#お茶の破壊・14杯目
◇剣の迷宮にて◇


 『ソード・ワールド2.0』の自作追加データです。


◇経歴表

 自作の経歴表です。大惨事を起こしそうな経歴もさり気なく混ざっていますので、くれぐれも注意してお使い下さい。

※経歴が互いに矛盾しそうになった場合、強引に解釈して整合させるか、「前は〜〜だったが今は〜〜」のように前後関係を持たせてみて下さい。「大恋愛したことがある」+「まだ恋をしたことがない」の場合、「恋を知らなかったが、初めての恋が大恋愛になった」「大恋愛したはずだったが、あれは本気の恋ではなかったと思う」のように。
※種族的にありえない経歴(グラスランナーで「かつては貴族だった」? 家族概念がないリルドラケンが「両親に愛されて育った」って?)も、強引に処理してしまいましょう。どーしても処理しきれなければ、その際は改めて振り直すか自由選択するかです。


(経歴表X-A)
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1-1 自分を平凡だと思っている
1-2 特定の人物に負い目がある
1-3 同じ年齢の友人がいる(いた)
1-4 誰かに大怪我をさせたことがある
1-5 誰かを裏切ったことがある
1-6 極めて高い所から落下したことがある
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2-1 いわれのない評判を蒙っている
2-2 真偽入り混じった評判を蒙っている
2-3 有名人の敵がいる(いた)
2-4 因縁のある集団がある(あった)
2-5 憎悪している相手がいる(いた)
2-6 決闘をしたことがある
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3-1 蛮族に囚われたことがある
3-2 特定の蛮族と面識がある
3-3 特定の魔物と面識がある
3-4 知り合いがアンデッドになったことがある
3-5 妖精が見えやすい
3-6 穢れを極度に忌み嫌っている(いた)
――――――――――――――――――――――――
4-1 異性を過剰に意識する
4-2 存在感が薄い
4-3 妄想に浸る癖がある
4-4 「言動が暑苦しい」と評されたことがある
4-5 自分と同じ名前の人物を知っている
4-6 謎の言葉が記憶に焼き付いている
――――――――――――――――――――――――
5-1 孤独に耐えられない
5-2 人嫌い
5-3 冗談を真に受けやすい
5-4 他者に心を許せない
5-5 何かと卒倒する
5-6 他人の言動が癇に障る
――――――――――――――――――――――――
6-1 身元を隠している
6-2 性別を隠している(両性具有でも可)
6-3 高名な先祖がいる
6-4 悪名を馳せた先祖がいる
6-5 波乱に満ちた人生を送ってきた
6-6 転生する前の記憶がおぼろげにある(らしい)
――――――――――――――――――――――――

(経歴表X-B)
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1-1 襲撃されたことがある
1-2 誰かを襲撃したことがある
1-3 一方的に敵愾心を持つ相手がいる(いた)
1-4 一方的に敵愾心を持たれた相手がいる(いた)
1-5 戦場体験がある
1-6 住んでいた場所を破壊された
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2-1 神(または種族の理念)を強く信奉している
2-2 追放(破門)されたことがある
2-3 俗信に影響されやすい
2-4 他人の感情に鈍感
2-5 弟子がいる(いた)
2-6 口をはばかる行為を行ったことがある
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3-1 身体に障害があった
3-2 体調を崩しやすい(やすかった)
3-3 嫌いな自分自身の身体特徴がある
3-4 周囲から蔑まれて育った
3-5 嫌悪している相手がいる(いた)
3-6 悪霊が憑いている(と思っている)
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4-1 率直な性格をしている
4-2 根拠のない自信を有している
4-3 大人びている(年寄りっぽい)
4-4 若々しい(子供っぽい)
4-5 度が過ぎるほど慎重
4-6 二面性がある
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5-1 天然系(≒言動が他人とずれている)
5-2 癒し系(≒世話好き)
5-3 腹黒い(≒腹に一物ある)
5-4 クール(≒言動が冷静)
5-5 ツンデレ(≒素直になれない)
5-6 ヤンデレ(≒執着が激しい)
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6-1 秘密結社に属している(いた)
6-2 特殊な〈剣のかけら〉を体内に宿している(HPに修正なし。死亡しても外れない)
6-3 力を解放する鍵である(らしい)
6-4 現世の栄華を求めている(いた)
6-5 神をも殺せる力を求めている(いた)
6-6 異世界へ行く方法を求めている(いた)
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(経歴表X-C)
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1-1 人を死に至らしめたことがある
1-2 親族から疎まれている(いた)
1-3 同種族に疎遠
1-4 憐れみを感じる相手がいる(いた)
1-5 飢えたことがある
1-6 物語から大きな影響を受けたことがある
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2-1 高レベルの家族がいる(いた)
2-2 義理の兄弟姉妹がいる(いた)
2-3 作詞のセンスが皆無
2-4 絵を褒められたことがない
2-5 罠に掛かってひどい目に遭った
2-6 魔法の失敗に巻き込まれたことがある
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3-1 身の回りのことが苦手
3-2 整理整頓が苦手
3-3 忘れっぽい
3-4 執念深い
3-5 他人を気に掛けない
3-6 他人に流されやすい
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4-1 何らかの仕事を手伝ったことがある
4-2 迷惑な癖を持っている
4-3 魔物を飼っていたことがある
4-4 近所に腕利きの職人が住んでいる(いた)
4-5 人里離れた場所で育った
4-6 大きな街で育った
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5-1 約束をしていたが内容を思い出せない
5-2 するべき使命を果たせなかった
5-3 間違った知識を持っている
5-4 方向感覚が乏しい
5-5 冒険者としての生活が嫌い
5-6 マニアックな嗜好を持っている
――――――――――――――――――――――――
6-1 知っているはずがない知識を持っている
6-2 生まれたときに特異な天体現象があった
6-3 小神に出会ったことがある
6-4 重大事件に居合わせたことがある
6-5 国家の重大な機密に触れている
6-6 処刑されかけたことがある
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(経歴表テンプレート)
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1-1 
1-2 
1-3 
1-4 
1-5 
1-6 
――――――――――――――――――――――――
2-1 
2-2 
2-3 
2-4 
2-5 
2-6 
――――――――――――――――――――――――
3-1 
3-2 
3-3 
3-4 
3-5 
3-6 
――――――――――――――――――――――――
4-1 
4-2 
4-3 
4-4 
4-5 
4-6 
――――――――――――――――――――――――
5-1 
5-2 
5-3 
5-4 
5-5 
5-6 
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6-1 
6-2 
6-3 
6-4 
6-5 
6-6 
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◇一般技能表

 自作の一般技能表です。あまり一般的でない技能や、プレイヤーやGMの持つ世界観にそぐわない恐れのある技能が多々混じっていますので、使用には十分に注意して下さい。

※英語名にはあまり自信がありません。
太字の技能は内容を見直したものです。


1-1 建築家/アーキテクト/建築の設計や意匠のほか、都市計画などに通じています。資材の取り扱いは、メーソン技能やカーペンター技能などの領分です。
1-2 俳優/アクター、アクトレス/舞台などで演劇を行います。
1-3 宿屋主人/インキーパー/宿屋に必要な物事をこなします。コック、ハウスキーパー、マーチャントでも、一部の業務に対応できます。
1-4 楽器職人/インスツルメントメイカー/様々な楽器や、楽器に必要な細かい部品を作り出します。
1-5 掘削家/エクスカベーター/地中を掘り込み、水路、井戸、トンネル、地下室などを作ります。地質や地下水にも通じています。
1-6 光学器具職人/オプティシャン/眼鏡、望遠鏡、顕微鏡といった、光学器具を作成します。

2-1 守衛/ガード/人物や特定の場所、もしくは街や村を守ります。ソルジャーやバウンサーとは違い、無用の警戒を与えないため、戦力としては目立たないように振舞います。戦闘能力は戦士系技能で判断します。
2-2 採取家/ギャザラー/自然界から資源を採取するための技能です。薬草、食用根茎、食用茸、宝石、砂金、香木といった高価な物を専門に採取する者もいます。
2-3 鋳物師/キャスター/金属を鋳造加工し、製品を作り出します。鍛造を行うブラックスミス技能とは別の技能です。鋳造には鍛造を上回る高熱を必要とするため、地方によっては鉄の鋳造技術が失伝している事もありえます。
2-4 ガラス職人/グレイジャー/ガラス質の砂やその他の材料を加工して、ガラス製品を作り出します。プロの段階に達すると、板ガラスやレンズを作り出す事も可能です。
2-5 時計職人/クロックメイカー/時計を始めとする、歯車やゼンマイを用いて作動する機械の専門家です。
2-6 遊戯者/ゲームプレイヤー/カードゲーム、ボードゲーム、パズルゲームなど、様々なゲームの知識や駆け引きに長けています。冒険者レベル、ソルジャー技能、セイラー技能等で勝負事のゲーム(賭博にも使えるような物)のプレイを、セージ技能で頭を使うゲームのプレイや一般的なゲームの知識についての判定を行えます。賭博の駆け引きに重点を置いている場合、ギャンブラー(賭博師)技能を名乗る事ができますが、できる事にあまり違いはないものとします。

3-1 車輛製造者/コーチビルダー/馬車、荷車、橇、輿などの、陸上の乗り物を製造します。魔動機術を使用した車輛も、必要な設備があれば修理できます。
3-2 菓子屋/コンフェクショナー/様々な菓子を作る専門家です。大量生産される食品には対応するこのような一般技能がありますが、家庭用の少量生産はコック技能やハウスキーパー技能、もしくは材料の生産に関わる一般技能(チーズメーカー技能など)で対応できます。複雑でない製法の食材や保存食なら、ファーマー技能、ハンター技能、フィッシャーマン技能といった辺りです。
3-3 船大工/シップライト/船を作ります。飛行船の船体作りもシップライト技能の対象です。
3-4 講釈師/ストーリーテラー/話を興味深く、また面白く伝えるための技術です。講釈する話の知識にも長けています。
3-5 藁細工師/ストローワーカー/麦藁(リーンシェンク地方なら稲藁も)やその他の繊維質の草を編んで、様々な物を作ります。
3-6 養蚕家/セリカルチャリスト/蚕を飼育して、絹を作ります。

4-1 銀行家/バンカー/預金の受け入れ、融資、為替の発行などを行い、その手数料で利益を得ます。
4-2 養蜂家/ビーキーパー/蜜蜂を飼育して、蜜を採ります。一部の地域では、大型の蜂の成虫や幼虫を食用に飼育するためにもこの技能を用います。
4-3 麹屋/ファーメンテーションマン/発酵食品を造るための麹、酵母等の、製造、衛生管理、発酵状態のコントロールなどを行います。魔動機文明時代にほかの大陸から伝わった味噌や醤油も、この技能で造ります。酒を造るための発酵は、ブルワー技能やディスティラー技能で行います。
4-4 消防士/ファイアマン/消火や防火の専門家です。その性質上、火でダメージを受けないドワーフが多く見られます。
4-5 製本屋/ブックバインダー/書物の製本や表紙の装丁を行います。
4-6 煉瓦職人/ブリックレイヤー/煉瓦、タイル、瓦を作ります。タイル張りや煉瓦の城壁造りもできますが、建物に使う時にはカーペンター技能を用います。

5-1 印刷屋/プリンター/木版、石版、銅版、金属活字などと印刷用のインクを作り、それを使って印刷を行います。情報を大量に流布するための貴重な技術であり、地域の有力者の庇護を受けて活動している事があります。
5-2 検察官/プロシキューター/犯罪現場や遺留品を調査して、真相を突き止めるための情報を得ます。一部はスカウト技能と重複し、法体系があまり整備されていない地域では、ガード技能、ローヤー技能と重複する部分があります。人型生物に対する調査のための技能ですので、人族と蛮族以外に対して使うと、大半の判定に不利な修正を受けます。
5-3 パン屋/ベーカリー/パン作りの専門家です。発酵パンに必要な酵母菌の確保は、コック技能やハウスキーパー技能でも可能です。
5-4 紙職人/ペーパーメイカー/羊皮紙や犢皮紙(子牛の皮の紙)に代表される獣皮紙を作ります。地方によっては、植物繊維を漉き上げて紙を作っています。
5-5 園芸家/ホーティカルチャリスト/様々な植物の(通常は小規模な)栽培や品種開発を行います。大規模な農業・畜産を行うファーマー技能や、庭園のためのガーデナー技能とは別の技能です。
5-6 陶工/ポッター/陶器や磁器を作り出します。未開の地域か、または特殊用途がある場合は、土器を作っている事もあります。

6-1 政治家/ポリティシャン/ノーブル技能とは異なる、プロの政治家の技能です。魔動機文明時代の体制を維持している国に多く、支持者の取りまとめ、意見の討論、政治勢力の関係の把握、施政方針が社会に及ぼす影響の考察などに長けています。
6-2 乳業家/ミルクマン/牛などの乳を採取、加工して、乳製品を作ります。
6-3 機械工/メカニック/魔法的でない機械仕掛けの専門家です。
6-4 伝令/メッセンジャー/伝言、手紙、小さな荷物を素早く運びます。効率の良い通行路の判断、危険地帯の通行、伝言の記憶などが可能で、伝書鳩や伝令犬、手旗信号や狼煙も扱えます。大半の伝令は政府、軍、ギルドなどの専属ですが、ライダーギルドや冒険者の店で一般の依頼を受ける伝令もいます。
6-5 悪党/ローグ/犯罪や違法行為の手口に通じています。実際の隠密技術はスカウト技能で、戦闘能力は戦士系技能で判断します。
6-6 法律家/ローヤー/法律の知識や運用に長け、裁判の弁護や裁決、法に関する助言などを行います。


(単独の技能でないもの)
 ある技能のバリエーション、技能ではなく行動により定義づけられるもの、単独の技能とするには守備範囲が広いものなどです。これらを単独の技能扱いしないのは、あくまでも個人的判断によるものですので、GMとプレイヤー次第で取得しても構いませんが、ほかのGMやプレイヤーの事も考えて、あまり無茶な要求はしないように自制して下さい。「ジャック・オブ・オール・トレード技能で何でも判定できる」と主張した場合、GMは「いいよ。でも基本-10修正ね」と返してくれる事でしょう(筆者の場合、「基本-4修正で、ボーナスは得られずペナルティは2倍、未習得では行えない行為は×」くらいです)。

投資家/インベスター/金銭や資材を事業に投資する事で利益を得ます。マーチャント技能やバンカー技能と、投資対象の関連技能との複合によるものです。
名誉蛮族/オナラリーバルバロス/蛮族の領域で、支配者に忠誠を誓う事で地位を得た(魂を売った)人族です。特定の能力に応じた地位ではないため、所有する技能は様々です。

銃器職人/ガンスミス/銃を作り出せ――たのですが、現在は銃の製作方法が失われているため、事実上ウェポンスミス技能に統合される程度の技術しか残されていません(簡単なレベルの銃なら作り出せても、魔動機文明時代最末期の銃と比べると性能が低過ぎるため、市販されていないだけかもしれませんが)。発掘された銃の再生はリペアラー技能で、銃弾の作成はエンチャンター技能で行います。
隊商/キャラバン/大規模な隊列を組んで、長距離を陸路で移動して交易を行います。コーチマン、テイマー、マーチャントが中心ですが、その他の技能の所持者もいます。

従者/サーバント/富裕層に仕え、バトラー技能の所有者が取りまとめる人々です。肉体労働ならレイバー技能、家内労働ならハウスキーパー技能を持ちます。もちろん、その他の技能に特化したサーバントもいます。
貝細工師/シェルワーカー/貝や珊瑚などを素材として細工物を作ります。技術はボーンカーバーとほぼ重複しているため、どちらを称してもできる事に変わりはありません。
何でも屋/ジャック・オブ・オール・トレード/細々とした仕事や苦情処理を行います。様々な一般技能や冒険者技能で対応しますが、特に専門的な作業でもない場合は、冒険者レベルで代用しても構わないでしょう。
裁判官/ジャッジ/民事と刑事を問わず、裁判において、法に照らし合わせて必要な措置を判断します。ローヤー技能とオフィシャル技能を共に持ちます。
小売商人/ショップキーパー/交易を主体とする(狭義の)マーチャントとは違い、比較的少量の品物を生産者や消費者と直接取引きしています。主要な相違点は規模の大きさであるため、マーチャントと一括して扱います。
奴隷/スレイブ/人としての権利を持たず、財産として扱われ、所有者の下で労働を行います。人族の社会では滅多にいませんが、蛮族の社会では割とよく見掛けます。労働内容に応じた技能を持ちます。

新聞記者/ニュースマン/事件や問題を取材し、記事にする者です。取材には環境により、ノーブルからベガーまで、ローヤーからローグまで、幅広い技能が有効でしょう。記事作成にはオーサー技能を使います。

薬草師/ハーバリスト/元は経験則により行われていた医療技術も、魔動機文明時代にドクター技能へと統合されました。ハーバリストを名乗る者は現在もいますが、実際にはレンジャー、ウィッチドクター、ドクター、ドラッグメイカーといった辺りです。
海賊/パイレート(、バッカニア)/船を用いて、ほかの船や沿岸の居住地を襲って盗賊行為を働きますが、密輸や身代金誘拐も活動分野に含む事があります。特定の国に雇われて、それ以外の国の船を襲うしりょうせん私掠船員(プライベティア、コルセア)も、リオス、レンドリフト帝国、ディルフラム(など)が使っています。ローグ、セイラー、戦闘系の冒険者技能、マーチャントなどの技能を持っている事が多いのですが、拠点にいて実際の略奪に関与しない場合は、食糧や資材の調達・加工に関係した技能に特化して、一般的な「海賊」のイメージにそぐわない場合もあるでしょう。商人や漁師も、敵対している相手や、後腐れなく襲えそうな相手を襲う事がままあるかもしれませんが、それは一時的に海賊行為を行っているだけで、海賊を本業にしているわけではありません。
山賊/バンディット(、ハイウェイマン)/山野(山だけでなく平地も)を拠点として、通行者や近隣の居住地を襲って盗賊行為を(以下略)。持っているであろう技能も「海賊の陸上版」といった感じで、ローグ、ハンター、戦闘系の冒険者技能、レンジャーなどです。
竹細工師/バンブーワーカー/竹を加工して物品を作り上げます。ウッドクラフトマン技能に含みます。
内科医/フィジシャン/刃物を用いて処置を行うサージョンに対して、薬品で医療を行います。ラクシアの医術の主流は内科医のため、内科医だけを医者(ドクター)と呼ぶのが一般的です。
写真家/フォトグラファー/魔動機文明時代に、写真や映像を撮影していました。当時は独立した一般技能でしたが、現在は、暗箱(カメラ・オブスクラ)で精密画を作成するのはペインター技能、魔動機械で撮影をするのはマギテック技能です。
飼育者/ブリーダー/動物(家畜、伝書鳩、養殖魚など)の飼育と繁殖を、計画的に行います。分野に応じて、テイマー技能、ハーズマン技能、フィッシャーマン技能などを用います。植物の計画的な繁殖は、ファーマー技能で行います。
囚人/プリズナー/何らかの理由により、監獄や牢獄に(時には離島や僻地に)囚われている人々です。屋敷や村のように広い範囲に軟禁されている場合は何らかの技能を身に付ける余地がありますが、厳重に閉じ込められると技能を取るどころではなくなります。
手品師/プレスティディジテイター/パフォーマーの中でも、手品を中心に演じる者です。
小作農/ペザント/土地を所有せず、地主である大規模なファーマーの所で働きます。農耕自体についての知識は変わらないため、ファーマー技能を持つものとして扱います。
詩人/ポエット/詩を作ります。ラクシアの文芸は物語と詩が分化していないため、オーサー技能の一部として扱われます。

傭兵/マーシナリー/金銭(稀にそれ以外も)で雇われ、雇い主のために用いられる戦力です。軍事活動のうち、戦闘以外の局面ではソルジャー技能を用います。ラクシアの傭兵は軍事活動以外にも雇われる事があり、その際にはソルジャー技能ではなくバウンサー技能やガード技能を用います。
粉屋/ミラー/大規模な石臼で穀物(稀にそれ以外も)を粉に挽きます。石臼はメーソン技能、風車や水車はメカニック技能で扱います。
貨幣職人/ミンター/金属貨幣を正確な重量・純度・合金比率で鍛造または鋳造します。金貨や銀貨はジュエラー技能、銅貨はキャスター技能で製造しますが、流通用の貨幣の製造には、「プロ」である6レベル以上が必要です。為替や証書をペーパーメイカー技能、プリンター技能、スクライブ技能で製造するのにも、同レベルの力量を要求されます。

王族/ロイヤルティ/国を世襲で統治する君主の一族です。ノーブルとの境界線は時として曖昧ですし、必要な能力もノーブルから隔絶しているわけではありませんので、ノーブル技能を所持しているものとして扱います。


◇Excelでキャラクター作成補助を

 Microsoft Excelは、「ソード・ワールド2.0」のキャラクター作成の補助に使えます。
 そのために使える計算式を、この場で紹介しておきます。

※具体的な数値・セル番号を入れる部分は、前後に全角スペースを入れたうえで、説明部分に下線を引きます。
 実際に入力する際には、前後にスペースを入れないで、具体的な数値・セル番号をそのまま入れてください。


◆シート1枚目


・2Dを計算する

 計算式> =RANDBETWEEN(1,6)+RANDBETWEEN(1,6)

 意味> 「1〜6までの乱数」+「1〜6までの乱数」。

※RANDBETWEENは、同じシート内のセルに入力をする度に(ただ「ENTER」を押すだけでも)算出し直されます。


・1D+固定値を計算する

 計算式> =RANDBETWEEN(1,6)+ 固定値

 意味> 「1〜6までの乱数」+「固定値」。


・基礎能力値とダイスを振った数を足して、能力値を出す

 計算式> = 基礎能力値のセルの番号 + ダイスを振った数のセルの番号

 意味> 「基礎能力値」+「ダイスを振った数」。


◆シート2枚目


・能力値ボーナスを計算する(能力値を入力していない状態では空白にしたい)

 計算式> =IF( 能力値を入力しているセルの番号 ="","",QUOTIENT( 能力値を入力しているセルの番号 ,6))

 意味> 能力値を入力していなければ空白にする。そうでなければ「「能力値÷6」の余りを切り捨て」。


・冒険者レベルを出す

 冒険者技能のレベル記入欄を1つの範囲にまとめてから、↓

 計算式> =MAX( レベル記入欄の端のセルの番号 : レベル記入欄の反対側の端のセルの番号 )

 意味> レベル記入欄の中で最大の数。


・HPを出す(生命力を入力していない状態では空白にしたい)

 計算式> =IF( 生命力を入力しているセルの番号 ="","", 生命力を入力しているセルの番号 + 冒険者レベルを入力しているセルの番号 *3)

 意味> 生命力を入力していなければ空白にする。そうでなければ「生命力+「冒険者レベル×3」」。


・MPを出す(精神力を入力していない状態では空白にしたい。種族がグラスランナーの場合は「なし」と表示したい)

 計算式> =IF( 種族欄のセルの番号 ="グラスランナー","なし",
         IF( 精神力を入力しているセルの番号 ="","", 精神力を入力しているセルの番号 +
         SUM( 魔法使い技能のレベル記入欄の端のセルの番号 : 魔法使い技能のレベル記入欄の反対側の端のセルの番号 )*3))

 意味> 種族がグラスランナーなら「なし」と表示する。
      そうでなければ、精神力を入力していなければ空白にする。
      そうでなければ「精神力+「魔法使い技能のレベル合計×3」」。


・買い物をした後で残った所持金を出す

 装備品の購入金額欄を1つの範囲にまとめてから、↓

 計算式> = 買い物前の所持金 -SUM( 購入金額欄の端のセルの番号 : 購入金額欄の反対側の端のセルの番号 )

 意味> 買い物前の所持金から、購入した装備品の合計金額を引く。


◇魔法使いが複合すると

 要は、「ソーサラー+コンジャラー=ウィザード(魔導師)」みたいなのが、ほかの魔法使い系技能にもあるのかなーという事。
 公式作品で特定の名称を付けた例は見当たらないので、適当そうなのを考えてみます。「片方メインで片方サブ」(エアのプリースト>コンジャラーとか、ウィストのフェアリーテイマー>ソーサラーとか)ではなく、どちらも同じくらい重点を置いている場合(ニノンのフェアリーテイマー≒コンジャラーとか)の名称として。
 ……フィオ王女は神官魔術師と名乗りながら(いや、本人では名乗ってないか)、プリースト技能を全然上げていませんし。


プリースト+ソーサラー=メイガス(博士、複数形はメイジャイ)
 神紀文明以来の信仰と、魔法文明の知識をともに伝承する賢人達です。古代神の信徒がほとんどで、テラスティア大陸では東部(特にダグニア、ノルダール、プロセルシア)に多く見られます。蛮族のメイガスは稀にしかいませんが、そのほぼすべてが恐るべき敵です。

プリースト+コンジャラー=ネクロマンサー(霊使い)
 死者を人族蛮族問わずアンデッドにして辱める連中とは一線を画する、生者と死者の護り手です。【リザレクション】は必要ならば使いますが、必要性は十分に吟味して、無理に蘇生を促す事はありません。蛮族のネクロマンサーは、権力には執着せず、より恐ろしい何かに執着しています。

プリースト+フェアリーテイマー=インヴォーカー(招請者)
 第一の剣の陣営の神への信仰を仰ぎ、妖精を友とします。メイガスと近い立場にあり、神官としても妖精使いとしても、蛮族を強く敵視しています。

ソーサラー+フェアリーテイマー=エレメンタラー(元素術師)
 魔術と妖精の力により、様々な属性の力を行使します。やはり基本的に人族、特にエルフが歩む道です。

コンジャラー+フェアリーテイマー=サモナー(召喚師)
 操霊術でゴーレムを(アンデッドはダメ。ゼッタイ。)、妖精魔法で妖精を操り戦います。こちらもエルフが多いですが、ゴーレムの素材や妖精との契約用の宝石を自力で吟味するドワーフも、極めて稀にいるそうです。

プリースト(第二の剣の陣営)+デーモンルーラー=ダークプリースト(闇司祭)
 敵として最悪な第二の剣の神の神官と、最悪を通り越した召異術師の複合版です。蛮族の基準からしても背徳的なダークプリーストは、第二の剣の神の(大抵はろくでもない)教えすら歪めているため、第二の剣の神に忠実な上位蛮族達からは嫌悪されています。

ソーサラー/コンジャラー+デーモンルーラー=ウォーロック/ウィッチ(妖術師)
 かなり大雑把な分類で、「ともかく邪悪そうな奴」程度の意味でしかない事がほとんどです。

フェアリーテイマー+デーモンルーラー=コントラクター(契約者)
 妖精感覚で魔神と契約した命知らずと、妖精感覚で魔神と契約した倫理破綻者のどちらかです。

 ……マギテックが仲間外れなのは、「自分で魔法を使う」というより「マジックアイテムを使いこなす」という感じが強いからです。


◇知られざる――別に知らなくてもいい――古代神

『ルミエルレガシィ』によると、神紀文明時代にライフォスから神格を与えられた神は10柱を超えていたそうです。

 ……で、本当に「ライフォスから」だけ与えられたのか、ルミエルに触れて神格を得られたのか、一体どちらなのか不明瞭ですが、古代神であるグレンダールやアステリア絡みの話題の後なので、ルミエルから直に神格を得た古代神だけについての話題だと解釈しておきます。

 さて、当時確実にいた第一の剣の神は、『ラクシアゴッドブック』までの判明分では、

▲“始祖神”ライフォス …上記の「10柱を超えていた」分には含まれません。
○“太陽神”ティダン
○“妖精神”アステリア
○“炎武帝”グレンダール
○“貨幣神”ガメル …『ラクシアゴッドブック』で追加。
○“紡糸の女神”エルピュセ …『彷徨ノ塔』で追加。……占瞳や鼓咆と併用しないと意味がない特殊神聖魔法があるのですが、神紀文明時代から占瞳や鼓咆があったのでしょうか。
△“酒幸神”サカロス …『ラクシアゴッドブック』の神話部分からすると、ライフォスから神格を授かったようです……が、サカロスは大神です。
▲“月神”シーン、“慈雨神”フェトル、“韋駄天”ラトクレス …ティダンから神格を授かっています。
△“騎士神”ザイア …ライフォスから神格を授かりました。それが神々の戦いの前なのか最中なのか、どちらなのでしょう。『ルミエルレガシィ』だと戦いが始まってからですが、『ゴッドブック』の神話だとその前から神になっていたみたいで。

 です。古代神だけなら5柱(それ以外も含めると7柱)。

 つまり、(『ラクシアゴッドブック』までで)枠が埋まるのは5柱で、あと少なくとも6枠残っています。実際にはもう2〜3柱あっても、「10柱を超えていた」範囲内なら構わないでしょう。……「20柱近く」にならないように抑えておけば。


 以下はそんな、益体もない妄想の候補。神になる前の種族は、設定したり設定しなかったり気分次第です。

・“水神”ヴァプス(第一の剣、古代神)
 海や大河のような広範囲の水から、泉やせせらぎのような小さな流れまで、すべての水を司る神で、アステリアの友人でした。神々の大戦で滅ぼされて以来、様々な時代に水のそれぞれ一部を司る神はいました/いますが、それがラクシア全土で信仰を受けるまでになった例は今までありません。頑張れ、“水の神”ルーフェリア。

・“獣の神”ベディ(第一の剣、古代神)
 野獣や狩猟を司る神で、ライフォス達がいる都市には滅多に寄らず、たまにティダンやシーンに、時々アステリアに会いながら、狩猟採取生活を送る信者達の間を転々としていました。ベディの信徒の異端が、ライカンスロープの源流らしいといいます。ダルクレムの軍勢に滅ぼされたのではなく、今でも動物達に紛れて生き延びているという話もあります。

・“安息神”クロニエーレ(第一の剣、古代神)
 安らぎや眠りを司る神で、祝福のある場所では不眠や悪夢とは無縁でした。カオルルウプテに滅ぼされましたが、その代わりにカオル(略)から安息を永遠に奪ったと伝えられています。

・“家の主”フェリセフ(第一の剣、古代神)
 家屋、かまど、家族といった、家にまつわる事を広く司る神でした。民を広く慈しみ、特定の親しい相手を持たない点がライフォスと似ていたといいます。神々の都を見捨てられずダルクレムに滅ぼされたと伝わっています。

・“天の猟師”“四時の主”ペーデューン(第一の剣、古代神)
 高い空、星々、風を司る神です。常に高い山の頂から空を見続けて、天体の動きを解明、ティダンやシーンと協力し合って正確なカレンダーを作りました。また、神になる前から、リルドラケンの中でも名高い弓の達人でした。

・“都市王”ラームセーン(第一の剣、古代神)
 都市の計画者であり、守護者です。同じリルドラケンから神になったペーデューンとは親しく、共同で大城塞に仕組んだ無数の罠で蛮族軍を血の海に沈めて、ダルクレムを危うい所まで追い込みながら、一人残ったダルクレムに滅ぼされてしまいます。敵を罠に掛けるより正面から粉砕する方に価値を見出すダルクレムの思想は、この時のトラウマに原因があるとかないとか。

・“地下神”“后土鬼神”オルターベレアード(第一の剣、古代神)
 大地の神、とはいっても、農業や豊穣などを司るのではなく、地下/地底の洞窟や採掘などを司り、ティダンと対になるような強大な力で、ラクシアの地殻を(そして多分、マントルや核まで)安定させました。ダルクレムに滅ぼされた後もその力は残り、〈大破局〉の時のように一時的に緩めるだけでも古代神の降臨が必要です。地底では、蛮族の拠点の洞窟が前触れもなく崩れると、“后土鬼神”の呪いがあったのだと噂される事もあります。

・忘れられた神(第一の剣、古代神)
 1柱は、碑文には存在が記されているのに、その名前の表記は読み方が失われ、神紀文明語を話せるはずの小神の分体ですら、それがどのような神だったのかを知る手立てがありません。第二の剣の神に呪われたのか、第一の剣の神に存在を守られているのか、単に滅びた時の影響でそうなっているのか、それを知る事は出来るのでしょうか。


 ここからは、第二の剣の神や、魔法文明以降に初めて存在が確認された神々などを。
 出身種族の設定はてきとーな場合もありますが、第二の剣の神を中心に、出身種族はバリエーションを持たせたいなーと。

・“軍神”バンダーゴート(第二の剣、古代神)
 ドレイクの大将軍が、ダルクレムに認められて神になった……と言われていますが、実際にはやはりイグニスを盗んで力を得ています(さすがにダルクレム本人から盗んだのではないでしょうが、この後もイグニスをダルクレムに返さず、何年も後に別の者に盗まれました)。個人戦闘で最強の“戦神”に対して、軍勢を従える力が最強の“軍神”ですが、元同族の大半がダルクレムへの忠誠を改めなかったため、割と小勢力に甘んじています(ドレイクでは、子孫とか、「元が人族のダルクレムに従いたくない」とか)。

・“美神”ジョルディ(第二の剣、大神)
 バジリスク出身の神。芸術による美しさを司りますが、美しさが最優先で、そこに倫理は要求されていません(積極的に倫理に反する必要までは、求められていませんが)。“イグニッシャルアート”の起源です。

・“繁殖神”ケーアシャ(第二の剣、大神)
 交配と繁殖の神で、それ以外は考慮しません。信者には弱者を間引く行為を推奨するうえに、自分が弱者なら間引かれるのを肯定するべきだと教えるため、相手が人族でも強者ならその剣の前に倒れるのを当然と考える、いろいろな意味で嫌な敵になりがちです。相手が弱者でも即座に殺したりせず、能力を上げるために強くなるのを待つ(そのために手下の弱者を敵に間引かせる)ような行為も平然と行います。
 ボガード出身の恐ろしい外見の割には、動物の飼育に才のあるボガードだけでなく、ミノタウロス、インキュバス、サキュバスにも人気があります。

・“兵主”チランチャー(第二の剣、大神)
 兵器(とはいっても、武具とかせいぜい攻城兵器とか)の製造と使用の神です。もちろん、目的は気にしません。神になる前の同族であるオーガに信徒が多いです。

・“両面の神”“表裏比興”ベンデルフゼース(第二の剣、大神)
 人格や社会的立場の両面性を司る神で、オーガ、ラミア、ライカンスロープなどの変身種族や、表の顔と裏の顔を持つ密偵や盗賊などに好まれています。元の種族は、表の顔が人間型だった事は分かっていますが、その正体は知られていません。

・“荒神”カシュドス(第二の剣、大神)
 荒野と荒天の神。自然の暴力的な力を司り、戦いでも暴力的に叩き潰す事を好みます。元の種族であるトロールのほか、ボガードやジャイアントの信仰も集めています。

・“虫神”キュケルキュクル(第二の剣、大神)
 無感情、個人的利己主義、ディスコミュニケーションの神で、フォルミカの創造主にしてラクシアで初めて生まれたフォルミカを称しています(もちろん、ダルクレム信者のフォルミカからは無視か敵視されています)。仲間内なら助け合うアーメスとは、不倶戴天の敵になるでしょう。……お互い、別々の集団の信者同士で敵対するのを止める事さえできるなら。

・“狼藉者”セイモスホール(第二の剣、大神)
 ライカンスロープ出身の神で、自分の利益のための行為を勧めます。“不和の神”ニディスニオのキャラクター被り→復活できないコンボの要因の1柱ですが、ニディスニオとは違い、積極的に長期投資もします。

・“逃れの神”ギアゼディア(第三の剣、小神:シエナクェラス地方)
 ウィークリングの集団をまとめていたガルーダ・ウィークリングから生まれた神で、“秘隠神”クスの導きを受けたといいます。信者達は、蛮族からも人族からも目立たず生き延びる事だけを目指して、蛮族の勢力圏でウィークリングや“剣を持たない”ドレイクを連れて行く時にも、できる限り存在を明らかにしないよう、細心の注意を払います。

・“階梯神”ニスタバ(第一の剣、小神:ビオ地方、ノルダール地方)
 すべての者がその役割を果たす事を求める、職務と責務の神です。その「職務と責務」が兵士でも山賊でも変わる事はなく、その立場を貫いた事で死んだとしても、社会にとって本望だと考えています。伝統主義にも実力主義にも偏らず、双方のバランスを取るのですが、「役に立たない」と見なした相手には冷淡になりがちです。
 プリーストが使える神聖魔法は第一の剣の陣営のものですが、所属するグループ以外への倫理を要求しないのと、蛮族の信者もかなり大勢存在する点から、実は第二の剣の神だという説もありますが、そういう主張をした神学者が失踪した事件も起きています。

・“魔術神”ヴァストカイセト(第三の剣、小神:フェイダン地方)
 ハイマン出身の神で、短い人生の間に魔術を(魔法文明時代の基準ですら)高みに至らせたため、神格を得るに至ったそうです。魔術の研鑽と行使を喜ぶため、必然的にプリーストはソーサラーやコンジャラーを兼ねています。……とはいっても信者のほとんどがハイマンであるため、〈大破局〉後になってようやく活動を再開するようになり、プリーストも基本的にハイマンの居住地からは出てきません。

・“応報神”マギルタ(第一の剣、小神:エイギア地方、ザルツ地方)
 神になる前はシャドウの暗殺者で、魔法文明時代に民を苦しめまたは隣国を恐怖で脅かす魔法王を次々とただの屍に変えていった、当時ですら伝説的な行いが伝えられています。暗殺者や傭兵の職務倫理や戦法の確立にも大きな功績がありました。……魔動機文明時代に信仰が廃れて、今はもう存在しないのか、どこかのシャドウの隠れ里で今も信仰されているのかは、神学者の間でも諸説あります。

・“光をもたらす者”フィルディシア(第一の剣、小神:ハインラト地方)
 フロウライト出身の神で、知られない事実、埋もれた知識、忘れられた思い出を発掘する事を喜びます――ただし、それが個人的な事なら、納得すればむやみに掘り返したりはせずに、もっと人々のためになる対象を探します。生前にゆかりのあった地域で、探検家や研究者に信仰されているようです。

・“天網神”レンセルー(第一の剣、小神:エイギア地方、ザルツ地方)
 ソレイユ出身の神で、神々の戦いを生き延びてから、生まれた一族の守護神となりました。同様の守護神は何柱かいるようですが、現在はどうなっているのかは、あまり定かではありません。

・“幻楼神”カンターノーク(第三の剣、小神:リーンシェンク地方)
 レプラカーン出身の神で、幻と現実の双方の利点と欠点を知る神……ではありますが、隠れ潜んで人知れず生きていく種族の生き方を全面肯定しています。そのせいでレプラカーンの間でも知名度が低く、信仰が失われて消滅する瀬戸際にあるようです。

・“光翼神”ヴィルフリャ(第一の剣、小神:ノルダール地方)
 ヴァルキリー出身の神で、戦場での的確な指揮と勝利を求めます。また、騎獣と協調した戦いを推奨します。第一の剣の武張った神様の一般例として、魔動機文明時代に信仰が見る影もなく衰退し(心を持たない魔動機に騎乗するのを嫌っていたせいでもありますが)、現在は信者が生き残っているのかさえ判然としません。

・“歌神”ライシュ・ケナ・ララク(第一の剣、小神:ザルツ地方)
 魔動機文明初期にいたグラスランナーの高名な歌い手が、アステリアから神格を授かりました。友人の一人はエルフで、もう一人はライダーの巨獣使いでした……が、そのライダーの名前には、“歌神”の名前が入っていないというオチもあったり。
グラスランナーに信者がいる事はいるのですが、MPが「なし」のグラスランナーに、クレリックはともかくプリーストはほとんどいません。

・“天帝”“空を飛ぶものの王”ル=ギペーズ(第二の剣、小神:カルゾラル高地)
 空を飛ぶ蛮族を守護する神で、もちろん空を飛ぶ能力に特殊神聖魔法が特化しています。神になる前にどんな存在だったかは、ガルーダ説とアードラー説が対立しています。

・“水平線の神”“彼方の御方”エザナ・レラ(第二の剣、大神)
 水の上と水の下を、そして異なる環境の接点を、共に守護する神で、マーマンの出身です。マーマンを蛮族的な暴力衝動から遠ざける神として信仰され、第二の剣ではなく第一の剣により神格を得たのではないかという説もあります。

・“暗き顎”ガーペノシュー(第二の剣、大神)
 ギルマン出身の神で、敵(=ギルマンやサハギンなどの海の蛮族に含まれない種族)を食い殺すのを喜びます。というか、第二の剣のマイナーな神は、大半がそーいうのばかりです。実はギルマン出身ではなく、もっとたちの悪い深海の蛮族種族の出身だという説もあります。

・“死の波濤”イーシャハト(第二の剣、小神:ダグニア地方)
 リザードマン出身の神で、略奪と殺戮を、特に海上でのそれをこよなく愛します。蛮族の海賊が、種族を問わず信仰している事があります。

・“黄金の四つ脚”ホルセネス(第二の剣、小神:カルゾラル高地)
 ケンタウロス出身の神で、草原を自由に走る事に喜びを見出し、武勇による栄光を求めるというありきたりの神です。ル=ロウドと同様に、第一の剣の神の陣営にも第二の剣の神の陣営にも属しており、プリーストは1レベルでどちらの魔法を使えるようになるか決めます。

・“復讐の斧”ヴィダギリン(第二の剣、小神:カルゾラル高地)
 ダークドワーフ出身の神で、ドワーフを憎み、信者のダークドワーフには身も心も蛮族であるように働き掛けます。ただし、蛮族社会へ受け入れてもらおうとは考えず、自分達がドレイクやバジリスクをぶち殺して、その地位に取って代わろうと考えている事が結構見え見えだったりするため、ほかの蛮族からは無視または排斥されています。

・“血華神”アンセニーネ(第二の剣、大神)
 ノスフェラトゥ出身の神です(氏族は定かでありません)。メティシエのあり方を「目的のない不死」と蔑み、戦闘、謀略、享楽、ささやかな喜び、そういったもののために不死を目指します。もちろんノスフェラトゥの信者もそれなりにいるのですが、それ以外の長命な上位蛮族にも信者がちらほらいます。

・“何者でもない”イロゼット(第一の剣、小神:ユーレリア地方)
 ラミア出身の神で、ラミアやその他の変身種族が街や村に潜伏するのを護ります(潜伏の目的は安全な生活であり、潜伏して陰謀を企んだりするのは(安全な生活を脅かすという考えのためか)推奨していません)。神官が使える神聖魔法が第一の剣の陣営のものであり、アステリアから神格を得たという説が有力です。

・“蠍神”ケシン(第二の剣、小神:フェイダン地方)
 アンドロスコーピオン出身の神です。砂漠で生きるために蠍のような振舞いを教え、というか、「役に立つなら何でもやれ」が唯一無二の教えです。蛮族なのでその過程での残虐さや冷酷さは(抑える必要がなければ)看過されます。砂漠地帯には人族の信者もまれにいますが、蛮族の信者とは関係を持っておらず、お互いに仲間とは思っていません。

・“巣の母王”エウプロシー(第二の剣、小神:ダグニア地方)
 レイヴン出身の神で、簡単に言うと「自分の巣を守るためなら何をやってもいい」という神です。性質上異種族と共存しにくいため、信者は独立した集落に引きこもっています。

・“ゴウンの中のゴウン”オアシナン(第二の剣、小神:フェイダン地方)
 ホモ……いや、フォモールから神格化した神です。最高位のゴウンの称号を持つ者として、あらゆる手段で軍を束ねる力を得た神で、「負けた配下の部隊の十分の一を処刑した」「同性愛の恋人同士で士気の高い軍勢を作り上げた」などの、あまり信用できない伝説を残していますが、神紀文明時代の末期にドレイクの諸侯と高位のバジリスク達が手を組み、打ち倒して幽閉したといいます。

・“策略神”コイティゴス(第二の剣、小神:ノルダール地方)
 策略により狡猾に立ち回るのを至高とする神です。元はローンでしたが、カルディアが砕けてからの数多の苦難を「何者かの陰謀だ」と決めつけた挙句、カオルルウプテに神格を授かったという、あまりにも痛々しい来歴があります。もはや策略ともいえないあまりの卑劣さに蛮族社会でも爪弾きにされがちであり、信徒は自分が陰謀に狙われていると常時感じて(=妄想して)いるため、大抵は策略が的外れです。

・“四重頭神”ヌドヘクサー(異世界、小神:エイギア地方)
 リャグイサグがラーリスの導きにより神格化した、と聞くだけで想像したくないおぞましさを誇る神です。その教義は信徒以外には明かされていませんが、四重に重なった頭部を持つといい、4人の司祭に相反する神託を下すそうです。元は異世界からラクシアに逃れたリャグの先祖の指揮者だったという(リャグしか信じていない)伝説もあり、漆黒の肌のエルフのような姿で描かれる事もまれにあります。

・“跳躍神”ピーイフィオオル(第二の剣、小神:ダグニア地方)
 ダグニア地方の蛮族種族であるピアスホッパー出身の神です。ザールギアスに神格を授かったと伝えられており、跳躍による殺戮を好んでいます。

・“絶えたる種族の憎悪”ネドリヘ(第二の剣、大神)
 今は存在しない蛮族種族(ストームジャイアント、フクロウのガルーダ、その他さまざまな説があります)の出身である神で、時代の潮流と歴史の荒波に捨てられて顧みられない存在からの報復を行うという名目で、信徒が行う暴虐や嫌がらせなどを許容します。近頃のブームは、“第三の剣”カルディアの復讐と称して人族も蛮族も苦しめる事です。


◇センティアン受肉表

 センティアンが受肉した対象についての表です。経歴表とは違い、もっと外見や物理的環境に依存しています。


1 普通の神像に(神殿の石像など)
2 簡素な神像に(ほこらの石像、信徒が携帯していた小型の木像など)
3 特徴的な神像に(黄金像、宝石で飾った像、魔法文明時代から伝来した像など)
4 特殊な神像に(可動式の像、異端派の様式の像など)
5 聖人の像に(基本的に、同じ神の信徒のもの)
6 それ以外に
 6-1 別の神の像に(親しい神のもの)
 6-2 神と関係のなさそうな像に(世俗的な題材の像など)
 6-3 動物型や幻獣型の像に(センティアンとしての形は人型)
 6-4 平面に(浮彫りや壁画など。センティアンとしては立体になる)
 6-5 像ではない、神にゆかりの構造物に(祭壇、神殿の柱など)
 6-6 像ではない、神と関係が見られない構造物に(家具、岩、木片など)


◇地方語多すぎるよ

 ええ、そう思うのはあなただけではありません。
「1.0」ではアレクラストの人間(とハーフエルフ(人間生まれ)とグラスランナー)の言語は、東方語と西方語の2種類しかありませんでした。同じ領域の人間同士の密談を(前記以外の)異種族が盗み聞きするにはセージ2レベル以上かバード1レベル以上が必要だったりしたわけですが。
 なので、一般技能のリンギスト技能を使って、こんなのはどうかなー。

 
・リンギスト技能は、言語の会話や読み書きを習得し、自動的に理解するような事はできません。

・習得していない言語を理解するには、リンギスト技能で、「リンギスト技能レベル+知力ボーナス」判定を、目標値15で行ってください。
 状況に応じて、達成値に以下のような修正があります。

(対象の言語による修正)
 交易共通語 +4
 汎用蛮族語 +4
 キャラクターの出身地域で利用者の特に多い言語(同じ地方の人間の地方語、ルーフェリアのエルフ語とか) +2
 通常の言語(人間の地方語、エルフ語、ドワーフ語、ドラゴン語、魔動機文明語、魔法文明語、妖魔語、ドレイク語など) ±0
 GM判断でマイナーな言語 -2〜下限なし、目標値が「基準値+13」以上の場合は判定不可
 PCが原理的に習得できない言語 判定不可

(内容による修正)
 ごく簡単な単語(「剣」「死ぬ」「太陽」「水」など。地方や社会階層を問わず日常生活に不可欠なものか、全大陸的に存在するものに厳しく限定する)
  +4
 簡単な単語や短い文章(「牛肉」「魔動機」「時計回りに回す」「お城はこちら」など)
  +2
 短い会話(「私には馬刺しと米飯と発酵茶を下さい」「私は敵ではありません。仲間が負傷しています」など)
  ±0
 長い会話や、内容が入り組んだ会話(「おはようございます。あらまあ(中略)それではごきげんよう」「右から二番目のエルフが背負っている赤ん坊はセフィリア神聖王国の伯爵のはとこの子だ」など)
  -2〜下限なし、目標値が「基準値+13」以上の場合は判定不可
 専門的な会話(「ガメル銀貨は魔法を掛ける(キャスト)前の素体の重量を一定にするため、鋳造ではなく鍛造で成形される。だから鋳物屋(キャスター)ではなく貴金属屋(ジュエラー)へ行け」「【スリープ・クラウド】は遺失魔法ではない。習得したいなら、魔術師の真語魔法と操霊術師の操霊魔法をともに鍛錬して深智魔法を第六階位まで上げなさい。いいね?」など)
  リンギスト技能で判定してから、「専門分野の技能レベル+知力ボーナス」判定も同じ目標値と修正で行い、両方成功する必要がある。


『ソード・ワールド2.0』:(C)北沢慶/グループSNE/富士見書房

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