◇新大陸通信・01号◇


 『ソード・ワールド2.5』についてはしがき。


◇テラスティア大陸との、ゲーム上のなんか違い

『ルールブックI』の違いとか。ちょっとずつ追加。

・北半球なので異世界感がちょっと減少。というか「2.0」公式リプレイでも、「秋も深まる4月」とか「8月なので外は大雪だね」とか「1月! 海! 水着!」とかやればよかったのに。

・1日の区切りは午前6時。真太陽時(その地域での実測によるもの。例えば東京だと東経135度より東なので、真太陽時は日本標準時(GMT+9:00)より早くなる)によるものだと思うので、時間帯を採用している地域があるとすれば……(定時運行が重要な鉄道があるので、真太陽時ではやっていけないと思う)。
 時差はどれくらいかなあ。ザルツ地方を0として、ラファリア群島で+5、ブルライト地方で+7くらい?

・冒険者ギルドがあります。魔法文明時代にできた“壁の守人”ネットワーク(大陸の北の方にある魔界との間に開いた穴“奈落”の侵蝕に警戒する)の末裔にあたり、各支部はテラスティア大陸の冒険者の店みたいにバリエーション豊か。

・魔術師ギルドがあります。魔動機文明時代の秘密結社が〈大破局〉で人族を救うために公に現れた組織で、「知識の剣」塔で優秀な人材育成も。テラスティアの魔術師も組織化を見習ってほしい。

・アルフレイム大陸特有の組織では、遺跡ギルドという組織があり、遺跡から遺物を買ったり流通させたりしているのですが、実質的には盗賊ギルドで、冒険者ギルドやスカウトの一部とは伝手もあるとか。

・最初の舞台はブルライト地方。テラスティア大陸から“呪いと祝福の大地”アルフレイム大陸への玄関口です。テラスティアの初の舞台だったザルツ地方より脅威が散在的なためか、あまり強固なまとまり感がないのは、個人的にはリーンシェンク地方とかの印象に近いかも。

・鉄道はブルライト地方ではほぼ未開通(北端の国からよそへ行くのしかない)。近距離を試験運行とか、鉱山鉄道とか、馬車鉄道とか人車鉄道とかの夢も見たいです。
 なお、飛空船はテラスティア大陸ほど一般的ではないそうで。というか一般的だったんだ。比較の問題でしょうけど。

・『ルールブックI』生まれ表によると、フェアリーテイマーはテラスティア大陸よりマイナーな技術っぽい。……『ルールブックII』に回されただけですが、まあそんな解釈を。

・真語魔法に【スリープ】がなくなり、【ナップ】で居眠りに軽減。確かに少人数プレイで致命的な呪文でしたが、こちらも目標を無傷で捕らえるのが難しくなりました。
 ……「1.0」の“スリープ”や“パラライズ”に比べれば、まあ。

・魔動機術【グレネード】が、大型マギスフィアから射出するのではなく、小型マギスフィアをオーバーロード爆発させる形態に変化。ああもったいない。
 ショットガンも片手持ちでは撃てなくなりました。

・続投種族は人間、エルフ、ドワーフ、タビット、ルーンフォーク、ナイトメア。シャドウはレーゼルドーン大陸生まれで今回はお休み。
 サプリメント追加種族だと、魔晶石が多いのでフロウライトは、自然も豊かなのでフィーも、魔動機文明絡みでレプラカーンも、地域限定ではないのでセンティアンもいそうですが、ほしい場合は「2.0」から。ソレイユもレーゼルドーン大陸生まれなので、使いたい場合は工夫が必要かもです。

・エルフの[剣の加護/優しき水]が、毒と病気への抵抗力を上げるようになりました。ちょっと逞しい感じ。
 ナイトメアの[異貌]は回数制限ありません。エラッタに注意。

・新登場種族はリカント。普段はけもみみと尻尾が生えていますが、[獣変貌]で頭部だけが肉食獣めいて変化して、筋力ボーナスが増えます(あとついでに暗視も)。変化中はリカント語しか話せないので、魔法が神聖魔法しか使えません。やはり戦士系か神官戦士でしょうか。
 ちなみに蛮族のライカンスロープとは関係なく(混同されて被害を受けた事があるので、むしろ憎んでいる)、同じ人族のミアキスとも多分関係ないでしょう。にゃーん。

・神々にも、おなじみライフォスやティダンやキルヒアやシーンとともに、イーヴ、ハルーラ、ミルタバル、フルシルといった新顔さん。古代神はティダン信仰が盛んだとか。大神はシーンがテラスティア大陸&レーゼルドーン大陸と共通ですが、他の神様達は管轄外です。もちろん布教は可能。

・「フェロー」の設定が追加。「ダイスの出目により指定された行動を取る(キャンセル可能)。達成値は固定」「HPがなく、基本的に死なない」「MPはあるよ」で、需要を考えると、回復中心の神官戦士がよいのではないかと思います。

・いきなり出現するランダムダンジョンに、“魔剣の迷宮”に加えて“奈落の魔域”が。内部が野外環境にもなるという脈絡のなさで、ダンジョンでないオープンフィールドの需要にも対応しています。

・魔物は魔法の媒体が不要だと明記。人族や蛮族の場合、まだ蛮族なら「肉体の一部が魔法の媒体になる」程度で済みそうなのですが、人族も含めるとなると、身も心も魔物になると肉体が変質するとかいう設定はたぶんない、はず。

・スリングは武器ではなく投擲補助具です。投擲武器はあくまでも石の方。


◇もうちょっと色々と

『ルールブックII』とかから。順不同。

・フェアリーテイマーは、「6属性から4属性を選んでスタンバイさせ、その系統だけ使える」ように。カオス系はお預け。
 あと妖精も召喚して戦わせる事が可能。召喚中は妖精魔法は使えなくなりますので、戦士系技能やほかの魔法系技能も取っておきましょう。

・バードは、呪歌の演奏で楽素(3種類あり)を貯める→終律(ダメージや回復など)を放つ、の繰り返しで戦闘もできます。特殊な武具で戦闘しながら楽素を貯めるのも可能。

・コンジャラーもゴーレムを操れます。用意する素材は面倒ですが、ゴーレムを使いながらでも操霊魔法は使えます。妖精の使役とゴーレムの使役も別々にできるので、二体同時行使の夢を見るのも自由です。

・続投種族はリルドラケンとグラスランナー。ハイマンはアルフレイムでは作られていなかったのでしょうか。

・新登場種族はメリア。人型ですが(マンドレイクをつい想像)、短命種は草の花が、長命種は木の花が咲いています。普通にご飯を食べますし、光合成はできません。瑞々しいのか、火にも特に弱くはありません。
 器用度と敏捷度が心もとないのですが、生命力と精神力が高めなため、丈夫な魔法使いが作れます。[繁茂する生命]で睡眠不要で、HPとMPは朝に自動で回復します。
 なお種を産むのですが、受精はまさか花が花として機能して……というわけではないそうです。

・武具のアビス強化。当たり外れがちょっとどころでなく怖いので、アビスシャードを多めに準備してから保険にしたいです。

・〈守りの剣〉の個体差とかについてのまとめ。範囲が広いけど欠片が大量にいるうえに効果時間も短いとか、その逆とか、儀式の隙を突かれないための予備を備えている街とか、ここも想像の膨らませどころ。
 …………苦痛じゃなくて他の感覚を与える〈守りの剣〉とかあるかなあ。睡魔とか吐き気とか酩酊感とか多幸感とか性感とか(製造禁止)。

・古代神はアステリアやグレンダールがこの巻で登場。大神のダリオンも大陸の設定的に重要そう。ミリッツァの神像のデザインにも興味が。
 そして蛮族の恐るべき信仰も! コワイ! ツァイデスとメティシエの重点の違いとかも興味深いけど!

・言語や種族についての、興味深い設定が数々。ドワーフ語の「単語に単語をつなげて長くする」というのがドイツ語っぽいなーと思ったり、リカント語の文字が縄を結んで作るというのでインカとかのキープを連想したり。アルフレイムのエルフは特に排他的だけど学習熱心とか、魔法文明時代や魔動機文明時代に大陸外からやってきた人族もあったとか、そこで被害を受けたリカントにアメリカ先住民みも感じたり。
 人間は入植民の事も考えると、言語や民族が相当複雑な分布になっている可能性もなきにしにあらず。テラスティア系とかレーゼルドーン系とか。

・ドーデン地方では鉄道網(ノーベル物理学賞を受賞したハンス・アルブレヒト・ベーテお祖父さんに捧ぐ)が! あとブルライト地方から結構遠い。

・大陸全体で緑が豊かで魔晶石も多いそうです。大陸西部はマナタイトが豊富で、魔動機文明が身近な地域。東部は特に自然が豊かで、魔動機文明から距離を置いていた方。東部の設定も待たれます。

・混沌海の彼方のケルディオン大陸(フリー設定用大陸)が意外とアルフレイム大陸から近いです。まあ元々は陸続きだったというので。繋がっていた部分は元から標高が低かったのか、単純に沈んだのか、島や暗礁になって残っているのか。地図の外をどんな大きさと形にするのも想像力次第です。

・ショートストーリーズ「呪いと祝福の大地」にもいろいろ話が載ってます。リカント(ガルー)の生活とかコカトリスの味とか鉄道の手旗信号士とかメリアの生態とか。おすすめ。


◇もっと更なる深みに

「ゲームマスタリーマガジン」周りの先行情報も含めて、『ルールブックIII』辺りに絡みます。

・ライダーが再来。アルフレイム大陸のライダーギルドは、冒険者ギルドが支援しています。
 通常は片手で手綱を握らないといけないため、騎乗して弓矢を使うにはライダーが5レベル必要。やはり弓騎兵はラクシアでもエリートでした。

・アルケミストもお出ましです。アルフレイム大陸だと失伝しなかった分、テラスティア大陸より普及度高かったり? あと地味に《ワードブレイク》で賦術は破壊可能。
 Bランクカードで使えなくなった賦術もあるので要注意。

・続投種族はなんとレプラカーン。なんか地味ですが(ごめんなさい)、[見えざる手]でアイテム装備欄が多く、[姿なき職人]で姿隠しもできます。あと大きな犬耳。
 ヴァルキリーはティエンスと能力が被るためか、希少種族なのにプレイヤー達がラクシアの限界人数まで使用したためか、アルフレイム大陸にはお目にかかりにくいようです。

・新登場種族はティエンス。金属質の色の髪と、身体にはまっている宝珠が特徴。魔法文明時代にアストレイドと人間を合成して作り出されたという種族で、[通じ合う意識]では思念で意思疎通したり、動物の騎獣にボーナスを与えたりできます。また、自分の意思で仮死状態になれたり。
 でも実質寿命が短いのがちょっと悲しいかなあ。

・構造物破壊のルールに一言――「何もかも壊す必要はありませんよ?」。アッハイ、何でも破壊したがるのは蛮族の所業です。

・名誉点のコネクション作りで、ダークドワーフに言及あり。
 あと今更ですが、テラスティア大陸みたいな「二つ名を名誉点で買う」ルールはないのね。確かにあまり有効に使ってるシーンは、リプレイでも「ぞんざい勇者団」くらいしか覚えがないし。

・高レベル魔法もいろいろ。真語魔法でドラゴンに変身できるよ!(訳:データ見抜いた敵蛮族に変身するのは勘弁な!)
 操霊魔法【コピー・ドール】は敵ボスを安全にPCの目の前に晒せます。気絶状態の肉体の在処を突き止めよう。

・〈投擲〉武器のスローイングスター、これはスリケンですね(真顔)。無限に自動生成できるアイテムもありますし(忍殺のう)。

・新たな舞台は中央部(ランドール地方)! 北東部(ウルシラ地方)! 最北部(ザムサスカ地方とコルガナ地方)! それぞれ別々の意味でやばい地方です。
 大都市の冒険とかオリジナル小国とか密度の高い冒険はランドール、移動やフィールドアドベンチャーを楽しむにはウルシラ、高レベルでのアタックはザムサスカとコルガナへウェルカムな感じですかねえ。

・「トレイン・トラベラーズ!」2巻ではパンジャンドラムが登場。紅茶をキメながら、料理描写と一緒にお召し上がりください。


◇光の届かぬ奥に

それより後のサプリとか。

・ヴァイスシティことモルガナンシン、鉄道が来てない(涙)。
 そして四人の支配者は、エルフ、エルフ、ドレイク、ナイトメア。長命種ばかり。それどころかかつての支配者は“高貴なるエルフ”だったという事で……。

・コルガナ地方の鉄道網は、スルーザファングトンネルとアンダファングトンネル(列車で1日がかりの長さ)からの路線が合流して、“壁”の近くのヴェイルボーグまで。「基本的に」なので、短い鉱山鉄道とか森林鉄道とかあってもいいですよね。

・リカントは「昆虫食あり(センザンコウとか)」「海棲でも哺乳類ならあり(シャチとか)」……ゆるいです。

・メリアは木でも灌木系なら短命種・長命種どっちでもありだとか。まあ木だか草だか微妙な植物もありますし。

・「ゲームマスタリーマガジン」8号で大雑把な交通機関についての話題があったので、交通機関ランキングとか考えたり。→03号へ移動。

・鉄道の歴史と、「炉」タイプの魔動機関車から軌間の統一、マナチャージクリスタルタイプの魔動機関車とかの話もありました。〈大破局〉で破壊されたセンタファングトンネルは絶賛復旧中!
 あと、幽霊列車の発生についても。マナを集中させるので、事故が起きるとアンデッドの発生要因になるとか。

・蛮族が「バルバロス」……バルバロイ(ギリシア語で「野蛮人」)の単数形かと思ったけど、「野蛮な」という意味の「barbarous」でもあるのか……なら、人族は何だろう。「human」は人間種族だけっぽいので、もっと広い意味だと「人類」を意味する単語で「mankind」とか「hominal」とか。「race」は「種族」になっちゃううえに、「wraith」と被っちゃうのでダメですし。「person」は社会的な意味が強いみたい。

・「継承されし物語」……同人誌! 機動兵器! 対戦LARP! ネットゲーム! 最高です。
 そこまで突っ走らないいつものラクシアでも、キャンペーンにはテーマを入れると楽しいでしょう。ですよね。

・「ゲームマスタリーマガジン」9号で砂上舟の話題が少し(ルールブックIでも出てましたが、カスロット砂漠はさらさらの砂が多いみたいです)。魔動機は撃たれるとマナが干渉して爆発炎上する。アブナイ!


◇桁外れの宝庫―Epic Treasury―

『エピックトレジャリー』以降から。

・『エピックトレジャリー』で明かされた冒険者ギルドの歴史――“壁の守人”ネットワークに由来するのですが、そういうのを謎の秘密結社扱いまでしてしまう魔動機文明時代の伝承冷遇っぷりがひどい。あと国際組織だけど、基本的に各国からの支援とかはないっぽい。その辺は支部の運営元によって違うのかな?
 ところで今気になったのですが、“奈落”の中って、地図上だと元の地形が残ってますよね。単純に穴が開いているのではなく、空間が重なって全体が“魔域”みたいになっていたり、超越者が中に乗り込んで魔神を狩っていたりするのでしょうか。

・「2.0」時代の知識からアップデート。まずは技能から……魔術師ギルドでも弟子の教育はテラスティアの前近代的なままなので(改稿忘れですよね?)、プレイの便宜を図るには近代的な魔法学校を導入しましょう。神聖魔法使える神官がむしろ少ないのもひどいよ!(レベル高いプリーストは人間関係が下手になりそうなのも分かりますが) マギテック協会の腐敗もひどいな!

・ティダンの神官戦士から現れるのが、アルフレイムの“勇者”。任命制なのか自然と呼ばれるのかどっちだろう。勇者対聖戦士、ファイっ!
 そして勇者の典型的なキャラクター付けはどんなのか。不死殺しみたいな畜生ムーブする勇者もいたりして。

・毎度おなじみ神々の相関図、書いた奴はテラスティアから流されてきたそうです。やはりどこかの神殿の怒りを買ったのか。
 アステリア→フルシルの「お気に入り」いいなあ。そして面白枠はミルタバル界隈。特にミルタバル→ダルクレムの「もう飽きた」はひどい。

・一般技能はあちこち追加があります。……うちで「2.0」で二次創作した追加一般技能とダブってませんよね? でもコーティザンとプロスティチュートが別々に入っているので、1/36の確率で春をひさぐピンク色の世界(機会さえあれば離職したがる人が多いだけなのでしょうけど)。
 そして鉄道はエンジニアで運転! シグナルマンが司令! 船はセイラーが動かしてナビゲーターが誘導!

・日常のイベント表を振ろう! たまに所持金減るけどGMは人脈とか冒険のヒントとかで拾ってあげて、プレイヤーが振るのを渋らせないようにね。そして1/36で出現する廃屋。すくらっぷあんどびるどー。

・新規アイテムだあああ! まずは武器防具! 戦闘用スタッフ! 水風船(ダメージあり)! イスカイアの魔導鎧はないよ!

・特殊な矢もいっぱい! 薬品もいっぱい! マナチャージクリスタル(携行用)もあるよ!

・冒険道具類も、信号手旗セットとか罠感知の棒とかは初期から使えそうです。恋人の呼び笛と受音器の設定かぶりは傍からは楽しそう……受音器を50個買って全部別パターンに設定すれば盗聴し放題なのでは? ちょっとレベル上がるとオートルーターで楽したり永久氷片で冷たい飲み物飲んだり。
 なお無限のバッグはないっぽい。持ち運びに詳しいルールないからなあ。

・バヨネット(銃剣)が登場。銃の先に取り付けて、両手持ちで近接攻撃で突き刺します。シューター技能で突き刺すのも可能(投げるわけじゃないよ)。

・解毒スプーン……達成値がむちゃ高い毒を盛られて解毒できずに死ぬ黄金パターンだ……。

・装飾品のブランドが登場! 魔動機文明と魔法文明の産物! 装備先バリエーション(装備した数じゃないよ)3つ以上でお得な効果が付いてくる!

・ホーリーパロット(お値段は4106(よいおうむ))とインテリアニマルサック(だいたいナラク・ニンジャ)と携帯神殿(ランドセルではない)のいつもの存在感。異形の面はない!
 面白装備としては水飲み鳥のマスク。外見がほぼペスト医師。相互フォローの耳飾りのネーミングも、設定者は何か吸ったのでは?

・見た目も楽しいブレードスカートに、魔法使いのみんなもお世話になった「それは抵抗した」こと不撓のバックル。グリーンベルトもレンジャーを強くします。

・騎獣っ騎獣ー。アルフレイムの中央部は鱗系の特産地だそうです。巨大ムカデも飛ぶクジラもいるよ。グランガチも乗れるんだ。

・魔動機は浮かぶボードとカニが追加。カニ(カルキノス)は水中でも動けますが、車輪で横向きに動くのと泡を吐くのくらいしか面白機能はなく、最高レベルだと日和って空を飛ぶ始末です。蟹光線とか、「D&D」のアパレイタス・オヴ・クワリシュめいた面白ギミックとかを期待してたのに……。


◇のびのびソード・ワールド2.いくつか

なんか混入した。

・キングスフォール真実が、魔動列車真実が、2020年1月……かみんぐすーん!
 (被ったらどうしようというか、もう気にしない! すり合わせがんばる!)

・ハウスキーパーのお仕事とか(お屋敷だと食事は作り置きなんだ)、骨細工師がかつては被差別層だったとか……。レッドレスとエス・インクの抗争はまだ続く。
 あと、ガメル銀貨の具体的な見た目とか(結構大きい?)、フレッシュゴーレムには動物の肉より蛮族の肉の方が倫理的とか(ハードコアな世界だ)。

・「ゲームマスタリーマガジン」10号にキングスフォール真実がちょっと公開。弑逆された魔法王、一族の子孫が残ってたりするのでしょうか。ゴケルブルグとかオルフィードとかの公族が血縁だったらどうしよ。
 キングスフォール中心部の鉄道は環城線(右側通行)と東西線……ベルリンっぽい。グランドターミナル駅とかの詳細、そして時刻表も出ます。外へ行く鉄道はフリー設定だそうでよかった。

・『鉄道の都キングスフォール』出たー。表紙のアーニーさんがえっちなのは、パイスラッシュと目にハートみたいな瞳のせいでしょうか。

・キングスフォールは円周約60km(地図だと完全な円に近くて、だいたい直径19.1kmくらい)のアーチ橋の外まで広がってる……定住者2万弱のわりには広い(周辺人口含めて20万とか?)。実質的には各駅周りの街の集合体がキングスフォールを構成して、市域には廃墟とか農地とかもたくさんありそう。駅間も長いので軽率に路面鉄道や市街鉄道を生やす余地も十分にあります。

・キングスレイの国軍は鉄道卿の私設軍隊の寄せ集めとか、国際展開のために民営化された鉄道ギルドと管轄の広い鉄道警察とか、魔境グランドターミナル駅とか、ストラスフォードは家名だとか(子孫もいるよ)。
 ローマンコンクリートっぽいけどちょっと違うセメントありの、古い魔動船の仕組みが外輪船やスクリュー船とかではない謎技術だの、鉄工所の高炉も謎技術だの、遺失技術はまだまだたくさんあります。

・城壁環状線(環城線)と首都東西線は複々線の半分を使って30分間隔(もう半分は貨物その他諸々や保線間合いだとか)。イラスト見ると機関車牽引で8〜10両くらい引いてるみたいだけど、紀行文では3両。切符は3回以上乗るなら1日パスが格安。

・今でも天誅祭で人形を焼かれるR-18Gノーブルエルフ魔法王ザークルセスへの尽きない殺意。「この国はどれだけ王を弑逆したいんだ!」というベーテさんの感想もなるほどという感じ。でもやりたい放題で反乱も侵略も許さなかったのは、“奈落”から逃げ帰るまでは本当に強かったんだろうなあ。
 なお自称ふたなりですが、ベーテさんによると「イメージとしては男性寄り(でも各自で設定していいよー)」とのこと。

・そして北方ファング鉄道と南方国際鉄道、少なからない鉄道員まで精神を病むんだ……ヤバいよアルフレイムの鉄道。そして東方へはあまり遠くまで走ってないと。
 リアニ計画……リアニ……リニア! はともかく、キングスフォール〜ラージャハは現状では35日かかるのね。やっぱり夜間走行できないからかなあ。

・後で気付いた! 鉄道卿(レイルロード/raillord)は鉄道(レイルロード/railroad)とかけてる事に!

・ショートストーリーズ「冒険者ギルドへようこそ!」! 巻末の冒険者ギルド支部でお腹いっぱいになる前に本文も読もう! マタギいるんだ(ウルシラ地方とは限らないけど)。
 あとリルドラケン、居住環境によっては夫婦になって子供育てたりするのね。ピンクの鱗の男性リルドラケン、桜色といえばすごく武士っぽい。


◇ビルディング!

『キャラクタービルディングブック』あたりから。

・『キャラクタービルディングブック』で、エルフは300歳以内を強く推奨……ナイトメアは200歳以内にしてほしいらしい……魔動機文明チートは許さない硬い意志を伺えます。

・いろいろ経歴関係の表がありますので、好きな分だけ拾ってもよさそうです。生まれた環境表には極端なのが多いのは、普通の環境だと冒険を志す機会が少ないからかなあ。
 引きこもりと自然派の違いが激しいエルフとか、「弱肉強食(文明)」「畜生」なんかあるリカントとか、暗殺者グラスランナーとか、メリアの種は船で生まれる事もあるとか(外来種!)。

・各種族の人名についてー。「人間など」「エルフとメリア」「ドワーフ、ティエンス、レプラカーン(および一部のリルドラケン)」グループに分けて決められます。リカント語の本来の名前にインディアンみを感じたりとか、グラスランナーの友達名とか、東方のエルフの伝統名とか。

・『デモンズライン』のコルガナ北西8都市。スルーザファングトンネル経由なので、アンダファング経由で着くヴェイルボーグとは別方面に到着です。地名は北欧やフィンランドっぽいですね。魔法文明時代の人名だとロシア語みたいな父称が付いてます。
 そして赤兜がいる。

・『モンストラスロア』でドルイドとデーモンルーラー追加。ドルイドといえば「D&D」ですが、ラクシアのドルイドは森羅魔法という独自の系統の使い手です。あとサキュバスナイトという青少年のなんかに悪そうな蛮族。

・デーモンルーラーは“扉の小魔”経由で魔神を召喚してフェローにしつつ魔法で戦う。装飾品や武器を〈召異の徽章〉にする(悪役っぽい刺青もあるよ)。細かい管理は減って魔神はフェロー行動のみ(無作為攻撃に注意。ステイさせる呪文もあるよ)。送還失敗はダメ! ゼッタイ! あと供物は事前準備できるので「生きたワニを持ち歩く必要はありません」。
 ドルイドは動物や植物の精霊体の力で補助動作で強化、主動作で必中物理ダメージ、便利な魔法も使う。杖を〈宿り木の棒杖〉にする。ゴリラ精霊体! 熊精霊体! そして言語は何でもいいのでリカントにもいいよー。

・スキュラやラミアはあまりいないと、ふむふむ。あとアルボルは燃やそう。
 「○搭載」に、○搭載モンスターも搭載できる「○メタ搭載」が追加。搭載無限連鎖は禁止されましたが、スカイシップも積める「○超メタ搭載」とかあっても……何に使うのですか。


◇浮遊島のように自由

『アウトロープロファイルブック』あたりから。

・サイレックオード……なぜ下水の基本が投棄なのですか(そこ?)。階層地底都市要素も混ざっているので、別々に切り分けてデザインの手本にするのもいいかもしれません。

・『アウトロー〜』では放浪者(ヴァグランツ)が登場。身元保証もなく放浪する、とはいえ、本気のアウトローではないので、本気で野垂れ死に寸前のプレイを強要しないように。
 また生まれた環境表が載ってます(ただし新規種族含む)。

・シャドウとソレイユ帰還! 新顔アルヴさん……エルフと被ってません? ダイジョブ?
 そしてウィークリングは、マーマンを外してタンノズが入り。

・『メイガスアーツ』ではジオマンサーとウォーリーダー登場。ジオマンサーは考えないことにして、ウォーリーダーは冒険者ランクが強化に関わりあるというのはどんな原理なのだろう。
 こっちの神様相関図はルーンフォークの放浪者作。普通だ!

・ユーシズの学園「七色のマナ」。割と一般的な学校ですし、国は民間にも魔法の品が開放されていますが、過去に弾圧された魔法適性の低い種族との関係が、昔はマグノリア、今はルーガルーたちと影を落とし……。
 ちなみに学園の年度は4月から。なんか日本っぽいですが、ヨーロッパでも復活祭が年度初めだった国も多かったですし。
 そして印刷事情(紙で印刷あり)、部活や授業ありの中に、ランダムアイテムお使いが出る「指定獲得物」に、あるのね蓄音機。魔動機なのか、そうじゃないのか。

・オーレルム地方はウェスタン。ドーデン地方から鉄道で行けます。

・『異世界冒険ガイド』、1/4の確率でデッドリーな展開が待っています。ラクシアもハードコアなのだ。
 そして主人公たる「あなた」の技能は、ファイターでスカウトや魔法使いなし、と。コメディダンサーは忘れよう。
 試しに選択肢をたどると、「b>a=c>d」に。リカントかタビットか。


◇バトルマスター!

『バトルマスタリー』あたりから。

・バトルダンサー実装! 戦闘特技を追加で取れたり、レベルが上がれば単体目標魔法を回避できたり。呪歌で踊ってもペナルティなし。
 ちなみに南東部(東部の南側)由来の技能です。

・『異世界武器ペディア』、「あなた」さんはいない。やはり無茶な選択肢で死んだか。
 最後の「多様なる武器たち」は、バトマスのストーリーの後日談っぽいです。

・グラランリプレイー。熟練者ならではのいろいろが詰まっています。「2.0」のルーンフォークリプレイに影響受けられたということですが、「2.5」だと魔神に回復魔法使わせるのが無理だという難点がありましてねー。
 ここはやはり、公式にもドワーフリプレイを期待してよいのでは?

・ブルライト博物誌が出ますって奥様。
 そして異教徒に増税されるラージャハと、娯楽が禁止されるダイケホーンには住みたくないなあ。魔動死骸区は殿堂入り。

・『エンシェントブルー』……七王群島行きづらいなあ。大陸では非実在扱いされることもあるって……。
 とりあえずマナの湧く海だけもらえませんか。

・『異世界冒険ガイド』、今度は市街地編。やはり「あなた」は軽率に死ぬのか。

・『アーケインレリック』では追加種族(復活含む)と希少種と秘宝〜。スプリガンは無印だと妖魔だったけど、こっちだと人族。
 そしてグラスランナーが家を!……建てるよね、何千年もラクシアに住んでると。

・『ラクシアライフ』。一般技能も充実するぞ、おー!
 ……自作技能表との競合、ほとんどしなくてよかったなあ。

・『ドーデン博物誌』、おいしいごはんと列車が待ってます。描写がなければ列車は好きなところに生やそう!
 豪華寝台列車はあくまでも豪華なやつなので、地方間移動は普通の1000ガメルからでしのぎましょう。もしくは依頼主出費。

・『アルフレイム見聞録』では、これまでにあまり出てない地域を旅します。
 国際鉄道は「ドーデン〜ノスターナ〜?〜オーレルム〜?〜ブルライト」のようですが、いつか鉄道サプリの出る日を夢見て。

・『モノクロマティカ』、システムや世界観はともかくとしても、泡沫世界全般を自作するガイドラインとしても使えそうです。
 そしてガメル神は偉大。


『ソード・ワールド2.5』:(C)北沢慶/グループSNE/KADOKAWA

剣の折れた場所に戻る