◇新大陸通信・02号◇
『ソード・ワールド2.5』の種族と技能についてです。
基本的に、『2.0』の「お茶の破壊#13杯目 剣の世界の歩き方」の再録っぽい内容になります。
◇まずはパーティ編成
『2.5』ではフェローシステムがあるのと、かかると一発で行動不能になる魔法に制限が加わったのとあるため、パーティ構成の縛りが『2.0』よりちょっとだけゆるくなっています。
――が、フェローは自前の座標を持たず、4種類の行動しか起こせないため(しかもランダム)、柔軟性にはどうしても欠けるでしょう。
なのでとりあえずは、
・前線を維持するため、近接戦闘能力があるキャラクター。(パーティ人数の半分くらい以上)
・回復魔法が使えるキャラクター。(おもに回復魔法を使用するフェローでも可)
・セージ技能持ち。
・スカウト技能持ち。
を最低でも用意しましょう。
◆パーティの例
・ルールブックIだけでいい感じに、ファンタジーの王道っぽく。
人間/プリースト2・ファイター1、《魔法拡大/数》
エルフ/ソーサラー2・シューター1・セージ1、《ターゲッティング》
ドワーフ/ファイター2・レンジャー1、《かばうI》(ルールブックIIを使うならエンハンサー1を追加)
リカント/グラップラー2・スカウト1・セージ1、《追加攻撃》《両手利き》
(追加用)
ルーンフォーク/マギテック2・シューター1・セージ1、《ターゲッティング》
タビット/コンジャラー2・セージ1・レンジャー1、《魔法拡大/数》
ナイトメア/ファイター2・コンジャラー1、《魔力撃》
・ルールブックIIも使えるよ。ラクシアっぽい要素も入れたいな。
人間/マギテック2・シューター1・スカウト1、《ターゲッティング》
リルドラケン/プリースト2・ファイター1、《魔法拡大/数》
グラスランナー/フェンサー2・レンジャー2、《武器習熟A/**》
メリア/フェアリーテイマー2・フェンサー1・セージ1、《ターゲッティング》
・ルールブックIIIは……?
人間/グラップラー2・コンジャラー1、《追加攻撃》《魔力撃》
人間/ソーサラー2・フェンサー1・セージ1、《ターゲッティング》
ティエンス/ファイター2・ライダー1・スカウト1、《かばうI》
レプラカーン/アルケミスト1・プリースト2・レンジャー1、《魔法拡大/数》
・アルフレイムの種族を中心に。
人間/ファイター2・セージ1・アルケミスト1、《かばうI》
リカント/レンジャー1・プリースト2・シューター1、《魔法拡大/数》
メリア/ソーサラー2・コンジャラー1、《ターゲッティング》
ティエンス/フェンサー2・スカウト1・エンハンサー1・ライダー1、《全力攻撃I》
・ちっちゃいもの倶楽部。
ドワーフ/ファイター1・プリースト2、《魔法拡大/数》
タビット/ソーサラー2・セージ1・レンジャー1、《ターゲッティング》
グラスランナー/フェンサー2・ライダー2、《武器習熟A/**》
レプラカーン/フェアリーテイマー2・シューター1・スカウト1、《ターゲッティング》
・変則版を。
エルフ/シューター1・マギテック2・スカウト1、《ターゲッティング》
ルーンフォーク/ソーサラー2・セージ1・アルケミスト1、《ターゲッティング》
ナイトメア/プリースト2・グラップラー1、《追加攻撃》《魔法拡大/数》
リルドラケン/ファイター2・コンジャラー1、《魔力撃》
・バードやろうぜ。スチームパンク風味を添えて。
人間/ファイター2・アルケミスト1・レンジャー1、《かばう》
メリア/プリースト2・ファイター1、《魔法拡大/数》
ルーンフォーク/シューター1・マギテック2・スカウト1、《ターゲッティング》
グラスランナー/バード2・シューター1・セージ1・スカウト1、《呪歌追加I》
・モンストラスロアあああ。
ナイトメア/デーモンルーラー2・フェンサー1・スカウト1、《魔力撃》
リカント/ファイター2・レンジャー1・エンハンサー1、《かばうI》
ドワーフ/ドルイド2・コンジャラー1、《ターゲッティング》
人間/プリースト2・セージ1・アルケミスト1、《魔法拡大/数》
・あうとろー。
ソレイユ/バトルダンサー2・レンジャー1・アルケミスト1、《武器習熟A/**》《斬り返しI》
シャドウ/マギテック2・シューター1・スカウト1、《ターゲッティング》
アルヴ/フェンサー2・コンジャラー1・スカウト1、《魔力撃》
ウィークリング(ガルーダ)/プリースト2・セージ1・ジオマンサー1、《魔法拡大/数》
・暗視団。技能被りは気にしない。
リカント/ファイター2・レンジャー1・エンハンサー1、《武器習熟A/**》
ドワーフ/ファイター1・プリースト2、《魔法拡大/数》
レプラカーン/フェアリーテイマー2・シューター1・スカウト1、《ターゲッティング》
エルフ/ソーサラー2・アルケミスト1・セージ1、《ターゲッティング》
・けもけももふもふ。
リカント/バトルダンサー2・スカウト1・エンハンサー1、《両手利き》《囮攻撃I》
リカント/プリースト2・シューター1・アルケミスト1、《魔法拡大/数》
リルドラケン/ファイター2・コンジャラー1、《かばうI》
タビット/ソーサラー2・レンジャー1・セージ1、《ターゲッティング》
・ALLドワーフ総進撃!
ドワーフ/ファイター2・レンジャー1・エンハンサー1、《武器習熟A/**》
ドワーフ/マギテック2・シューター1・スカウト1、《ターゲッティング》
ドワーフ/プリースト2・ファイター1、《魔法拡大/数》
ドワーフ/ドルイド2・アルケミスト1・セージ1、《ターゲッティング》
・お帰り、そしてよろしくね。
スプリガン/ファイター2・コンジャラー1、《かばうI》
ハイマン/プリースト2・セージ1・スカウト1、《魔法拡大/数》
フロウライト/ドルイド2・レンジャー1・アルケミスト1、《ターゲッティング》
ダークドワーフ/ファイター2・ライダー1・エンハンサー1、《武器習熟A/**》
(追加用)
アビスボーン/ソーサラー1・ファイター2、《魔力撃》
・希少種たちの冒険。
ミストエルフ/ウォーリーダー1・ファイター2・レンジャー1、《両手利き》
リパス種タビット/デーモンルーラー1・フェンサー2・セージ1、《魔力撃》
アリーシャ/バード2・シューター1・アルケミスト1・スカウト1、《呪歌追加I》
カーニバラスメリア/コンジャラー2・ソーサラー1、《ターゲッティング》
・蛮族ファイト、レディーゴー!
ディアボロ/ウォーリーダー1・ファイター2・フィジカルマスター1、《武器習熟A/**》
ドレイク/ソーサラー2・フェンサー1・フィジカルマスター1、《ターゲッティング》
ダークトロール/ファイター2・エンハンサー1、スカウト1、《かばうI》
ドーン/プリースト2・フェンサー1・セージ1、《魔法拡大/数》
・境界線にて。
ドレイクブロークン/スカウト1・グラップラー2・エンハンサー1、《追加攻撃》《両手利き》
ラミア/ドルイド2・セージ1・レンジャー1、《ターゲッティング》
ラルヴァ/プリースト2・ファイター1、《魔法拡大/数》
人間/ファイター2・フェアリーテイマー1、《魔力撃》
◇種族
アルフレイム大陸の種族は、「2.0」とは一部が異なります。テラスティア大陸やレーゼルドーン大陸由来の種族が削られた代わりに、アルフレイム大陸由来の種族が追加されています。
◆人族
第一の剣の陣営の神に従った種族と、その友好種族が「人族」です。人間の派生種族のほか、もふもふの獣人や、竜人や、植物由来だったり、人造人間だったり、幅の広さは結構なものです。
第二の剣の陣営の神に従う「蛮族」とは、歴史的にもモラル上でも相容れません。どちらもアンデッドや魔神を脅威とみなすため、一時的に共闘する事は冒険者レベルではありえますし、たまに蛮族社会に反抗する蛮族を受け入れる事はありえますが、あくまでもそれは例外です。
以下は「2.5」でアップデートや追加した種族です。「2.0」の種族も使えますが、GMの許可を受けたうえで、「2.0」からデータを持ち込んでください。
人間
現実の人間とだいたい同じです。寿命100年というのは大まかな限界値らしいので、現実の人間と寿命もそれほど変わらないようです。アルフレイム大陸の人間は、原住者と大陸外からの移民の子孫が混ざっていますが、特に設定の違いはありませんし、基本的にフレーバーより大きな意味もありません。
技能への適性は生まれ次第ですが、特化した種族には及びません。
[剣の加護/運命変転]は2dの出目を裏返し、失敗を成功に変えたり、出目をクリティカル領域に持って行ったりできます。どんなキャラクターでも重宝しますが、失敗が特に危険なプリーストやスカウトには非常に有難いでしょう。
エルフ
ラクシアでは水に近しい種族で、森の水辺を好んでいます。アルフレイム大陸では、特に自然が豊かな東部でよく見かけます。また、アルフレイムでは幾分閉鎖的で知識欲旺盛ということです。寿命は500年ですが、〈大破局〉以前生まれにするのは避けた方がいいでしょう。
「技」「心」が高く「体」が低いため、ファイターには向いていませんが、魔法使いにはだいたい向いています。世界設定上は少ないマギテックへの適性もそれなりです。
[剣の加護/優しき水]は、水中でペナルティを受けず発声もできます。『2.5』では毒属性と病気属性への抵抗力も上がる強化が施されました。暗視も可能です。
“ヴァイスシティ”ことモルガナンシンの支配者には、魔動機文明時代まで“高貴なエルフ”の生き残りがいた事が確認されていますが……。
スノウエルフ(アーケインレリック)
寒冷地に適応して、[剣の加護/厳つき氷]で確定ダメージを与えるようになりました。特に冷気に強いことはありません。厳つき氷でMPを食われるため、消費MPの高くない魔法の系統を上げるといいでしょう。
ミストエルフ(アーケインレリック)
森の奥地に適応して、[剣の加護/惑いの霧]で敵の命中力判定を妨害します。回避に使う戦士系技能がないと意味がないため、成長は戦士系を選ぶことになります。
ドワーフ
ラクシアでは火と関わりが強いですが、生活スタイルは一般的なドワーフです。女性は人間の少女に似ていますが、たぶん筋肉の付き方でわかるでしょう。火への耐性のためか、火力を活かした料理を得意とします。
器用度と筋力と生命力と精神力が高くなりますが、敏捷度と知力が低くなります。受けて止めるタイプのファイターや、抵抗に関わりが薄いプリーストや兼業コンジャラー、銃使いのマギテックに適性があります。
[剣の加護/炎身]は、衣服や装備品を含めて火で燃えなくなります。細かい調整はできるようで、たいまつは持っても普通に燃やせます(はず)。暗視もできます。
テラスティア大陸とは違い、アルフレイム大陸のドワーフは生まれで妖精使いを選べます。
タビット
不可:プリースト
直立した兎のような種族です。ぶっちゃけピー○ーラビットやミッ○ィーやシル○ニアで、食事も野菜を好みます。神の声が聞こえないため、神官にはなれません。ほとんどの兎に肉球はありませんが、タビットには肉球があります。
「心」が突出して高いため魔法が得意ですが、「技」は目も当てられません。知力が特に突出して、精神力はやや高い程度ですので、魔法を威力に溺れて乱発はしないように。
[第六感]で危険感知判定ができますが……感知した危険から逃げられるのか!?
パイカ種タビット(アーケインレリック)
小柄で、特殊なさえずりのような独自言語を使いこなします。非力ながらも器用なため、マギテックやスカウト向きでしょうか。
リパス種タビット(アーケインレリック)
大柄で、暗視が可能です。敏捷度や筋力が少し高いため、将来的には魔法戦士も目指せる……かも。
ルーンフォーク
不可:プリースト、フェアリーテイマー、ドルイド
「ジェネレーター」という魔動機で生み出される人造人間です。身体の一部に硬化パーツがありますが、基本的に生身です。生まれてから死ぬまで容姿が変わりません。神の声が聞こえず、妖精が見えないため、神官と妖精使いにはなれません。動植物の精霊も感知できませんので森羅導師もだめです。
能力は戦士向きですが、MPの低さに気を遣えば、魔法使いも不向きではありません。
[MP変換]でHPをMPに変換できますが、活かすには魔法使いかエンハンサーであるのが前提です。暗視もあります。
……ところで……ルーンフォークは生殖をしないのですが……その……そちらの機能はあるのでしょうか……?
護衛型ルーンフォーク(アーケインレリック)
自分と周囲のキャラクターが受けるダメージを、限られた点数ですが軽減できます。その際にMPを消費するため、無理してMPを消費する技能を取ることはありません。
戦闘型ルーンフォーク(アーケインレリック)
威力表を振り直せるのですが、それくらいなら人間で運命変転を狙う方がいい気がします。
ナイトメア
色白の人間のような姿ですが、頭に小さな角が、身体にあざがあります。突然変異で生まれて母体を傷付けるうえに“穢れ”を持つため、人間、エルフ、ドワーフ、シャドウ社会では忌避されています。卵から生まれるリルドラケンや、母体がそもそも頑丈なソレイユは例外で、特に忌避はされません。寿命は確認されていませんが、設定での無茶は程々に。
全体的に丈夫なうえに、[異貌]の発動(角が長くなり青い肌になる)により魔法使用の制限の大半が取り除かれますので、魔法戦士に向いています。魔法を使えないと種族特徴にほぼ意味がないので気を付けて。
リカント
アルフレイム大陸固有の種族で、肉食獣(肉食傾向の強い哺乳類)の耳と尻尾をしています。種族固有のリカント語では、鳴き声に似せた発音や紐を結んだ文字を使います。
敏捷度と筋力が高く、知力は高いですが精神力が低いため、能力は戦士向きです。スカウトやレンジャーにも適性があります。
[獣変貌]で頭部を獣の形態に変えると、筋力ボーナスが増え(筋力自体は増えない)、暗視もできますが、リカント語しか発声できなくなります。そのため、変貌状態では魔法は大半が使えなくなります。
なお、エルフやドワーフと同様に、人間と交配できます。
大型草食獣リカント(アーケインレリック)
[獣変貌]でHPが上がり、頭突きで確定ダメージを与えられるようになります。
小型草食獣リカント(アーケインレリック)
こちらは敏捷度ボーナスが上がります。
リルドラケン(ルールブックII)
人間より一回り大きな竜人で、背中には翼もあります。人当たりは良く、異種族との付き合いも多いです。肉食寄りで生食を好んでいます。卵を産み、授乳とかはない爬虫類的な生態のため、性差をあまり意識しない傾向があります。
筋力と生命力が高く、器用度と知力が低いため、大きな武器を振り回す盾系ファイターに向いています。[鱗の皮膚][尻尾が武器]も前衛向きです。
[剣の加護/風の翼]では、翼を使って短時間の飛行が可能です。本気で短時間なため、「すごいジャンプ」くらいに思っておきましょう。近接戦闘にボーナスも付くので、いざという時には気前よく飛んじゃえー。
小翼種リルドラケン(アーケインレリック)
飛行できませんが、咆哮で周囲の味方を強化できます。
有毛種リルドラケン(アーケインレリック)
尻尾や鱗がない代わりに、風属性ダメージを与えやすく、受けにくくなります。魔法で風属性ダメージを与えるのを目指しましょう。
グラスランナー(ルールブックII)
出自が不明の人族で(魔神との関係も取沙汰されています)、人間の子供のような姿をして、耳が尖っています。好奇心が激しく、所有観念にいい加減なところがあるため、世間的にはあまり信用されません。
器用度と敏捷度が高く、フェンサーやスカウト、レンジャーに向いています。筋力が低く、精神力が高いのですがMPが「なし」なため、攻撃能力には欠けますので、バードの「終律」やライダーの騎獣などのダメージソースが重要です。
[マナ不干渉]のため、MPがなくて魔法や練技はほぼ使えませんが、抵抗した魔法は効果が完全消滅します。[虫や植物との意思疎通]は、漠然とした意志を伝えるだけで会話はできませんが、メリアも対象にできるのでしょうか。
アリーシャ(アーケインレリック)
魔法破りを遠隔で、より強力に放てるようになります。
クリメノス(アーケインレリック)
魔法破りが使えない代わりに、「知覚:魔法」のキャラクターから見えにくくなります。
メリア(ルールブックII)
アルフレイム大陸にいる植物系の人族で、見た目は人間に似ていますが、身体の目立つところに花が咲いています(感情などに応じて咲いたりしおれたり)。草の花が咲く短命種(草花種)と木の花が咲く長命種(樹花種)があり、短命種と長命種では交配できません。普通に物を食べ、光合成はしませんが、種を産んで土に埋めると子供が出てきます。
器用度と敏捷度が残念ですが、生命力と精神力がともに高いため、丈夫な魔法使いとして扱えます。
[繁茂する生命]で睡眠が不要なので、野営の見張り番にも役立つかもしれません。暗視はありませんが。
カーニバラスメリア(アーケインレリック)
食虫植物のメリアです。[捕食する生命]で、敵にダメージを与えながら自分のHPを回復できます。
ファンギーメリア(アーケインレリック)
菌類メリアです。[胞子散布]で、近くの敵の行動判定を妨害できます。
ティエンス(ルールブックIII)
魔法文明時代に人間とアストレイドを合成したという種族で、体格はよく強靭で、金属っぽい色の髪と宝石のような瞳をしています。魔神の勢力に対抗するために生まれたらしく、“奈落の壁”の警護の“壁の守人”によく見られるほか、アルフレイム大陸各地の“奈落の魔域”破壊にも出ています。寿命自体は短いのですが、自主的に仮死状態となって、結果的に長い年月を経ている場合もあります。人間などと交配でき、隔世遺伝でも生まれます。
能力が全体的に高く、割と何でもできますが、種族特徴を使うならファイターかフェンサーと、ライダーを兼ねるあたりかと。
[通じ合う意識]を戦闘の連携や生物の騎獣の強化に使えます。……だけでなく、言語が通じない相手との意思疎通もできるため、会話のハードルを大幅に下げてくれるでしょう。
ティエンス機解種(アーケインレリック)
魔法生物や魔動機と意思疎通(らしきもの)をして、強化できます。
ティエンス魔解種(アーケインレリック)
魔神と意思疎通して、行動表をちょっぴり操作できます。
レプラカーン(ルールブックIII)
アルフレイム大陸では「各地に」といえるくらいいる小柄な種族で、毛の生えた大きな耳をしています(……垂れた犬耳あたり?)。ルールブックに載れるほどいるとはいっても、隠れている事が多いため、そう簡単には会えません。民家の隠された区画などに住んで、食糧(少量でいい)を民家の住人からこっそり持っていく代わりに仕事を手伝っていく事があります。
非力ですが器用で俊敏で、マギスフィアで装備欄を大量に必要とするマギテックや、手先と特殊能力を有効活用できるスカウトに適性があるでしょう。特殊能力と呪文がかぶるソーサラーは、ちょっともったいないかもしれません。
暗視できるほか、[見えざる手]で装備欄を増やし、[姿なき職人]で姿消しをできます。[姿なき職人]は【コンシール・セルフ】相当で、五感すべてどころか機械感覚や魔法感覚にも有効です。
放浪種レプラカーン(アーケインレリック)
短距離ワープの[姿消す職人]を使えます。
探索種レプラカーン(アーケインレリック)
【リモート・ドール】相当の[群れなす職人]を使えます(そしてコンジャラーの呪文とかぶります)。
アルヴ(アウトロープロファイルブック)
おもに北部にいる希少種族で、青白い肌と瞳以外黒い目をしています。異種族からマナを吸えないと死んでしまうため、主君、部下、友人などに異種族が必須です。
暗視できるほか、MPを吸うための[吸精]があるため、MPを使う技能持ちにするのがいいでしょう。レベルが上がると遠隔で吸えるようになります。
ちなみに[吸精]は、抵抗不能ですが回数や対象が限定されるため、お得感が出るように、GMは人族や蛮族の敵を混ぜるといいかもしれません。
シャドウ(アウトロープロファイルブック)
「2.0」とほぼ変わりません。[暗視][月光の守り]と高い身体能力が戦士向きで、素の精神力の低さが魔法使いに向かなくなっています。
アルフレイム大陸では生まれ表にマギテックもいますが、「心」が一番高いのはなぜか騎手生まれ。
ソレイユ(アウトロープロファイルブック)
同じく。やはり戦士向きで、[輝く肉体]が軽装向きのため、ファイターだけでなくグラップラーやバトルダンサーにも向いています。
アルフレイム大陸では生まれ表にアルケミストもいます。こちらでは失伝しなかったためでしょうか。
スプリガン(アーケインレリック)
無印では敵対的種族でしたが、ラクシアではプレイ可能です。子供程度の大きさと巨大な姿を切り替えられ、そのときには装備ごと巨人化とその解除をできるため、2つのモードに応じた装備を万全の状態で使えます。
変身すると筋力と生命力が上がり、敏捷度が下がるため、重装備で攻撃を受けるファイター向きです。
アビスボーン(アーケインレリック)
人間が“奈落の魔域”で妊娠〜出産すると生まれる変異種です(どういうシチュエーションで?)。[奈落の落とし子]で体幹、片腕、片目のどれかが暗紫色に染まり、さらにアビスカースを受けています(作成時に候補をランダムで決めた中から選択)。
能力は戦士寄りの魔法戦士向きです。また、アビスカースは“奈落の魔域”では抑止されるため、魔域では活動制限が緩くなります。
ハイマン(アーケインレリック)
「2.0」と同じく魔法向きです。タビットとは違い、知力ではなく魔力が上がるため、その他技能では一歩譲りますが、それなりにある器用度が、生まれ表にはないマギテックへの特性も持たせてくれるかもしれません。
フロウライト(アーケインレリック)
不可:エンハンサー
同じく魔法向きですが、MPの高さで勝負するタイプです。[晶石の身体]で防護点は増え、他にもいろいろありますが、生命力そのものは低いので油断してはいけません。水に浮かず、呼吸もしないのでエンハンサーにはなれません。
ダークドワーフ(アーケインレリック)
ドワーフとの違いは変わりませんが、そこまで敵対的ではない場合もあるのが、テラスティア大陸との大きな違いです。ドワーフよりやや素早く打たれ弱いのと、黒炎でHPを消費するのとで、あまり防御型には向かないでしょう。
◆蛮族
第二の剣の陣営の神に従った種族と、その関連種族です。元は人族や幻獣などから変化したのですが、神聖魔法の対象としては明白に区別されます。
人族とはモラル的に相容れませんが、たまに蛮族社会に逆らって人族社会の周縁に流れ込む蛮族がいます。アンデッドや魔神も、たまに従えようとする蛮族がいますが、基本的には蛮族にとっても敵です。ボガード→ボルグ、アードラー→アラクルーデル、リャナンシー→ムルシエラゴのような互換ポジション種族、ディアボロやタンノズのような新登場種族、ラミアのようなこちらにはあまりいない種族もあります。
使用にはGMの許可が必要です。また、複数部位を持つ種族はフィジカルマスター技能に経験値を回さざるを得ないので、スカウトやらセージやらを取る余裕があまりありません。
ウィークリング(アウトロープロファイルブック)
“穢れ”が弱体化したため、蛮族的特徴と蛮族的気性が弱く生まれついた変異種です。マーマンはいませんが、代わりにタンノズがいます。
種族特徴に見合った方面へ成長するのが基本ですが、ガルーダ・ウィークリングは[切り裂く風]を多用したい場合、MPが上がる魔法使い系がいいでしょう。タンノズ・ウィークリングは種族特徴が格闘戦向きなのに弱点で受ける物理ダメージが上がるため、やめておいた方が無難です。
ディアボロ(バルバロスレイジ)
アルフレイム大陸独自の種族であり、運用感覚は戦士系に向いています。変身と複数部位の扱いを学ぶのにもいいでしょう。〈魔人核〉の力で常時飛行可能なのも大きな利点です。“穢れ”は高く、【リザレクション】の残機はありませんので注意。
ドレイク(バルバロスレイジ)
魔剣を持つため戦士系に向いてはいますが、魔剣は魔法の発動体でもあるため、ソーサラーやコンジャラーにも適しています。ドラゴンの姿に変身すると強力ですが、装備のほとんどが弾け飛び、フィジカルマスターをしっかり上げておかないと宝の持ち腐れです。やはり“穢れ”は高いです。
バジリスク(バルバロスレイジ)
瞳石が魔法の発動体であるため、順当にいけばソーサラーやコンジャラーになります。幻獣の姿に変身すると知力が下がるため、魔法使い系の運用にはフィジカルマスターは必須ではありませんが、魔眼の強化や奥の手の変身のためには上げておく必要があります。残機なし五人衆の一角。
ダークトロール(バルバロスレイジ)
代表的な人族と言葉が通じない・残機がない蛮族ですが、その分殴り合いに長けています。太陽の光で命中力と回避力が下がりますが、盾役としての運用に支障はあまりありません。
アルボル(バルバロスレイジ)
白樺っぽい目の模様がある、植物系蛮族です。“穢れ”が少ない分、能力値がやや普通ですが、概ね魔法使い向きでしょう。メリアとは違い、睡眠は必要です。
バーバヤガー(バルバロスレイジ)
女性しか存在せず、“穢れ”を一時的に上昇させて魔力を強化できる種族です(蘇生などで“穢れ”が上がると、特殊能力が使えなくなります)。能力を活かすことを考えると、どうしても魔法使いになります。
ケンタウロス(バルバロスレイジ)
下半身が馬になっているため、騎獣に騎乗できない代わりに自身に騎芸を適用できたり、狭いところ向きでなかったりします。能力自体は戦士向きですが、魔法使いの生まれもあります。
シザースコーピオン(バルバロスレイジ)
常時3部位が存在する、残機なしなどの、蛮族でも突出して異彩を放つ種族です。上半身もフィジカルマスター技能で回避を行えるため、フィジカルマスターを上げることを前提としつつの運用が必要です。
ドーン(バルバロスレイジ)
“穢れ”の低い隠密種族です。やや非力で精神力も低めなので、破壊力の高い上位蛮族キャラクターが不得手とするスカウト、レンジャー、セージなどでサポートするのがいいかもしれません。
コボルド(バルバロスレイジ)
ザ・非力蛮族です。冒険者技能は5レベルまでしか上げられませんが、一般技能に強みを持ちます(そう、ディテクティヴ技能とかね)。スカウトを磨いて探索担当になるなり、戦闘の足しにするために魔法使いになるなり、どうするにせよ上級者向けです。
ドレイクブロークン(バルバロスサーガ)
魔剣を生来持たない、あるいは後天的に失ったドレイクです。能力値自体は普通のドレイクと遜色ないのですが、変身が不完全にしかできません。フィジカルマスターを取らなくて済む分、運用は普通のドレイクより簡単でしょう。
ラミア(バルバロスサーガ)
アルフレイムにはあまりいない、女性だけの種族です。上半身は人間系の種族に限られますのでご安心を(?)。器用度と筋力の低さゆえに戦士向きではなく魔法使い向きですが、牙や尻尾を使うなら魔法戦士を志してもいいかも。
ラルヴァ(バルバロスサーガ)
ノスフェラトゥが人族と子をなした、いわば幼体です。やはり相手は人間系に限られるようです。能力は魔法戦士向きですが、生命力の低さやその他の理由で、耐久力に欠けるきらいがあります。
◇技能
まず冒険者技能ですが、「戦士系技能」「魔法使い系技能」「その他技能」なのは変わりません。そして「2.5」では、初期作成時点では2レベルまでしか上げられないので、Bテーブルの技能(フェンサーやシューターなど)をいきなり3レベルにはできません。
騎乗すると格闘武器を使えないため、グラップラーとライダーは同時習得するのはやめておきましょう。
一部の技能は金食い虫のため、『エピックトレジャリー』では同時習得は避け気味にした方がよさそうな注意があります。というか具体的には、武具に金を使うファイター、ゴーレムの強化アイテムに金を使うコンジャラー、騎獣に金を使うライダー、マテリアルカードで金を消費するアルケミストです。能力がだぶるスカウトとレンジャー、使用環境が被りがちなレンジャーとライダーも避けるのを勧められています。
なお、「2.0」の技能は、持ち込みにはGMの許可を得てください。
◆戦士系技能
攻撃や回避を行うための技能です。
ファイター
重い武器と防具を扱い、近接戦闘をする技能です。武器と盾と鎧(あるいは武器と武器と鎧、あるいは両手武器と鎧)を装備して前衛に立ち、後衛の味方を守ったり、敵を倒したりします。防護点が高いので盾役に向いていますし、攻撃も敵の盾役を打ち破るのに十分です。
あと投擲武器を使えますので、ダガーやハンドアックスを持っておくなり、スリングを用意するなり、お金がなければせめてストーンを拾っておきましょう。
フェンサー
軽い武器と防具(筋力の半分(端数切り上げ)まで)を扱い、近接戦闘をします。攻撃の際のクリティカル値が減り、大ダメージを与える確率が高まります。ファイターより経験点消費が少なく、元の筋力が低ければファイターより効果的に攻撃できますが、筋力が高ければファイター技能を取った方がおすすめです。
フェンサーも投擲武器が使えます。手裏剣感覚で持っておきましょう。
グラップラー
拳や蹴りで戦います。打撃を強化する武器と、一部の動きやすい鎧しか装備できません。与えるダメージ自体は一般の武器より小さいですが、攻撃回数を増やしたり、敵を投げたりする事ができます。
投擲武器は使えません。また、ライダー技能との併用もできません。
シューター
射撃武器と投擲武器が使えます。鎧は通常通り装備できます。射撃には矢や弾を消費するため、事前に用意しておきましょう。ガンを撃つには、シューター技能だけでなく、マギテック技能で魔動機術を併用する必要があります。7レベル以上にして《射手の体術》を取れるようになるまで、回避能力は上がりませんので注意。
『2.5』では誤射を避ける特技が魔法と同じ《ターゲッティング》に統一されたため、魔法使いが予備で持つ場合の特技枠に優しくなりました。
バトルダンサー(バトルマスタリー)
近接戦闘用武器と投擲武器を全部使える代わりに、グラップラー同様の鎧の制限が掛かります。バトルダンサー技能使用時限定で使える特技枠もあります。攻撃役のほか、回避に賭ける盾役もできるとのことですが、防具制限の厳しさもあり、元から防具に制限のある魔法戦士やソレイユ向きでしょうか。
◆魔法使い系技能
魔法を使う技能です。魔法には所定の使用条件とMPが必要です。特定の言語を使う魔法使い系技能は、その言語もついでに習得できます。
ソーサラー
真語魔法を使います。魔法の発動体(指輪、杖、武器など)を装備した腕で魔法文字を描き、魔法文明語を発声して用います。金属鎧や重い鎧では判定にペナルティを受けます。直接的な効果の魔法が多く、レベルが上がればMP補助と偵察に使える使い魔も作れます。
コンジャラー
操霊魔法を使います。使用条件は真語魔法と同じです。間接的な効果の魔法が多く、レベルが上がれば戦闘用のゴーレムも作れます(アンデッドはダメ。ゼッタイ。)。ラクシアでは蘇生は“穢れ”が溜まるため信仰上は推奨されず、蘇生魔法はコンジャラーの領分です。
テラスティア大陸とは違い、アルフレイム大陸ではソーサラーとコンジャラーの全大陸的な「魔術師ギルド」が存在します。
(ウィザード)(メイガスアーツ)
ソーサラーとコンジャラーの兼任者であり、独自の技能ではありません。呪文リストが「レベルの低い方」基準で、魔力が「レベルの高い方」基準の、深智魔法を使えます。
プリースト
神聖魔法を使います。聖印(神により異なる)を装備して、意味の通る言語(母語でよい)を発声して用います。身振り手振りは不要です。回復や防御のための魔法が多いです(2レベルにしないと【キュア・ウーンズ】が使えないので注意)。
信仰する神により、異なる特殊神聖魔法を使えます。初心者には、あまり考えなくても特殊神聖魔法を使いやすいティダンやダリオン、暗視できるメンバーを増やせるシーン、セージ兼任ならキルヒア、スカウト兼任ならミルタバルがおすすめです。
☆神々一覧表
公式設定の主な(プリーストを作成できそうな)神様は以下の通り。並び順はルールブックおよびサプリメントに出た順に準拠しています。
名前の頭に付けた記号は、以下のとおりです。
「×」:第二の剣の陣営の神格を中心とした反社会的な神格で、PCは基本的に信仰できません。
「▲」:特殊神聖魔法の設定がありません。
「◆」:すでに消滅した神、あるいはまだ存在していない神です。
「Tr」:テラスティア大陸で存在を確認されている古代神です。ぶっちゃけて言うと『2.5』で未設定の神様です。
(古代神/第一の剣)
“始祖神”ライフォス
“太陽神”ティダン
“妖精神”アステリア
“炎武帝”グレンダール
Tr“紡糸の女神”エルピュセ
“貨幣神”ガメル
(古代神/第二の剣)
ד戦神”ダルクレム
Trד死の神”ザールギアス
(古代神/第三の剣)
“賢神”キルヒア
Tr“戦勝神”ユリスカロア
三本の始まりの剣(第一の剣ルミエル、第二の剣イグニス、第三の剣カルディア)に直接触れた神です。
ラクシアのどこでも力が弱まりません。信者がすごく少ないユリスカロアでさえも。ですので、テラスティア大陸からやってくる設定での使用に適しています。
(大神/第一の剣)
“月神”シーン(テラスティア大陸と共通)
“奈落の盾神”イーヴ
“導きの星神”ハルーラ
“樹神”ダリオン
“慈愛と復讐の女神”ミリッツァ
“食福神”ミィルズ
“機甲神”アールマータ
(大神/第二の剣)
ד海掠神”エイリャーク
ד不死の女王”ツァイデス
ד血浴み神”ニバセブス
ד罠の神”グルヴァゾ
ד荒天地神”ゾラス=バレス
ד英雄を導く神”テケルロコ
ד酒悦神”ドゥヴルーク
(大神/第三の剣)
“神の指先”ミルタバル
“伝令神”パロ
”糸織神”アーデニ
古代神から神格を授かった、または始まりの剣に近い世代の魔剣に触れるなどして神格を得た神です。
信仰されている大陸(基本的にアルフレイム大陸)を離れると力を受けにくくなります。ケルディオン大陸での設定は設定者次第です。シーンはテラスティア大陸と共通の信仰ですので(以下同文)。
(小神/第一の剣)
“風と雨の女神”フルシル(ブルライト地方など)
“鉄道神王”ストラスフォード(ドーデン地方など)
“放浪神”サドゥール(オーレルム地方)
“武妖精”カグツ(ゴーント地方)
“魔狩王”ドレイヴェン
(小神/第二の剣)
ד詐欺神”メイガル
(小神/第三の剣)
−−−−
古代神や大神から神格を授かった、または(中略)神です。
信仰されている地方(基本的に1つですが、有力な小神は隣接する地方にも信仰圏が拡がっています)を離れると力を受けにくいため、キャラクター作成時に小神のプリースト技能を取りたい場合はGMに「どこを主な舞台にするのか」確認しておきましょう。
マギテック(※メイガスアーツで呪文追加あり)
魔動機術を使います。マギスフィア(対応する呪文により大きさに差があり)を装備して、魔動機文明語を発声して用います。ガンを使う呪文では、ガンと弾が必要になり、射撃はシューター技能で行います(……治癒用の弾だけは自動失敗しなければ当たります)。
アルフレイム大陸にもマギテック協会があります。マギテック協会ではアルケミスト技能(後述)も学べます。
フェアリーテイマー(ルールブックII)
妖精魔法を使います。妖精使いの宝石(レベルが上がると大きいのがいる)を装備して、妖精語を発声して用います。金属鎧では判定にペナルティを受けます。
契約する妖精により、使える魔法が異なります。初期時点では炎で攻撃魔法、光で回復魔法を取るのがおすすめ。レベルが上がると妖精を召喚して戦ってもらう事もできますが、その間は妖精魔法が使えなくなるので、召喚を多用したいなら別の戦闘用技能も取っておきましょう。
ドルイド(モンストラスロア)
森羅魔法を使い、動植物の精霊体の力を借ります。「1.0」の自然崇拝シャーマンの「ドルイド」を思い出した人はどれだけいるでしょうか。宿り木の棒杖(片手用か、スタッフを改造して両手使用)を装備して、補助動作の魔法や「必中」の物理ダメージ魔法、いろいろな便利魔法を使えます(植物蘇生呪文はメリアにも有効!)。どうあがいても片手はふさがるので両手武器はスタッフ(および、一部の流派の武器)以外併用できないほか、金属鎧は魔力そのものにペナルティ受けるのでやめましょうですが、言語に依存しないためリカントが[獣変貌]しても使えます。「必中」ダメージ魔法が多いため、MPの多いドワーフをこっそりおすすめしてもいいかもしれません。
スタッフを改造した宿り木の棒杖は、魔法の発動体と兼用できます。
デーモンルーラー(モンストラスロア)
召異魔法で魔神を行使します。召異の徽章(装飾品とか武器とか)などを装備して、“扉の小魔”を介して魔法を使ったり魔神をフェローのように召喚したりします。必需品が消耗品ではないため、やや使いやすくなりましたが、召喚した魔神は送還に失敗すると大惨事ですし(レベル次第では賄賂で判定不要でバイバイしてもらえます)、ダイス次第で「任意の目標」を狙う場合もあるので要注意です。
アビスゲイザー(アビスブレイカー)
奈落魔法を使い、“奈落の魔域”の力を引き出します。アビスナイフで現実界と魔界の裂け目を切り開く魔法で、特に“奈落の魔域”で高い性能を誇ります。
◆その他系技能
武器の扱いにも魔法にも関わりのない技能です。おもに戦闘以外や、戦闘の補助で役に立ちます。基本的にメインで上げる技能ではなく、サブで上げる技能です。だからといって取らないと戦闘以外で役に立ちにくいため、それなりのレベルにはしておきましょう。特にスカウトとセージはパーティに必須です。
スカウト
隠密活動を中心にした技能です。戦闘の先制判定もこの技能で行います。隠密活動の一部には鎧の制限があります(金属鎧を着ているとペナルティがあります)。
なお斥候や密偵であり盗賊ではないため、裏社会に特に通じていたりはしません。
レンジャー
「自然環境」限定での隠密活動と、薬(おもに回復用)の使用を中心にした技能です。瀕死のキャラクターへの応急手当もこの技能で行います。
セージ
知識関係に幅広く使える技能です。モンスターの弱点看破にも使用します。
レベルごとに言語の会話/読解を1つずつ習得できます(会話と読解が両方あれば筆記もできます)。遺跡で頻出する「魔動機文明語/読解」や、敵が多用する「汎用蛮族語/会話」が初期での最優先でしょうか。
エンハンサー(ルールブックII)
練技を使い、MPを消費して自分の肉体を強化します(単純な強化以外にも、翼で空を飛んだり炎を吐いたり)。練技の使用には呼吸が必要です。練技は補助動作であり、複数を一度に使えますが、エンハンサー技能ではMPは増えないため、あまり大量に使うとMPが足りません。精神力が高いドワーフや、[MP変換]できるルーンフォーク、サブで魔法使い技能を取っている戦士などに適しています。
バード(ルールブックII)
呪歌を使い、聴いた相手に無差別に精神的な影響を与えます。呪歌の使用には、楽器の演奏が必要です。一部の呪歌には歌唱が必須です(息を吹き込む楽器では歌唱できません)。旋律を取れない楽器は常に歌唱が必須になり判定にもペナルティを受けます。『2.5』のバードは、呪歌で「楽素」を溜めて、溜まった楽素で攻撃や回復の力を持つ「終律」を放てます(終律は、聴いていない相手や精神を持たない相手にも有効です)。レベルが上がると、ペットにした小動物に呪歌を継続して歌わせる事もできます。
伝承知識の判定にも使えるほか、レベルごとに言語の会話を1つずつ習得できます。
ライダー(ルールブックIII)
騎獣(馬とかドラゴンとかバイクとか)を操り、騎芸を使いこなします。騎獣はライダーギルドでレンタルでき、耐久力は冒険者レベルで上げられるのは『2.0』完全版から一緒です。手綱で片手がふさがるため、片手武器しか同時には使えませんが、5レベル以上で【人馬一体】を取れば手綱が不要になり、弓騎兵にもなれます。
騎乗以外には、応急手当や魔物知識判定(弱点は分からない)などもできます。
なお、建物の中や洞窟などの閉鎖空間では騎獣を活用できない場合が想定されるので、シナリオの環境によっては取得が無駄になる恐れがあります。単発シナリオで取るかどうかは慎重に。
アルケミスト(ルールブックIII)
マテリアルカードを消費して賦術を使います。賦術は補助動作でも使えますが、その場合は1手番に1つだけで、抵抗は自動成功、目標も1体限定になり、主動作では賦術を使えません。アルケミーキットで戦利品を粗製のマテリアルカードに変える事もできます(戦利品の持ち運びは重量や手段などを考慮しませんが、回収をフレーバー的に楽にできます)。魔動機文明語も習得します。魔動機文明語だけが目当てならマギテックよりお得です。
賦術はリソースが有料なため、お財布と相談しながら使いましょう。
・ジオマンサー(メイガスアーツ)
命脈を蓄積して、相域を行使します。ジオグラフ(占い道具みたいなもの)を展開してからでないと使えず、必中ですが対象もランダムであるため、有効活用には《相克の標的》が必須になってきます。
・ウォーリーダー(メイガスアーツ)
鼓咆で仲間を支援して、戦闘中に溜まる陣気で陣率を使い自己強化もできます。効果範囲が冒険者ランクの影響を受けるため、ギルド非所属者とは相性が悪くなります。先制力の基準にも使えます。軍師徽章(など)の装備もお忘れなく。
・フィジカルマスター(バルバロスレイジ)
複数部位を持つ蛮族キャラクターが、コア部位以外を制御するための技能です。また、魔装を取得することで、キャラクターをいろいろ強化できます。複数部位キャラクターには事実上必須であるため、他の「その他技能」は取る余裕が減るかもしれません。
・ダークハンター(アビスブレイカー)
操気でHPを消費して、投擲武器を強化して操ります(投擲自体は戦士系技能で行います)。HPを消費するのと、理力が精神力基準なのとで、生命力と精神力が高いのはもちろん、回復役のキャラクターも必要でしょう。
◆一般技能(エピックトレジャリー)
冒険に関わらない技能で、戦闘などに直接役立つものではありません。職能ごとに様々なものがあります。『エピックトレジャリー』に一覧があり、一部は「2.0」の『アルケミストワークス』と異なります。
通常のPCは、上限5レベルまで、合計10レベルまでの範囲で取れます。設定が生えた時点で補完するために習得したり、習得した技能をもとに設定を生やしたりするためのものですので、作成時点で取っておく必要はフレーバー以外にはありません。
より活かしたい場合は、『ラクシアライフ』をご覧ください。
☆冒険者技能と関わりのある一般技能
(戦士系全般)
軍隊での活動――行軍や軍規遵守などはソルジャーの領分です。
(魔法使い系全般)
まじないや民間療法はウィッチドクターが、占いはフォーチュンテラーが、手品はプレスティディジテイターが行います。
(プリースト)
神殿の祭祀はクレリック、墓地や埋葬はグレイブキーパーの担当です。
医師はドクター、外科医はサージョン、看護師はナース、産婆はミッドワイフです。
(マギテック)
魔動機の再生はリペアラーが行えますが、マギテックでもカバーできます。
(セージ)
知識の収集と理論の組み立てはスカラーが行います。理論にもとづいた新しい学説の提唱などは、セージよりもこちらが得意でしょう。
書記であるスクライブも、知識関係の一般技能です。「複数の言語に通じているものも少なくありません」との事ですが、スクライブ技能で会話の自動習得はないようにした方がいいでしょう。「業務で触れている言語は理解できる」「普段触れていない言語には判定が必要」「知り得ない言語は判定も不可能」くらい?
紋章知識はヘラルディストです。紋章の即座の識別や新規紋章のデザインは、セージ技能ではできないかもしれません。
書庫の管理をするのはライブラリアンです。
言語はリンギストでも仲立ちができます……セージとの違いを出すには、スクライブと同様に。
(レンジャー)
狩猟はハンターで、漁撈はフィッシャーマンで行います。
薬物はドラッグメイカー、香料はパヒューマーが作ります。
(バード)
物語を記述するのはオーサーです。伝説や詩歌の知識はバードでカバーできるでしょう。
作曲はコンポーザーで行います。
歌唱はシンガー、演奏はミュージシャンですが、どちらもバードでカバーできそうです。
(ライダー)
魔動機関車はエンジニアが運転します。
御者はコーチマンです。
動物の調教はテイマーが行います。
◆戦闘特技
冒険者レベルが奇数レベルに達するごとに、あるいは特定の技能が一定レベルに達すると自動で増える、おもに戦闘で使える特殊能力です。
グラップラーは1レベルから《追加攻撃》が付いてきて、パンチやキックで2回攻撃ができます。
バトルダンサーは1レベルでおまけの特技を取れますが、その特技はバトルダンサー技能としか併用できません。
☆はじめてで(個人的に)取っておきたい戦闘特技
・武器や魔法で射撃する…《ターゲッティング》
・武器ダメージを増やしたいし、戦利品のいい武器が使えると嬉しいな…《武器習熟A/種別》
・二刀流をやりたい/グラップラーで手数を増やしたい…《両手利き》
・味方の盾になりたい…《かばうI》
・着実に当てていきたい…《牽制攻撃I》
・私ファイター! とにかく武器で大ダメージを与えたい!…《全力攻撃I》
・両手武器を! 当てる!…《斬り返しI》
・私フェンサー! もっと回したい!…《必殺攻撃I》
・補助魔法や回復魔法を複数掛けしたい…《魔法拡大/数》
・魔力を込めて敵を殴りたい…《魔力撃》
・バードメインでやる…《呪歌追加I》
・投擲メインで、ポーションも投げたい…《スローイングI》
シューター、ソーサラー、フェアリーテイマーは《ターゲッティング》が、プリーストやコンジャラーは《魔法拡大/数》が鉄則です。
◇装備
お買い物お買い物。
ですが、技能に応じた買い物は忘れずに。
・武具
ファイター技能なら、必要筋力がキャラクターの筋力以内に収まる武具を買いましょう。組み合わせは、「片手武器+盾+鎧」「片手武器2本+鎧」「両手武器+鎧」になります。余裕があれば投擲武器もそろえておきましょう。
フェンサー技能なら、必要筋力がキャラクターの筋力の半分(端数切り上げ)以内です。
グラップラー技能なら、限られた武具しか使えません。
シューター技能なら、射撃武器と矢弾を買います。もちろん鎧もお忘れなく。
バトルダンサー技能なら、防具にグラップラーと同様の制限があります。組み合わせは、「片手武器2本+鎧」「両手武器+鎧」になります。
どの戦士系技能もない場合、武器はファッションや仲間の予備に買うくらいかも。防具は「防護点の上がる盾+習得した技能に制約を掛けない鎧」で。
魔法使い系技能がある場合、
ソーサラー、コンジャラー、デーモンルーラー:必要筋力10以上の非金属鎧で行使に-2、金属鎧で行使に-4
フェアリーテイマー:金属鎧で行使に-4
ドルイド:金属鎧で魔力に-4
されるのに注意。行使にのみペナルティが掛かる場合、魔力そのものにはペナルティが掛かりません。
ペナルティが掛かる鎧を装備する場合、味方に掛けるの限定か、抵抗上等で使うか、ナイトメアの[異貌]を前提にするかしましょう。
ライダー技能がある場合、片手がふさがるのを忘れないようにして下さい。【人馬一体】を取れるレベルになるまで、片手武器しか使えません。
バードの楽器は両手がふさがります。
スカウトとレンジャーの判定の一部は、金属鎧で-4されます。
・魔法関係の物品
ソーサラーとコンジャラーは、魔法の発動体が必要です(同じ発動体でどちらの魔法も使えます)。スタッフは魔法の発動体であるうえに防護点が+1されるため、「2.0」とは違い、買っておく意味が大きくなりました。
プリーストは、信仰する神に応じた聖印が必要です。
マギテックはマギスフィアが必要です。初期に使える魔法なら、小型のマギスフィアで十分でしょう。
フェアリーテイマーは、妖精使いの宝石が6つ(各属性1つずつ)必要です。レベルが上がると高額なものが必要になります。
デーモンルーラーは召異の徽章が必要です(他のやつは扱いが難しかったり違法だったりします)。
ドルイドは宿り木の棒杖が必要です。スタッフを宿り木の杖にすることもできます(このスタッフは魔法の発動体と兼用できます)。
アビスゲイザーはアビスナイフが必要です。
・その他の装備
スカウトはスカウト用ツールが必要です。
レンジャーは薬品類を買っておきましょう。「ルールブックIII」では薬師道具セットが追加されています。
バードは楽器が必要です。演奏と同時に歌唱できるかも注意しましょう。
ライダーは騎獣(初期ならレンタル)が必要です。
アルケミストはマテリアルカードとアルケミーキットが必要です。
ジオマンサーはジオグラフが、ウォーリーダーは軍師徽章が……などなど。
お金に余裕がよほどないのでなければ、冒険者セットも必要です。できれば着替えセットもどうぞ。
なお、当座の生活費や追加の買い物のために、いくらかガメルを残しておいた方がいいのですが、プレイヤーによってはほとんど〜完全に使い果たす人もいます。なのでGMは、作りたてのPCがある程度の現金を持っている事を想定しない方が安全です。