◇「守護天使」事件関係者一覧◇

 一連の事件の関係者と、関係者達から聞き込んだそれぞれに対する情報である。具体的な内容は公開の際に、調査担当者、及び関係者の1人であるルシア・ディライトの審査を経る事を必要とする。

 主人公
 シンクロ可能&世界移動可能キャラクター
 シンクロ(のみ)可能キャラクター
 その他


#主人公

[エリック・ディライト]

エステル「それでは、まずはプロローグとエピローグ以外は霊体だった影の薄い主人公からいきます♪」
エリック「待て(汗)」
セシリア「……ていうかおじさん、影が薄いどころかなかったじゃない。霊体だから私達からは全然見えないし」


1.エリックの履歴

エステル「この人はエリック・ディライト。私のお父さんで、ウェノバ地方南部の町バルツで私立探偵をしているの。実は義理の関係で私とは血が繋がってないんだけど、それでも一応は父娘だから変な事とかしないでよ?」
エリック「するかそんな事!」
エステル「でもお父さん、霊体だった間はシャワーとか着替えとか覗いてなかった!?」
テオドラ「安心しなさいエステル。『ガーディアンエンジェル』はPS2のソフトですから、いくら危険な台詞が頻出してもそういう展開になる事はありませんよ」
セシリア「危険な台詞?」
ルシア「エステルの世界の9月24日18:10の台詞みたいのですね。エリックさんは『楽しみな事』とか失言していましたけど」
エステル「……お父さん(怒)」
エリック「…………(汗)」
セシリア「とゆー具合に、この親子ってノリはほとんど愉快な兄妹なのよねー(呆)」


2.事件までの経緯

セシリア「父娘のじゃれ合いはほっといて、おじさんの話を続けましょ」
ルーバック「さて、先輩は元々、俺と同じバルツ警察署の刑事だったんだ。某エンフィールドの第三部隊隊長や某シープクレストの第四捜査室室長とかと似たような立場だな」
セシリア「は?」
ルーバック「いや気にするな。しかし10年前の5235年に起こったサータムストリートでの怪物による住民殺害事件の後、警察の上層部ぐるみの証拠隠滅を知って警察を辞めちまった。あれで正義感は強い先輩だからな」
エリック「『あれで』は余計だー!!」
エステル「やかましいお父さん!! ちょっとそこに直れー!!」
セシリア「……まだ喧嘩中みたいね。しばらくほっときましょ」
オーヴィル「そしてディライト氏は、この事件で両親を失ったエステル嬢を自分の養子として育てる事になる。その辺の詳しい事情は、セシリア嬢が見せてくれた日記を見るとよい」
モランディ「他人の日記を盗み読みするなど、人として感心できないなセシリア」
セシリア「ほっといてちょーだい。……それで私立探偵を始めたんだけど、仕事のほとんどはペット探しと浮気調査だったみたいね。某ジョートショップの方がよっぽどバリエーションに富んでるわ」
ルーバック「ジョートショップはさておき、『ほとんどじゃなくて大半だ』って先輩は言うと思うぜ……」
セシリア「そして8月27日の晩に浮気調査から帰る途中、オーヴィル博士とレティーシャが逃げる所に出くわして、創造の女神様を封じて作った人造人間フレイリアンを封印した模様付きの石――ああ長い――を拾って、いったん帰ってから外に出たところを拉致されたわけね」
キース「私はディライトが秘密を握っていると勘違いして、肉体から魂を分離して尋問しようとしたが、魂は天上界の天使テオドラの手に渡ってしまった。……我ながら間抜けだな」
ティファ「まあ勘違いがなければキース様も不老不死の呪いから救われなかった事ですし、それでいいんじゃないですか?」
キース「……確かにな」


3.ガーディアンエンジェル

エリック「で、俺は自分の肉体に戻るため、エステルを守るため、ひいては丸ごと虚空の海に沈みかけている多元世界全てを救うために、テオドラの力を借りて守護天使(ガーディアンエンジェル)としての能力を与えられたんだ」
エステル「あー! 話をそらすなお父さんー!」
ルシア「……厳密には話をそらしているのはエステルです(きっぱり)」
エステル「うぐっ! ……それでお父さん、霊体だとどういう事ができるの?」
エリック「物理的には何もできない。しかも普通の死者の霊とは違って生霊だから、他の霊との意思疎通も成り立たないしな」
エステル「……普通の人からは見えないから、私がシャワー中でも覗き放題だしね」
エリック「……断じてそういう事はしてないから、そこまで疑いの目で見るなよエステル(汗)」
エステル「はいはい。でも守護天使というからには、私達を守護できる能力もちゃんとあったんでしょ?」


3−1.時空間移動と多元世界

エリック「……話していいのか、テオドラ?」
テオドラ「構いませんよ。多元世界の真実や創造の女神の存在にまで触れている貴方達には今更ですし」
エリック「当局(笑)の許可が出たので続けよう。まずは時空間を自由に移動できる能力だ。ただし俺の場合、魂を分離されてから世界が沈むタイムリミットまでという制限付きでな」
エステル「じくーかん?」
テオドラ「……この世界の普通の人間には難しいかもしれませんね(汗)。つまりエステルの家から学校へ瞬きするほどの時間で動いたり、先週の金曜のラジオ番組が気になった時はもう一度先週の金曜に行って聴けたりする、そんな感じの能力だと思って下さい」
エステル「いいなぁ、私も天使になりたい」
エリック「でも天使は霊的な存在だから、さっき言った通り他の人間と話もできないしコップも持てない。その上にお前は食べ盛りだから、天使になったら3日で音を上げると思うぞ?」
エステル「う……」
セシリア「でもどうやって手掛かりを探したの? バルツの町って結構広いじゃない」
エリック「その時に使えるのが、確率深度計という道具だ。……厳密には人間の言う『道具』じゃないんだが、世界の運命を左右するような時間と場所に強く反応する。これを見て町を動き回れば楽に手掛かりを探し回れるという寸法だ」
エステル「ふ〜ん。それで私のシャワーや着替えは世界の運命を左右してた?」
エリック「今日はしつこいなエステル……(汗)。あと移動できる空間とは1つだけではないが、それについてはまた後で」


3−2.インスパイア・ビュレット

エリック「次はインスパイア・ビュレット(閃きの弾丸)だ。リボルバーの弾丸のような格好をしているのは、『役に立つ物=道具』と俺が判断しているから形を合わせているだけらしい」
テオドラ「実際は物質ではなく、世界の分岐点で方向付けを行うための異世界生成因子なのです。ですから撃っても無くなりませんし、撃たれても人間ではまず分かりませんよ」
エステル「うーん、学校のテストに持ち込めたら便利そう(汗)」
エリック「で使い方は、まず『世界が沈む』場所を確認する」
セシリア「さっきも出てきたけど、『世界が沈む』って何よ天使様?」
テオドラ「厳密には、『世界が軌道修正の効く限界を越えてしまい、存在が虚空の海に沈んで抹消されてしまう』という意味です。普通はそんな事はあまり起こらない(……はず)のですが、今回は事態が事態なので、ちょっとした勘違いや物忘れだけで世界がすぐに『沈んで』しまったのです」
エリック「ちなみに俺の能力では、そこまで大事に発展しない世界の分岐点は感知できないらしい。感知できたらできたで面倒だが」
セシリア「世界が抹消って……こんな所でないと信じられない話よね」
エリック「ちなみにこの確認作業、物凄く嫌な仕事だぞ。……世界が沈む度に何度も何度もエステルが死ぬ所を見ないといけなかったからな(泣)」
エステル「ひどいよお父さん! 私はそんなにドジじゃないよ!」
ルシア「私は……何回か干渉されたような覚えがあるので何とも言えません(汗)」
エリック「まあともかく、一旦世界が沈みさえすれば、その分岐点で世界を立て直す――厳密には『沈まない世界を作り出す』ためのビュレットのある場所が確率深度計に反応するようになる。深度計のメーターが最大になる時間に再度飛び込んで、ビュレットを取れそうなタイミングを見計らって獲得を試みて成功すればオーケーだ」
セシリア「タイミング?」
エリック「分岐点で世界が沈むというのは、要はちょっとした事を思い出せなかったからにすぎない」
エステル「という事は……その『ちょっとした事』のビュレットを取って、分岐点で撃ち込めばいいんだ!」
セシリア「ところで、ビュレットを取るのに失敗したら?」
エリック「何度でも時間を遡ってやり直せばいい。失敗し過ぎると精神力が磨り減ってしまうが、そういう場合は霊的な力……テオドラの言う『天の恵み』が集まっている時間と場所に行って休憩すれば回復できる」
テオドラ「あとビュレットは、『知らないはずの事』を教える事はできません。あくまでも『閃き』を与えるための物ですから」
ルシア「因果関係で言うと、ビュレットが『因』で分岐点が『果』になるからですよね?」
セシリア「…………まあ何となく分かるけど、ホークの得意分野で攻められるとムッとくるわね」
エリック「数学じゃなくて論理学だと思うんだが……。まあそういう事で、1つのビュレットは1つの分岐点にしか対応していない。しかし1つの分岐点に2つのビュレットが必要な事もあったし、1つの分岐点に2つのビュレットのどちらでもオーケーというのもあった。普通はビュレットの方が分岐点より過去にあるもんだが、そうじゃない事も終盤だとあったしな」
テオドラ「そして、ビュレットは合計6つまでしか持てません。守護天使になられる方はその点に注意して下さいね」
エステル「……普通ならないと思うんだけどなぁ(汗)」


3−3.シンクロ

エリック「次は、深く理解した相手の心と同調(シンクロ)する能力だ。シンクロすればその相手の心の中を覗けるようになる。シンクロできるようになる相手は限られているが、エステルには最初からシンクロが可能な状態だ」
エステル「お父さんの変態ー!! 思春期の娘の心の中を覗くなんてー!!」
テオドラ「と、ここでシンクロを行うと――」
エステル「(お父さんと私……そこまで心が繋がってたんだ(照))」
テオドラ「と、こういう事が分かるようになるわけです」
エステル「もう、恥ずかしいよテオドラさん! ……で、シンクロできるのは何人くらいになってたの?」
エリック「シンクロと世界間の移動ができるのがエステルを入れて6人、シンクロだけできるのが5人だ」
エステル「世界間の移動?」


3−4.多元世界と世界間移動

テオドラ「いきなりですが、世界というものは無数に存在します」
セシリア「ほーんといきなりだわ。前置きを省いてくれるのは有難いけど」
エリック「注意すべき点は、『無数』であって『無限』ではないという点だ。存在する確率が一定の割合を下回ると、その世界は虚空の海に沈んで消滅してしまう。この辺を理解するには、シェブラインさんの本を読むと――かえって分からんか(汗)」
ルシア「世界は確率論的に分岐と消滅を繰り返しているわけですが、ここで『世界の創生割合≧世界の消滅割合』という式を成り立たせるのが、創造神の役割なんです」
セシリア「こーいう説明はヤだけどね(汗)」
テオドラ「という事で、世界とは常に個人からの観点を中心としているのです」
セシリア「は? だとするとこの場にいる1人1人は同じ世界にいないっていうの?」
テオドラ「そうではありません。個人個人の世界が相互に重なって、1つの完結した世界を作っているとでも考えて下さい。人間が認識できるのは自分の視点での世界に過ぎませんが、守護天使の場合はシンクロできる相手の世界を見る事が可能なのです。そして守護天使にとっては、そうして認識した世界全てが『自分の世界』であるわけです」
エステル「……何かその響き、羞恥プレイっぽくてやだなぁ」
エリック「だからどーしてそこで俺を見るっ!? それにそんな言葉をどこで覚えた!?」
テオドラ「……また話がずれていますよ、エリック」
エリック「そうだな。……ここで重要なのは、特定の個人の世界で守護天使が確認できるのは、その個人が深く認識している事『だけ』という事だ。個人が全く与り知らぬ事は、その個人の世界では認識の『谷』に落ち込んで確認する事が一切できない」
エステル「それじゃあ、その『谷』を確認するには……『山』として認識している人の世界に行ければいいんだ!」
テオドラ「その通りです。例えばエステルが昼寝をしている時に、セシリアがルーバックのおごりで喫茶サヴォール・バルツ店でケーキを食べているとします」
エリック「……その店名は『アナザー・メモリーズ』に出てきた喫茶店と同じだが、まさかチェーン展開までしているとはなぁ(汗)」
テオドラ「この場合『セシリアがケーキを食べた』という事は、夕方にでもセシリアがエステルの家に遊びに来れば分かる事でしょう。しかしセシリアがどんなケーキをどれだけ食べたのかとか、ルーバックがどういう事を言ってセシリアに殴られたのかとか、そういう事まではエステルには知る由もないわけです」
セシリア「まあ確かに、余程の事でもなければそんなの話題にしないわね。それじゃ私の世界なら、その辺はみんな見られる代わりに、エステルの寝相とか寝言とかは認識の『谷』に落ち込んでいるのかしら?」
テオドラ「その通りです。まず喫茶店でルーバックがその晩のマフィアの摘発についてほのめかしているとしましょう。そしてエステルはその事を知らずに、エステルの世界で夜中に散歩に出て、偶然摘発する場所に近付きすぎて、マフィアの下部構成員の流れ弾で死んでしまうとします」
エステル「じゃ、じゃあその場合、夕方に遊びに来たせしるんが思い出してくれれば助かるの!?」
エリック「そうだ。この場合俺は、(1)セシリアの世界で『ルーバックがその晩のマフィアの摘発についてほのめかしている』というビュレットを取って、(2)エステルの世界でセシリアに撃ち込めば、(3)夕方にその事をセシリアから聞いたエステルはその晩の外出を控えて死なずに済むようになる」
ミリアム「で、これを図にすると以下の通りになりまーす」

(WORLD-CECILIA)
 ↓
X月X日15:00 通学路
 ルーバックとお茶(…「マフィアの摘発」に関するビュレット取得可能領域)
 ↓
X月X日17:00 ディライト探偵事務所
 エステルに会う
 ↓

(WORLD-ESTEL)
 ↓
X月X日15:00 ディライト探偵事務所
 昼寝中のエステル
 ↓
X月X日17:00 ディライト探偵事務所
 セシリアに会う
 ├──┐(分岐点…「マフィアの摘発」に関するビュレットを要求)
 │ (正しいビュレットを使わない)
 │  ↓
 │ X月X日17:30 ディライト探偵事務所
 │  セシリアは話を思い出せずそのまま帰る
 │  ↓
 │ X月X日20:30 港通り
 │  マフィア摘発の際の流れ弾で死んでしまう(BAD END)
 │
(セシリアにビュレットを使用して、「マフィアの摘発」を思い出させる)
 ↓
X月X日17:30 ディライト探偵事務所
 セシリアに「マフィアの摘発」の話を聞き、エステルは外出を控える
 ↓

セシリア「で、世界間を移動するにはどうするの? 普通に時空間移動で行けるわけ?」
エリック「その通りだが、他人――この場合は霊体だが――を自分の世界に受け入れるには、あまり自我が確立しているとダメなんだ。ルーバックやオーヴィル博士みたいに自分なりの考え方が固定されていると、シンクロはできてもそこには他人の干渉というか手助けを受け入れる余地はない」
ルーバック「惜しいですね先輩。俺の世界に来てくれれば美女に囲まれている俺を見られたでしょうに」
テオドラ「そのような世界は存在する可能性が非常に低いので、すぐに虚空に沈んでしまいますよ?」
ルーバック「ぐはぁっ!」
セシリア「馬鹿は置いといて、手助けを受け入れられそうな人物とシンクロできれば、その人物の世界に入れるって事ね。……もし私が守護天使になっても、お父さんは世界に入れてくれないだろうから誘導するのは大変だろうなぁ」
エステル「んで、世界それぞれが多元世界に分岐して行く可能性っていうのはあるの?」
エリック「その通りだ。9月24日にセシリアとルーバックが喫茶店で会ったのは覚えてるだろ?」
エステル「うん。でも私はルーバックには会わずに帰っちゃったよ」
エリック「しかしセシリアの世界では、お前も一緒にルーバックに会っているんだ」
エステル「ええーっ!? それじゃここにいるせしるんは一体誰なの!?」
セシリア「エステル……落語の『死んでいる自分を担いでいる男』みたいな話はよしてよ(汗)」
エリック「セシリアの世界のエステルも、今頃セシリアに『ここにいるエステルは一体誰なの!?』とか言われているだろうな(汗)」
テオドラ「エリックが多元世界の滅びを防いでいる過程で、干渉の集積が世界毎の認識の相違を生み出し、各々の世界がそれを構成要素とする世界に分岐したのです。ですからどの世界のセシリアも、セシリアである事自体は変わりありませんよ」
エステル「何だか複雑な話……」


4.余談

セシリア「はぁ……難しい話をしちゃったから頭を休めるために雑談でもしましょ」
エステル「そうだね……。まずお父さんの日常だけど、お仕事が忙しいから家でもごろごろしているか、そうじゃなければ部屋で報告をまとめているか、どっちかが結構多いのよね。何だか悠久シリーズのリカルドさんみたい(汗)。普段も調査で何日も帰って来ない事も多いし、『秘密遵守だ』って言ってお仕事の話も私にはほとんどしないの」
ルーバック「それは先輩がエステルを心配しているからだぜ。エステルが秘密を知っていたら悪い連中に狙われるかもしれないだろ?」
セシリア「……今回の事件はともかく、浮気調査を妨害する『悪い連中』なんていそうにないけどね(汗)」
エステル「で、そのお父さんの部屋なんだけど、本当に散らかり放題なのよね。片付けようとするとお父さんは怒るし」
ティファ「でもエリックさんの部屋は、一見分からないけど本当に機能的に物を配置されていたわ」
エステル「それって本当?」
レティーシャ「ええ。でもあれは基本的にエリックさん専用の配置だから、他人にとっては何の意味もないでしょうけど」
ティファ「職業柄か、他人が漁っても極端に効率が悪くなるようになっていたしね……」
エステル「ふ、普通そーいうのを散らかしてると言うんだけどなぁ(汗)。あとお父さんはずーっと独身。結婚していた事もないの」
セシリア「そこそこ顔がいいんだけど、……まさか女性より男性に……」
エステル「せしるんーっ!!(怒)」
セシリア「冗談よ。やっぱり仕事が忙しくて女性とお付き合いできる余裕がなかったんじゃない? あんたと同居するようになってからだとそれどころじゃなかっただろうし」
ルーバック「でも先輩は、青春の思い出を『失恋とか失恋とか失恋とか』って言ってた事が……」
エリック「それ以上言うなルーバック(怒)」
ルーバック「……了解」
エステル「という事で、寂しくても私のシャワーや着替えを覗いたりしたらダメだからねお父さん♪」
エリック「だからそんな事するかー!!(絶叫)」


#シンクロ可能&世界移動可能キャラクター

エリック「次は、シンクロと世界への移動が共に可能だった面々だ」
エステル「へぇ。……でも6人中5人が女の子だよね?」
セシリア「ふぅ〜ん。おじさんって結構女性に興味あるんだ。しかも血の繋がらない娘と同じ年頃の」
エステル「お父さん……やっぱり……(怒)」
エリック「何がやっぱりだエステルー!! それ以前に首を掴んで揺さぶるなってばおいー!!(絶叫)」
ルシア「性別より年齢の低さに注目する方が普通だと思うんですけど……しばらくほっといておきますね(汗)」


[エステル・ディライト]

エステル「私はエステル・ディライト。霊体になっちゃったエリックお父さんの行方を追いながら、最終的にはキースの多元世界を全て消滅させる陰謀を打ち砕いた名探偵だよ」
エリック「俺がビュレットで導かないと、ちょっとした拍子に殺されてしまうとんだ迷探偵だったけどな」
エステル「あーっ、お父さんひどーい!」
エリック「まあ冗談はともかくとして、多元世界を崩壊から救うのに一番活躍したのはお前だからな。よくやったよなエステル」
エステル「えへへ。それじゃお父さん、冬休みには旅行に連れてってね♪」
エリック「はぁ……ちょっと甘やかすとすぐこれだ」
ルシア「そう言いながらエリックさん、シンクロしてみるととても嬉しそうですよ?」
エリック「(しまった! ルシアは創造の女神だからシンクロが可能だったんだー!)」
セシリア「……照れているおじさんはさておき、エステルは10年前に制御に失敗したフレイリアンのせいで両親を殺されて、それでおじさんに引き取られたのよね。その時の日記を見た事があるけど、あの『お父さんの育児日記』の続きをエステルが見せてくれたらなぁ」
エステル「怒るよせしるんも。……それで今はせしるん達と同じバルツ北高校に通っているの。8月の末にお父さんが失踪した代わりにルシアをベッドで発見して、これは一大事件だとばかりにせしるんと協力して捜査を始めたんだけど……」
エリック「最初は、『まさか愛人!?』とか勘違いしてたけどな……」
セシリア「で、それからルシアに引っ張り回されるわティファが首を突っ込むわ謎の怪盗が絡んでくるわ私のお父さんがエクバートンのせいで濡れ衣を着せられて逮捕されるわ、しまいに犯罪組織クルーラーまで絡んでくるわで、最終的にはキースと対決するわけだけど。……よく命が保ったわね私達」
エリック「(厳密には俺が干渉しないと何十回も死んでたんだが……その世界は虚空に沈んでいるからなかった事にしておこう(汗))」
ルシア「ところでエステルの性格は、エリックさんの目から見たらどんな感じですか?」
エリック「うーん、まず言えるのは意地っ張りで無謀って辺りだな。そのくせに激しく気分が変わるし、セシリア以上に表に出さずにいるから余計に始末が悪い。まあこの辺は、守護天使としてシンクロできなければ一生分からなかっただろうけどな」
エステル「お父さん……」
エリック「ん? 照れてるのかエステル?」
エステル「お父さんのエッチ――――――――っっっっ!!!!」
(ずげしずげしずげし!!)
エリック「…………っ……(気絶)」
エステル「もう!!(怒)」
ルシア「(本当は照れていますけど……言わない方がいいでしょうね(汗))」
セシリア「……裏返せば『意志が強くて行動力があり、同じ事をいつまでも引きずらない』って意味なのに、本当に素直じゃないんだからこの父娘(汗)」


[セシリア・モランディ]

セシリア「さーて、次は私ね。私はセシリア・モランディ。エステルと同じ学校に通ってるわ。エステルとは4年前に私が家出した時に転がり込んで以来の親友で、仇名で『せしるん様』と呼ばれるほどの仲なのよ」
エステル「『様』は付けてないんだけどせしるん……(汗)」
ルシア「ちなみにせしるんさんの仇名は、『ウィザーズハーモニー』のセシル・ライトさんの(ファンの間での)仇名と一緒だったりします。これって意図的なんでしょうか?」
セシリア「細かい事はいいでしょ。学校の成績は……まあそこそこって辺りね」
ホーク「語学が抜群なのはいいけど、数学は常に壊滅状態を維持しているからな」
セシリア「うるさいホーク!」
エステル「あとせしるんは、演劇の脚本家を目指しているの。その辺でせしるんのお父さん――モランディ貿易の社長さんとは仲違いしてたんだけど、おじさんの日記を見てからそれなりに仲直りはできたみたい」
モランディ「他人の日記を……いや、無実を晴らしてくれたからには口出しできんな(汗)」
セシリア「エリックおじさんは素直じゃないけど、お父さんはひねくれてる分たちが悪いじゃない!」
モランディ「何だと!?」
エステル「また喧嘩始めてるよ……。これで分かる通り、せしるんは短気で口も早ければ手も早いの(汗)」
モランディ「ともかくだ! お前にも責任があった以上に、ディライトさんの親子に散々迷惑を掛けた以上、前の約束通り成果を出さなくては認めるわけにはいかん!」
エステル「とゆー具合で、何となくお父さんを髣髴させるモランディさんはせしるんに会社を継がせるつもりみたいだけど――どうしたのせしるん?」
セシリア「おじさんに脚本のアイデアの取材頼んでいいかな? もちろん賞金が出たら分けるから」
エステル「どんなの?」
セシリア「その名も『天使になった探偵』。冒頭で死んで天上界に召された探偵が、この世に残された娘が未熟ながらも探偵になったのを、ドジを起こす度に霊力でサポートして仕事を成功させるんだけど……」
エステル「却下不許可不採用ーっ!!(怒)」


[ホーク・シェブライン]

エステル「ホーク・シェブラインは私の幼馴染。10年前にお父さんとお母さんを怪物に殺されてから、おばあちゃんのマーヤさんと一緒に暮らしてるの。今は私達と同じ学校に通っていて……なんか喋りなよホークっ!」
ホーク「別にいいだろ。そんなに話す事もないんだし」
エステル「もう! 私も喋り過ぎで疲れたから後はニーナお願い!」
ニーナ「う、うん。ホークはお父さんとお母さんの仇を討とうとして、それからひたすら武術の訓練を積み続けたの。おかげで悪い人に絡まれた私もホークに助けてもらって……」
ミリアム「でもどうしようもなくにぶいから、全然ニーナの気持ちに気付かなかったのよねこいつ。全然アピールしてなかったニーナも悪いけど」
ニーナ「……えっと、それでホークは、怪物の情報を探るために新聞部を作って、一緒に入った私と色々動き回ったの。でも私が入院してから、情報がことごとく抹消されている事に気付いて、すっかりやる気をなくしてしまって……」
ミリアム「せめて某此花学園の新聞部みたいに、学園の七不思議を解明してみせるとか、変態教師の趣味を暴き立てるとか、学園で起きる難事件を解決するとかすればいいって言ったのにね……あちらも正式に認めてもらってないけど(汗)」
レティーシャ「そこに怪盗の話をニーナ……というかミリアムから聞いた時に、ミリアムが強調した『人間離れした』という話に引き付けられて、またやる気を出して調査に乗り出したの。そして私がモランディ貿易の『美術品』を狙った時に、ホークは私と出会って……」
ミリアム「あーもう、そこで照れないでよ! そこから紆余曲折を繰り返して、クルーラーの陰謀と更にその背後のキースの計画に迫って行くのよね!」
エリック「そうだな。そしてエステルの世界では失踪した俺の足取りを追う過程でエステル達と合流する事になる。その後は……レティーシャとニーナに挟まれている今の姿を見ればお分かりの通りだな(汗)」
ホーク「……ところでおじさん、他の世界だと俺やレティーシャやニーナはどうなっているんだ?」
エリック「……レティーシャの世界だと、ホークはレティーシャと再会を期して別れている。ニーナはどうなったかよく分からないが、ホークの態度からして問題は無かったと思う。ビンディットはルーバック達に逮捕されて刑務所行きだ」
ミリアム「私の……ううん、ニーナの世界ではどうなっているの?」
エリック「追ってきたニーナが発作を起こしてホークは引き返す。そしてミリアムはニーナに命を渡して、ニーナの妹に転生するんだ。レティーシャは(中略)と思う」
ホーク「ビンディットは?」
エリック「向こうのホークは、そのうち表に引きずり出してやると言っていたよ」
レティーシャ「で、肝心のホークの世界ではどうなっているのですか?」
エリック「ビンディットはホークに殴り倒された挙句、プライドが崩壊して発狂。その後研究所が爆発して、死んだか……逃げ出せても組織に始末されただろうな」
レティーシャ「そんな事はどうでもいいのです! ホークと私が……!」
ニーナ「……あら、おじさまは一体どこ?」
ミリアム「素早く逃げたみたいね。こんな所にメモが……」
ニーナ「えーと、『ホークの世界では、ホークとレティーシャがくっ付いている。ニーナは(中略)だし、ニーナの世界の事もあるのでホークをいじめないでくれ』……」
ミリアム「…………(ぎぎいっ)」
レティーシャ「何をする気なのよミリアム! そもそも――!!」
ミリアム「……!!」
ニーナ「……!!」
ホーク「いずれにせよもう他の世界の事なんだが……言っても遅いか(汗)」
セシリア「あーあ、これじゃホークの世界の9月8日8:00にマーヤおばあさんにホモ疑惑を掛けられた男とは思えないわね(汗)」


[レティーシャ・ナザヴィ]

エステル「で、次は怪盗ことレティーシャ。私はほとんど知らなかったんだけど、見れば見るほどティファにそっくりだよね。肌や髪の色はびみょ〜に違うから慣れれば分かるけど」
レティーシャ「元々私は、天使クラスの魂を封じた人造人間フレイリアン、μ701としてオーヴィル博士に作られた。その後クルーラーを抜けた博士の手足として、フレイリアンを悪用するビンディットを始末するため、連中の連絡状を真似た予告状を使った怪盗として挑発を繰り返していたのだが、その過程でホークに助けられ、やがて行動を共にするようになる」
エステル「そして……この先はホークの所で言っちゃったっけ(汗)。あと私の世界だと、ルシアの力でティファ共々人間になったからね。それじゃ次行くよ」


[ニーナ・ガナッシュ&ミリアム]

ニーナ「私はニーナ・ガナッシュ。長い間病気で病院にいたけど、天使のミリアムに出会ってその力で病院を出られるようになったの」
ミリアム「そして私が天使のミリアム。100年前は人間で、テオドラ様には内緒でやってた創造の女神様探しのために、ニーナの体を貸してもらったってわけ」
ニーナ「でもミリアムって、事ある度にコントロールを取っちゃって、特にホークの前で無茶な行動を頻繁に取ってたの(汗)」
エステル「まあ、傍から見ると無茶というよりコミカルだったけど(汗)」
ミリアム「激ニブのホークと引っ込み思案すぎるニーナにいらいらしたせいだけど、私のやり過ぎにニーナが怒っちゃって、一時期は相当険悪な事になってたわよねー。それもこれも、今じゃ懐かしい思い出よ」
ニーナ「私は思い出す度に怒りが……まあともかくその後和解もして、ホークに告白もできたんだけど……レティーシャを見て一時は誤解して苦しんだりもした」
ミリアム「でも自分で立ち直って、彼のためになる事に全力を尽くそうとする事ができたのよね。その間私は多世界構造理論を追い続けてルシアが目的の女神様だと見当を付けていたけど、その先の行動ができずにいたのと大違いよね……人間だった頃に出会ったお医者様だったインクァイアーを発見してはいたけど、その先にどうも踏み込めなかったし」
ニーナ「それから私は、霊が見られるようになったのを機会に、エステルにエリックさんが生霊になっている事を教えたり、10年前の事件の被害者に直接話を聞いたりして、クルーラー、インクァイアーことキース、そして事件の核心に迫って行ったわ」
ミリアム「その間にもニーナの命の灯火は削られて……私は命をニーナにあげて、ホークのために頑張ってもらう事にしたの。あー、自分で言って恥ずかしい(照)」
ニーナ「その後の事は、さっきのおじさまの言葉を参考にして下さいね(汗)」


[ティファ・パージット]

ルシア「そしてティファさんです。探偵に憧れる謎の転校生として登場したんですけど、実はキースの部下で、私……厳密には私が封じられていたフレイリアンであるμ801を奪取しようとしていたんです」
ティファ「最初はそうだったけど、それから『ルシアの護衛』『ルシアを危機に陥れて覚醒させる事』と、命令は二転三転して行ったわ。あと私もレティーシャと同じタイプのフレイリアンで、型番はμ702。最初はビンディットに虐待されていたけど、キース様が手元に引き取って下さったの(照)」
エステル「私達に近付くために友達のふりをしていたんだけど、私達に情が移っちゃって苦しんでたんだよね……」
ティファ「キース様とエステル達の間で私は苦しんでいたけど……結局はどちらも切り捨てられず、キース様がルシアに魔手を伸ばすのを阻止する事になった」
セシリア「なーんかそう言うと、変質者みたいで嫌な響きよね」
ティファ「…………(怒)」
セシリア「ぼ、暴力はなしよティファ!!(汗)」
エステル「あ〜あ、せしるんって一言多いんだから……。ちなみにティファの世界ではキースを止めるために私と旅に出ます。私の世界だと……ちょっと妬けちゃうからまた後で(汗)」


#シンクロ(のみ)可能キャラクター

エステル「シンクロのみが可能っていうのは、どういう事なのお父さん?」
エリック「前にも言ったけど、物事の見方をある程度固定している、もしくは他者へ依存しようと考えない人物には、俺の能力ではシンクロが可能でも、その人物の世界にまで移動する事はできなかったんだ」
セシリア「守護天使も結構面倒なのね。ところでこっちにはやっぱり男性が多いわけ?」
エリック「確かに男性が多いが……何なんだやっぱりって」
セシリア「いやー、おじさんが健全な嗜好の持ち主で良かったなって♪」
エステル「お父さんの事は心配してたけど……本能に反する趣味は持ってなくてよかったよぉ……」
エリック「逆の誤解をされるよりまだいいが……父親の威厳というのは一体どこへ……(泣)」


[クレイヴ・ルーバック]

ルーバック「俺はクレイヴ・ルーバック。バルツ警察署でも評判のいい男だ」
セシリア「『どうでもいい男』の間違いなんじゃないの?」
エステル「いきなり喧嘩売らないの! ルーバックも無意味な発言するのはやめて!」
ルーバック「はいはい。俺は刑事で、元々はエリック先輩の後輩にあたる。先輩が警察を辞めちまってからも、俺は自分なりに10年前の首謀者を根こそぎにする事を考えながら警察に残っていた。普段からサボりがちだったのも、組織――クルーラーとの内通者を油断させておくためだった」
エステル「10年前云々は本当だと思うけど……サボりがちだったのは単なる本性だと思う(汗)。確かに良い意味でも悪い意味でも型破りだけど……ねぇ」
セシリア「町中の女子高生を自信満々に把握するような奴、そもそも警察にいる事が異常極まるのよね。これでよく世界が虚空に沈まないもんだって神様達に感謝しちゃうわ」
ルシア「か、感謝されても困ります……(汗)」
ルーバック「んで、先輩が失踪したのを知った俺は、エステル達と協力して怪盗の追跡やエクバートンの逮捕、クルーラーと内通していた副署長達の処分、フレイリアンの襲撃から避難する住民の保護を行ったってわけだ。…………あれ? 何か忘れてませんでしたかね先輩?」
エリック「クルーラーの研究所の摘発……はレティーシャの世界での出来事だから、とりあえずこれで十分だと思うぞ」
ルーバック「まあそんな事で、俺は有給休暇を堂々と要求したんだが……マーレーやバレットが『有能なら調書くらい自分でまとめろ』とばかりに押し付けやがって……(嘆)。こんなややこしい事件、どうやってまとめればいいんだよ……くそーっ!!」
セシリア「はーいはいご苦労様。まあ頑張ってちょうだいね」


[ルシア]

ルシア「私は元々、天上界の創造の女神の1柱だったんです。しかしオーヴィル博士がフレイリアンμ801を作る際に霊的なトラップに引っ掛かり、存在を封じられてしまいました。その封印石をエリックさんが手に入れたのが、事件の全ての始まりとなりました」
エリック「そういう経緯があったから、ルシアにシンクロしても世界に入る事は出来なかったんだ。何しろ年齢的には……いややめとこう」
エステル「失踪したお父さんと入れ替わるように、お父さんのベッドの中で寝ていた女の子。しかも裸だったから、あの時はホントに焦っちゃったなぁ(汗)」
セシリア「言葉も満足に話せなかったのに、それからめきめきと知識を付けて……あれにはさすがの私も驚いたわよね。特にマーヤおばあさん以外にまともな人類が理解できないはずだった数学に興味を示して、『建てない工場理論』だか何だかに興味を示すんだもの」
エステル「多世界構造理論だってばせしるん(汗)。でもルシアも事件に巻き込まれる中で、自分がフレイリアンだって事を知って……苦しんだ挙句クルーラーの連中に自分から誘拐されちゃうの。一旦は私達が助けたんだけど、すぐにキースに攫われて……」
ルシア「私はお城の中で、覚醒させられて力を暴走させてしまうんです。でもエステルの呼び掛けで意識は保たれ、元の創造の女神に戻る事ができました」
エステル「そしてルシアは、今の世界で受けた寿命を全うして天上界に戻るまで、私の家族になりました。めでたしめでたし」
エリック「……そうだな。生活費が5割増しになったのが俺としては辛い所だけど(汗)」
セシリア「あと名前の由来は演劇『ヘンリーとミケランジェラ』の登場人物。詳しくは私の世界の8月28日18:00を参照してね」


[オーヴィル]

オーヴィル「わしはオーヴィル。エステル嬢の前ではリブロという偽名も使っておった。元はウェノバ大学教授……つまりマーヤ・シェブライン博士やケインの同僚で、人造人間フレイリアンの開発者でもある」
レティーシャ「しかし『人を作り上げる行為』が非人道的と糾弾されて博士は学会から追放されて、クルーラーが背後にいる研究機関に関与せざるを得なかった。その後博士は私と共に、フレイリアンを悪用するクルーラーの意図を挫くために活動をし続ける事になる」
オーヴィル「事件の際、わしはμ801ことルシアを守るため、そしてビンディットのフレイリアン兵器化計画を阻止するために色々と行動を行った。その過程でホーク君とは協力関係を結べたが、エステル嬢にはぎりぎりまでほとんどお目に掛かれなかったのう」
エステル「ところでオーヴィル博士、レティーシャの制服ってどこからどうやって手に入れたわけですか?」
オーヴィル「その手の店で手に入れたのじゃが、それがどうかしたかね?」
エステル「そんな……オーヴィル博士がお父さん以上の変態だったなんて……!!」
レティーシャ「『その手の店』というのは、潜入工作用の服を受注する裏社会の服屋で……ああっ、遠い目をしないで復帰してきてよエステルーっ!」


[ジェファイル・エクバートン]

セシリア「エクバートンは、モランディ貿易の部長クラスでも有能な部類に入る人物よ。他の貴族系の幹部と比べて、まあ数段階以上は上回る逸材ね」
ルーバック「地位による差別が激しいこの地域において下積みからのし上がっているため、貴族出身者が多い重役達から妬まれているそうだ。もちろんこいつの側も、貴族に対して並々ならぬ憎悪を抱いているらしいけどな」
エステル「元々クルーラーと組んでフレイリアンの密輸を企んでいたんだけど、オーヴィル教授からの情報リークと怪盗の乱入でモランディさんにばれちゃって、責任を取らされて解雇されたの。……事情を知ってると軽過ぎるけど、知らないと重過ぎるという中途半端な処分だったよね」
セシリア「まぁね。……この頃はあれこれ私の味方をしてくれていたけど、それも自分の計画のためだと考えると……ったく!」
エステル「しかも既に、モランディさんとせしるんにしばらく経つと消える製図用インクで作った偽書類にサインをさせていたから、それを『密貿易の証拠書類』に仕立て上げてモランディさんを逮捕させたんだよ。すぐに見当付くのに告発しなかったくらいモランディさんは信用していたのに、そこに付け込むなんて腹立つよもう!」
ルーバック「それからモランディ氏の無実証明のために動いていたセシリアを、怪盗を装って誘拐したりしたんだが……俺達に逮捕に向かわれてクルーラーにも見捨てられ、結局はレティーシャにぶちのめされてあえなく逮捕されちまったのさ」
セシリア「でもその後、怪物に町が襲撃された時の反応は意外だったわね。なにしろ私とレティーシャのピンチにいきなり現れて、怪物を仕留めてくれたんだから」
エリック「でもあれは、俺が最後のビュレットを撃ち込んだからだぞ?」
セシリア「へ?」
エステル「じゃ……じゃあ、それが無かったら世界が沈むまでかけら程度の反省もなかったってゆー意味?」
エリック「……俺が介入しなかったら何十回も世界を沈めていたはずのお前が言うなんて、お父さんは悲しいぞ」
エステル「う……。それはそうだけど……(滝汗)」


[キース・レイン]

セシリア「この銀髪男は本名シャリク王子。カドリール帝国のクレイン帝、医師インクァイアー、魔法物理学者ケイン・マクシミリアン、国際犯罪組織クルーラーの実質的ナンバー2・キースなどの偽名を使い分ける詐欺師顔負けの男よ。無茶苦茶長生きしたせいか、数学だろうが物理学だろうが神学だろうが道端観察学だろうが極めてる当代随一の変態ね。おまけに今は廃れた『魔法』まで使いこなすし、ここまで完璧だとかえって頭にくるわ」
エステル「せしるん……頭がいいとどうして変態なのよ。それにキースが色々名前を使っていたのは、別に偽名じゃないと思うんだけど……」
ルシア「ちなみにクレイン帝だったのは333年前から233年前まで(5012年〜5112年)、インクァイアーだったのは100年前、ケインだったのは40年前でした」
セシリア「で、キースはパストゥードって国の王子様だったんだけど、国が滅ぼされるのを防ごうとした時に虚無に侵蝕されて不老不死になったのよ。普通はここで永遠に気楽にやって行きそうなのに、100年寝ちゃった上に国そのものは滅んでいたもんだから、死のう死のうと思い続けて『自分が死ぬ手段』なんか探し回ったの。他の人達と別れるのが怖いあまり、誰とも親しくなるのを避けながらね」
ティファ「キース様、私に昔の知り合いの名前を付けたりしてますしね……」
キース「い、いや……いい名前が思い付かないだけで別に他意があったわけでは……」
セシリア「……幸せなお二人さんはともかく、この男は10年少々前になって、『自分だけが死ねないなら世界ごと滅ぼせばいい』なんてとんでもない計画を立てたのよ」
エステル「えーと、天上界の創造の女神を精神的なトラップを使って人工生命体に封印して、多元世界のバランスを不安定化させたところで危機に陥れて覚醒・暴走させ、インスピレーションを起こして世界の存在確率を限りなく0に近付け、多元世界全てを崩壊させようって計画だったよね?」
キース「インスピレーションではなくインフレーションだが……(汗)」
セシリア「そしてその目的のために、オーヴィル博士に精神体を肉体に封印するヒントを教えて、人工生命体フレイリアンを作り上げる。それが怪物騒ぎの全ての発端になってるのよ。……はぁ、ほんと頭のいい奴って自分の考えで暴走するから始末に負えないわ(嘆息)」
マーヤ「まあまあ。一応最悪の事態は避けられたんですからね」
エステル「実のお父さんとお母さんの件で引っ掛かりがあるんだけど……キースに直接責任があるわけじゃないからいいよ。直接悪いのは死んだビンディットだし」
エリック「(……ビンディットが確実に死んだのは、この世界(エステルのワールド)限定の話だけどな)」
セシリア「……ところでキース、最後に聞きたいんだけど」
キース「何だ?」
セシリア「あの事件の後、ティファと一緒に村でお医者さんをしているでしょ?」
キース「確かにそうだが、それがどうかしたのか?」
セシリア「ティファに着せていた看護婦さんの服って、やっぱりキースの趣味なわけ?」
キース「…………」
(バリバリバリ)
セシリア「……ま、魔法なんて反則よ……(がくっ)」
エステル「ああっ、気絶しないで目を開けてせしるんーっ!!(汗)」


#その他

エステル「その他?」
エリック「……としか言いようがないが、シンクロすら不可能な相手達だ。事件への関わり方が限られている、または深く理解するなど願い下げな相手ばっかりだ」
テオドラ「では、私はどちらに入るのですかエリック?」
エリック「それはもちろん後者……いや、これには別に他意はなくて……(汗)」


[テオドラ]

テオドラ「私はテオドラ。多くの世界が確率論的に分岐し、存在率が一定以下になると虚空の海に沈んで行くという、この多元世界を管理する天使の1人です」
ミリアム「そもそもテオドラ様は、確率論的分岐を調節する役割を持つ創造神達の1柱が行方不明になったのを探していたの。私が下界に降りていたのも元々はそのため……テオドラ様には無許可だったけど」
テオドラ「そして5245年8月27日の夜にエリック(の霊体)を救助、掟に縛られて下界へ直接介入のできない私達に代わり、限定的ながらも干渉を行える力を与えたのです。少々……いえ、かなり他人の話を聞かないせっかちな所がありましたけど、最終的には全ての世界を救ってくれました」
エリック「うーむ、こうやって言われるとちょっと照れるよな」
テオドラ「そこで貴方の才能を見込んで、ぜひとも寿命を全うした後は天上界に天使として正式に務めてほしいのですけど……」
エリック「…………それは死んだ後で考えさせてくれ(汗)。とりあえず1ヶ月仕事をしていない分を取り戻さないとなぁ……」


[音色の精霊]

エリック「俺が町で出会った精霊なんだが、隠れんぼを俺に挑んで、見付けたら曲を1つずつ渡すという事に何故かなってしまった。しかも時空間移動もフル活用して逃げ回るわ、いつの間にか俺をライバル扱いするわ……」
エステル「精霊!?」
エリック「ああ。実はこの世界、下界にも霊はうじゃうじゃしているんだが、さすがに精霊を見るとは思わなかったな(汗)。一応子供や動物には見えるらしいが、追い回されたりする程度で捕食されたりはしないらしい」
精霊「でもここ1年ばかり、精霊や妖精や霊が行方不明になる事が多くて怖かったんですけど……エリックさんが解決してくれて良かったです」
エリック「……と言いながら、事件の後はちゃっかり俺の家に住み着いているけどな」
精霊「え!? そ、そんな事っ!」
ルシア「すいません……エリックさんには見えなくても私にはしっかり見えるんです(汗)」


[ストリクト・モランディ]

セシリア「この人は私のお父さん。一代でモランディ貿易を大企業にした人よ。私のお母さんは……仕事に精を込め過ぎてその前に亡くなっちゃったんだけど」
エステル「前はせしるん、おじさんの事嫌っていたけど……日記とお母さんの写真を見て見直したんだよね」
セシリア「まあ、今でも廊下を歩きながら着替えるだけで文句を言うような厳格な所は苦手だけど」
ルシア「……あのぅ、それってせしるんさんがいい加減なだけなんじゃないでしょうか?」
セシリア「うるさーい! 次よ次っ!」


[マーヤ・シェブライン]

ホーク「俺のばあちゃんだ。以上」
ミリアム「そーいう適当な説明でお茶を濁すんじゃないわよ! いーい、この人は…………何だっけ?」
ニーナ「……ホークのおばあちゃんなんだけど、昔はウェノバ大学の先生だったの」
キース「つまり、40年以上前にケインと名乗っていた頃の私の同僚でもある。優秀な数学者でもあって、私と共に手掛けていた多世界構造理論を20年近く後に完成させたのだ」
セシリア「さっきも言ったけど、数学が得意なのに人格がまともという多元世界にとっての奇跡のような人なのよね」
キース「……喧嘩を売っているのかセシリア?」
マーヤ「まあまあ。……ともかく以前は鍛錬ばっかりで女の子に興味を持たないホークの事を心配してたんだけど、両手に花はやり過ぎなんじゃないかと今はまた別の心配をしている所なのよ」
レティーシャ「それではおばあさま、肩をお揉み致しますね。博士で鍛えていますからきっとよく効きますよ」
ニーナ「おばあさまっ! これは私からお土産の羊羹ですっ!」
マーヤ「ふふ。2人とも若いのに関心ね」
セシリア「てゆーか2人とも、それってほとんど収賄罪だと思う……(汗)」


[マーレー]

エステル「バルツ警察署の警官で、可哀想な事にルーバックの部下。ルーバックが聖カルテシア広場や喫茶店サヴォールでサボるたんびに追い掛け回して大変なの」
マーレー「その通りです。おかげで『ルーバック捕獲の一人者』と署内では讃えられるようになりました」
ルーバック「……なあマーレー、日頃の激務に疲れ果てた上司を優しくいたわろうという気持ちはないのか?」
マーレー「日頃の激務に疲れ果てた上司を優しくいたわろうという気持ちはありますが、日頃からだらけている上司を優しくいたわる気は全くありません」
ルーバック「…………………………………………(汗)」


[バレット]

ルーバック「バルツ警察署の部長だ。元は俺と同格なんだが、くそ真面目に働いた結果、責任だけ重い部長職を押し付けられちまった可哀想な奴だ。腐敗しきっていた警察署で中途半端に偉くなっても、いつか副署長辺りにいいように使い捨てられるのがオチじゃないかと思ったんだがねぇ」
バレット「よ、余計なお世話だ!」
エリック「クルーラーに内通していた副署長に紹介されたエクバートンの持ち込んだ偽の密貿易書類、しかも1枚しかない奴を、それだけでモランディ氏の逮捕理由として使ってるから、いいように使われたという所は正解なんだが……」


[ユビアス・ビンディット]

レティーシャ「こいつは、バルツにおけるクルーラーの下級幹部の1人だ。元は兵器開発部門長だったが、10年前にオーヴィル博士の論文をパクって作ったフレイリアンが暴走して組織員や一般人を殺戮、そのせいで降格された間抜けな男だ。配下の連中もチンピラから毛を抜いたような連中揃いで、当然ながら名前も出てこない」
髪の少ない男「おーい(汗)」
ホーク「臆病なくせに執念深くて、とっても嫌な野郎だったぜ」
エリック「ちなみにこいつ、レティーシャの世界ではルーバックに逮捕されて刑務所行きだが、ホークの世界では発狂するし、エステルの世界ではキースに制御を奪われたフレイリアンと“戯れる”事になる。……自業自得だがな」


[フレイリアン]

ルシア「フレイリアンとは、人工的な生体に、霊的ポテンシャルの低い場によるトラップで捕獲した霊体を封じて作成する人造人間の事です」
エステル「え〜と……????」
エリック「要するに人造人間なんだが、他の作品の人造人間と違う特徴は、人間や天使、精霊、妖精、そして神様(!)の魂をそのまま使っているという辺りだな。そうして転生の道筋を歪めているせいか、フレイリアンには寿命も存在しない」
セシリア「という事は、霊からして見れば無理やり拉致監禁されてるみたいな雰囲気よね」
オーヴィル「その通りじゃな。もちろんそうした無理をしている以上、霊体を内部に維持するための機能が必要なのじゃ。それには(ルシア君を除いて)宝石型の制御パーツを使っており、同時にフレイリアンの弱点ともなっておった。人間の力で破壊できるものではないのじゃがな」
エステル「でも悠久シリーズの世界なら、人の力でも壊せそうかも(汗)」
セシリア「余計な茶々を挟まないの。で、霊体のレベルは頭の良さと関係あったのよね」
レティーシャ「その通りよ。ビンディットが作っていた知能の低いタイプは浮遊霊レベルで十分だけど、私やティファには天使レベルの霊体を使っていたの」
ティファ「もっとも兵器としての能力だけ追求するなら、霊体のレベルはあまり関係ないわね」
オーヴィル「あとフレイリアンには、『μ+数字』という形で型番が付けられておる。知性の高いタイプは1体ずつ外見や個性が違うから、レティーシャは701、ティファは702、ルシア君は801という具合に別々に番号が振られておるが、ビンディットの量産型は大量生産タイプが1054、強化型が490となっておった」
セシリア「…………………………………………ああ、あの『気色悪い奴』と『とても気色悪い奴』ね」
ティファ「……セシリア、お願いだから数字が出てくるからって記憶力をマニュアルモードでカットしないで(汗)」


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