や神殿の公式取引で優先使用されるため、アロミア国内からはほとんど流出していない。

・4国に含まれない一部の地域:基本的になし
 併呑されず独立状態を黙認されるような地域には小規模なものが多いため、独自の貨幣を作れるような能力は持たない。ファラントとコラリアの国境近くにある某共同体は、豊富な鉱物資源を活かして両国の貨幣を作っているらしい。

・メヌーク:なし
 メヌークは銅や金があまり取れないため、国外から貨幣を持ち込んで使っている。昔は1/10ゲット相当の脆い穴開き鉄貨や鉛貨を鋳造していたが、今ではあまり流通していない。

・百戦・闘士領:なし
 外部の人間領域から持ち込んだ通貨を使っている。ダンジョン産物の取引が盛んなため、高額通貨の流通量は意外に多い。

・シェベル:シェベル・ゲット通貨
 元はパベールの首都だったため、デザインはパベールとほとんど同じもの。リアド大陸の影響により、シェベルも1000ゲット相当の白金貨を作っている。なお、これらの通貨の材料をどこから確保しているのかは謎。

・シェイパー帝国:シェップ通貨
 水に垂らした液体金属のような奇怪な姿をした粒。元はシェイパーの単位系により1/4、1、4、16、64、256といった4進法で作られていたが、1000年代からはゲット通貨と同じ材質と純度と単位で製造するようになった。国外では基本的に流通しておらず、国内でもシェイパー同士の取引ではゲット通貨をあまり使わない。

・カラカヤ連邦:交易ゲット通貨
 額面に相当する数字を表に刻印し、表面や側面に細かい模様をちりばめた物。この模様は装飾だけでなく、模様が欠ければ欠損がすぐに分かるという実用的な効果も備えている。もちろん、額面が大きいほど模様が繊細になる。統一された通貨制度は存在しない地方だったが、連邦成立後に双樹帝国(当時)のゲット通貨と同規格で統一通貨を製造しはじめた。

・水晶王国・白と水晶王国・黒:パーレル通貨
 陸上にある僅かな領土ではほとんど金属が取れず、宝貝や真珠を通貨としている。一応はゲット通貨も流通するが、金貨以外は錆びるのであまり見掛けない。

・四法山:なし
 低額取引(主に庇護民の生活用)には四州連合などの通貨を、高額取引にはパワーストーンやエリハルコン、その他の魔法の物品を使う。

・ビルパラ:ルペア通貨
 他の地域とは一線を画し、六角形の内側に青の月を抽象的に示す三角形を刻んだもの。連合内ではゲットと1対1で通用するが、他国ではあまり使われない。鉄貨は磁鉄鉱を使用しているため、鎧に貼り付けて持ち運べるという噂もある(昔の「メイル・フォー・ルナル」より(笑))。

・その他の地方:基本的になし
 貨幣経済に染まっていない種族でも、人間やドワーフが作った貨幣を外部との取引に使う事は多い。屍の魔境ボーンニーでは鉛貨が最高の価値を持つ奇怪な貨幣制度が存在するらしいが、その実態は明らかでない。雲の原ドウラでも、極めて特殊な硬質の石を磨き上げた巨大石貨を使うといわれている。


◇癖◇

 ユエルのキャラクターの一癖も二癖もある「癖」です。

*ユエル・サーガ*

 ・執念/セルドを権力の座につけて後を継ぐ(ギナ)
 ・妄想/心にもうひとりの自分がいる(ギナ)
  ……「嫌な行動/機会さえあれば駄洒落を連発する」はないよーで……。

 ・セルドさま万歳(ジャシュ)
  …………主人に世継ぎを作らせる事にしか興味ありませんが。

 ・人の名前は覚えられない(顔は覚えるよ)(ムーヤ)
  道を覚えない相棒に比べるとインパクト薄し。


◇奴隷制◇

 「ルナル」の時代には「ジャナストラでは奴隷制度が一般的」だったそうですが、「ユエル」ではそんな状態などかけらもありません(シェイパー帝国には奴隷がいるようですが)。その辺の埋め合わせついでに、自作設定を垂れ流してみましょう(……公式設定できたらどーしよ)。

*緑の月の時代
 緑の月の時代には既に、ジャナストラの人間は奴隷制度を持っていました。この当時の奴隷は有力氏族に従属している不自由民の事であり、家内労働から農作業まで様々な事に使われましたが、売買されたりはせず、自分達の家族を持っている事も多かったようです。特に強力な族長(未来では「王」と呼ばれるもの)に仕える奴隷は、自らが奴隷や自由人の使用人を大勢抱えていたと、さまざまな伝承や遺物から考えられています。ただし奴隷は氏族や部族の中では発言権を持たず、虐待される事もよくあったようです。
 なお、緑の月の時代のリアドの人間は一部の例外(後のザノン、クルブネ、トリース北部など)を除いて奴隷制度を持っておらず、そのために「奴隷制度=邪悪」という見解がリアドでは一貫して主流なのですが、ジャナストラでは現在でもそこまでストレートな見解は持てず、普通は「奴隷制度=昔からの抜き難い悪習」とされています。もちろん現在のジャナストラの人間の大半は、奴隷の酷使や虐待には、実利面より倫理面から嫌悪を感じるでしょう。

*双樹帝国(陽月暦元年〜1000年代)
 双樹帝国の初期、〈悪魔〉戦争時代において、奴隷の待遇はかなり改善されました。黒の月の信者が奴隷を酷使し、頻繁に面白半分に殺したり不具にしたりする事への嫌悪感が、奴隷の虐待の阻止に繋がっていったのかもしれません。ともあれ双樹帝国では、奴隷の中心は貴族や富裕者の家内奴隷に移り、人口に対する比率は、600年代を境として初期〜中期には4〜5%前後、後期には約2%と見られています。刑罰奴隷や債務奴隷は双樹帝国の時代に入ってから見られるもので、ここからジャナストラ全土に広まったものとされます。基本的に家内奴隷は世襲で、刑罰奴隷や債務奴隷は一代限りです。

*大陸中央部〜北東部(元年〜700年代)
 人間の強大な領域として戦禍の比較的少なかった双樹帝国とは違い、〈悪魔〉や黒の月の種族が横行していた大陸中央部や北東部では、奴隷の立場がますます低下していました。黒の月の信者による奴隷化と虐待に対して、報復のために黒の月の信者狩りを行い、捕獲した者を奴隷化するのが日常と化していたからです。こうした奴隷の出自の変化により、奴隷の中心は家内奴隷から労役奴隷に移り、〈悪魔〉戦争後は弱小部族の捕獲や戦争捕虜を奴隷の生産源とするようになります。大陸中央部のいくつかの国では生産の中心を奴隷に依存し、奴隷を1人しか持たない者は貧困者であるといわれた国や、征服した国の国民を全て奴隷化した国、奴隷農場の農場主が政権を牛耳っていた国などがありました。人間が異種族を奴隷にする事もしばしば起こり、奴隷狩りの報復としてエルファ、ドワーフ、翼人、ギャビット、巨人などに滅ぼされた国もあります。もちろんほとんどの国では奴隷の売買が許され、大規模な奴隷商人が活発に活動していました。

*シェイパー帝国(700年代〜)
 シェイパーの種族領は大陸中央部にあったため、シェイパーはかなり古い時代から人間などの奴隷を持っていました。ただし世襲的身分が成立しにくいシェイパーの社会では奴隷の大規模所有は見られず、種族の王や貴族(変身能力により選ばれるため、原則として非世襲)だけが家内奴隷を抱えていたと見られています。また奴隷とは違う形で、種族領内に居住する異種族を「隷属民」として扱っており、現代に至るまで領内の異種族を、いわば二等市民として扱っています(種族内自治が許されても自由な信仰に制限を受けていた点で、地位としてはオスマン帝国のキリスト教徒に近いでしょう)。もちろんシェイパーも奴隷狩り目的の攻撃をしばしば受けましたが、全て撃退したと伝えられています。
 さて、シェイパーは700年代から急激に勢力を拡張し、数十年で大陸中央部の全土を手中に収めます。シェイパーは征服「だけ」に関心を持っていたために、征服した国の支配層を排除(処刑や追放、幽閉)して後釜に貴族(やはり非世襲)を据えるだけで、軍の解体などの最低限の手しか領土に加えませんでした。諸国の奴隷達はシェイパーに侵略を受けた際も応戦しない者が多く(護るべき母国と考えていないのですから当然です)、解放を期待して反乱を起こす者も多かったのですが、期待に反してシェイパーは奴隷制に全く手を加えようとせず、以前から諸国で頻発していた奴隷反乱は、そのままシェイパーを攻撃の対象とするようになってしまいました。もちろん双樹帝国や沿海四州やカラカヤ連邦は奴隷反乱を誘発する努力を惜しまなかったと思われますが、反乱全体の数からすると、とても当時のシェイパー帝国が主張するほどの割合になるとは思えません。もちろんシェイパー帝国としては(他国が主張するような)異種族の奴隷化を進めるつもりなど最初からないのですが、当時の帝国政府の無為無策からはそう取られても仕方がなかったでしょう。
 50年前の大改革において、政治に有意なシェイパー官僚達が問題にした中に、以上のような奴隷問題もありました。貴族の裁量権が領内統治で何よりも重視された当時としては抵抗も大きかったのですが、奴隷といえど帝国に無関心どころか敵意を持っている状態では大陸統一も遠い夢であるという実利的な問題から、世代交代した若手の貴族から賛同者も増えていったようです。その結果、ここ30年ほどは領地規模・都市規模の奴隷反乱は起こっていません。

*ドワーフ帝国(?〜900年代)
 ジャナストラ北東部のドワーフは、大陸西部のドワーフと比べて周辺の文化からの影響が強く、いつ頃からかは分かりませんが奴隷を持つ慣習があったようです。北東部に成立したドワーフ帝国においても、自分達で奴隷を持つだけでなく、従属させた人間などが奴隷を持つことを禁止しませんでした。もっとも、奴隷所持数の上限制定やドワーフ奴隷の異種族所持禁止などの制限があり、奴隷は高価になり所持が困難になっています。末期には奴隷制の完全廃止も幾度か持ち上がりましたが、結論が出る前に帝国は崩壊してしまいました。

*カラカヤ連邦とその友邦(900年代〜)
 カラカヤ連邦結成後も大陸北東部には相変わらず様々な奴隷制度が林立していましたが、初期は外交と軍事以外には連邦は諸国に不干渉であり、自由人の強制奴隷化と大っぴらな奴隷狩りが禁止された他には大した人道的進歩も見られませんでした。特にリアド人の国々の一部は、征服や購入をしたジャナストラ人を労役奴隷として使っており(特に熱帯作物の農場で)、奴隷の虐待や反乱がしばしば起きていました。――もっとも、原住者と融和した国々でも、大抵は在地の奴隷制度を受け継いでいましたが。
 以上のような状態が「ルナル」当時のものでしたが、奴隷制を否定していた一部のリアド系の国や異種族共同体(そして2つの水晶王国)の異議がガヤンやアルリアナの神殿の支持を受けて次第に大きくなり、140年前に奴隷制の賛否を巡り、奴隷派と解放派の内戦となります。生産力や軍事力は奴隷派が上でしたが、足元の反乱を恐れた奴隷派は解放派を叩き潰す事ができず、うやむやのうちに連邦は分裂状態のままになりました。
 その後120年前のシェイパー侵略の際に、攻撃に直面した奴隷派の一部(奴隷に生産を依存しなかった国)が解放派に鞍替えし、奴隷派は有力ないくつかの国がシェイパーに滅ぼされた事もあり、力を大きく減らします。結局残りの奴隷派は100年前に謎の壊滅を起こし、解放派主体の連邦に再吸収されています。
 現在のカラカヤ連邦と友邦では、奴隷制(とそれに類する制度)は基本的に禁止されています。一部の国(特に旧タンナヤ共和国領)では奴隷が存在するものの、貴族の家内奴隷と国有の刑罰奴隷のほぼどちらかしか存在しませんし、虐待は厳しい罰を受ける事になります。

*ファラント
 アシュトリ王太后が奴隷制度を段階的に撤廃した事により、ファラントの奴隷は徐々に減少していきました。輸入や自由剥奪で新規の奴隷を増やす事を認めず、奴隷の子供は全て自由人として、残された奴隷の解放も積極的に進めたため、王太后の晩年に最後の奴隷(107歳まで生きた刑罰奴隷)が死んだ事により、正式に奴隷の身分は国内から消え去りました。後にアシュトリ王太后の偉業を抹殺する事に駆られたアグマノール王が奴隷制度復活を宣言しますが、王自身が享楽のために女奴隷を買い集めた他には追従する側近数名が奴隷を持っただけで、王の横死後は奴隷を手に入れようとする者は誰もいませんでした。一時期ファラントを併呑した巨樹連合もファラント内部の奴隷所持禁止に口を出さず、独立回復後も奴隷制度を禁止したまま現在に至っています。

*コラリア
 コラリアでは現在でも少数の奴隷が存在しますが、ほとんどは小村落に定住して外に出る事はありません。都市毎に奴隷の合法・非合法も違うため、移住した奴隷がなし崩しに自由民化している事もよくあります。なお王都の大珊瑚宮では私有奴隷は非合法で、国有の刑罰奴隷(非世襲)だけが存在します。

*パベール
 パベールの旧貴族には労役奴隷に依存した者が多かったため、勢力基盤を切り崩すために神殿政府は即座に奴隷制を廃止し、解放奴隷を神殿の傘下に組み入れました。一気に増大した軍事力により反乱を起こした貴族を物量作戦で打倒する事ができましたが、なぜか元奴隷農場の大半は内陸部の異常気象に飲み込まれてしまい、長い間パベールは食糧不足に悩まされてしまいます(この事からパベールでは、「異常気象の背後に没落貴族あり」という噂もあったりします)。パベールでは奴隷の所持、売買、捕獲に関する罰が沿海四州の中で最も厳しく、従犯でも普通は毒殺刑です。

*アロミア
 双樹帝国の制度を引き継いでいますが、シェイパー帝国の占領や巨樹連合内の内戦を経て奴隷を抱えるような貴族が激減したため、今では奴隷を滅多に見る事ができません。奴隷の増加要因が家内奴隷の自然増に限られる一方で、神殿により奴隷解放が奨励される傾向が強くなったため、よほどの大貴族でもないと仕える奴隷を維持する事はできないでしょう。現在の家内奴隷のほとんどは貴族の従者を世襲で務めている者で、身分の自由がない他は一般人とほとんど差がありませんし、一般人から蔑視される事もありません。何かの拍子で一般人と結婚すれば、次の代からは身分も奴隷ではなくなります。刑罰奴隷は別個に存在しており、ガヤン神殿の管理の下で懲役を務めさせられています。

*4国に含まれない一部の地域
 まあ様々ですが、酷使や虐待はまずありません。隣接している国に準じる(多々例外あり)と扱えばよいでしょう。

*メヌーク
 公式には禁止していますが、海賊行為による略取の噂は絶えた例がありません。特にクーデターが頻発した時期には、噂の数は急激に跳ね上がります。

*シェベル
 パベールと同じく奴隷制度は禁止されていますが、刑罰は財産没収の上で国外追放となるのが普通です。異種族に対しても奴隷制度の禁止は同じく適用され、例外は爬虫人のトカゲ人及び雄の使役のみです。

*百戦・闘士領
 労働力を一度に集約する必然性がほとんどないため労役奴隷はほとんどおらず、他の領土に容易に逃げられるために刑罰奴隷や債務奴隷も滅多にいません。もし奴隷を大勢働かせて酷使するような領主がいれば、近所の領主達がダンジョンを奪うためにあらゆる手段で襲い掛かってくるでしょう。

*その他の地域
 異種族の領域には、黒の月種族を除くと奴隷はまずいません。爬虫人の蜥蜴人は、奴隷というよりは下っ端と呼んだ方が実質に近いでしょう。


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