月が地を照らす冬の夜
青白い光で照らす夜
あたしは 今 歩いている
悲しい涙を流し
今 ここにいる理由
大事な人とのいがみあい
本当に ほんの些細なこと
ただ それが大きくなりすぎて……
だから あたしは今はいない
あいつがいるあの家にいない
悲しみに捕らわれたから
そして あいつから逃げ出したから
とても大切なことだったから
それが 些細なことじゃなかったから
だから あたしは傷ついて
あたしの心が張り裂けて
涙を見られたくなかったから
あいつに 見られたくなかったから
だから あいつから逃げ出した
あいつの言葉から逃げ出した
「もう、顔すらも見たくない」
そんなこと、言わないで!
「もう、二度とは会いたくない」
そんなこと、言わないで……!
そして、あたしの目に映るのは
冷たい街の道ばかり
ぽたりぽたりと流れ落ちる
悲しい月の明かりと共に……
けれど、空を仰ぎ見れば
満天の星のきらめきが
冷たく凍えたあたしの心を
優しく やさしく 癒してくれた……
やがて、遠くから声が聞こえる
あたしを探して駆けてくる音
より早く より速く よりはやく
あたしの元へと来てくれた
そして あいつは抱きしめる
悲しく張り裂けた心と共に
ただ、一言だけをあたしに告げた
傷を癒す言葉を……
やがて、あたしはそっと離れる
あいつの腕(かいな)のぬくもりから
そして、ただ一度だけを頬に打つ
それで許す、と、ただ一言だけ
そして再び涙を流す
再びあいつの胸の中で
空では冷たいはずの夜空に
やわらかな月が見守っていた……
後書き
寒い冬の夜に、ふと思い付いた話です。
何となく、SSではなく詩として書き上げたくなりました。
一切の推敲をしてないので、あまりにもまとまりがないと思います。
精進せねば……。
2000/12/15のまだ暗い朝に nao
追記・推敲後
改めて読み返すと、すさまじく恥ずかしい……。
なんつーものを書いたんだ……と、書いた本人が思ってしまった。
ホント、どういう精神状態だったんだか。
水面(みなも)よりも静かな気持ちだったんだろうなぁ……。
それにしても、これって、口調を変えてしまったら、かなりのキャラクターが該当してしまうんじゃないかな?
ところでコレ、ほんの少し(わずか5秒!)だけどもmid→wavしたファイルを作ろうかと思うんだけど、どうしよう?
2000/12/17