「喜栄座cmp」の喜栄座さんが、ココの27万ヒット踏み記念に下さったリーゼ&シェールです。
ちなみに格好は当方の希望で、二人の名前の由来になったという名作漫画「白騎士」にちなんだ物。
……まあヒロインの“リーゼ”=白騎士なのかは定かでないですし、ライバルの“シェール”がこーいう姿かどうかは保証もないですが、些細な妄想として許して下さい(笑)。
中くらいの大きさの多目的ホール。天井には大陸語で書かれた『白騎士オンリーイベント』の垂れ幕が掛かっている。
ホールの中は人でごった返し、各サークルの同人誌やフィギュア、グッズを買いに回っている。
その中に一際目立つ二人の女性。どことなく似ている二人は古風な――“白騎士”が活躍した時代に騎士が装備していたような鎧に身を包み、会場内を闊歩していた。時々呼びかけられる撮影の求めに黒い鎧の少女は恥ずかしそうにするが、白い鎧の女性が快諾している。
サークルの群れに並んだ同人誌と白い方の女性が抱える同人誌の山を見て、喘ぐような溜め息を洩らすのは黒い方の少女。
「うぅ……やっぱり恥ずかしいよぉ」
「そう? その鎧、せっかく骨董店で見つけたのに」
少し残念そうにしながらも気遣いを欠かさない相手を申し訳なさそうに見やりながら、少女は肩当ての下の関節をぎしぎしと揺らす。二人とも姉妹か従姉妹なのか体格は似ており、結構プロポーションも良さそうだ。
「てゆーか何か胸がきついし、人の視線もお姉ちゃんに集中してるし……」
「あ、ほら、一応私の方が主人公役だから」
「そりゃまあ、“リーゼ”はヒロインで“シェール”はライバルだからね。妙にカルト的な人気はあるけどかなり前の巻で死んじゃってるし」
がくんと首をうなだれる少女。悪役然とした黒い鎧がこの状況にはあまりそぐわしくないが、気力を振り絞るように肩を震わせている。
「それ以前に恥ずかしいのは、何といってもカップリングよ」
「成人指定の本を読むのは、18歳になるまで我慢してねシェール?」
「じゃなくてー! 『リーゼ×シェール』だとか『リーゼ総受け』だとか見て、自分が出ているような気がして恥ずかしくならないのか聞いてるのよリーゼお姉ちゃん!」
その時確かに、周囲の空気が瞬間的に停止した。
「え? リーゼとシェール?」
「すすすいません、それってまさか本名ですか!?」
「うわー、イメージぴったりー!」
「リーゼのコスプレは大きなイベントだとよく見かけますけど、シェールのコスプレは初めて見ましたー」
「その鎧って時代考証もよくできていますね。どこで入手したんですか?」
「はいはい並んで並んで! フラッシュ焚くのは禁止だからね!」
人垣に囲まれるアーキス姉妹。その中心で女王然としてリーゼは微笑んで。
「やっぱり快感ね。この本名を明かした瞬間が」
「も、もういや〜っ!」
やっぱり今日も、リーゼさんに振り回されるシェールちゃんなのでありました。
……なんて展開があったらいいな、と。