◇新大陸通信・09号◇


 アルフレイムの出版物です。


◇アルフレイムの出版物

 アルフレイム大陸で出版された、あるいは現在進行形でされている本や新聞などです。フレーバーテキストや冒険のネタ作りの参考になる、かもしれません。


・宗教書

 現実世界と同じく、いや、それよりも、ラクシアの書物において宗教書は重要な存在です。魔法文明時代も、魔動機文明時代も、時代の本流から離れた所で刷られ続けて、あるいは書き写されています。
 宗教書は複数の言語で訳されている場合が多いので、言語についての詳細は略します。

 
・四神讃頌(ししんさんしょう)

 第一の剣に属する四柱の古代神についての、アルフレイムの伝承をまとめた本です。元は魔法文明時代に出た本ですが、魔動機文明時代に印刷技術が発展してから、様々な写本の異同を含めてまとめた本も出ています。

 
・ティダン時祷文(じとうもん)

 ティダンをはじめとする第一の剣の陣営の神々への、一日の時間や季節ごとの祈りの文章の文例集です。

 
・海辺におけるアステリアの詔(みことのり)

 アルフレイムを訪れるアステリアと、海岸で出迎えるエルフ達の会話集です。

 
・新天地ドワーフ伝記集

 ドワーフの吟遊詩人が伝えたドワーフの伝説は、長年に渡り暗記のみで伝えられてきましたが、魔動機文明時代後期に文字化されました。伝説の伝灯者が〈大破局〉で大勢死んだため、暗記偏重の文化は次第に変わっていくかもしれません。

 
・手繰経文(たぐりきょうもん)

 リカントのゆかりの聖人達の話を、リカント語の編み目文字にしたものです。信心深いリカントは、編み目を指で手繰りながらお経を唱えます。

 
・修道士日常儀軌

 ラクシアでは修道生活はそれほど一般的ではありませんが、それでも全身全霊を込めて神の示した道を実践するという修道士もいます。魔法文明時代前期、魔術の力がかぼそかった当時から、人族を支える盾として祈りを続けた修道士の規律は、古い時代からあまり変わる事はありません――1万年の間にそれなりに変わってきています――。修道士の集まりが修道会を産み、武装した騎士修道会が生まれ、俗人が勲章を受ける国家騎士団へと変化した流れとは別に、古来の修道士も大陸東部を中心に生き残っています。

 
・力の書

 ダルクレムがいかに強く、どれだけの敵を倒したのかを延々と書いている書物です。もちろん人族社会では個人所有も禁止されていますが、ミルタバルにイグニスを盗まれた話とかの都合の悪い話も(弁解がましくはありますが)避けていないため、いい意味でも悪い意味でもすがすがしいとは言えます。

 
・ミルタバルの鍵の箴言(しんげん)

 ミルタバルが残した言葉をまとめたものです。一定の順序に組み合わせたら予言書になるという伝説がありました。中から360個を選んで、日めくりカレンダーに使う事もあります。

 
・食福神三食儀礼

 アルフレイム大陸の大神、食福神ミィルズの、食事や食糧加工に捧げる儀礼のまとめです。信徒以外にとっても常識である食前食後の儀礼から、秘教めいて口伝でのみ伝えられていたワイン酵母の儀礼まであります。


・宗教書の周縁

 神話、伝説、種族の起源などを研究した本は多数あります。魔動機文明では人文科学は比較的軽視されたそうですが、印刷技術やデータベース化が研究の助けになりました。

 
・メリア誕生神話および伝説の集成(神紀文明語)

 タビットの研究者による、メリアから聞き取った種族の誕生などにまつわる伝承をまとめた本です。正確な表記を試みるために、研究者独自の神紀文明語を基にした発音記号で妖精語を書き留めているため、妖精語の会話と神紀文明語の読文ができないと読む事ができません。

 
・ティエンスの誕生についての論考(魔法文明語)

 ティエンスの学者がナイトメアの学者と協力して作った論文集で、アストレイドを当時の魔法王がどうやって人間と合成したのかの推論が書かれています。ティエンスの製造の手順もほぼ判明していますが、そのために閲覧制限に指定され、わずかな写本は魔術師ギルドで許可を得ないと閲覧できません。

 
・カルディアの予言せしアルフレイム大陸史(神紀文明語)

 カルディアが砕け散る直前にアルフレイム大陸の歴史を予言して、それをキルヒアが記す、という体裁で、魔法文明時代中期に書かれた歴史書です。長い全文の要所を刻んだ石碑と、黄金の薄板に記した文章から、魔動機文明時代の研究者が文面を再現しています。

 
・ドラゴン碑文(魔法文明語)

 種族語で文字を持たないドラゴンが自分の記憶に頼らず文字を岩に刻み込む際には、魔法文明語を用います。ドラゴンが自分以外と情報を共有しようとする事は大きな事件……とは限らず、日常のちょっとした事を気紛れに記しているだけの場合もあります。

 
・鮮血海碑文(リザードマン語)

 鮮血海に栄えたリザードマンの諸国が、自分達の歴史や崇めていたドラゴンなどについて、波打際の岩に記した記録です。リザードマンの国を滅ぼした原因は、これらの碑文からは一切読み取れず、現在生きているリザードマンも知らないようです。

 
・魔法王碑文(魔法文明語)

 魔法文明時代の魔法王達が刻み込んだ碑文で、「自分の偉業をたたえる」「魔法の奥義」「後世への警告」の概ね3つに分類されます。無数の実験により“奈落”をはじめとする危険なものが大量に残されたアルフレイム大陸では、警告を見過ごして町や村が滅びる危険は常につきまといます。

 
・ルーンフォークにおける使命の論争(魔動機文明語)

 ルーンフォークに人権を認めるか、他の人族のような自由を認めるかについての論争をまとめた研究書です。「人権は認めるが、目的に従って生み出されるので職を選ぶ自由は基本的にない」というのが当時の主な見解でした。

 
・大王の御筆石碑群(ウルシラ地方語、魔法文明語)

 エユトルゴが大陸南東部へ勢力を広げた時代に建てられた石碑群です。魔法文明語を併用しているのは、魔動機文明が浸透するのが遅れた地方であったためです。


・新聞

 アルフレイム大陸では、魔動機文明時代の技術を保持しているドーデン地方の国や大都市で週刊〜月刊で、それ以外の地方の大国の首都クラスの都市で月刊〜季刊で発行されています。新聞で使用されている言語は、おもに交易共通語ですが、人間の地方語や数の多い種族の言語を併用している新聞もあります。交易共通語の記事は当たり障りのない、どちらかと言えば外向けの内容で、地方語や種族語では突っ込んだきわどい記事が多くなる傾向があります(英字新聞と現地語新聞の違いを想定すれば近いでしょう)。

 
・キングスフォール・ウィークリー(交易共通語、ドーデン地方語)

 キングスフォールで発行されている新聞で、〈大破局〉でいったん途絶えた各新聞社の生き残りが寄り集まったものです。週刊紙で8ページ〜12ページほどの分量で、キングスレイ鉄鋼共和国やキングスフォール市の政治や経済ニュースから、テラスティア大陸の現状を伝える紀行ものまで、様々な記事が載っています。

 
・キングスフォール・グローリー(ドーデン地方語)

 キングスフォールで発行されている新聞ですが、売り上げ目的のゴシップ追及や捏造記事が大半を占めており、日付以外の事実を流すとは誰も思っていません。真実の報道をアピールしていますが、本当に怖い相手には喧嘩を売らない保身的態度が目につき、大半の市民から無視されています。

 
・キングスフォール・アーティフィシャル(交易共通語)

 キングスフォールの業界専門情報の総合紙です。各業界の専門的な話題が集まっています。

 
・キングスフォール・ディケード(ドーデン地方語、ドワーフ語、エルフ語、リカント語、魔動機文明語)

 キングスフォールで10日ごとに出る旬刊の新聞で、地方語や種族語の記事に重点を置いています。ドーデン地方語版とドワーフ語版が毎回出るほか、エルフ語、リカント語、魔動機文明語版が3回ごとに出ます。

 
・ヒスドゥール・オリファント(交易共通語、ドーデン地方語、ドワーフ語)

 ヒスダリアで発行されている新聞です。鉱山関係のニュースに詳しく、キングスフォールでも紙面データを列車で送って印刷しています。

 
・グランティン・グローブ(交易共通語、ドーデン地方語)

 グランティンで発行されている新聞です。地元だけでなくアルショニア関係のニュースにも強いです。

 
・アルフレイム・ラヂオ・ニュース(交易共通語)

 グランティンに本社を置き、魔動機術の無線通信でアルフレイム大陸各地の支社とやり取りをしたニュースを、支社ごとに週刊で発行しています。全部印刷するとページ量が膨大になるため、【マナカメラ】でページを提供するサービスも行っています。大規模なニュースだけがやり取りされるため、細かい情報を調べるには向いていません。顧客もほとんどが政府機関や商社、ギルドなどです。

 
・大草原月報(交易共通語、ドーデン地方語)

 マグノア王都で発行されている新聞です。農業や牧畜に関する記事が多くなっています。遊牧民が冬営地に定住している冬にはページが増えます。

 
・トクニ隔月報(ドーデン地方語)

 蛮族に襲撃を受けて滅亡したトクニ村で出されていた新聞というのか広報というのか微妙なものです。ほぼ町内のお知らせや事件と農業のお得情報で構成されて、原稿を最寄りの街の印刷所に持って行って印刷していました。隔月刊や季刊、半年刊などで似たような印刷物を出している村は、ドーデン地方だと割とあります。

 
・灰色の盾新聞(交易共通語、ドーデン地方語、ドワーフ語)

 ゴケルブルグで発行されている新聞です。大陸東部へ定期的に記者を派遣しており、ランドール地方についてのニュースも充実しています。

 
・オルフィード・ハイタワー(交易共通語、ドーデン地方語、エルフ語、ドワーフ語)

 オルフィードで発行されている新聞です。滞在している貴族や豪商のちょっとした情報を得るには最適です。

 
・フレズポスト(交易共通語、ドーデン地方語、エルフ語、リカント語)

 フレジアで発行されている新聞です。印刷が魔動機ではなく活字製版で行われている、ドーデン地方では珍しい新聞です。

 
・アルショニ・デリバリー(交易共通語、ドーデン地方語)

 アルショニアで発行されている新聞です。海外の事件で「だから男性支配社会はおかしい」にしか行き着かない論調は外国人に呆れられていますが、国内の記事では普通に問題提起や解決の模索を試みています。

 
・クラウン・クロニクル(交易共通語、ドーデン地方語)

 アルショニアで発行されている新聞ですが、王室や政府関係の個人や組織にしか売られていません。一つ一つの記事に対する分析や論評がやたらと長く、王室の情報部が出版に噛んでいるのではないかと言われています。

 
・ヴェイルボーグ・ヴェンチャラー(交易共通語、コルガナ地方語、ドワーフ語)

 コルガナ地方の“奈落の壁”沿いのヴェイルボーグで発行されている新聞です。魔神や“奈落の魔域”対策の記事が充実しています。

 
・冒険者月報(交易共通語)

 冒険者ギルド本部が出している月刊の新聞です。内容は支部の店主や上位の冒険者、あるいは冒険者への依頼主向けで、駆け出しは自分で購読する事はあまりありません。たいていの支部では、掲示板の目立つ所に張るために2部ずつ(おもて面と裏面)購読しています。

 
・セイルボート・リサーチ(交易共通語、ブルライト地方語、リカント語)

 ハーヴェスで出されている月刊の新聞です。内容は航海に関するものも多いですが、国内のニュースを専門に出している新聞がないハーヴェスでは、新聞を買う狭い階層(役人や交易商人など)にも読まれています。

 
・ニュースベンダー・ペーパーズ(ブルライト地方語)

 街頭の新聞売りが売り歩いている一枚ものの印刷物が、大半のハーヴェス市民における「新聞」です。多数の発行元が、不定期に、時には未許可で出している、内容的にもあまり信用を置けない、要は江戸時代の瓦版のようなものです。

 
・カルディア・ガゼット(交易共通語、魔法文明語)

 ユーシズ魔導公国の魔術師ギルドが発行する、魔術師向けの月刊新聞です。情報の流布に興味を持つ若い世代、あるいは変わり者が取材や編集に関わっているせいか、魔術師が関わっているとは思えないほど内容が軽く、日常生活の便利情報や連載漫画まで載っています。たまに凶悪な呪いや危険な秘薬の情報が堂々と載っているため、国外での販売は何度も検討されましたが実現を見ていません。

 
・ラージャハ・ウォークライ(交易共通語)

 ラージャハ帝国の官報を兼ねている月刊の新聞です。出資元がラージャハ政府のため、政府の意向に則った報道をしがちであると、特に政権から遠い派閥や外国人からは見なされています。ただし多数の部署とコネクションを持つうちの、どこの意向を踏まえているのかは……。

 
・マカジャハッタン・パブリケーション(交易共通語、ブルライト地方語)

 マカジャハットで出されている月刊の新聞であり、アートです。絵入りで紹介される多数のニュースが、紙面で人気を競います。派手なニュースがどうしても支持を集めがちですが、画力と訴求力次第で覆す事もできます。模倣した壁新聞も多数あります。

 
・ハルーラ・レポート(交易共通語、ランドール地方語)

 ハルシカで発行されている週刊紙で、ランドール地方のニュース――大半が武力抗争――を中心に扱っています。強力な冒険者を特派員として派遣して、現場でニュースを取材する能力は、アルフレイムでも類を見ません。というかそんなのあまり見たくない。

 
・ウルシラ・ムーンウォーカー(交易共通語、ウルシラ地方語、エルフ語)

 ハールーンで発行されている週刊紙で、ウルシラ地方のニュースを手広く扱っています。ページは少ないものの、謎の情報網で速やかに届けられる危険情報の信頼性が高く、西方から踏み込む冒険者が目を通す事を強く勧められています。

 
・ルセアン・スピーク(交易共通語、ウルシラ地方語)

 ルセア王国から亡命した新聞社が合同して発行している月刊紙です。スフバールのニュースを中心に扱っているため、ウルシラ地方の他国の情報はほぼ入って来ません。ザムサスカ地方奪回のキャンペーンをしばしば打ちますが、300年かけても成果が出ていないためだれがちです。


・雑誌

 アルフレイム大陸にある雑誌の大半は、魔動機文明時代からドーデン地方で発行されていた雑誌です。〈大破局〉の痛手から復興しても、雑誌の復活までこぎつけるのは難しく、ドーデン以外の地方ではドーデンから雑誌を列車で取り寄せるのが、雑誌を読んでいる限られた層では一般的です。

 
・マギテックライフ(交易共通語、魔動機文明語)

 魔動機、特に生活で使用するものを中心にした季刊誌です。ドーデン地方のマギテック協会が発行して、鉄道網で輸送されてアルフレイム大陸西方の各地方で売られています。

 
・ライダーズ・ホースシュー(交易共通語)

 騎獣をテーマにした季刊誌です。生物系の騎獣を前半パートで、魔動機の騎獣を後半パートで扱っており、どちら派(あるいはどっちも派)でも楽しく読む事ができます。内容は実用系半分、愛好系半分です。

 
・ザ・ストライダー(交易共通語、エルフ語、リカント語)

 レンジャー向けの記事を扱った季刊誌です。野外活動の秘訣から、自然で調合される秘薬まで載っています。

 
・ドーデン鉄道マニアックス(交易共通語)

 魔動機文明時代の後期、鉄道が普及し始めた時期から刊行されている季刊の鉄道雑誌です。魔動機文明時代は趣味人向けの娯楽雑誌でしたが、〈大破局〉からの復興後は専門家向けの技術記事も載せています。

 
・エクスプローラーグラフ(交易共通語)

 旅や冒険に関する話題をまとめた季刊誌です。魔航船や浮遊岩群など、空に関わる話題に強いです。

 
・クロックワーク・クローヴァー(交易共通語)

 機械仕掛けについて扱った季刊誌です。魔動機のモーターを組み込んだ動く機械が流行っています。

 
・ケミストリー・クォータリー(魔動機文明語)

 錬金術の季刊誌です。ドーデン地方とウルシラ地方で同名の雑誌が出ており、号数も魔動機文明時代から通しで振っているため、混乱しやすいです。


・単行本

 アルフレイム大陸の単行本は、大半が魔動機による印刷ですが、それ以外の活字、木版、石版などによる印刷もあります。需要の少ない内容の本の場合、写本でしか出回っていないものもあります。
 魔動機術【マナカメラ】【ホログラフィ】により記録された情報や、映像記録アイテムによる映像も、いくらかは現代に伝わっています。

 
・二大陸大戦(魔動機文明語)

 魔動機文明時代後期に書かれた娯楽読み物で、魔動機文明の黎明期を舞台にして、アルフレイム大陸とテラスティア大陸を代表する戦士達が、あらゆる戦闘技術、魔法、謀略を駆使して勝負を繰り返す話です。人族、蛮族、幻獣、妖精などから現れる戦士達のキャラクターの濃密さと手に汗握る戦闘、そして背後での暗闘が人気を呼び、現在でも新たに印刷されて読み継がれています。

 
・異界の国の魔術師(魔動機文明語)

 魔動機文明時代後期に書かれた娯楽読み物で(この平和な時代は娯楽においても全盛期でした)、ラクシアと全く異なる異世界から魔術師の王国が攻め込んでくる話です。異世界の詳細な設定や、独自の魔術や神々など、こちらも濃密な描写が人気を博し、これを基にしたゲームも作られました。

 
・魔法戦士稼業(コルガナ地方語、交易共通語)

 〈大破局〉からの復興後に書かれた体験談風の読み物で、魔法戦士が冒険者としてアルフレイムの各地を転々としながら成長していく話です。どこまで実体験でどこまで創作なのかは、読者の間で意見が分かれています。

 
・ザ・サプライザー(魔動機文明語など)

 驚かす、不意打ちする、そんなテーマばかりを扱った短編アンソロジー集です。魔動機文明時代の前期からアルフレイム各地で伝えられた民話をもとに、後期には伝承創作あわせて大量の作品が作られて、映像やゲームにもなりました。〈大破局〉後も希少な娯楽として、ドーデン地方を中心に、既刊の復刻や新作の執筆がされています。

 
・マギアマキア(魔動機文明語)

 魔法の呪文を擬人化したキャラクターが登場するシリーズで、戦闘ものから日常ものまで幅広い派生作品があります。呪文を擬人化するという発想は、魔法への畏怖や恐怖感が薄らいだ魔動機文明時代中期に発想が遡り、こうした話も魔動機文明時代後期に執筆されています。作者はナイトメアで、実際に各種の魔法に通じていたといわれています。作者が〈大破局〉で行方不明になりましたが、当時に執筆していた幻の最終回があるとも、今も生きていて続編を書き溜めているともいいます。

 
・彼女にしたかったのにご先祖様だった件(ドーデン地方語)

 魔動機文明時代後期の小説です。若者が目にした美人のナイトメアに声を掛けますが、しかしそのナイトメア、実は若者の先祖で、気楽な独り暮らしは口やかましいおばあちゃん(見た目は若い)との同居になり、周りからは「あんな美人と同棲かよ」と叩かれる始末。

 
・夢の中のお姫様(ドーデン地方語)

 魔動機文明時代後期の小説です。魔法文明時代、平民の妖精使いの少女は、夢の中が他の女の子の夢と繋がっていた事に気付きます。しばらくは夢の中での邂逅を楽しむ二人ですが、お互いの課題に夢の中で共闘するようになり、やがて国に潜む野望に気付いて……。

 
・科学世界的日常(魔動機文明語)

 魔動機文明時代後期の小説で、「魔法が存在しない世界」で技術が発達したという設定の、一種の「ファンタジー」です。現実世界から見ると、スチームパンクにバイオテクノロジーを混在させた、一種異様な世界になっています。

 
・鮮血海軍記(ランドール地方語)

 魔法文明時代後期に書かれた軍記物語で、魔法文明時代中期にランドール地方へ入植した魔法王達と先住民の抗争を軸にしながら、魔法王同士の対立へと話を進めていきます。当時の記録が断片的にしか残されていない中、どこまでを史実ととれるかで、魔動機文明時代からしばしば論争になっています。

 
・ニンジャ殺戮記(魔動機文明語)

 アルフレイムではない別の大陸で、ニンジャが出て殺す小説です。魔動機文明時代後期のアル・メナス・ネットワークで連載された小説で、一部エピソードが抜粋されて書籍化されています。熱心な愛読者は、書籍化されていないエピソードを求めて、ネットワークの記憶媒体を発掘しています。

 
・最新!テラスティア料理(交易共通語)

 テラスティア大陸から渡航してきた冒険者から聞き取ったメニューを再現したり、料理人の技を持つ冒険者に実際に作ってもらったりした料理の本です。二番目に短いのは「ハーヴェス港着岸前日のメニュー」、一番短いのはリルドラケン料理の「小鳥の丸かじり」です。

 
・星の上より海の底まで(魔動機文明語)

 魔動機文明後期の小説で、二人の主人公がそれぞれ天上と海底を目指す話です。片方は魔航船事故で死に、もう片方は氷洋で行方不明になりますが、それぞれの子供が宇宙飛行と海溝探索に成功します。ちなみに魔動機文明末期でも20世紀初頭レベルだとすると、どちらにも手は届きそうにありませんが、一部分野が突出的に進歩していたとすると、史実での達成もワンチャンあるでしょうか。

 
・わかりやすい簡易水道の整備(交易共通語など)

 水源の確保から水の誘導、使用済みの汚水の処理についてまで、わかりやすくまとめている本です。前哨地(アウトポスト)や開拓村に水道を作るために重宝されています。

 
・寝物語の里(魔法文明語など)

 魔法文明時代の宿場の集落で、様々な地方や種族の話を書き留めた本です。魔動機文明時代から現在に至るまで、様々な創作の元ネタにもなっているため、思いがけない所で話題が出てくるかもしれません。原書が残されていないため、『寝物語の里』後世の創作説は魔動機文明時代からありましたが、記述が魔動機文明時代の状態とは全く異なるところが多いのと、ごく近年に写本の系統が魔法文明時代後期まで遡れるようになったため、魔法文明時代当時の著作と見られるのが確実になっています。

 
・共和思想大百科(魔動機文明語)

 魔動機文明時代の共和制国家を支えた思想家達の人物や理論や著作などをまとめた百科事典です。共和制の国では体制を支持するイデオロギーとして出版が歓迎されましたが、露骨な反君主的内容が君主制の国との亀裂を広げた例も多く、編集者を処刑したダーレスブルグ王国と処刑を非難したアウリカーナ共和国の衝突は、テラスティアとレーゼルドーンの両大陸に危機を呼び込みました。〈大破局〉で生き延びたのは君主制の国が多く、新しくできた国も指導者が権力を振るいやすい君主制か、名目は共和制でも独裁に近い制度かが主流で、選挙が機能できるような共和制の国でもイデオロギー主張をしている余裕はありません。魔動機文明時代の遺跡では、重い思いをして持ち帰っても二束三文でしか売れないため、いい焚きつけの材料になります。

 
・欺く死体(交易共通語、ブルライト地方語)

 数十年前に出た推理小説で、魔動機文明時代のとある街で、レッサーオーガが人族の心臓を食らいなり替わるという話です。複数のレッサーオーガが登場し、長期間の潜伏のために殺人を避ける個体と短期間の成果のために殺人をためらわない個体の暗闘、食らった心臓により自我を引きずられる恐怖の描写、安易に真語魔法に頼れないため練られる推理トリックが、「レッサーオーガもの」とされるジャンルを生み出しました。

 
・ダムナティオ・メモリアエ(交易共通語)

 魔動機文明時代に記された「もはや蛮族は脅威ではない」「蛮族は絶滅した」と主張した学者や政治家、運動家達による著作や演説を、〈大破局〉の数十年後にまとめた本です。発言者達(ほとんどが当時の業界の権威)の子孫や弟子が著者を名誉毀損で告発しようとしましたが、長命な種族の生き残りを主とした弁護団や裁判官達にぼろくそ言われて、本人達が(きっと起こされるであろう私刑から免れるために)記録から抹消されて国外へ亡命する事で和解が成立しました。この事件も〈ダムナティオ・メモリアエ(記録抹消)事件〉と呼ばれ、アルフレイム大陸の法曹界では有名です。

 
・三度辱められし者達の哀歌(ドワーフ語)

 〈ダムナティオ・メモリアエ事件〉の当事者の孫だったという学者が、遺作として残した書物です。「生前には言動で恥を受け、死後には庇い立てする子孫から再び恥を受け、そして私の書いた文で三度恥を受けるだろう」という謎めいた言葉を残しています。

 
・薬師の教本(魔動機文明語など)

 魔動機文明時代中期のレンジャーがラクシア全土の技術を集大成した、薬品の製造と使用に関する教本です。中にはアルフレイム大陸では材料が入手できない物もあるため、現在のアルフレイム大陸のレンジャーがそのまま勉強するには適していませんが、見慣れない薬物をあたろうとすると参考にする事もあるでしょう。

 
・探検家(エクスプローラー)帰還せず(魔動機文明語)

 魔動機文明時代後期の冒険小説で、のちにシリーズ化されました。魔動機文明時代中期を舞台に、魔動機師で騎獣使いの探検家が、魔法文明時代の遺跡や蛮族の拠点で、大アクションを繰り広げます。野営や探索の描写も詳しく、「冒険者を志す魔動機師のバイブル」とも呼ばれます。

 
・大規模冶金の初級(魔動機文明語、ドワーフ語)

 おもに魔動機による大施設を用いた、鋼やマナタイトの冶金についての本です。原著者がドワーフのため、熱に対する安全の確保があまり考えられておらず、他の種族がそのまま使うと作業中の事故を起こす恐れがあるため、魔動機文明語版の第2版では修正を受けています。

 
・ネイチャーガイドブック(グラスランナー語、交易共通語)

 野外におけるグラスランナーの知識の本です。ページ数を抑えて、実際に自然の中で使えるようになっています。

 
・アーバン・エルフの事情(魔動機文明語、エルフ語)

 魔動機文明時代中期の都会に暮らすエルフのカルチャーギャップを描いた小説です。作者は実際に複数のエルフから取材しており、エルフに対する神秘的なイメージや野蛮だという偏見が先行していた当時の社会に一石を投じたといわれています。

 
・リカント文字デザインブック(リカント語、交易共通語)

 リカント文字を日常のデザインに活かす事をコンセプトにした本で、内容の大半は編み物です。題材が率直過ぎて、手本そのままだと「かばん」と書いたかばんや「セーター」と書いたセーターができてしまうでしょう。

 
・ドラコライブラリー(魔動機文明語、交易共通語)

 魔動機文明時代後期にドーデン地方の出版社が始めた、文庫本に相当するものです。〈大破局〉で出版は途絶えますが、出版社跡を発掘した冒険者パーティの手によりよみがえり、古いデータからの再版や交易共通語での新規出版を行っています。

 
・意外! 身近な毒物たち(交易共通語)

 身近な毒草、毒キノコ、毒をもつ動物や鉱物を解説するだけでなく、種族による毒性の差にも言及している珍しい本です。毒物の地域名や種族名についての情報も豊富です。

 
・勇者対聖戦士 II 不死殺し(アンデッドスレイヤー)(ブルライト地方語)

 ハーヴェスで有名な作家の新作フィクションです。ちょっと未来のラファリア群島で、二つの対立する勢力の抗争に巻き込まれて戦う、ティダンの勇者とライフォスの聖戦士の話です。聖戦士の仲間の不死殺しがヴァンパイアの城を攻略するやり方が「畜生かっこいい」と評判になりました。

 
・はじめての武装蜂起(魔動機文明語、ランドール地方語)

 魔動機文明時代に「冗談と歴史研究の一環として」書かれた、武装蜂起の人手や資金集めから拠点を確保する戦略までを要領よくまとめた本です。ランドール地方では翻訳版が大ヒットして、乱立する小勢力の指導者の参考書的存在となっています。

 
・星明かりの君へ(エルフ語)

 エルフ語の詩集で、都市に住むアーバン・エルフや冒険者のエルフを中心に作られています。ハールーンのエルフが設立した出版社で編集されており、1年ごとに新しい版が出ます。とはいっても時間感覚がゆるいエルフ達のため、早かったり遅かったりするのはいつもの事です。

 
・はたらく魔動機(魔動機文明語、ドーデン地方語、ドワーフ語)

 魔動機文明時代の作業用魔動機が動いている様子を記録した映像です。後期でもやや早めの時期の魔動機の記録のため、復元の目標に程よい対象が多く、研究の参考映像として使われています。記録アイテムの音声切り替え機能により、声の言語を選択できます。

 
・史伝エクスタシア(交易共通語)

 「快楽ヒストリエ」ですラクシアの歴史の裏には「快楽の追求」があった、という体裁の成人向け漫画です。ライフォス×ティダンはもちろんありますし、攻め専だったデュランディルは弟子全員からの総受けの快楽に果てたのが死因となっています。

 
・ブラッド・ストーリー(魔法文明語、魔動機文明語、交易共通語)

 魔法文明時代から続く一つの一族を舞台にした、断片的なストーリーです。章ごとに、舞台となる時代の共通語で記している凝りようですが、読み通すのが大変なため、売れ行きはいまいちでした。

 
・魔晶石と鋼(ドワーフ語、ドーデン地方語、魔動機文明語)

 “鉄道神王”ストラスフォードの一生と、取り巻く人々の栄枯盛衰を、伝記風の小説にしたものです。魔動機文明時代には人気が出た小説であり、世間に流布しているストラスフォードのエピソードには、史実ではなくこちらで創作された話も大量に紛れ込んでいます。

 
・魔動機文明1700年記念博覧会図録(魔動機文明語)

 魔動機文明時代末期の博覧会に出品された、魔動機の発達を初期からたどれる図録です。

 
・料理対決! ドワーフ・コボルド・リルドラケン(交易共通語)

 ドワーフの揚げ物、コボルドの煮込み料理、リルドラケンの刺身などをまとめて紹介する料理本です。おまけに人間のハーブやスパイスを活かした料理、エルフの海鮮料理、タビットの野菜料理、リカントの野趣あふれる料理も載っています。

 
・鉄鋼総裁VSノスフェラトゥ(ドーデン地方語、ドワーフ語)

 リンカーンが斧で吸血鬼と戦う映画を思い浮かべればだいたい合ってます。

 
・はじめて学ぶ! 魔法文明語(魔動機文明語)

 魔動機文明時代の、魔法文明語を学ぶためのテキストのシリーズです。現在ではルーンフォークやレプラカーンでない限り用はない代物かと思いきや、学習用のストーリーやシチュエーションも興味深いものがあります。

 
・魔動巨兵画集(魔動機文明語、ドーデン地方語、ドワーフ語)

 魔動機文明時代の、現役で動いていた魔動巨兵の画集です。擱座した現状と形が違うものがいくつか存在しており、作者の創作が混入しているものと思われます。

 
・アルフレイムの四季―浮遊岩群―(交易共通語、エルフ語)

 エルフの冒険者兼画家が描いた浮遊岩群の画集です。彩色ページが多いためかなり高価です。

 
・アル・メナス・イージーリスニングアルバム(魔動機文明語)

 アル・メナス・ネットワークで配布されていた音楽の録音版です。魔動機文明時代は珍しかったエルフ語の歌や、アルフレイム大陸ならではのリカント語の歌、外部の大陸の人間の地方語の歌など、興味深いものがたくさんあります。

 
・デュランディルに学んではいけない人材育成法(魔動機文明語)

 パワーハラスメントとドメスティックバイオレンスで有名な魔法王を題材にした、人材育成についての「やってはいけない」集です。人文系知識が比較的軽視された魔動機文明時代には、「〜〜に役立つ歴史」と銘打った、歴史を自分に都合よく解釈する系の本が流行した時期があり、そういった風潮に対する批判でもあります。

 
・羚羊の皮の海図(エルフ語)

 魔法文明時代に“高貴なエルフ”の航海士が作った混沌海の海図で、整形していない羚羊の皮に記されています。皮のスペースを無駄にしないように詰め込んで書かれているため、非常に読み取りにくくなっています。当時はケルディオン大陸がアルフレイム大陸と地続きでしたので、現在では地形や海流などが完全に異なり、そのまま使うのは無理です。

 
・旅行者用ゲームセット(魔動機文明語)

 小さなトランクのような箱に、カード、駒、チップ、サイコロ、ルールブックを詰めています。開くと箱の中はゲームボードになります。あくまでも「書籍」扱いとなるのは、国や地域によって「物品税は遊戯具には課税されるが、本には課税されない」「カードにはカルタ税が課税されるため、本を本体にする」などの理由があります。

 
・ステーションズ・アンド・ホイールズ(魔動機文明語)

 魔動列車、魔動車、魔動バイクが普及した世界を舞台として、キャラクターを作って遊ぶゲームです。略称は「SW」。

 
・コルガナの保存食(コルガナ地方語、交易共通語)

 コルガナ地方の保存食――ジャム、ピクルス、燻製肉、鱈の干物、脂身の塩漬け、アザラシに詰めた発酵ウミスズメなど――とその料理法をまとめた本です。“壁の守人”をはじめとする伝統食と、冒険者ギルドの影響で流入したエキゾチックな食品が同居しています。

 
・猿の頁(交易共通語)

 猿を主題とした動物小説と見せながら、話は遺跡からサルベージされた謎の遺物をめぐるサスペンスに移行します。

 
・機械仕掛けのティルグリス(コルガナ地方語)

 半身が魔動機と化したティルグリスと、それを駆る謎のティエンスの冒険小説です。

 
・ブレード・アーティフィス!(ブルライト地方語、交易共通語)

 マカジャハットをモチーフにした架空の国で、冒険を繰り広げるエルフとリカントの話です。

 
・マカジャハット染色材料集(交易共通語)

 マカジャハットで作られた染料の材料と製法をまとめました。最近の改版で、テラスティア大陸特有の染料についても扱っています。

 
・パラグラフ・ノヴェル(魔動機文明語、交易共通語)

 内容が多数の節に分かれて、節ごとの末尾の指示に従って、節をあちこち回りながら読み進める読み物です。作品によっては、サイコロで判定を行い、結果によって行先が異なる展開もあります。魔動機文明時代に書かれたものは、魔法文明時代ものと現代(「現代」でいう魔動機文明)ものが大半を占めていました。

 
・操霊術師サルヴァドールの探索(魔動機文明語)

 魔動機文明時代の操霊術師を主役にした小説です。魔法は補助やゴーレム作成に使い、戦闘ではウォーハンマーの魔剣で敵を薙ぎ払う戦い方には、モデルがいたという説もあります。
※「オーフェン」のプルートーをイメージ。サモアペットも混入しそう。

 
・護身の書(魔法文明語)

 表紙を金属で補強した本で、この本を使った武器術のようなものを記しています。魔法文明時代の失われた魔法系統で使われていた魔法の品を模しているといいますが、重要そうな場所は口伝になっており、本の内容だけでは武器術の復活には不十分なようです。
※『エイジ・オブ・グリモワール』読もう。

 
・アルフレイム図書館の旅(魔動機文明語)

 魔動機文明時代後期の図書館を訪れたレポート集です。この内容を基にして、ドーデン地方では大量の図書が遺跡からサルベージされました。

 
・マナの気象(交易共通語)

 アルフレイムでよく発生する、魔晶石やマナタイトなどが影響した気象を、カラー図版でまとめた本です。

 
・クロック女王伝記(魔法文明語、魔動機文明語、交易共通語)

 魔法文明時代の前期に“時計の城”を治めていたナイトメアの女王の伝説集です。“時計の城”がどこにあったか、女王が帯びていた長剣と短剣の魔剣、そして“運命の歯車”がどうなったかは知られておらず、「そもそも架空の存在」説が魔動機文明時代には有力でしたが、少数意見として「城は移動できた」「異世界に逃れた」説も出ています。

 
・華之姉妹(ドーデン地方語、交易共通語)

 長命種メリアの姉妹の一生と、要所要所を彩る短命種メリアの女性達の話です。

 
・おはなし原酒(ドワーフ語、魔動機文明語)

 魔動機文明時代のドワーフによる随筆集です。話題の中心は蒸留酒で、酒が苦手だと読んでいるだけで酔ってくるとの評判でした。

 
・インセイン・アーメット(魔動機文明語、交易共通語)

 魔動機文明時代前期の都市を舞台にして、アーメット(顔面を覆った兜)を身に付けた狂人を主人公にした物語のシリーズです。話により主人公の設定が違っていたり、どこかで聞いたような物語が混ざっていたり、アル・メナス・ネットワークで集団幻覚を発生させたりと、不思議な話が伝わっています。
※白状します。架空の時代劇「発狂頭巾」に影響を受けました。

 
・ルセア王国英雄伝(ザムサスカ地方語)

 魔動機文明時代に存在したルセア王国の英雄の伝記です。スフバールの貴族や騎士には基本知識とされていますが、ザムサスカ地方語を解さない者は発音だけを暗記しています。

 
・“虎頭”のキープ(リカント語)

 魔法文明時代に植民者に抵抗したリカントの戦闘酋長(アルフレイムの先住文化における戦闘リーダー。政治的地位ではない)の伝説をまとめた組み紐文字です。この組み紐文字を公然と飾る事は、特に異種族に対して距離を置こうとするメッセージとして取られがちです。

 
・セブレイ民謡集(ウルシラ地方語)

 セブレイの、おもに人間が伝えた民謡を集めたものです。メリアの民謡は妖精語で文字がないため、音をウルシラ地方語に転写して、意訳したものを添えています。

 
・メリアのうたごえ(妖精語)

 メリアが妖精語で歌う歌を記録した魔法媒体です。特に魔法の効果とかはありません。

 
・森の奥から見たアルフレイム年代記(エルフ語、交易共通語)

 エルフ社会からの視点による、魔動機文明時代の年代記です。人間社会との関係が薄れていた魔動機文明時代のエルフの活動を知るための基本的な本です。ただし扱う範囲が広すぎて記述が散漫になる難点もあり、より詳しい本の出版が期待されています。

 
・呪式弾の戦士(ブルライト地方語、魔動機文明語)

 操霊魔法を弾丸に込めて撃つ銃使いと、相棒の斥候を主役にした小説です。あくまでも架空の世界を舞台にしたフィクションですが、影響を受けた操霊術師が似たような武器を開発したという噂もあります。まあ噂が真実ならシナリオのネタにはなるでしょう(ぶっちゃけるな)。

 
・籠城通信(魔動機文明語)

 〈大破局〉で孤立した城塞都市が、100年後にキングスレイとの連絡を取り戻すまでの記録をまとめたものです。蛮族による包囲、度重なる襲撃、住民による暴動、部隊の反乱、飢餓と疫病、組織の崩壊、技術の途絶、開拓と失敗、人口の減少といった衰退の歴史が記録されていました。当初は毎日あった記録も、衰退とともに間隔が開き、最後の20年ほどはほとんど記録がありません。

 
・グロッソ港魚図鑑(エルフ語、交易共通語)

 グロッソ港で魚の取引を管理していたエルフがまとめた、食用魚の図鑑です。魚以外のイルカや鯨、蛸、イカ、貝、ウニ、ナマコなども彩色画で載っています。

 
・穢れ執行官(ブルライト地方語)

 一度蘇生され“穢れ”を受けた執行官が、ハーヴェスで汚職を働く役人達を、魔動機船で襲撃して、トライデントなどの豪快な手段で討ち取っていきます。長期シリーズになったため、主人公に殺された役人の数が100人を超え、作内でも問題になりました。
※時代劇「破れ奉行」っぽく。こっちは実在するよ!

 
・ノームとオークとブギーマン(ウルシラ地方語)

 架空の種族であるノーム(レプラカーンとドワーフを足したような地底の種族。土の妖精とは関係ない)、オーク(でっぷり太り大きな顎をした妖魔。操霊術師が木で作るゴーレムとは関係ない)、ブギーマン(夜に子供をさらう怪物)が出てくる童話のシリーズです。この3つの架空の種族は、魔動機文明時代から創作で使われています。

 
・みつりんでうまれたようせい(エルフ語、魔動機文明語)

 魔法文明時代のエルフが妖精の知識を得るために作られた「妖精尽くし」の一種から、魔動機文明時代に翻案された童話です。

 
・トリプルヘッドライオン(魔動機文明語、ドーデン地方語、ドワーフ語)

 魔動機文明時代に作られた映像で、バジリスクが改造で生み出した三つ頭のライオンが人族を襲うというホラーです。地中を泳ぐライオンや空を飛ぶライオンなど、この手のホラーは魔動機文明時代に乱造されました。マニアックな映像を集めている魔動機師の中には、高値を付けてくれる人もいるかもしれません。

 
・水と火は蒸気、風と地は電気(1) 蒸気城と電気飛空船(魔動機文明語)

 マナの衰えたラクシアで、蒸気の力と電気の力を使う勢力が競い合う空想科学小説です。ちなみにラクシアでは、蒸気ピストンや液体電池などの初歩的な技術は、魔動機文明時代の前期に試みられて概念は残っている事にしておいてもいいです(結局どうなんだ)。

 
・マホガニー魔法店(2) マグノリアの呪文書(魔動機文明語)

 魔術師見習いの少女が働く魔法の店を舞台にした小説です。世界観はラクシアとは異なるのですが、作内の魔法の体系はラクシアとだいたい同じです。引用されている呪文は実在する真語魔法の呪文で、魔動機文明時代には一部の方面から有害書籍として槍玉に上げられました。

 
・レプラカーン研究入門(交易共通語)

 テラスティア大陸で書かれた、レプラカーン種族についての研究書です。アルフレイム大陸よりもレプラカーンは厳重に隠れ潜んでいるためか、アルフレイムの常識で考えると見当違いに見えたりおかしかったりする部分も目立ちますが、誤解なのか大陸間での相違なのか判断に苦しむところもあります。

 
・キングスレイ外交文書档案(魔動機文明語ほか)

 キングスレイ鉄鋼共和国の魔動機文明時代の外交文書を近年まとめたもので、印刷すると量が多すぎるため、記憶媒体でも出回っています。〈大破局〉で滅びた国について知る事のできる資料としても重宝されています。なお、〈大破局〉当時の文書は、終結後の鉄鋼総裁によって一括封印が命じられており、封印の解除には議会の2/3を超える賛同が必要です。

 
・ドゥーム類魔動兵器の輸入禁止決定に付属する資料(魔動機文明語)

 テラスティア大陸で魔動兵器として使われていたドゥームおよびその派生種について、アルフレイム大陸の諸国でとらえた問題点と、巻き込み攻撃を防ぐための対処法について書かれています。


・蛮族と書物

 一般的に蛮族は、他者との間に情報を広めようという意欲に乏しいため、人族のようには書物を作ったりしません。ドレイクが一族の間で必要な情報を伝授する、あるいはバジリスクが趣味で執筆するのが、蛮族で一般的な書物です。もちろん印刷技術はなく、すべて手書きです。

 
・バルバロス指令書文例集(ドレイク語)

 あるドレイクの一族が若者を養成するために記した、蛮族への指令書の文例集です。妖魔への簡単な命令から、他の上位蛮族への慇懃な依頼まで、様々な例を挙げています。ドレイクは家系ごとに様々な流儀が異なるため、文例集だけでは完璧に指令書を偽造する事はできず、特定の家系の指令書を偽造するには、サンプルをいくつか入手する必要があります。

 
・紋章官秘伝の書(ドレイク語)

 ドレイクの指揮官が子弟のために書き残した、蛮族や人族の紋章や旗印についての覚え書きの紙の山です(筆者は、ドレイクにしては珍しく整理が苦手だったようです)。魔動機の製造元のマークを紋章と誤認しているなど、蛮族がどのように人族の組織を理解していたかの参考にもなります。

 
・蛮族大図鑑(バジリスク語)

 〈大破局〉で悪名を馳せながらも隠遁したバジリスクが書き記し、人族と蛮族の双方に原稿を流した本です。妖魔から上位蛮族に至るまで、生態から戦い方までを網羅したもので、あくまでも本人の観察と主観によるものとはいえ、史上初めての蛮族についての集大成的記録でもあります。

 
・人体芸術(バジリスク語)

 人族だけでなく蛮族さえも、死体を、あるいは生かしたままでオブジェにしたスケッチ集です。中には魔動機で撮影した写真もあり、収録された中のかなりの割合が想像の産物ではありえないと見られています。イグニッシャルアートの信奉者の手で小部数が印刷されて、人族の間でも闇で取引されています。

 
・血の華の四つの法(ノスフェラトゥ語)

 ノスフェラトゥ語の詩集です。異種族がイメージする残虐シーンもありますが、大半は景色や心の動きについて詠んだ普通の詩です。

 
・トロール修羅伝(巨人語)

 神紀文明時代からのトロールの戦いや戦いや戦いや戦いをまとめたものです。戦って死ぬ事ばかり考えているトロールの誰が書いたり口述したりしたのかが最大の謎です。描写は極めてリアリズムに満ちており、巨人語を理解できる人族が読むとたいてい食欲をなくします。

 
・森の大神秘(バジリスク語)

 バジリスクによる小説で、人族や蛮族が森で奇妙かつ残虐な死を遂げるありさまを、淡々とした描写で綴っています。イグニッシャルアートを文字で極めたと高い評価もされており、蛮族が資金稼ぎのために印刷して人族社会で密売する事件も出ています。

 
・血液の調理法(ノスフェラトゥ語)

 人族の血液を調理する方法について、微に入り細に入り説明している本です。……それ以上の細かい内容を聞きたいですか?

 
・バルバロスニンジャ伝(バジリスク語)

 小説の面白さに触れたバジリスクが、人族のニンジャ小説に魅せられて書き記したものです。蛮族から見た間違った人族感が、元々の間違ったニンジャ感に相互作用して、荒唐無稽さがパワーアップしています。

 
・ダーレスブルグ王国軍壊滅す(魔動機文明語)

 テラスティアとレーゼルドーンの両方に勢力を広げていたダーレスブルグ王国の遠征軍が蛮族の攻撃で壊滅している情景に、魔動機文明語の音声解説を被せているという凝った映像です。〈大破局〉初期にアル・メナス・ネットワークに流し込まれた映像は、人族の社会にパニックを広げ、崩壊を助ける一端となりました。

 
・〈大破局〉随聞伝(魔法文明語)

 “剣を持たない”ドレイクにより収集された、〈大破局〉当時の蛮族の動きについてです。ただし300年の時間の開きと、“剣を持たない”ドレイクの社会地位の低さから、聞き取れなかった範囲での出来事は無数にあったものと見られています。筆者が自筆本を持って人族の勢力圏へ亡命したため、人族側で印刷出版されています。

 
・コボルド・クッキング(交易共通語、汎用蛮族語)

 コボルドの料理人が手引きとして残した料理メモを、バジリスクがまとめて配下のコボルドに引き継がせたものです。人族の側に亡命したコボルドの手により持ち込まれていますが、人族料理や蛮族料理(つまり材料が……)は流布版から外されています。

 
・タンノズを食べてみた(ドレイク語)

 蛮族のいくらか、特にオーガは人肉食の嗜好を持ちますが、あるレッサーオーガは蛮族も食の対象として、ゴブリンからドレイクまで様々な種族を食らい、手書きの本を残してから、人族の領域に潜伏して行方をくらましました。「“穢れ”は中くらいがよく、多いと癖が強いが慣れると病みつきになる」「ドレイクは赤が一番、黒が二番目にうまい」などの言葉が知られています。

 
・魔動機の用途外利用法(アンドロスコーピオン語)

 魔動機を用途外に使うための裏技的なもの(照明用魔動機をレーザー兵器にするなど)をまとめた書き付けです。実践すると大抵魔動機が壊れるため、人族にはあまり有用ではないでしょう。

 
・イグニスの戦士の秘伝(バルカン語)

 練度を上げたバルカンの戦士に授けられる秘伝書です。「口伝」とされる部分が多いため、単独では役に立ちません。人族の領域に亡命したバルカンによると、バルカンの体型や体格を活かした技が多いため、人間などが身に付けるのは無理なようです。

 
・咎人のアヒージョ(ドレイク語)

 咎を負った罪人をアヒージョにする話だと先入観で思いがちですが、人族の感覚から見ても「ちゃんとした」小説です。罪人を油で煎って処刑するシーンもちゃんとありますが。

 
・鍛鋼之秘伝(ドワーフ語)

 ダークドワーフによる鋼鉄の鍛錬の本です。ダークドワーフはドワーフと比べて熱に弱いため、黒き炎を併用しながらの鍛造がおもな工法です。

 
・ザ・ダーク・クラフツ(魔法文明語)

 ザ・クラフト――魔法の技を使わない技術、特に冒険者技能――を悪しき手段に用いるあらゆる手管を網羅したものです。魔法文明時代の原本は現存せず、写本を重ねるうちにより多彩な内容を含むようになりました。

 
・魔神文化の記録(魔法文明語、グラスランナー語)

 ドレイクの召異術師が様々な魔神から聞き取った、魔神の文化的背景についての乱雑な記述です。後半から終盤にかけて乱雑に書き殴られたグラスランナー語の解読には、いまだに手を付けられていません。

 
・魔神の蝋管(魔神語、ほか様々)

 魔神のものらしき声が延々と吹き込まれている、蝋の管の表面に機械的に記録されている音声記録です。バーサタイルなどで魔法的に記録しなかったのは、魔神の声が魔法的作用をもたらす事を恐れたためともいいます。

 
・ゴブリンの韻踏み歌(妖魔語)

 文字を持たない妖魔が語り伝える、時には単純、時には残酷な、そして上機嫌な歌。そんなものをいちいち魔法的に記録するのは、バジリスクの遊び人に決まっています。断末魔の歌を求めて、数多の妖魔の首をねじり死に至らしめた“収奪の語り部”。


・魔動死骸区本

 魔動死骸区で機能している製紙、印刷、製本用の魔動機を使って安価に出版される粗悪本の総称です。たまに他国では圧力を受けたり危険視されたりした名著も出ますが、ほとんどは単に危険なだけ、あるいは反社会的、あるいはずさんな内容、あるいは盗作です。おもに遺跡ギルドが外国へ密輸して、法の規制が及びにくい田舎で売られています。本格的な摘発を恐れてか、第二の剣の陣営の神と奈落教関係の出版は確認されていません。

 
・獣欲〜熱きまぐわい〜(ブルライト地方語)

 魔動死骸区本をいろいろな意味で代表する本です。いかがわしい男女のシルエットを表紙にしていますが、内容は獣肉料理の作り方と食べた感想が延々と並んでいるだけです。シリーズの『獣欲〜女と鮪〜』(リカントの女性がマグロを釣って捌く)、『獣欲〜甘い喘ぎ〜』(動物の交尾オンリーの絵図)のようなタイトル詐欺が、やっつけの内容を外見でごまかして、しかもある意味それなりの内容もあるので訴えづらい、ネタで消費する、悔しいという負の連鎖を生み出しています。

 
・ウィッチドクターのお手軽薬草(ブルライト地方語)

 身近な草で作る薬草の本です。一部は薬効がありますが、大半は俗信レベルの、野伏や賢者から相手にされてない物です。「媚薬」を飲ませたのに効かなかったため、飲ませた女性が飲んだ男性を性的暴行した挙句、夜逃げ前の出版社員を皆殺しにした惨事があり、その手のいい加減な本は出版を絶たれました。

 
・うさぎのえほん(交易共通語)

 全裸のタビットのまぐわいです。異種族はセージ技能の見識判定で11以上を出せば、何が描かれているのか気付きます。

 
・クロケー脳の恐怖(ブルライト地方語)

 クロケー(クリケットに似た競技)をやると脳に悪いと主張した医師がいて失笑を浴びましたが、それとは関係なく、クロケーのシチュエーションを関係ない場面に当てはめる遊びについての本です。

 
・西の魔女を吊るせ(交易共通語)

 マカジャハットで失脚した元官僚が書いた暴露本で、基本的に根も葉もない内容です。実のところ、魔動死骸区は法規制がない代わりに法の庇護も及ばない土地のため、いくらやり放題とはいっても露骨に敵を作る出版をするのはあまり頭の良いやり方ではなく、元官僚はこの後に失踪、出版したらしい責任者は「自然死」しています。

 
・ふんばり剣溝ガイドブック(交易共通語)

 ふんばり剣溝の通路、補給地点、著名な遺跡、などなどを載せたガイドブック3種類から、無許可で情報を盗用して混ぜ合わせた海賊版です。元の本より圧倒的に安いですが、誤字や乱丁も多く、参考にして立ち入るのは危険です。

 
・秘密結社“壁の守人”のすべて(交易共通語)

 魔動機文明時代後期に書かれた暴露本を訳した本で、内容は偏見まみれです。遺跡ギルドの関係者が冒険者ギルドを貶めるために出版させたと見られており、翻訳者は魔動死骸区で白昼堂々と謎の集団に惨殺されました。魔動死骸区本の出版元は概ね経営が不安定で、手っ取り早く収入を得ようとするあまり、外部の当局とのチキンレースを始めて自滅する事故が何年かに一度は起こります。

 
・五月柱(メイポール)の暁(ブルライト地方語)

 ユーシズの出身で、数代前の魔導公を暗殺しようとした蛮族を手引きして行方不明になった魔術師にして詩人が書いた詩集です。悪質な事件の当事者が作者であるせいで、ユーシズ以外の国でも禁忌視されている作品のため、魔動死骸区で無許可出版されました。作品の出来は、まあそれなりです。

 
・私は遺失呪文(魔法文明語)

 遺失呪文を求めようとする操霊術師の……エロ本です。「遺失呪文を求めるため」と称して主人公が行うシチュエーションの豊富さは、魔術師や操霊術師の間でジョークとして流布しています。

 
・恋人のための料理本(ブルライト地方語)

 普通の料理本です。著者が自分を振って富豪に乗り換えようとした元恋人を料理した事件を起こして、ハーヴェスで発行できなくなった料理本の原稿を窃盗して出版された事を除いて。

 
・ジニアスタ闘技場写真集(魔動機文明語)

 ジニアスタ闘技場の写真を魔動機で印刷した写真集です。決闘大会のむごたらしい負傷も明晰に映し出しているため、読者を選びます。

 
・妖精神図画集(交易共通語)

 アステリアに猥褻な事をさせている図画集です。出版元は謎の集団に全員連れ去られ、魔動死骸区に通じる街道沿いに全裸で晒されていました。

 
・散乱させたヌードル(交易共通語)

 スープ入りヌードルを若い女性に掛けた絵の本です。何やら特殊な性癖絡みのようですが、食べ物を粗末に扱ってはいけません。

 
・調理器具全集(交易共通語)

 調理器具を…………全集にしたものです。猥褻本を装って高値で密売されています。

 
・魔法王肖像集(魔法文明語)

 魔法王に猥褻な事をさせている図画集です。ザークルセスシリーズはニッチな要望に応えていますが、「もっとハードな描写が欲しい」という意見もあるそうです。

 
・サプライズメイジ理論(交易共通語)

 様々な作品のシーンに魔法使いを乱入させて場を崩壊させる短編集です。魔動機文明時代後期の同名の理論とは関係ありません。

 
・ノッカーズの十二章(交易共通語)

 魔動機文明時代の推理小説の解説本に引用されている文章に、翻訳者がでたらめな継ぎ足しをしたものです。魔動機文明時代後期の以下同文。

 
・クォール(ブルライト地方語)

 ハーヴェス王国建国時代の少年達を主役にした短編集です。実用的な知識が多数出るのを売り物にしていましたが、その知識のほぼすべてはでたらめで、読者を食い物にしていました。

 
・ブルライトの偉人たち(魔動機文明語)

 ブルライト地方の魔動機文明時代の偉人の話をまとめたものですが、登場する偉人はすべて架空の人物です。

 
・イコーライズ医療事典(交易共通語)

 ブルライト地方で有名な民間医療の本です。実際には無益だったり有害だったりするため、主要諸国では発禁処分を受けており、そこの需要が魔動死骸区本に狙われています。

 
・馬鈴薯は体にいい(ブルライト地方語)

 むやみに特定の食習慣を勧める「〜〜は体にいい」シリーズの走りです。信じ込んだ読者が体を壊したりするのですが、対策のしようもなく放置されてきました。次回予告の『生豚肉は体にいい』の発行を阻止するために、ハーヴェス政府とグランゼール政府が共同で動いているという未確認情報もあります。

 
・エルフ陰謀論大研究(交易共通語)

 魔動死骸区本に多い「エルフが裏で世界を支配している」という陰謀論を研究して、陰謀論の由来と経過を詳細に記した本です。魔動死骸区で資料を収集したのと、魔動死骸区本の読者層に研究を伝えるために、この本も魔動死骸区本として出されています。

 
・コボルド陰謀論大研究(交易共通語)

 『エルフ陰謀論大研究』のパクリオマージュです。内容は基本的に著者の偏見と妄想です。

 
・これであなたも蛮族狩り生活(ブルライト地方語)

 蛮族を狩って生計を立てるためのハウツー本です。支出と収入のバランスが明らかに誇張されているうえに、小さな蛮族の群れを助長したり冒険者を妨害したりするのをおすすめしているため、蛮族(特にバジリスク)の示唆があったと、外国の官憲からは見なされています。

 
・獣欲〜動物虐待はしていません〜(ブルライト地方語)

 獣欲シリーズの最新作です。男が馬と獣姦して死亡する筋書きは、実際に起こった事件をモデルにしていると見られています。いつものネタ系を予想した読者に大きな衝撃を与えましたが、取り締まりの動きは鈍いようです。

 
・シリーコート―馬鹿宮廷―(交易共通語)

 良き妖精王(シーリー・コート)の楽しい宮廷にかこつけて、グランゼールの初代王の宮廷を茶化した戯曲の台本です。現在では通じない細かい皮肉はカットして、グランゼール以外の国の巡回劇団がレパートリーにしている事があります。


・偽書

 魔動機文明時代、特に後期に趣味的に発行された、紙の書物や記憶装置の映像で、当時によく読まれた娯楽読み物や、さらに前の時代から知られた話を基に内容を膨らませたり、派生された話を作ったりしたものを指します。要するに二次創作を中心とした同人誌や同人ソフトです。
 ちなみにWikipedia「偽書」によると、由来を偽った物が「偽書」であり、同年代の名義を偽った物が「贋作」、そして内容の正誤は問わないそうです。著者名を偽ったとみなされ内容の疑われている「偽典」、聖典に入れるか論争の上で入れられなかった「外典(がいてん)」、異教の書物が「外典(げてん)」です。これらの同j……偽書は、我々の世界では「外伝」と呼んだ方が近いかもしれません。

 
・血色の眼鏡のマリウス(魔動機文明語)

 「血色の瞳のマリウス」の現代(=魔動機文明)もののパロディ漫画で、全員が眼鏡をかけています。

 
・血色の目のマリウス(魔動機文明語)

 「血色の瞳のマリウス」の漫画で、全員が寝不足や結膜炎で目を赤くしています。アル・メナス・ネットワークでは「寝ろ」「眼科行け」との評判だったようです。

 
・風が往く 舞台裏(魔動機文明語)

 「風が往く」のストーリー漫画の本です。登場人物を俳優が演じているという設定で、舞台裏や設定解説に力が入っています。

 
・ガンドゥームファイト(魔動機文明語)

 魔動戦士ガンドゥームのミニチュアを操霊術で動かし、他の魔動機のミニチュアと戦わせた映像です。無理やり感が溢れるナレーションを楽しめると、はまる作品だという評価がされていますが……。

 
・ニンジャ・ワールド1.25(魔動機文明語)

 駒による演習と会話式ゲームを組み合わせたテーブルゲームです。3人の“始まりのニンジャ”により生まれた世界で、ニンジャとなったキャラクターを演じます。

 
・娯楽の市場 第300回カタログ(交易共通語)

 〈大破局〉後しばらくして始まった、創作物の交流会のカタログです。当初は10グループ程度の参加で始まり、今では100グループ近くによるちょっとした市場のようになっています。


『ソード・ワールド2.5』:(C)北沢慶/グループSNE/KADOKAWA

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