ある晴れた一日に〜on a sunny day〜


 「ただいま〜」と街へ買い物に出ていたバーシアが食堂に入って来た。
 「おかえりなさいですぅ」「あら? ケーキじゃない? どしたの?」とティセが手にしているトレイにケーキが載っているのを目ざとく見つけたバーシアが聞いて来た。
 「はい、リーゼさんに教えてもらった通りにティセが作ったんですぅ」「そ、そう?(汗)」
 まあ、ムリもないだろう…ティセのドジぶりを身近で見ているのだから…。
 「メルフィ、ルシードは?」「今、本部に行ってるわ」「始末書を届けにね」順にバーシア、メルフィ、ルーティの会話…。
 「あはは、ルシードってば、またやったんだ」「バーシアだって一緒にいたクセに」「う…」
 ビセットのするどぉいツッコミで詰まる…。
 「後で始末書を書いて下さいっ!」「わ、わかったわよ…」しぶしぶメルフィに返事する。
 どーやら、ルシードと二人で魔法の無断使用をやらかしたらしい…。
 「せっかく、ティセがケーキを作ったんだ、ここらで休憩にしよう」とゼファー。
 「あたし、お茶入れてくるね」と言ってキッチンに向かうルーティ。
 「ふむ…今日は天気もいいし、裏庭でお茶を頂くのも悪くはないな…」と呟くゼファー。
 「そうね、たまにはいいかもね」珍しく同意するメルフィ。
 「じゃあ、オレ、テーブル出して来るよ」ビセットがそう言って食堂から出ていった。
 「あう〜、まだご主人さまが帰って来てません〜」とティセ。
 「いいじゃん、いいじゃん、帰って来た時にでも出せばいいって」既に心は休憩時間になっているバーシアが言う。
 「休憩が終わったら始末書お願いしますね、バーシアさん」「う…」

 しばらくして…。
 「ここから見るバードソング・リバーって、結構きれいに見えるんだ」とルーティが感想を言う。
 「意外な発見だよな」ビセットも相づちを打つ。
 ルシードを除く一同は、裏庭でテーブルを広げ、ティータイムとしゃれ込んでいた。
 「それにしても…どーゆう風の吹き回しなの?」とゼファーに問いかけるバーシア。
 「単に裏庭でお茶を飲みたいと思っただけだが?」「ふぅん…ま、そーゆうコトにしといてあげる」
 「…お前ら…ここで何をしてる?」本部から戻って来たルシードが顔を出した。
 「見ての通りだよ」「あ、ご主人さま、おかえりなさいですぅ」順にルーティ、ティセである。
 「ま、いっか…ところでゼファー、俺のいない間、何か変わった事はなかったか?」話題を変える。
 「特に報告する事はなかった」「そうか…」「その様子だと…絞られて来たようだな」とゼファー。
 「まあな…ルーティ、俺にもお茶を入れてくれ」「はいはい、今、入れるって」とテーブルの上のティーポットを手にする。
 「あ、ティセ、ご主人さまのケーキ持ってきますぅ」と言ってぱたぱたと事務所の中に戻っていた。
 「ケーキって?」「ええ、ティセさんが作ったんですよ」と彼の疑問に答えるメルフィ。
 「おいおい、大丈夫かよ」みんなに見えない様に苦笑するルシード。
 「ま、あの子にしてみれば、会心の出来だったわよ」ティーカップを片手にしてバーシア。
 「そうか? ほんとにS級危険種族のヘザーなのか、あいつは…普段のティセを見ていると…」と途中で急に口をつぐんだ…。
 一同、怪訝な顔をルシードの視線を追うと…ケーキをトレイに載せてティセがこちらに向かって来ていた。
 「おまたせしましたぁ〜、ほ、ほえぇぇ〜!?」ティセ、何かにつまづいて転ぶ…。
 そして…。
 「テ〜ィ〜セ〜」「ご、ごめんなさいぃ〜」ルシードの頭の上にケーキがのっかっていたりする(笑)。
 「まあまあ落ち着いて、ルシード」ルシードを宥めるルーティに
 「うぅ、ティセ、またやってしまいましたぁ…」「ティセさん、そう気を落とさずに…」と半泣き顔の
 ティセを慰めるメルフィ…。
 一方、他の面々は、
 「ここで『お約束』をやるとは、ね」「まったくだね」と苦笑するバーシアとビセット。
 「賑やかな事だ…しかし、退屈せずには済むな…」新聞を読みながら小声で呟くゼファー…その顔には微かに笑みが浮かんでいた…。
 ……この日は『ブルーフェザー』にとって心安らぐ時間であった……(但し一部は除くが…)。

  ≪Fin≫


あとがき
 え〜、REIMです。
 このSSの元ネタは、小説「悠久幻想曲3 パーペチュアルブルー」第1巻(電撃ゲーム文庫刊)の折込みカラーイラストから取ったものです。
 ティセのドジでケーキがルシードの頭に…がとても面白かったもので…ついSSを書いてしまいました(笑)。
 ゲーム本編自体は…まあ、悪戦苦闘してます(苦笑)。
 ……次こそは…ベストエンディングを…難しいかな、やっぱり…(嘆息)。


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