◇新大陸通信・04号◇


 二次創作いろいろです。


◇ゲーム上の単位

 
 は、現実の地球とほぼ同じです。ただし1年は360日、1ヶ月はすべて30日。

 
〜何でそうなのかと聞かれた場合の言い訳〜

 ラクシアの単位系は、神紀文明時代に定められたものです。元はキルヒア神が神力で制定して、第一の剣の神々が受け入れたといわれます。「カルディアは長さ1m、重さ1kgだった」「始まりの剣が作られた世界の単位系をカルディアが伝えた」という説もありますが、あまり根拠があると思われていません。

 ちなみに「2.0」の『ザルツ博物誌』では、月日は「○の月○の日」表記でした。そこはフォーセリアと同じスタイルです。
 ……曜日はどうなってるんだろう。惑星はどうなるんだろうとか。
(解決法1)
 日曜〜土曜表記で押し通し、「実際は言語により異なる」という事にする。
(解決法2)
 惑星と関係ない表記にする。ポルトガル語の「主日、第二日〜第六日、安息日」タイプとか。


◇ケルディオン大陸は何で設定が定かでないのか

 
 公式設定に左右されずに遊ぶための場所だからです。

 
〜言い訳っぽいもの〜

 ケルディオン大陸は、〈大破局〉の際に、何らかの大規模な破壊(古代神の【コール・ゴッド】複数という説が有力です)を受けて、存在が不確定になってしまいました。現在のケルディオン大陸は、記録や記憶に至るまで、観測者によって矛盾する結論が出てきています。破壊が時間をさかのぼって及んだため、過去の歴史すら破壊されてしまったのだといいます。辛うじて生きている天上の魔動機でケルディオン大陸を観測しても、アルフレイム大陸に近い北西部を除いて、陸地の輪郭すらはっきりとしない混沌に包まれたままです。


◇アルフレイムの言語

 
 の細かい設定を勝手に創作です。
 ルールブックIIに種族言語の細かい設定があるので、妄想の余地はちょっとだけ少なくなりました。


☆自然言語

 
人間の地方語

 アルフレイム大陸では、魔法文明時代と魔動機文明時代に大規模な移民がほかの大陸からあったため、言語にも大きな影響を受けています。アルフレイムによくある浮遊島の定住者は、最寄りの地上と同じ地方語を使いますが、交流が乏しい、あるいは交流が異種族中心だったりすると、方言の差が激しくなります。
 †は死語で、セージ技能では習得できません。

オーラントレック語族
├ラファリア群島語
└大陸語群
 ├ブルライト地方語
 │├本土方言群
 │└七王群島方言
 ├エルゲ地方語
 └ランドール地方語

 テラスティア大陸(おもにザルツ地方、ダグニア地方、モーロック地方)からの移民が伝えた言語が変化したものです。神紀文明時代の先住民の言語は、魔法文明時代の第一期移民の言語に呑み込まれてしまい、一部の単語などに面影を残すのみです。都会の方言より田舎の方言の方が、先住民の言語の名残を多く残すのではと見られ、魔動機文明時代後期に調査された記録があります。

プレオーラントレック諸語
├アナン語
└古コロロポッカ語†

 アルフレイム大陸南西部の辺境や沖合の孤島で使われている言語の総称で、単一の語族ではないと見られています。神紀文明時代の先住民の言語の末裔だと考えられていますが、二度の移民の波と二度の大破壊を免れて残っている言語はほとんどありません。

スィーク語族
├沿岸語群
│├ノスターナ地方語
│├ドーデン地方語
│└コルガナ地方語
└内陸語群
 ├マデル地方語
 └オーレルム地方語

 レーゼルドーン大陸の言語の流れをくむ語族です。ドーデン地方は鉄道技術の発祥の地ですが、鉄道業界では交易共通語か魔動機文明語がおもに使われ、ドーデン地方語が使われる事はあまりありません。コルガナ地方には冒険者ギルドの本部があるため、ほかの地方では、コルガナ地方語が冒険者の間の暗号的に使われる例もあります。

プレスィーク諸語
└古代オーレルム語†

 アルフレイム大陸北西部の先住民の言語と考えられているもので、ナザルス語族の遠縁にあたると見られています。

ナザルス語族
├ウルシラ地方語
└ザムサスカ地方語

 神紀文明時代の先住民の言語の末裔です。発音や語法が大陸西部で主流の大陸外由来の言語とは大きくかけ離れており、全く通じません。魔動機文明語からの影響が弱く、魔動機文明関係の単語も逐語訳されたものがほとんどです。ウルシラ地方語でも、エユトルゴ方言は例外的に、勢力圏を広げていた南東部の地方語からいくらかの外来語を受け入れています。スフバールの貴族階級には宗主国だったルセア王国系の家系がありますが、〈大破局〉以後に日常言語はウルシラ地方語に代わっていきました。

 
種族語

 アルフレイム大陸の人間以外の種族も、テラスティア大陸とは異なる方言を話します。おおむね大陸西部と東部で大きく分けられます。
 母語話者が学んで習得するわけではない(と思われる)妖精語でも、異なる自然環境のためか、微妙に感じ取れる違いがあります。メリアの妖精語は、複雑な言い回しを取る事により、妖精の妖精語には存在しない時間の概念を取り入れています。
 魔神語は異世界の言語であるため、個体ごとの違いが何に由来するのかは定かでありません。ティエンスの魔神語は母語ではなく、成人前に親から敵についての知識を学ぶ一環で教わります。[通じ合う意識]がティエンスの母語だという説もありますが、「そもそも意識を言葉にするには言語が先立って必要なのでは」「言語以前の意識というものがあるのでは」という論争もあります。
 リカント語は、アルフレイム大陸の人間の地方語のうち、先住民系の言語とつながりがあるとみられています。リカント語の紐編み文字は魔動機文明時代にはアルフレイム大陸のシンボル的に扱われ、リカント以外の人族の手によるデザインに組み込まれる例も多くあったということです。
 ライカンスロープ語は、リカントから第二の剣の神々に走ったライカンスロープの始祖が使っていた言語の末裔だという説があります――リカントはその説を拒否しますが、肯定否定共に確証となる情報は残されていません。文字はドレイク語系のもので、魔法文明時代前期に借用されたと考えられています。
 巨人語は、種族ごとに大きな差があります。スプリガンの巨人語は、改造した魔法王ごとに方言があったのではないかという推測があります。
 海獣語は、水中でのみ言葉をやり取りできます。つまり空中を通して会話する事はできませんが、水中で言葉を出せない種族でも頭の一部(口や耳辺り)を水中に漬けて唸り声を出せる環境なら、水中の相手と言葉をやり取りできます。スカイホエールの海獣語は方言のようなもので、通常の水中でしか使えない海獣語とは異なり、湿度が一定以上ある空中(雲の中とか)でも使用できます。GMの判断で、身体を密着させているか、唸りを伝えやすい媒体を同時に触れていれば、お互いに海獣語でやり取りできる事にしてもかまいません。


☆人工言語

 
神紀文明語

 神紀文明語は、神紀文明時代にラクシア全土で使われていた……らしい言語です。文字の意味だけ伝わり、発音が伝えられていないのですが、神紀文明語の「会話」が存在する事は、ヨーウィ(第三の剣の神を信仰する幻獣)や天使から確認されています。現在のヨーウィは神紀文明時代の先祖のヨーウィから脳を食らって神紀文明語を伝承してきたと考えられており、通常の手段では「会話」を習得できないのではないかと言われています。
 神の力が関わる際には神紀文明語の「発音」ができるという点から、「神紀文明語の会話は神聖魔法に似た奇跡の一種である」「神紀文明語はティエンスの[通じ合う意識]に似た能力を神々から授けられたものだった」という説もあります。

 
魔法文明語

 ラクシア全土で共通の魔法文明語は、魔法文明時代に各地で発生した断片を、テラスティア大陸で魔法王デュランディルが集大成したものです。アルフレイム大陸に大規模に伝わったのは、魔法文明時代中期、外部から侵略した魔法王達が伴った第一波の移民によりますが、それ以前にアルフレイム大陸で独自開発されていた魔法用言語の名残が方言のように残っています。魔動機文明の影響が比較的薄い大陸東部や蛮族社会においては、魔法文明語の使用は社会的ステータスの高さを示すものとなっていますが、大陸西部では魔術師・操霊術師や冒険者以外にはなじみの薄いものです。

 
魔動機文明語

 魔動機文明語は、テラスティア大陸かレーゼルドーン大陸で開発されて、魔動機文明時代の第二波の移民がアルフレイム大陸に伝えたものです。大陸西部においては社会的ステータスの高さを示すものとなっていますが、大陸東部では魔動機師や錬金術師、そして冒険者の間でのみ多用されます。魔動機文明を敵視していた蛮族においては知識が乏しく、しばしば魔動機文明語の注意書きを読めずに遺跡で死んでいます。
 ルーンフォークは魔動機文明語を母語としています。ジェネレーターでの育成過程で刷り込まれるため、誕生時点で基本的な会話を行えますが、誕生後の教育により集団ごとの癖が生まれます。
 レプラカーンも魔動機文明語を母語としています。レプラカーンの元々の母語については、魔法文明時代には魔法文明語を母語としていた事がわずかな史料からうかがえますが、それより前の時代については全く知られていません。母語が交易共通語に移行しなかったのは、「レプラカーンが魔動機文明にこだわりを持っていた」「少人数で隔絶して暮らすため一般社会に合わせる必要がない」などの説があります。「レプラカーンの言語が魔動機文明語のもとになった」と主張した異種族の学者もいましたが、ほかの学者達からは無視されています。

 
交易共通語

 交易共通語は、魔動機文明時代の簡略化された表現や俗語などを、改めて正式な表現として集大成したものです。魔動機文明語という共通の起源があるため、各地方・各大陸の交易共通語は、お互いに通じ合える程度の差しか生じていません。300年間正式な交流のなかったテラスティア大陸とアルフレイム大陸の間でも通用するほどです。おもな利用者のひとつである冒険者の影響が強く、魔法や魔物関係の一部の単語や言い回しが、「エナジー」「ミーティア」ではなく「エネルギー」「メテオ」、「セントー」「マイノーター」ではなく「ケンタウロス」「ミノタウロス」となるなど、魔動機文明語より魔法文明語や古い地方語に範を取る例もあります。
 タビットの母語は交易共通語です。魔動機文明時代には魔動機文明語を、魔法文明時代は魔法文明語を母語としており、元々の母語とかはそもそもないのではと言われています。書き物には神紀文明語を使うほか、家庭の内部では、魔法文明語、妖精語、魔動機文明語を用いる場合も割とあるようです。

 
汎用蛮族語

 汎用蛮族語は、神々の戦いのさなかに、神紀文明語を理解できない下位蛮族の軍勢を率いるために、ドレイクの将軍達が開発したといわれます。表現が単純すぎるために変化の余地が乏しく、ラクシアのどこでも大きな差はありません。込み入った話をするには、ドレイク語を使うか、蛮族であっても人族の交易共通語を使うかのどちらかです。


☆泡沫世界の言語

 
泡沫世界諸語
└モノクロマティカ語族
 └モノクロマティカ語

 神紀文明語から派生したとみられている言語たちが泡沫世界の人間言語の主流ですが、話し言葉には元の地方語の影響が強く及んでいるとみられ、結果として相互に通用することはできません(泡沫世界同士で行き来ができる場合を除く)。
 ラクシアの各時代の共通語が限られた人々にしか使われていない一般的な泡沫世界では、種族間共通語としても使われていることもあります。その場合、地方語を母語としているキャラクター(現地生まれの人間など)は、PC用の他の種族の言語を、交易共通語の代わりに習得できます。タビットの母語は地方語になります。

 また、泡沫世界によっては種族語がラクシアのものと相互に通用しなくなっている場合もあります。慣れるまでの間は、冒険者技能レベルまたはリンギスト技能レベル+知力ボーナスで逐次判定してください。


◇「2.5」非実装種族はどうしているの?

 
 テラスティア大陸の懐かしい皆さん――シャドウとかソレイユとかフロウライトとか。
 そんな「2.5」に(基本ルールブック時点で)出ていない種族は、アルフレイムだとどうしているのでしょうか。

 
・シャドウ
 レーゼルドーン大陸に由来するシャドウは、魔法文明時代の魔法王が伴った第一次移民にいくらかいましたが、魔法王配下の精鋭の一族に限られ、魔法文明崩壊後は一族を維持できず人間などと混血していったと考えられています。魔動機文明時代の第二次移民には、魔動機と相性の悪かったシャドウはほぼ含まれておらず、やはり種族を集団として維持できるだけの持続力はありませんでした。現在確認されているシャドウの多くは、テラスティアへの航路が確立してから渡来してきた最近の冒険者です。

・ハイマン
 アルフレイムではハイマンの開発がされるより先に、切羽詰まった魔神への対策のためにティエンスが優先的に開発されて、ハイマン計画は早期に見切られたといいます。ハイマンはその後も人数が少なく、アルフレイムでは最近の冒険者に稀に混ざっているくらいで、単独のコミュニティは構成できていません。
 ちなみにアルフレイムでも、魔法文明時代末期に人間を改造した改造人間(『10ガメルの心臓』)とかいるので、別コンセプトの超人計画もいろいろあったかもしれません。

・ヴァルキリー
 アルフレイムでも稀に生まれるのですが、頻度はテラスティアにもまして低く、神殿、騎士団、魔術師ギルドなどで箱入りで育成されるため、世間の目につく事も、冒険者になる事も、まずありません。「頭数をテラスティア大陸が使い切ったからだ」という冗談も、神官や賢者の間でしばしば交わされます。

・フィー
 今のところ、フィーの「千年祭」はアルフレイムでは始まっていません。トーテムにうっかり踏み込むと会えるかもしれませんが、無事に帰れるかは保証できません。

・フロウライト
 魔晶石が豊富なアルフレイムでは、実はテラスティア以上に頻繁に見られるのですが、魔術師ギルドのネットワークがフロウライトの産まれるポイントを事前に精査して持ち帰り、手元で育てています。とはいえ、地上だけならともかく、地底、海底、浮遊岩群のすべてまで監視するのは無理ですので、自然発生するフロウライトもそれなりにいるでしょう。

・ミアキス
 テラスティア大陸由来の種族で、度重なる移民でもアルフレイム大陸にはほとんど流入しませんでした。肉食獣の頭部を持つリカントとの相性が悪いためだと言われていますが、実際のところは、さあ。

・ダークドワーフ
 基本的に地底に潜んでいますが、地上の人族に接触する場合もあります。魔晶石やマナタイトが豊富なアルフレイムでは、人族への復讐より新たな鉱脈の開発に興味が向いており、出合頭に殺し合いになる例は少なくなっています。つまり皆無ではありません。

・魔動天使
 そういった外道な実験は、アルフレイム大陸では行われていません。あとティエンスと被ります。

・ソレイユ
 魔法文明とも魔動機文明とも相性が悪かったため、移民にはあまり含まれていませんでしたが、大陸西部には漂流者のコミュニティが人知れずありました。最近の冒険者には、新たな敵や漁の大物を求めて渡ってきたソレイユもいくらか見られます。

・ノーブルエルフ
 表向きには絶滅していますが、森の奥や険しい山、離島に隠された城塞にごく少数が生き延びているかもしれません。もし生きているとしても、現在のノーブルエルフの能力は基本的に貴族熱を免れる士族レベルのもので、“貴族の支配力”はほぼ失われて久しいようです。

・マナフレア
 やはり表向きには絶滅していますが、やはりどこかに少数が生き延びて、魔工師の技を引き継いでいるといいます。

・センティアン
 必要な時に神々から遣わせるセンティアンですが、出現率は時代と地域により大幅に異なるらしく、蛮族勢力が比較的強いテラスティアに人族のセンティアンが現れやすいようです。

 
(後記)
 理由付け。のちのち覆るかも。


『ソード・ワールド2.5』:(C)北沢慶/グループSNE/KADOKAWA

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