◇新大陸通信・10号◇


 二次創作いろいろからアイデア集を分割。


◇アイデアの欠片・アルフレイム編

 
 思い付き集です。


☆アイテム編

 
・バイシクル

 前後一つずつ、合わせて二つの車輪で走る乗り物です。魔動機関で走る魔動バイク(マギサイクル)に似ていますが、動力は乗った者の脚力です。現在の技術では魔動機文明時代のような高性能のものは作れず、基本的に実用化されていません。車両の製造技術が高いドーデン地方では新しく作られていますが、市街地でのみ普及しています。
 以下のものは、現在でも入手できます。運転はライダー技能で行いますが、戦闘用ではないため、攻撃を受けると基本的に壊れます。

(ユーティリティバイク)
 日常用です。移動速度は、舗装された路上では「敏捷度か筋力の高い方×1.5(端数切り捨て)」です。足場が悪い場所では「敏捷度か筋力の高い方×0.5」です(降りてから引いて歩きましょう)。備え付けられた籠に、部位2つ分の荷物を載せて運べます。
(ロードバイク)
 路上での高速走行に適しています。移動速度は、舗装された路上では「敏捷度か筋力の高い方×2」です。足場が悪い場所では基本的に走行できません。
(マウンテンバイク)
 不整地での走行に対応しています。移動速度は「敏捷度か筋力の高い方×1.5(端数切り捨て)」です。足場が悪い場所でもそのままの速度で走行できるうえに、「○悪路走破」で修正を-2まで無視できます。

 魔動機文明時代のバイシクルのパーツには、当時でも最先端の技術が用いられており、それを巡った戦いが冒険者のあずかり知らぬところで展開されているとかいないとか。

 
・ポメリウム

 〈守りの剣〉と同じような効果を持つ空間を作り出す儀式により生み出される区画です。範囲は様々ですが、大きくても小規模な街と同じくらいです。聖堂や〈剣の欠片〉がなくても永続的に効果が続き、〈守りの剣〉を無効化する能力でも無効化できませんが、ほとんどは神紀文明時代や魔法文明時代から維持されているもので、新しく生み出す事は基本的にできないとされています。

 
・〈守りの剣〉各種

 〈守りの剣〉にバリエーションを加える表です。

(見た目)
1D
1 装飾品の剣(武器としては使えない)
2 ソード:1H(魔剣として扱うが、ボーナスがあるとは限らない。以下同じ)
3 ソード:1H
4 ソード:2H
5 ソード:2H
6 ソード以外の武器、さらに2D
 2 クロスボウ
 3 フレイル
 4 ウォーハンマー
 5 スタッフ
 6 メイス
 7 スピア
 8 アックス
 9 ボウ
 10 投擲
 11 格闘
 12 ガン
  片手用と両手用がある場合、1Dで1〜3で1H、4〜6で2H

(範囲:半径)
1D
1 100m
2 200m
3 500m
4 1km
5 2km
6 5km
※上空や地下にも、〈守りの剣〉を起点にして球状に効果が及びます。

(時間)
1D
1 1D6日
2 1週間
3 4D6日
4 1ヶ月
5 12D6日
6 3ヶ月

(効果の強さ)
1D
1〜5 通常(穢れ1〜2で範囲感知、3で不快感、4〜5で行動不能)
6 さらに1D
 1 弱い(2で範囲感知、3〜4で不快感、5で行動不能)
 2 強い(1で範囲感知、2で不快感、3で行動不能、4〜5で思考不能)
 3 〈聖剣〉(第二の剣の陣営の神の信者(蛮族の大半が該当)に有効。蛮族でも第一の剣の陣営の神を信奉していると効果を受けない。
 4 自意識で判断する。いつもは通常性能だが、一部の相手を対象から外すことがある。
 5 〈祓魔の剣〉(魔神にも有効、魔神の穢れは5とみなす)
 6 〈穢れの剣〉(0で行動不能、1〜2で不快感、3で範囲感知、4〜5では主観的感知不可)

(効果の具体的な感覚)
1D
1〜5 苦痛
6 さらに1D
 1 睡魔
 2 嘔吐
 3 酩酊
 4 多幸
 5 悦楽(性的に未成熟な個体は多幸)
 6 肉体にも精神にも変調を与えないがペナルティのみ与える(範囲に入っても主観的には感知できない)

 
・単位原器の剣

 錬金術の素材で作られた、厳密に長さが1m、重量が1kgの剣です。柄は素材が剥き出しで、刃や切先は付いておらず、戦闘には使えません。ダメージを受けても修復し、汚れも自然に落ちるため、非常に高い精度で計量道具を製造するために使えます。アルフレイム大陸では、よほど小さな国でない限り、各国は単位原器の剣を1つか複数所持しており、基準にして公用の枡や秤を製造しています。
 なお、剣の形をしているために魔剣としての特性を持っており、所持者がいないと“魔剣の迷宮”を作り出す恐れがあります。

 
・手ごね錫器

 金属としては融点が低い錫を、ドワーフが[炎身]を活かし、手で直接触れて成型した器です。器ごとの形の違いが目を楽しませてくれるため、ドワーフ産のお土産として人気があります。

 
・クイックシルバー

 魔法文明時代に魔工師の技術で作られた、ミスリルの魔剣です。所有者の意思で、剣、金属の鞭(フレイルの修正を使用)、大鎌(アックスの修正を使用)へと姿を変えるほか、縮んで球体になり、所有者の手元や懐にも楽に収まります。

 
・黒銃

 魔動機文明時代にダークドワーフが手を加えて作り出した、狂いの一つもないイグニダイトの銃身を持つ狙撃銃です。開発者が3挺、弟子が4挺作り出し、行方は全く分からなくなっています。なお、実際には、1挺ごとに異なる固有の狂いがあり、それを知らないと性能を十全に活かせません。

 
・三種の神器

 神紀文明時代に存在したという剣・鏡・宝珠の3つの神器にちなんで、魔動機文明時代中期に生活を飛躍的に便利にした「夜を明るくする魔動灯」「煮炊きと暖房の魔動炉」「食品を保存できる魔動冷蔵庫」の組み合わせです。どれも携帯できる大きさではありませんが、部品になる魔動機は頻繁に遺跡から出てきます。ドーデン地方の一部では完全な新品を今でも製造できます。

 
・発魔機

 魔動列車に使うモーターの原理を使い、マナを流し込んで回転力を生み出すのとは逆に、回転力を流し込んでマナを生み出します。マナチャージクリスタルと比べて効率が悪いため、あまり実用化されませんでした。魔動列車や魔動バイクの一部では、発魔機の仕組みを使い、マナを生み出しながらブレーキを掛ける回生ブレーキが使われています。魔動列車の客車の魔動機照明の一部も、車軸に付けられた発魔機からマナを生み出しています。

 
・スパロウホーク

 ハイタカ(スパロウホーク)の名を冠した旧式の銃です。現実のマスケットと同じく、銃身が滑腔式(施条されていない)で両手持ち、弾数も1発だけですが、当時の質の悪い銃弾や、毒や呪いを帯びさせた特殊な銃弾の使用に適していました。

 
・魔弾

 ガンで使う特殊な銃弾で、命中した対象に毒や呪いなどの効果を与えます。大半は魔動機術が進歩していなかった時代の古い銃器用で、ルールブックに載っているような魔動機文明時代後期の一般的な銃器では基本的に使えません。

 
・肉体の聖別

 肉体に描いた模様が、聖印として機能するようになります。落としたりなくしたりする事はなく、装備欄も使いませんが、逆に言うと隠す事ができません。「2.0」のセンティアンの聖印と同じように扱います。蛮族に第二の剣の神の聖印を描くのはやりやすいようですが、人族だったり、第一の剣の神の聖印だったりすると、技術の難易度が大幅に跳ね上がります。

 
・ヴァンパイアコチニール

 アルフレイム大陸原産のコチニールカイガラムシ(サボテンに付き、赤い染料の材料になります)を魔法文明時代に改造した変種で、植物ではなく動物に付着して血を吸う害虫です。牧畜民からは嫌われていますが、血を溜め込んだヴァンパイアコチニールを乾燥させたものは魔法の儀式で使う血の代替物として使えるため、野生の獣にごく少数付着したものが狩猟の副産物として取引されています。蛮族の間では、人族の奴隷の血を吸わせたヴァンパイアコチニールも取引されていますが、魔法文明時代ならともかく現代の人族社会では、奴隷が残っている社会でも所持自体が違法です。

 
・ユニバーサルイクスプローシブツール(万物爆砕具)

 マナタイト鋼すら煮凝りのように切断する「万物切断具(ユニバーサルカッティングツール)」、糊の王すら溶かす「万物溶媒(ユニバーサルソルヴェント)」と並ぶ破壊手段として悪名高い魔法のメイス(クリティカル値10)で、メイスによるクリティカルが無効な対象にもクリティカルします。1ラウンドかけて能動的な行動を取れない攻撃対象に密着させ、MPを5点消費すると、自動命中したものとして扱い、攻撃対象のあらゆる手段による防護を無視します。

 
・怪盗の鉄片

 所持者の思考に応えて形を変形させる、手の指ほどの大きさの鉄片です。MPを1点消費すると、1時間の間、解除判定に+1されるスカウト用ツール、および似たような細かい作業の工具として扱えます。

 
・消波の銀水

 硝子玉の中に封じられた銀色の液体です。硝子玉を割って液体を水面にまくと、半径10mに波が立たないようにします。範囲は1時間持続します。水に飛び込む際に音を立てない、波が荒れる海岸に船で接岸する、などの用途が考えられます。

 
・通信機

 お互いの固有コードを知っていれば、言葉と粗いモノクロの映像をやり取りできる魔動機です。通話のピアスとは違い、限界時間はありませんが、大きさによって異なる限界距離があります。手持ちサイズでおよそ1km、部屋1つを占めるサイズで1000kmほどです。

 
・毒矢

 毒を塗った矢です。アルフレイム大陸では蛮族や魔神を速やかに殺すためか、矢では威力が不足しやすい大型獣や幻獣を仕留めるために、それらの獲物を専門に扱う軍人や猟師が使用します。冒険者が毒矢を使用する事は、目標が不確かだと取り返しのつかない事態を招きかねないため、所属する支部からの許可が必要になります。毒は通常の店舗では売買されず、蛮族社会でも他者に売買する事はありません。
 まず1ラウンドかけて主動作で鏃に毒を塗ります。塗った毒は放置すると一定時間で効力を失いますので、あらかじめ毒矢を作って持ち運ぶ事はできません。
 その矢または太矢をつがえて、普通に弓矢またはクロスボウで攻撃します。命中して1点以上のダメージを最終的に与えたら、「毒の作者のレンジャー技能レベル+器用度ボーナス+毒による修正」を基準値にして判定し、相手の生命抵抗を上回ったら毒が効果を及ぼします。同じ種類の毒を複数打ち込んだ場合、ダメージは累積しますがペナルティは累積しません。外れた毒矢は再利用できます。
 代表的な毒には、テラスティア大陸で使われるウルフズベイン(トリカブト)、レーゼルドーン大陸で使われるウパス(イポー)、アルフレイム大陸で使われるクラーレがあり、魔動機文明時代に薬用で持ち込まれたためほかの大陸でも植物園や薬草園などで入手できます。効果を簡易的に扱うなら、賦術のうち敵にペナルティを与えるものと同じ効果にしてください。

 
・罠設置で設置する罠

 PCが能動的に罠を設置する機会はあまりありませんが、判断のガイドラインを作ってみます。
 材料費は、簡単な罠(達成値-2)なら10ガメル、普通の罠(達成値修正なし)なら100ガメル、複雑な罠(達成値+2)なら1000ガメルです。発動や解除で破壊されなければ、罠の材料は基本的に再利用できます。プレイヤーが具体的な手段を主張でき、具体的な品物をPCが入手できる環境で、GMが認めれば、具体的な罠を仕掛ける事が可能ですが、10分で仕掛けられるのかはよく考えてください。
(おもな罠・10分コース)
>ロープトラップ
 足元(砂地や草むら、階段など)に縄を仕掛けて、引っ掛かると転倒します。引っ掛かるとクロスボウが発射されたりするのは、別の罠として追加作業が必要です。
>鳴り子
 音を出す部品を縄に仕掛けて、縄に引っ掛かると音を出します。
>落とし穴
 落下すると足止めになるような穴を仕掛けて、上をカムフラージュします。一定以上の重さのものが踏み込むと、穴に落下します。そこに杭を仕掛けたりするのは、別の罠として追加作業が必要です。
(使用が難しい罠)
>火攻め
 燃料を持ってきて点火し、建物を焼いたり、閉鎖空間にいる敵を窒息させたりします。建物なら石造りの区画があったり、洞窟なら通気口があったり、内部の敵を討ち取った証明が取りにくくなったり、中の略奪品や人質まで焼けてしまったりするため、冒険者はあまり使いません。
>水攻め
 水を引き込んで街や洞窟を破壊します。水を引き込むには大規模な工事が必要であり(なお堤防などの人為的な破壊は、魔法文明時代の国際条約以来、不文律で禁止されています)、中の物を全部流してしまったりするため、やはり冒険者には使いづらいです。

 
・バレルアックスヘッド

 バヨネットのように銃身に取り付ける斧頭です。必要筋力が高くなり、命中率も悪いため、バヨネットほど一般的ではありませんが、高い威力を好む冒険者が稀に使います。

 
・防空塔

 魔動機文明時代に、空を飛ぶ脅威――飛行する蛮族、幻獣、スカイバイクや魔航船の軍団――に備えた高層建築で、魔法、ドラゴンの鉤爪、キャノンの砲撃といった脅威に備える防御力を持ち、装備したキャノン、バリスタ、銃眼からガンを撃つ魔動機師の銃兵が脅威を排除するべく、空の守りを固めていました。お互いの間に針やワイヤーを張り巡らせて、敵の自由な飛行を妨げるような計画も試みられています。〈大破局〉で蛮族に大被害を与えたものの、いくつかの防空塔は奮戦の末に崩壊して、一部の防空塔のみが大都市に残されています。

 
・〈インビジブル〉号

 魔動機文明時代末期の魔航船〈インビンシブル〉(無敵)号の残された部品から再生された小型の魔航船です。特に不可視(インビジブル)になる機能とかは搭載されておらず、元の名前からの語呂合わせ(invincible→invisible)のようです。のちに迷彩機能が施され、名実ともにインビジブルになりました。武装は付いておらず、戦闘は「○搭載」された乗組員次第です。
 なお、魔航船(スカイシップ)は1部位しかありませんので、着地している状態ではバランスを崩す事で投げ飛ばせます。飛行状態では投げるための足場がないので、投げる事はできません。

 
・〈インバルネラビリティ〉号

 魔動機文明時代末期に建造された魔航船で、「不死身(invulnerability)」という名の通り、銀か魔法の武器でなければ、船体の防護点が+14点されます。こちらも武装は付いていません。

 
・〈アイアンクラッド〉号

 魔動機文明時代後期の重装甲軍用魔船艇――装甲艦で、〈大破局〉当時には旧型になっていましたが、激戦を生き残って現在までキングスレイ海軍で使われています。艦首には〈大破局〉で破損したキャノンの代わりのバリスタと、水面下の衝角を備えています。

 
・〈サンダークラップ〉号

 現在の技術で船体を作り、沈没船の魔動機関を改修して取り付けた、ハーヴェス海軍の駆逐艦です。主な武器はバリスタで、甲板上の砲塔に収めています。砲塔は攻撃魔法を使う魔術師やガンを撃つ魔動機師を守る役割も果たします。

 
・魔動車(マギモービル)

 魔動機術で動く三輪車や四輪車で、魔動機で発生させた蒸気でピストンを作動させるか、魔動機のモーターの回転力を使うかして、車輪を回します。ピストンの作動用かモーターの冷却用に、どちらの場合も水を消費しますが、アルフレイム大陸では基本的に水の補給には不自由しません。
 アルフレイム大陸では、地盤が悪くて道路整備が進まないうちに鉄道技術が追い越してしまい、結果として魔動車はあまり普及しなかったのですが、別の大陸ではもっと発達していたようで、現在のアルフレイム大陸でも市街地限定で使われている魔動車は存在します。

 
・水鳥の靴

 魔船艇を模した靴で、補助動作でMPを1点消費すると、1時間の間水面を滑って移動する事ができます。作動中は陸上ではうまく歩けず、回避などの身体を使った動作に-1の修正を受け、全力移動を行えません。

 
・海上騎士団の外套

 魔動機文明時代前期に、人族の海路を守るため戦った騎士団のために開発されたフード付きの長い外套で、水面の色に合わせて変化する色合いを持ちます。水上または水中の隠密判定に+4されます。

 
・ヌーンキャノン

 マカジャハットの港に設置されているキャノンで、マカジャハットの真太陽時で12:00になると、自動で空砲を発射します。ヌーンキャノンについての昔話は数えきれないほどありますが、いつから何のために設置されたのかは定かでありません。

 
・信号弾

 〈ガン〉で撃てる弾丸です。命中地点、あるいは射撃の限界距離で、1ラウンド持続する光を放ちます。光の強さは【ライト】相当として扱ってください。

 
・のろし

 燃やすと大きな煙を上げるもので、遠距離での交信に使います。薬品を混合して色を付ける事もできます。

 
・腕木信号機

 「H」型に組み合わせた腕木を動かして、遠くに信号を伝えます。手旗信号より複雑な情報を伝える事ができます。

 
・琥珀金の光背

 金と銀の合金で作った放射状や炎型の大きなシンボルで、頭の後ろに装備します。装備者がプリーストである場合は、自身の神聖魔法の魔力に+2できます。外見が極めて目立つため、装備していると隠密判定に-4されます。

 
・格闘銃

 銃身がほとんどない、手でつかめる大きさのガンです。握り締めて発射するため、別名は“レモン絞り”。持ち歩きやすく、近接戦闘での取り回しもよいですが、射程はほとんど期待できません(射程は10mですが、乱戦距離より遠くへは命中判定に-4されます)。命中判定にはシューターだけでなく、ファイター、フェンサー、グラップラー技能も使えます。

 
・ブラッドライン

 聖銀に血を加えて変質させたもので、最初に血を流した者自身、あるいは血を引いた子孫が触れると、ほのかな光を放ちます。魔法文明時代には魔法王達が王統を示すためのものとして盛んに作りましたが、魔動機文明時代には特定の血筋にこだわる事自体が魔動機文明の理想に反する行為とみなされ、製法も廃れていきました。魔法文明時代の王統を示す証や秘宝の秘密を伝える暗号などに使われています。

 
・ウォーターボール

 エルフの球技で、浮力をほぼ水と同じ程度に調整したボールを、2つのチームで奪い合います。長時間潜り続けるスポーツであるため、エルフ以外ではマーマンやリザードマンでもないと一緒にプレイできません。
※……ブリッツボール……。

 
・マナプリズム

 純度の高い魔晶石から切り出した角柱です。消費する事で、真語魔法のダメージ魔法の属性を変化させる事ができます。水・氷属性の【ファイアボール】とか打ち出せます。

 
・魔素爆弾(マナ・ボム)

 マナを大量に充満させる兵器です。過剰なマナは破壊力(属性が相手の弱点になる魔法ダメージ)に変換されるとともに、マナ過剰によりアンデッドを発生させます。副作用として、範囲内のキャラクターやモンスターのMPを回復させます。

 
・対魔神ライフル

 大型の狙撃用ガンです。建前上は魔神を撃つためのものであり、人族に対して使用するのは慎まれています。

 
・ホースマンスタッフ

 騎獣に騎乗すると片手でも持てる、やや短めの杖です。片手に1本ずつ(合わせて2本)持つことはできません。

 
・弭槍(はずやり)

 大型の弓(必要筋力15以上)の上端に付ける槍の穂先です。バヨネットと同様に、命中判定と追加ダメージにシューター技能を使えます。威力は15で固定です。

 
・ポータブルモーター(水上用)

 片手に下げて運べる大きさの魔動機関(舵付き)で、適当な大きさの水に浮く物体に取り付けて、MPを5点消費すると、1時間の間推進させる事ができます。

 
・パインコーン(松かさ)

 アルフレイム大陸特産の燃えやすい松かさです。〈投擲〉で使い、命中すると火属性の魔法ダメージを与えます。外れても着弾地点で燃えるため、屋内での安易な利用は慎んでください。爆発的に燃えるため、着火には使えますが、使った本人も追加ダメージ0でダメージを受けます。
 同様の効果を持つ火炎瓶(ペトロルボム)もラクシアの技術で作れなくもありませんが、ラクシアでは石油が希少であるため燃焼物の用意が難しく、放火に使える人工物として規制も厳しいため、基本的に製造も所持も許されません。冒険者ギルドも、冒険者による火炎瓶の所持や使用を、蛮族・アンデッド・魔神相手が確実な場合を除いて禁止しています。そこ、【ファイアボール】や【グレネード】の方が楽だというのは内緒。

 
・パインジャム

 ウルシラ地方で時折見られる、青い未熟な松かさを砂糖で煮込んだジャムです。砂糖水に松の葉を漬け込んだパインソーダとセットで食べられます。食べると1日1回までMPがわずかに回復します。

 
・島を引き上げるもの

 神紀文明時代から伝わる魔法の鉾の複製で、浅い海(水深100m程度まで)に突き立てて儀式を行うと、海底をせり上げさせて陸地を作り出せます。陸地が存続するかは周囲の海流次第です。武器として使うと、実体を集積する能力により、通常のスピアによるダメージを実体の希薄さ(霊体、群れなど)で無効にする効果を無視できます。

 
・蛮族貨幣

 蛮族もガメル通貨を使いますが、蛮族が入手した貴金属はガメル神殿に持ち込んでガメル通貨にはできないため、裏取引で人族の領域に流して換金する手段がない限り、そのまま適切な大きさの塊にして通貨の代わりにします。こうした金塊や銀塊を入手できれば、冒険者ギルド経由でガメル通貨と交換できます。
 蛮族も第一の剣の神の声を聞く場合があり、そうして生まれたガメル神官を領域で確保した蛮族の集団は、自前でガメル通貨を生産できます。

 
・乙女の剣

 白い金属でできた細身の片手剣です。分身として乙女を生み出し、“魔剣の迷宮”のナビゲーターや決戦の相手、所有者への剣の受け渡しなどを行えます。乙女はハウスキーパー技能を6レベルで持ち、それなりの家事をこなします。

 
・コンフェイト

 先端が全体に丸まった角を生やしたような半透明の球になっているメイスです。ダメージ判定で出目がクリティカル値-1〜-2だった場合、コンフェイトを破壊してクリティカルさせ、以降のクリティカル値も-2(最低8)させる事ができます。

 
・玲瓏なる妖精神のペナント

 “妖精神”アステリアの聖印を描いたペナント(長旗)です。
 (1)船(基本的には舳先か帆柱)に取り付けると、船体が水・氷属性のダメージを受けなくなり、付随する不利な効果を受けなくなります。
 (2)スピアに取り付けると、そのスピアによる攻撃を水・氷属性の魔法の武器によるものとして、ダメージを+2します。この効果は補助動作で抑止または起動できます。

 
・無限の冊子

 400ページ(200枚)ほどの厚めの小さな本に見えますが、実際には4000ページ(2000枚)ほどあります。同じ大きさの本の50倍(同じ内容量の本の合計の5倍)ほどの値段で売られています。

 
・指描き板

 濃い緑色をした板(A3〜A4の紙くらい)で、指先でなぞると白い線を描け、指の腹でなぞると線を消せます。線を書いたり消したりする回数に限度はありません。耳が使えない状態や、声が漏れてはまずい状態で、筆談に使えます。

 
・追毒スプーン

 解毒スプーンの偽物で、盛られた毒の達成値を+2、ダメージや回復の数値を+2します。継続ダメージや継続回復効果は、頻度が1ラウンド短くなります(最低1ラウンド)。本来は薬品の効果を上げるためのアイテムだったのですが、思わぬ危険性が見付かる例もあったため、そちらの使用法は廃れてしまいました。

 
・クロックワーク・スモール・アニマル

 魔動機により小型の動物(小さくて蝉、大きくて鼠くらい)を模したものです。マギテックが触れてMPを1点使うと、10分間命令に従って動きます。紙を運ぶ、コップを転がすなど、ごく小さな力で済む行動をできます。

 
・ワンウェイウォール(一方通行の壁)

 片方の面からは存在を認識できず通過できますが、反対側の面からは普通に感じられ通過できない壁です。幻覚ではないため、壁を認識していない生物や無生物も遮ります。“魔剣の迷宮”や“奈落の魔域”でまれに見られる仕掛けですが、魔法文明時代には魔法で実用化されていた記録が残っています。

 
・蛮族船

 蛮族が運用している船の総称です。コボルドやリザードマンなどの一部の種族のみが、構造船を作るための加工を集団で行えます。そういう集団がいないと、筏や丸木舟で我慢するか、人族から略奪する(略奪の過程でダメージを受ける)か、人族を奴隷にして作らせる(手抜きをして沈められないように、人質を兼ねて船大工を乗せる)しかありません。人族の慣例や国際法では、すべての蛮族により運用される船舶は海賊船として扱い、見付け次第無力化する事が求められています。

 
・テレボイス

 魔動機文明語の「televoice(遠隔伝声)」に由来する呼び名で、我々のラジオ放送に相当します。「radio broadcasting(無線放送)」でも専門家の間で通じます。言語によっては「テレボ」と略されます。通信用の魔動機とは異なり、一定の範囲(半径1km〜1000km程度)にまとめて送信する事ができます。指向性がないため、一般に伝えても差し支えない情報(ニュース、天気予報、相場、朗読や演奏など)を社会に広く伝えるために使われていました。現在では、ごく一部のマギテック協会で街の中にテレボイスを伝えています。テレボイスはマナの周波を媒体にして伝達しているため、特定周波の割り当てには担当機関の許可が必要であり、魔動機文明時代は規制を逃れるための「海賊テレボ」もありました。
 アル・メナス・ネットワークで配信されていた公開音声は、テレボイスにちなんで「ネットテレボ」と呼ばれていましたが、仕組みとしては全く別のものです。
※めんどくさければ「ラジオ」で構いません。

 
・テレボステーション

 テレボイスを放送するための施設です。テレボ局とも呼ばれます。魔動機を多用した録音スタジオと、送信用の魔動機(塔やアンテナの形をしている)があります。

 
・テレボ受信機

 テレボイスを受信するための魔動機です。テレボイスを放送している特定のマナ周波に合わせると、放送を受信できます。小型マギスフィアを組み込んで動力にしています。

 
・テレボ塔

 テレボイスを受信して周囲に伝えるための魔動機で、大きな石灯籠くらいの大きさをしています。アルフレイム大陸の大きな街で公園や広場に建てられていましたが、魔動機文明時代末期にはアル・メナス・ネットワークができたため、テレボイスがマイナーな存在となるにつれて、テレボ塔は廃れていきました。現在ではテレボイスの放送が基本的にないため、オブジェとして取り残されているものがまれにあるくらいです。
※ラジオ塔や街頭テレビめいた感じで。

 
・アーティフィス

 戦闘用でない魔動車に武装を施したものです。魔動機文明時代に表立って武装できない魔動車に、技師(アーティフィス)を雇うという名目で買ってきた武装を取り付けたのが起源といいます。
※テクニカル。

 
・店舗馬車

 大型の馬車に店としての機能を備えたもので、商品の輸送、陳列、代金の保管などを行えます。遊牧民の住居馬車に由来するといわれ、診療馬車、調理馬車、陸軍の酒保馬車などのバリエーションも豊富です。
※移動販売車。

 
・冒険者図書館

 大きな都市の主要な冒険者ギルド支部に併設されている施設で、遺跡探索の参考図書、魔物図鑑、各地の新聞などを用意しています。マギテック協会や魔術師ギルドの図書館は所属者用であり、公共図書館も住民専用なおかつドーデン地方以外は有料である場合が多いため、特に初級の冒険者の便宜を図って図書館を備えています。図書館にいれば、本に書いてありそうな内容の知識判定パッケージの判定の技能レベルに冒険者レベルを代用できますが、最低限の成功の成果しかわかりません。
※専門図書館というやつです。テラスティア大陸の冒険者の店とは、こんな辺りで違いを出したい。

 
・ザークルセスくん

 キングスフォールのマスコットキャラクターとして提案された魔法王の藁人形で、天誅祭で焼かれるザークルセス人形を可愛らしくデフォルメしたものです。操霊魔法でゴーレムにしたザークルセス人形を参戦させたコミュニティが反則負けしたのが起源になっていますが、さすがに元ネタが元ネタなので没になり、試作した人形がいくつか行方不明になったそうです。

 
・トラクション・シティ(移動都市)

 魔動巨兵の技術を応用した「移動する都市」で、区画ごとに脚、車輪、無限軌道などで移動能力を持ちます。鉱山の採掘、遊牧、調査活動、軍事活動などのための一時的な拠点として構想されました。実用化されたかは定かでありませんが、魔動機文明時代後期のフィクションにはよく登場します。
※「移動都市」とか「アークナイツ」とかの感じ。農作物は交易に頼るか、いっその事工場生産か。水の補給も気になります。

 
・晶石病(クリスタリパシー)

 濃度が高いマナにさらされるなどして、体内のマナが結晶化する病気です。“剣の欠片”の亜種と見られています。血液内や内臓などに微細な結晶ができて、MPや魔力などが増加しますが、進行すると身体変異や精神錯乱をもたらして、最終的には死に至ります。マナを消費すると感染や進行を抑えられるというのですが、確実ではありません。魔法文明時代の魔法王が絶滅した原因ではないかともいわれています。MPがある限り、魔法生物や魔動機にも感染するのですが、MPが「なし」であるグラスランナーは感染しません。
※鉱石病(と、ちょっとだけクリスタルドゥーム)です。まんまではまずいので、設定をラクシアに寄せてみました。

 
・呪式弾

 魔動機術に操霊魔法を組み合わせた、いわば弾丸の形を取った呪文です。事前に作る必要があり、量産も効かないのですが、それぞれ固有の効果を持ちます。

 
・地中の食べ物

 ドワーフ料理によく使われる地中の食材です。キノコ、谷間や地底湖の魚、土豚(地中でミミズとか食べるイノシシのような生き物)、地底芋(地上に葉を生やして地底に芋を付ける植物)などなどです。ドワーフ料理には地上の穀物や家畜もよく使われるため、ドワーフの地下都市の近くには畑や農場も広がっています。

 
(後記)
 便利アイテムから破壊兵器まで。冒険の役に立つかは一切考えません。


☆種族編

 
・エスピナ

 人間よりやや小さめな(全長1.5m前後)蜘蛛ですが、人族に属します。蛮族のフォルミカ(蟻人)が生物的には脊椎動物であるのとは違い、エスピナの身体の構造は完全に節足動物です。脚のうち後ろの4本で歩き、前の4本は腕の役割を果たします。とはいっても左右の2本ずつで人間の片手1本と似た働きをするため、装備できる武器や装飾品の数は変わりません。
 森林や洞窟など、立体的に動き回れる環境なら割と選り好みせずに定住し、通常は10前後のつがいと子供達が一緒に暮らしています。
 [暗視]を持つほか、[蜘蛛の糸]で、練技【スパイダーウェブ】と同様の糸を放てます。また、体重が軽いため抑え込みには弱いですが、落下ダメージの基準高さを冒険者レベル+敏捷度ボーナスで軽減できます。母語は魔法文明語です。

 
・ガイスト

 人型をした影のような、非物質的な蛮族です。ゴーストなどのアンデッドと勘違いされる事も多いですが、神聖魔法が「蛮族」と判定するため、賢者達は(しぶしぶと)蛮族と認めています。どうやって繁殖するかは知られていません。“穢れ”は4点ありますが、死ぬと死体は分解して消えるため、肉体を持つアンデッドにはならないようです。
 「暗視」を持ち、「○通常武器無効」もあります。非物質的ですが、衣服や武器、防具、装備品は身に付けられます。母語はドレイク語かバジリスク語であり、集団により異なります。

 
・ジェイドビートル

 アルフレイム大陸東部の南寄りの森林で見られる、小さめの馬ほどの大きさのある翡翠色のコガネムシです。大きすぎて飛行能力はありませんが、顎の破砕力は十分に危険です。騎獣にする事もできますが、小柄で軽い種族(タビット、グラスランナー、レプラカーンなど)しか乗れません。

 
・ソードドラゴン

 身体からマナが炎になったような1本(たまに2本以上)の腕を生やし、剣を振るうドラゴンで、ドラゴンでありながら人族に分類されます。マナを腕としているためか、通常の方法で魔法を使う事はできません。剣による攻撃は、コア部位である頭部が行います。持っている剣は基本的に魔剣であり、〈魔剣の迷宮〉を自在に作り上げる事ができるそうです。元は、ドラゴンがリルドラケンとは違う方向で“剣を持つ者”になったとも、マナの腕を持つ人族がドラゴンに転生したともいいます。

 
・夜人(よるびと、ナイトフォーク)

 広大な地底空間に住まう人族で、人間に角(大きさや本数は様々)を生やしたような姿を持ち、人間の亜種と見られています。[剣の加護/運命変転]を持ちませんが、代わりに自然環境の地中に泳ぐように潜れる[剣の加護/受容する大地]を持ち、さらに[魔法の角]で「知覚:魔法」も持ちます。目や瞳は大きめですが、明暗に敏感な代わりに像を結びにくく、「知覚:魔法」が遮断された対象への視覚に頼った判定には-2修正を受けます。母語は独自の地方語です。

 
・ノーチロイド

 海中に住む、大きなノーチラス(オウムガイ)のような蛮族です。蛮族としては比較的温和な気性で、マーマンと同居している場合もあります。多数の腕で器用に武器も操りますが、どちらかというと魔法の方が得意です。母語は海獣語ですが、異種族相手にはマーマン語も用います。

 
・フレーバーコッカトゥー

 アルフレイム大陸の沿岸の離島に生息している大型のコッカトゥー(オウム)です。離島に適応してあまり飛べなくなったため、身体から放つ芳香で外敵に有害な効果を与えて身を守っています。魔動機文明時代末期に本土へ持ち込まれた個体が〈大破局〉で逃げ出して、そのまま繁殖しているようです。

 
・トレイン・イミテーター

 列車型のイミテーターです。とはいっても走行性能を魔法生物で再現するのは不可能だと言われており、実際には魔動機の足回りに載って、車体部分だけを模倣しています。要人の護衛や乗客への罠として考案されたといわれており、そもそも作られたのかすら疑問視されています。
 「車体に自己治癒能力がある」という点に着目された「生きた列車」は、昆虫の生体で作られた「インセクトトレイン」や、自力でフナクイムシのようにトンネルを作る「シップワームトレイン」などが考案されていたようですが、幸いにも実現したとは思われていません。

 
・ゲルセイ・デーモン

 アルショニ島と大陸本土の間の海峡にある島、ゲルセイ島でのみ見られる魔神です。馬と蝙蝠を混ぜ合わせたような外見をしており、細長い口に生えた牙から麻痺毒を分泌します。一帯に住む奈落教の信徒が崇拝していますが、ゲルセイ・デーモンと意思疎通ができるわけでなく、しばしば信徒らしき不審者が食い殺されています。

 
・セフィリアン・マン・オ・ウォー

 傘の大きさが2〜3mあるジェリーフィッシュ(クラゲ)に似た生き物ですが、生物学者によると、お互いに機能分化した小さな虫の群体だという事です。傘が軍艦の舳先のような形をしており、「セフィリアの軍艦」を意味する名前で呼ばれています。オーラントレック海に生息しており、テラスティア大陸からアルフレイム大陸に向かう船を襲ったりはしませんが、難破したり船縁にいたりすると容赦なく猛毒の触手で襲います。中核部分の群体がダメージを受けた部位を治癒したり、死んでも戦利品を剥ぎ取ろうとすると毒棘を打ち出したり、厄介な相手として悪名が高いです。

 
・ガンワーム

 特に巨大ではないロンギコーン(カミキリムシ)の幼虫は、木を食べる際にガン(銃)の銃身のようなまっすぐの穴を開けるため、ガンワーム(テッポウムシ)と呼ばれます。アルフレイム大陸ではありふれた木の害虫で、リビングツリーやユグドラシルの若木を食害する事もあります。焼いて食べると美味なため、リルドラケン、エルフ、メリアに好んで食べられます。

 
・デックアールヴ

 地底に住まう闇のエルフです。色素が薄いエルフの少年や少女のような姿をしており、岩や鉱毒から肌を保護するため全身をマスクやマントで覆っています。身体の背丈はドワーフにも似ていますが、細身の体をしており、言語もエルフ語です。
 能力はエルフと同じで、金属加工ではドワーフに及びませんが、魔法を併用した工学技術に長けており、地底に排他的な国家を築いています。排他的なだけで邪悪ではありませんが、異種族には基本的に冷淡かつ無関心であり、金銭の取引を越えた関係になるのは難しいでしょう。

 
・フェアリードラゴン

 真語魔法の代わりに妖精魔法を学んだレッサードラゴンです。戦闘では妖精とゴーレムを従えて戦う事を好みます。妖精使いの宝石とゴーレムの素材を求めるため、自然に近いイメージに反して、並のドラゴンよりさらに強欲です。

 
・野人(やじん、ボアー)

 第一の剣の陣営の神々を受け入れなかった人間の末裔といわれる未確認生物です。人族より社会的能力が発達しておらず、また魔法の対象としては「人族」ではなく「動物」として扱われるといいます。好奇心で探し求める賢者や好事家、神の教えを受け入れるかを見極めようとする神官、人族でない安価な労働力として野人狩りをもくろんだ冒険商人にもかかわらず、魔法文明時代も魔動機文明時代も現代も存在は確認されていません。

 
・リントヴルム

 ドラゴンに似ているが翼を持たない幻獣です。流星のように飛び着弾地点で炸裂する息を吐きます。

 
・“大風”ティフォン

 混沌海に住むグレータードラゴンで、風と水の力を備えています。莫大なマナを蓄えているため、飛び立つと周囲の海にエネルギーを解き放ち、混沌海に多発するハリケーンの原因となっています。

 
・“天上の”ルー

 ランドール地方にいるグレータードラゴンです。高い山の峰を渡り歩いており、固定した財宝を蓄えていないとされているため、ランドール地方の各勢力からは無視されています。機嫌を損ねて光の息吹で消し飛ばされた勢力も、ここ最近は出てきてません。

 
・オドラデク

 小型の魔動機で、星型の歯車に軸を挿して、軸の先に直角に交わる短い棒が付いたような形をしています。監視用の魔動機ともいわれていますが、それならもっと動きやすい形態があるはずで、独特の動きを楽しむための玩具だったのではないかという説と、完成品を作り出すための試作品だったのではないかという説があります。典型的な野良魔動機として、ドーデン地方の都市のあちこちで走り回っており、それほど実害はありませんが、たまに興味を持った魔動機師がオドラデクを捕獲して調査します。

 
・ペリュトン

 北東のナザルス海から東のダンザール海で目撃される、鹿の頭と脚、鳥の翼、人の影を持つ幻獣です。“奈落”の影響を受けて死んだ人族や蛮族の魂が変化したと考えられており、“穢れ”を4点持っています。人族と蛮族に激しい殺意を抱いており、おぞましい脚力で蹴り殺そうと付け回します。ペリュトンに殺された人族や蛮族は強力な呪いを受けて、蘇生が不可能になりますが、呪いの主のペリュトンが死ねば呪いは解けます。

 
・ペッパーサラマンダー

 大型の両生類で、アルフレイム大陸東部特産の生き物です。小さな近縁種であるサラマンダー(イモリ)とは似ていない、ずんぐりした体型です。食用にすると強いマウンテンペッパー(山椒)の香りがするため、このような名前になりました。水の澄んだ渓流を好みますが、川が増水するとハールーンの王都まで頻繁に流されてきて、他の地方の人から奇異の視線を惹いています。

 
・サードアイリザード

 アルフレイム大陸沿岸の離島に生息する爬虫類で、トカゲに似ていますが、研究によると大きく離れた生物のようです。頭頂部にある退化した目のような器官で、「知覚:魔法」と高い先制値を持ちます。

 
・マンギー

 複雑に絡み合った樹木のような動く植物で、大きさはテラスティア大陸の象くらいになるといいます。普段は動かずに干潟や湿地のような軟らかい土壌に根を浸していますが、外敵が迫ると俊敏に枝や根を動かして獲物を屠ります。大陸南東部のメリアはマンギーを馴らして、騎獣として使います。現地のライダーギルドでも扱っています。
※見た目の元ネタはガジュマル、名前と生態の元ネタはマングローブ(ポルトガル語でmangue)です。

 
・コメット

 星の欠片の妖精で、光り輝く球体からガス状の尾を引いて空を飛びます。エルフの妖精使いの中には、コメットを手なずけて騎獣として使う者もいます。ライダーギルドでは妖精の騎獣は基本的に扱っていません。

 
・ラ・ベート

 アザービーストの上位種とされており、狼と熊をベースにして生きとし生けるものへの憎悪を煮詰めたような外見と性格をしています。奈落教はラ・ベートを飼い馴らす手段を考案しており、騎獣として利用もしています。魔神の騎獣はライダーギルドでも蛮族社会でも論外です。

 
・ジェイドシュラウド

 魔法文明時代の魔法王や貴族の一部は、防護の魔術を用いた翡翠の衣(翡翠の薄板を金属の針金で綴ったもの。玉衣)で身を包んで埋葬されていました。翡翠の衣による特殊な守りを備えているため、通常のマミーよりも強敵になります。

 
・満月ちゃん

 ジニアスタ闘技場のマスコットキャラクターで、頭に満月の被り物をしており、満月の日の決闘試合のインターバルにアクロバティックな動きを見せます。「中の人」は高レベルの冒険者だと言われていますが、その正体は明らかになっていません(大きさは人間サイズなので、ある程度種族は絞れます)。

 
・スカイホイール

 空を飛ぶ車輪型の魔動機で、様々な大きさがあり、横倒しの姿勢にして追随モードにする事で荷物の運搬に使われます。常に回転しているため、騎獣にする事はできません。ライダーギルドで駄獣として使われており、まれにスカイホエールと誤発注されます。
※自分の誤字からネタ拾い。

 
・ヴァンパイアホース

 ノスフェラトゥにより改造された馬で、レッサーヴァンパイアとほぼ同等の特殊能力を持ちます。“穢れ”は4点になり、種別は「動物」のままです。ノスフェラトゥ、またはラルヴァのみ、騎獣として扱えます。

 
・スケルトンホース

 馬のスケルトンです。騎獣として扱えますが、アンデッドの騎獣はライダーギルドでは論外ですし、蛮族社会でもあまり好まれません。

 
・ジャイアントクラブクラスト

 ジャイアントクラブの外殻(クラスト)のアンデッドで、脊椎動物のスケルトンに相当します。

 
・オーニソプター

 騎獣として使える、一人乗りの羽ばたき式飛行機械です。どことなく生物的なフォルムをしており、翼は蝙蝠、昆虫の羽、鳥などにどことなく似ています。種別は魔動機ではなく魔法生物で、操霊術の技術を取り入れており、魔動機文明時代の産物としてはややイレギュラーな存在です。

 
・マギスイーパー

 背が低い円筒形の魔動機で、床や地面を這い回って掃除してくれます。大型のマギスイーパーは騎乗モードに切り替えて騎獣にする事も可能です。騎乗モードでは障害物や凹凸を浮揚モードで乗り越えられます。
※ベーテさんのツイートにあった魔動ルンバです。

 
・ソーラーターバン

 グリーンターバン(ヤコウガイ)の大型種である巻貝で、殻が光を放ちます。オーラントレック海やスィーク海南部の暖かい海に生息しており、螺鈿や貝細工の材料として珍重されています。危険性はなく、身も美味しいのですが、空いた殻の大半にはニンジャクラブが潜んでいます。

 
・ニンジャクラブ

 ハーミットクラブ(ヤドカリ)の大型種で、身体を収めるほど大きな巻貝はあまりないので、大抵はシャコガイなどの大型の二枚貝を背負っているか、岩の割れ目や沈没船の中などに身を潜めています。動きは素早く、的確に敵の急所を狙う攻撃が「まるでニンジャのようだ」として名付けられました。

 
・ニンジャシーアネモネ

 シーアネモネ(イソギンチャク)の大型種で、ニンジャクラブとよく共生しています。共生相手も含めて五感を隠蔽する能力があります。触手の毒はそれほど強くはありませんが、巨大なため毒の量も多く、結果として犠牲者が命を落とす事もあります。

 
・ライトニングバグスウォーム

 ライトニングバグ(蛍)の巨大な群れで、電気を帯びています。周囲を明るく照らし出し、群れに包まれた相手に雷属性のダメージを与えます。

 
・ゴーストファイアフライスウォーム

 ファイアフライ(蛍。地域により呼び名が違う)の巨大な群れで、おぼろげな炎を帯びています。周囲を明るく照らし出し、群れに包まれた相手に炎属性のダメージを与えます。炎は弱点の「回復効果ダメージ」としても扱います。

 
・アイアンクラッドホース

 鉄で鎧われた馬です。本来は鉄の馬鎧で守りを固めたホースなのですが、馬鎧を着た馬型のアイアンゴーレムも指します。こちらは騎獣に使えます。

 
・ウッドクラフトホース

 木製の馬です。要するに馬型のウッドゴーレムであり、騎獣に使えます。

 
・ジャイアントクレイフィッシュ

 巨大なクレイフィッシュ(ザリガニ)です。アルフレイム大陸に多いジャイアントシグナルクレイフィッシュ(巨大ウチダザリガニ)は、鋏を手旗信号みたいに振って合図を送り合う習性があります。

 
・フレッシュベジタブルゴーレム

 野菜を束ねて人型にしたようなゴーレムです。食肉のゴーレムとペアで作られ、倒すと食材になります。魔法文明時代の野菜は現在の野菜と比べてあまりおいしくありませんが、中には現在では失われた栽培種の実や種もあり、回収の依頼が来るかもしれません。

 
・フライングベアヘッド

 クラッシュベアの頭部で作ったフレッシュゴーレムで、噛み付きで攻撃します。狩りの獲物をフレッシュゴーレムやボーンゴーレムにする文化は、魔法文明時代に外来の魔法王が持ち込み、魔動機文明時代まで盛んでした。場所を取るうえに、加工に失敗してアンデッドを生み出す事故も多く、現在では下火になっています。
※ところで肉片や骨片って、どのレベルまでアンデッドになるんでしょうね。

 
・ウェポンガイスト

 武器が寄り集まったアンデッドで、古戦場や城の廃墟におもに現れます。体当たりだけでなく、自身の一部を投擲して遠隔攻撃も行えます。魔剣を核にしているという説もありますが、「強い魔剣なら“魔剣の迷宮”になるのでは?」という意見もあり、実際には魔剣ではないが死者の意思を過剰に浴びただけの武器も核になりえるようです。倒すと核になっていた武器を1本または複数手に入れられますが、魔剣だったりそうでなかったりします。

 
・ランタンキャリアー

 燃料もなしで光を放つランタンを持つ、人型のアンデッドです。ランタンの不浄な光の中では、アンデッドが回復効果でダメージを受けなくなります。ランタンを破壊すれば光を失い、本体は盲目状態になります。

 
・ツェン(鴆)

 魔法文明時代にいた鳥で、肉と羽に猛毒を持っていました。毒性値が非常に高く(推定では解毒スプーンで解除できない17以上)、「魔法王殺し」とまで言われましたが、そのため魔動機文明時代前期に営巣地を焼き尽くされて絶滅したといいます。アルフレイムの辺境、あるいはケルディオンなどには、現在も同種の鳥が生息しているかもしれません。

 
・アーヴァンク

 二足歩行する大型の――人間くらいになるビーバーのような動物です。生態はほぼビーバーで、木をかじり倒して溜め池を作り、水中を通って巣に出入りします。雑食ですが人族や蛮族の肉を好みます。

 
・ハハバード

 「ハ! ハ!」とけたたましい鳴き声を上げる鳥です。鳴き声は他の生物をいらだたせる効果を持ち、精神抵抗に失敗して追いかけてくる獲物を崖や水場にはまらせて、死肉を食らいます。
※クッカバラ(ワライカワセミ)をイメージしながら、もっと嫌な感じに。

 
・ナザルスジンセン(ナザルスニンジン)

 ジンセン(ウコギ科の薬用人参)の一種で、アルフレイム大陸北東部に産出します。魔動機文明時代にウルシラ地方に進出を試みた勢力が目当てにしていたといわれますが、今では真偽は謎です。ともあれ、ウルシラ地方では薬草として、また食材としても使われています。タビットは特に好物としていませんが、それでもよく食べます。
 レーゼルドーン大陸原産のジンセンも、ごく一部の薬草園で栽培されています。
※アメリカニンジンをイメージしました。

 
・ブラガド(バリケン)

 ダック(アヒル)に近い種類の鳥で、アルフレイム大陸南西部が原産です。ブラガドとジンセンのライススープはユーシズの名物です。
※スペイン語から、「アメリカ大陸ならスペイン語だよね」という謎の信頼で。英語だとムスコヴィダック(モスクワアヒル)なんですよねー。地名入ってるし。

 
・バルバロスボイラー

 蛮族を蒸す魔動機です。外見はボイラーに八本の脚を生やしています。魔動機文明時代中期から後期の蛮族駆除で、死体を処分しないとアンデッドになりやすい蛮族の危険性を取り除くために、原形をとどめないまでに加工すればよいとの案が出ました。そして、処分の際の副産物を有効活用するために、他の魔動機が倒した蛮族を蒸して脂を取るための魔動機も、産業用魔動機を改造して開発されました。捕獲アームで内部に取り込み水蒸気でダメージを与えるだけでなく、脂を撒いて転倒させる機能も持ちます。魔物知識判定に成功した下位蛮族は恐怖を起こし動けなくなり、上位蛮族は憎悪を抱いて優先的に攻撃を加えます。
※ペンギンを蒸す機械を戦闘に転用しました。

 
・ディファイルメントソイル

 “穢れ”を帯びた土のアンデッドです。蛮族の死体が原形をとどめないで埋まった土から発生するといわれていますが、“穢れ”の環境への残存も含め、確かな所は魔動機文明でも解明しきれませんでした。活動はゾンビとほぼ同じで、駆除もしやすいため、かえって研究が進まなかったとも見られています。

 
・ダンザールモレイ(ダンザールウツボ)

 ダンザール海を中心に生息するウツボです。特に巨大ではありませんし、基本的におとなしい生き物ですが、怒らせると鋭い歯で噛み付いてきます。エルフやマーマンなどに飼い馴らされているものもいます。ダンザールスピニーロブスター(ダンザールイセエビ)と共生している事も多く、“ロブスターの騎士”と呼ばれる事もあります。

 
・ブラッドロブスター

 ロブスターの巨大種で、巨大な鋏をハンマーのように使い獲物を屠ります。エイリャークの象徴ともされており、海辺の蛮族が飼っている事もありますが、雑食性であり基本的に飼い馴らせません。コルガナ地方のブラッドロブスターは特に美味だと言われており、【ファイアボール】での残酷焼きは冒険者の醍醐味だとか。

 
・魔法王(裏社会)

 魔動機文明時代、魔術師や操霊術師はしばしば迫害を受けていました。そうして裏社会に走った魔術師や操霊術師が非合法組織を率いるほか、裏社会のボスが庇護や報酬を出して真語魔法や操霊魔法を学ぶ事が一時期流行して、権力と魔法を手にしたボスはしばしば、魔法文明時代の魔法王にちなんで「魔法王」と自称や他称されました。魔法王が死ぬと権力が崩壊する点もそっくりです。「魔法王」の実力はピンキリで、弱ければ駆け出しの冒険者に倒されるレベル、強ければ単体で軍隊も蹴散らせるレベルでした。現代では裏社会で「魔法王」を名乗る習慣は廃れましたが、魔動機文明時代の死者のレブナントが「魔法王」を名乗って騒ぎになる例もあります。
※ほら、現代の組織でも、「ニンジャ」とか名乗りますし。

 
・メリアカルス

 メリアの分化されていない細胞塊(カルス)です。肉体(植物体?)の一部が再生する際に傷をふさぐために発生するカルスのほか、分化していない細胞だけで増殖させた細胞塊もあり、こちらは操霊術で操る事もできます(この状態では人族ではなく植物として扱われます)。カルスには刺激を与えて新たなメリアにする事も可能なはずですが、人族を実験に使うのは倫理上問題があるため、少なくとも表向きには実現していません。

 
・グランティン・リトルミュール

 小型のラバくらいの大きさをした、輸送用魔動機です。四脚歩行で不整地を踏破できます。魔動機文明時代には整地して道路を作り車輪で走るか、それとも飛行するかで解決されていたため、駄獣型魔動機(特に小型のもの)という発想はあまり盛んではなく、現代において新規開拓する分野と見られています。
※ビッグドッグ。世間に出たのは2005年なのですね。Wikipedia英語版を見たら関連項目に「メタルギア」の月光がいました(こっちは二足歩行)。

 
・ハールーン・ムーンライト

 ハールーンで開発された汎用魔動機です。大型で2〜3m、小型で50cmくらいで二足歩行、2本のアームでガンや槍を持って戦闘もできます。整備に手間がかかるため、量産化はされていませんが、国内だけでなくセブレイやスフバールのような友好国でも試験運用しています。
※ごめんなさい月光です。

 
・ファングヘア

 ヘア(野兎)でも特殊な雑食性の動物で、鋭い犬歯で小動物も捕食します。騎士の喉をかき食らうファングヘアの伝説がありますが、魔動機文明時代のフィクションに由来するそうで、実際にそういう伝説があったわけではないようです。
※うさ耳リカントやりたい。

 
・ビュレットバグ(印地虫)

 魔動機文明時代によその大陸からアルフレイムに入り込んだ害虫です。大きさは投石用の小ぶりな石くらい、硬さもそれくらいあり、外敵に向かって一直線に飛んで体当たりで攻撃します。近い生物であるグレネードバグ(焙烙虫)は走光性があり、体液も可燃性という危険な虫です。

 
・オイルボンズ

 アビス海やナザルス海の深海にいる魚で、テラスティア大陸で獲れるミミルディアンコッド(「ミミルディアの鱈」≒マジェランアイナメ)と生態が似ていますが別の魚です。深海であまり動かない生活を送っているらしく、脂を大量に含んでいます。アビス海亜種は、攻撃を受けると脂を放出しながら発火させて身を守ります。
※アブラボウズです。

 
・ネヴァーサンベイズ

 「決して日光を浴びないもの」の名の通り、モグラの一種ですが、大きくて1.5mくらいになる大型種で、自分で穴を掘るよりは洞窟を巣にしたり地下水路を泳いだりしています。肉食性であり、トンネルを罠にして動物を捕まえ、強力な前脚でつかんでむさぼり食らいます。鱗のような角質化した皮膚の合間から滑らかな毛が生えた皮は、ドワーフの防寒具の材料にされます。
※ヒミズ。

 
・ロングクロウアー

 「長く鶏鳴するもの」、つまり鶏の一種です。通常の鶏より巨大で、くちばしや蹴爪の攻撃力は妖魔を撃退できるほどです。一部の地域では家畜として飼われたり、番鶏(ばんけい)になっていたりします。また、アンデッドを非常に嫌う性質から、ティダンの聖獣ともされています。
※常世の長鳴鳥。

 
(後記)
 強いモンスターや変則的なモンスター、ただの生き物まで。


☆世界設定編

 
・ラクシアの自然現象
 

“空隙(カオス)”
 ラクシアで極めてまれにある自然現象の一つです。空間に裂け目が入り、その部分を満たすように別の存在が挿入されます。“魔剣の迷宮”や“奈落の魔域”と混同される事もしばしばです。裂け目に飲み込まれた存在は大きく破壊を受けて、別の“空隙”からラクシアに戻ってくる場合もありますが、生物はたいてい生き延びられません。
 “帰らずの大地”ケルディオン大陸の様子が、観測者によって証言が異なるのは、“空隙”が大量かつ重複して発生しているからだという説があります。
※ケルディオン大陸を不安定にさせたい。「アークナイツ」の“天災”みたく派手にしてもいいかも。

“フレアバースト”
 雷雲とマナの相互作用により、炎が降り注ぐ現象です。アルフレイムの森林火災の要因にもなり、森の中の開けた土地を生み出します。エルフはフレアバーストの対策法をほぼ解明しており、居住地からそらして落とさせています。

“虚日(ヴォイドソーラー)”
 快晴の日に太陽の方向とその周囲からの音を打ち消す現象です。太陽光線とマナの関係が推測されますが、原因はよくわかっていません。起こるのはごく一瞬ではありますが、不意討ちには十分な時間です。

(後記)
 “帰らずの大地”がなぜよくわからないのかを理由付け、などなど。

 
・魔動車道(マギフリーウェイ)

 アルフレイム大陸で鉄道が、テラスティア大陸で魔航船が発達したように、レーゼルドーン大陸では魔動車が発達しました。最盛期のレーゼルドーン大陸では、ほぼ全土を高速で走る魔動車のための道路――魔動車道が網の目のように結んでいました。高速で走る乗用魔動車、乗合魔動車、貨物魔動車が、人と物の行き来を支えていたのです。平原や高原が多く、行き来を妨げる山脈、湾や半島、大森林などが少ない地形も、道路網の充実の助けになったようです。
 〈大破局〉の天変地異でも大半の魔動車道は耐え抜きましたが、蛮族の侵攻を道路網が助けてしまい、魔動機に防衛を依存していたレーゼルドーンのほぼすべての国が壊滅します。その後は整備もされずに荒れ果てて、一部が蛮族の国に利用されるか、たまに逃亡した人族が利用するかで、ほとんどの魔動車道はレーゼルドーン大陸の奥でただ朽ちるだけです。

(後記)
 という理由付けで、各大陸の特徴を出せるといいなと思いまして。海や川を行く魔船艇が発達した諸島なんかもあるといいな。

 
・アル・メナスネットワークの効果

 ぶっちゃけインターネットです。
 ……だけでは困るので、ちょっとオリジナル設定を。

 ・マギスフィアごとに価格と同額を払う事によって、ネットワークへのアクセス権限を購入する。一般人は1年ごとに同額を払って権限を継続する必要があるが、“壁の守人”の一員ならかかるのは初期費用だけで、権限の継続に費用は掛からない。
 ・アクセスには、小型マギスフィアならマギテック技能は不要。中型〜大型マギスフィアはマギテック技能が1レベル以上必要。
 ・マギスフィアから中継点へ接続するには、起動時にMP消費1点、中継点から至近(同じ町の中とか)なら維持にMP消費なし、遠ければ10分ごとにMPを1点消費、遠すぎるか中継点との間に接続を遮るもの(山や地層など)があれば接続不可。
 ・ほかのマギスフィアと、通話や通信ができる。通話にはタイムラグがあるが、状況により異なる。通信は電子メールと同じ感覚で行える(そして通信データを適宜整理しないと、特に小型マギスフィアでは容量がいっぱいになる)。
 ・通信販売ができる。配達は別料金になり、危険な場所への配達は高額になる。支払いには事前に預けたAMC(アル・メナスチャージ。1AMC=1ガメル)を使う。
 ・ネットワークにアクセス中は、知識判定パッケージにマギテック技能を使える。ただし、所要時間は最低でも1ラウンドになる。マギスフィアが中型なら+2、大型なら+4。ボーナスは、ネットワークを使ってほかの技能(セージ技能など)で判定する際にも追加できる。

 あたりでしょうか。もちろんこれらは魔動機文明時代後期のものであり、現在にこのような恩恵を受けるには、「生きているデータベースを(それも多数)再起動させる」「データベース間のリンクを復活させる」「アクセス権限を正当に付与する方法を再発見する」などのハードルが立ちふさがります。“魔剣の迷宮”や“奈落の魔域”ではネットワークをある程度疑似的に再現しているものもありますが、もちろん万全の能力は望めません。

(後記)
 いつでもどこでも無制限にアクセスできると便利すぎるので、ちょっと制限を付け加えました。検索テクニックは重要です。

 
・大陸間の産物、おもに有用生物の伝来

 先史時代の人間は、おもに大型獣の狩猟と植物の採集により生計を立てていたとみられ、農耕や牧畜はごく原始的なものに留まっていたと、魔動機文明時代の研究で言われています。当時の狩猟採集民が伴った犬が、先史時代でほぼ唯一、大陸間で人間が持ち込んだ動物だったそうです。

 神紀文明時代、おもにティダンの手によって、生活を豊かにするための農作物が、元の生態系を乱さないような範囲内で、大陸間で移植されました。ジャガイモ、トマト、トウモロコシ、唐辛子、キャッサバなどは、この時代にアルフレイム大陸からテラスティア大陸に伝来したといいます。また逆に、小麦、大麦、米、バナナ、玉ネギ、オレンジ、胡椒、茶、コーヒーなどが、アルフレイム大陸に持ち込まれました。馬、牛、豚、羊、猫、鶏などごく一部の家畜も、この時代にラクシア全土に広まっています。この当時からすでに、異なる大陸では免疫のない疫病に感染する恐れが知られていたらしく、往来の慎重なコントロールにより免疫を徐々に持たせていったと、魔動機文明時代に推測されています。

 魔法文明時代や魔動機文明時代には、おもにテラスティア大陸やレーゼルドーン大陸からアルフレイム大陸に、薬用や嗜好品を含む植物や、さまざまな動物(時には幻獣までも)が、生活を豊かにするため、あるいは魔法文明の貴族や魔動機文明の富豪達の好奇心や娯楽のために持ち込まれました。生態系への影響を考えずに持ち込まれた動植物が環境にダメージを与えた例も多く、コルガナ地方からフェイダン地方に持ち込まれて増殖したタラバガニや、プロセルシア地方からブルライト地方に持ち込まれて蔓延した葛などが代表例です。現実世界の20世紀以降では様々な害虫や病原菌が伝播してパンデミックを起こしましたが、魔動機文明はそこまで進歩する前に〈大破局〉を迎えています。しかし魔動機文明の1700年間は生態系の混乱には十分に長く、大きな海を挟んでいるうえに逆の半球にあるテラスティア大陸とアルフレイム大陸で極端な環境の違いがそれほどないのも、魔動機文明の世界的交流によるものが大きいとされています。

 テラスティア大陸に「醤油」や「馬刺し」など、一般的な西洋風ファンタジーとは違うものがあるのは、こうした三度にわたる産物の伝来がもたらしたのも一つの理由です。それでもプロセルシア地方の北部にほぼ限定されるサゴヤシやノルダール地方でしか見られないテフのように、地域独特の産物はいくらか残されています。

 煙草はアルフレイム大陸からテラスティア大陸へ魔法文明時代に持ち込まれ、魔法文明時代の貴族社会ではほかの薬物と同様に乱用されていますが、幻覚などをもたらさない煙草は貴族には刺激が少なかったようで、どちらかというと士族や平民が吸っていました。そうしてテラスティア大陸にも広まった煙草は、魔法文明の崩壊で一度は途絶えます。
 魔動機文明時代に入り、大陸間の往来が復活すると、煙草も全世界に広まります。そうして再導入された煙草は、魔動機文明時代後期に阿片、コカイン、大麻、幻覚茸、幻覚サボテン、その他ラクシア独自の薬物への規制が進む中、紳士のたしなみとして生き延びました。しかし〈大破局〉の後では食用作物が優先されて栽培が衰え、一部の品種が生き残っています。
 なお、ラクシアの煙草も人体にはよくないのですが、そこまで認識は医学的に広まっていないため、嗜好品ではなく薬用として吸われる地方もあります。

(後記)
 テラスティアとレーゼルドーンが旧大陸、アルフレイムが新大陸と見立てて、なおかつ魔法文明時代プレイでも農作物に違和感がないように設定したつもりです。
 身体に悪くない煙草を出したい場合、中つ国からパイプ草を導入する事ができます。ラクシアにホ○ットはいないので、その辺は適当な設定を作ってください。

 
・お空の星々

 ラクシアは地球に似た大きさの惑星で、月を1つ持っています。そして太陽の周りを回っています。太陽は連星とかではない、ごく普通の恒星です。

 ……これ以上の公式情報はないので、ちょっと二次創作を。
 惑星は、確認されている範囲ではラクシアより内側に3つ、外側に6つあり(つまりラクシアは10個のうち内側から4つめ)、他にも小惑星の不完全な帯があちこちの軌道上をさまよっています。内側から2つめの惑星は厚い雲の中に色とりどりの森林が栄え、5つめの惑星は干からびた空気の薄い荒野の上にいびつな岩塊が2つ見下ろしています。7つめのガス惑星の衛星には、呼吸可能な大気を持つ星もあるといいます。魔法文明時代は転送機で、魔動機文明時代は宇宙を行く船で交流があったといいますが、今は交流が途絶えています。
 恒星は、地球より多い密度で夜を明るく照らします。星座は世界共通名称が決まる前に〈大破局〉が来たため、大陸ごとに好き勝手な名前で呼んでいます。天の北極の至近にある、北極星にあたる星をアルフレイムでは“極星”と呼んでいますが、同じ北半球でもレーゼルドーンではその限りではありませんし、南半球にあるテラスティアではそもそも見えません。

(後記)
 惑星には魔法文明あたりの移民の末裔がいたりしてもいいです。金星っぽい星、火星っぽい星、土星の衛星っぽい星を用意しましたが、人工衛星でも月面基地でもストーリーの許す限りで好きなだけ作ってみましょう。
 恒星の星座、どんなのがあるんでしょうね。ドラゴンとか魔剣とか。

 
・異端の術

 魔術師、操霊術師、神官、妖精使い、魔動機師……。魔法使い、だけでなくそれに類する技も含めると、ラクシアには物理法則では及びもつかない術を使う様々な手段があります。
 そんな雑多な術の勝手な設定。

>付与術師(エンチャンター)…2.0既出
 物体に魔力を注ぎ込み、魔法的な機能を持たせる術者です。付与術は行使に長時間かかり、即効性のない術であるため、冒険者レベルに影響しない一般技能として扱われます。

>環境術師(エコロジスト)
 環境に魔法的要素を注ぎ込む術者です。アルフレイムでは豊かな生態系を行使する方向に発達しました。やはり即効性のある術ではなく、行使に対するリターンに年単位の時間を要する技術のため、一般技能になります。

>生体術師(バイオマンサー)
 生物の肉体を改造して、有用なものに作り替える技術です。発光微生物による照明から、生物と魔動機を融合した戦闘獣まで、魔動機文明時代には様々な存在が生み出され、現在のアルフレイムで人族の助けや脅威になっています。改造生物を生み出す専門の技能で、操作はライダーやマギテックが行うため、これ自体は一般技能です。

>薬草師(ハーバリスト)
 薬用植物……に限らず、動物や鉱物由来の成分も、塗ったり煎じたり粉にしたりで、錬金術に似た効果をもたらします。魔法文明時代に局地的に生まれた技術で、そして廃れました。魔法文明時代にアルケミスト技能を使いたい場合、名前だけ変えて代用できます(こら)。

(後記)
 思い付きです。マギスフィアを蒸気の何かにすれば安直にスチームパンクを(削除)。

 
・火薬がない

 ラクシアでは火薬技術が全く発達していません。ガンは魔動機で、マギスフィアの補助で作動して、魔晶石の粉を成型した弾を撃ちます。
 だけでなく。
  花火がない。
  発破技術がない。
  ハーバー・ボッシュ法で窒素化合物を量産できないか、そこから硝石を作る技術がない。
 とかいう事態が予測されます。

 まず花火ですが、のろしは別に存在しています。また、魔動機術のガンで放つものの成分に手を加えて、火花を散らす事もできるでしょうか。爆竹は竹を焼けばはぜるので大丈夫です(竹が生えていればですが、魔動機文明時代の植物園から逸出すれば……)。
 発破技術も魔動機で何とかしましょう。魔法がなくても、古代ローマみたいに水を流し込んで山ごと崩す荒業があります。
 ハーバー・ボッシュ法は、現実では20世紀前期に見つかった技術ですので、魔動機文明時代に発見できなかった事にしても問題ありません。また、硝石の火薬利用技術がなければ、いきなり硝石を大量生産できるようになっても、そこからいきなり火薬を作れるとは限りません。

(後記)
 たまたま硝石がないとか、あっても肥料以外に使われていないとかあるんでしょうねー。石炭や石油や天然ガスがあっても魔晶石の方がたくさん出るから、外燃機関や内燃機関ができないとか。

 
・“穢れ”で肉体が強化されるとしたら

 ダルクレムは“穢れ”で蛮族を強化したと伝えられますが、現在の人族や蛮族が個別の事情で“穢れ”を増やしても、何かが強化されるわけではありません。……5点になればレブナントになっていろいろ強化されると? それは置いといてください。

 ・生来の点数を1点超えるごとに、任意の1つの能力値による判定すべてに超過分のボーナス。
 ・生来の点数を3点以上(ナイトメアは2点以上)超えると、魔法の使用に発動体が不要になる。

 とかでしょうか。

(後記)
 積極的に蘇りを受ける理由ができるかもしれません。


☆世界設定編〜祝祭日〜

 
 アルフレイム大陸の祝祭日です。
 『鉄道の都キングスフォール』にもたくさん祝祭日があります。あと満月の日は暦の月とリンクしていないっぽいです。

 
・元日(1/1)

 暦の起点となる日です。アルフレイム大陸ではあまり盛大に祝われませんが、大半の仕事は休みになります。

 
・ガルー元日(1/満月)

 1年の最初の満月で、リカントが年の初めを祝います。

 
・鍛える炎の日(2/17)

 かまどや炉など、炎を扱う場所で祭りを行います。竹が生えている地域では、文字通りの爆竹として竹を焼きます。

 
・蛙狩りの日(2/20)

 冬眠している蛙を狩って料理する、ブルライト地方の祭りです。蛙をあまり食用にしない種族では、カミツキガメや鯉など、ほかの食用動物を狩って食べます。

 
・〈大破局〉の祈祷日(2/29)

 〈大破局〉の死者のために祈り、人族の復興と蛮族の駆逐を誓う日です。アルフレイム大陸の各地でばらばらに追悼行事を行っていましたが、冒険者ギルドの調整により、元々死者を悼む日であったこの日に合わせられました。

 
・月神の弓の日(3/上弦の月)

 初春の上弦の月の日で、弓矢の上達を願って、大陸の東部では射撃大会が行われます。

 
・春分祭(3/下旬)

 春分を祝う日です。北西部では「角の祭」と呼ばれ、羊の角をあしらった料理がふるまわれます。

 
・冗談の記念日(4/1)

 好き勝手な物を祝う日です。各々が好きな物を持ち寄り、それの素晴らしさを語り合うという風習があります。

 
・浸礼の日(4/12)

 ライフォスの誕生日とされる日ですが、魔法文明時代の聖人の誕生日だという説もあります。

 
・魔王の夜(4/30)

 “魔王”の名を持つ蛮族の王が地上に降り立ち狩りを行うといわれ、人族・蛮族問わず夜には出歩きません。北の方では火を絶やさずに、魔王が寄るのを防ごうとします。

 
・五柱の日(5/5)

 第一の剣の陣営の5柱の古代神が、ダルクレムを鎮めた事を祝う祝日です。ダルクレムの張りぼてが盛大に焼かれるのがクライマックスになります。

 
・峠開きの日(6/10)

 ノーザンファング連山の頂点にあり、唯一地上で通行可能なオーバーファング峠が通行可能になる日です。スルーザファングトンネルやアンダファングトンネルを通行できず、なおかつ船や魔航船に載せられないような貨物は、9月ごろに閉ざされるまでの間に運ばれます。

 
・大舞台の日(6/満月)

 マカジャハットで国を挙げて開かれる芸術祭の日です。実質的には前後の日を含む7日間くらいが“大舞台週間”となります。ジニアスタ闘技場では特別大会が開かれます。

 
・夏至祭(6/下旬)

 夏至を祝う日です。エルフはアステリアを称えて水浴びをし、北方の人々は諸肌脱ぎになって日光浴をします。

 
・知識の日(7/1)

 魔動機文明時代に制定された祝日で、魔動機文明語が開発された日とされています。中等教育や高等教育の学校の試験も、この日のあたりに行われます。

 
・卒業式(7/上旬)

 アルフレイム大陸では夏に卒業式を行います。夏休みには宿題はなく、主に家の手伝いやアルバイト(高等教育の学校では冒険者も含む)を行います。

 
・交易商の日(8/7)

 交易商(マーチャント。店を構えて小売りをするショッパーではない)の記念日とされ、ライフォス神殿やハルーラ神殿や交易商のギルドホールなどで祝われます。

 
・吊るされる日(8/15)

 死者の魂がこの世に戻ってくるという日です。アンデッドの活動も盛んになる事が実証されており、墓地や古戦場では警戒態勢が敷かれます。

 
・入学式(9/上旬)

 大まかな日付のずれはありますが、アルフレイム大陸では9月に入学式を行います。

 
・月迎えの日(9/満月)

 満月を迎え、シーンへの礼拝を行う日です。子供達にはお菓子が出ます。

 
・秋分祭(9/下旬)

 秋分を祝う日です。東部の「角の祭」はこちらで、山羊の角をあしらった料理が出されます。

 
・技芸の日(10/5)

 第一の剣が司る技芸の成果を披露する日です。第二の剣が司る芸術の扱いについては、地域により異なりますが、あまり斬新だったり異端的だったりすると公開を拒否されやすく、厳しい地域では芸術と裏社会の関係が強くなってしまう場合もあります。

 
・死者の行列(10/30)

 元はレーゼルドーン大陸の伝承で、この日の夜には死者の魂や異世界の存在がラクシアに近付くといいます。宗教的な祭日ではなく、怪しげな儀式や降霊術が催されやすいため、あまり良い目で見られない日でもあります。

 
・捧げの日(11/20〜22)

 秋の収穫をティダンに捧げる日です。捧げた物は分け合ってから料理して食べますが、料理部分は神事ではないので、“食福神”ミィルズを祀る日ではありません。地域によっては家畜や狩猟の獲物も捧げるため、割と血まみれになります。テラスティア大陸の収穫祭(4〜5月頃)とは違い、アルフレイム大陸には酒を司る著名な神がいないため、飲酒は喜ばれず、西方の大半の地域では日常的に飲酒する事はあまりありません。

 
・冬至祭(12/下旬)

 冬至を祝う日です。

 
・大三十日(12/31)

 年の最終日で、年内の決算を行う日です。報復や復讐に向いている日とされており、ミリッツァの使いが「年」を追い立てる行列も催されます。禁固刑や懲役刑の囚人への恩赦や、死刑囚の処刑も、古い習慣ではこの日に行いました。

 
(後記)
 ゲーム内でもお祝いをしたい人向けの思い付きです。「2.0」で1年は365日だったので、日付はグレゴリオ暦と同じに割り振りました。


☆非戦闘特技

 奇数レベルで覚える戦闘特技に対する、偶数レベルで覚える非戦闘特技……の思い付きです。
 バランスは考えないで創作したため、このまま使う危険行為は控えてください。

《一般人》
 前提:冒険者レベル0
 戦闘で攻撃を行うことができません。GMが認める限りのあらゆる巻き込みによるダメージを無視します。
 冒険者レベルを取ると、この特技は失われます。

《マルチリンガル/種別》
 言語1種類を(会話・読文があればともに)追加で習得します。

《斥候の体術》
 前提:スカウト10
 スカウト+敏捷度判定に、常時+2します。

《ミルタバルの指先》
 前提:スカウト10、ミルタバルを信仰
 スカウト+器用度判定に、常時+2します。

《初歩魔法/種別》
 前提:その魔法を使える種族、冒険者レベル2
 小魔法のうち、1レベルのものを1種類使えます。基本的に冒険の役には直接立たない呪文です。

《聖痕I》
 前提:プリースト2
 聖印の代わりに使える聖痕が肉体に備わります。装備欄は使いませんが、聖痕を介した神聖魔法の魔力に−1されます。
 また、2レベルの特殊神聖魔法を1日に1回、MP消費なしで使えます(魔法拡大はできません)。

《聖痕II》
 置き換え特技
 前提:プリースト8
 聖痕は大きくなり、隠匿が困難になりますが、神聖魔法の魔力に+1されます。
 また、2レベルの特殊神聖魔法を1日に2回、4レベルの特殊神聖魔法を1日に1回、MP消費なしで使えます。

《寄り木の祝福》
 前提:メリア、ドルイド8
 自身の肉体を宿り木の杖とみなして、森羅魔法を使うことができます。

《匠の技I》
 前提:冒険者レベル6
 一般技能レベルの上限を10レベル、合計上限を25レベルにします。

《匠の技II》
 置き換え特技
 前提:冒険者レベル12、《匠の技I》
 一般技能レベルの上限を15レベル、合計上限を40レベルにします。


『ソード・ワールド2.5』:(C)北沢慶/グループSNE/KADOKAWA

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