〜GURPS Evergreen Avenue〜




 悠久シリーズに続くmoo系育成&対戦シミュレーションゲーム「エバーグリーン・アベニュー」を汎用TRPG「ガープス」のデータを応用して遊ぼうというページです。世界観に密接に関わらない部分では「GURPS moo Series Games」に従う部分も多いですので、あらかじめそちらもご覧下さい。
 参考資料としては、以下の物を挙げられます。
 〈参考資料〉
 ・「ガープス・ベーシック」「ガープス・マジック」「ガープス・ルナル」(角川書店、富士見書房)
 ・「エバーグリーン・アベニュー」及びその公式ガイド(メディアワークス、データム・ポリスター、ブリッジ)
 ・その他のmoo系ゲーム、特に「エターナルメロディ」と「悠久幻想曲」シリーズ
 ※よく分からない点や不明な点は、このコーナーの作者がオフィシャル設定と整合するように付け加えています。

背景世界
 ・技術と魔法
キャラクターの作成
特徴・技能
種族
キャラクター


+背景世界+

人間界
 人間の住まう世界です。「大陸」と呼ばれる巨大な大地を中心としていますが、それ以外にも人間が居住している所はあるでしょう。「悠久」シリーズの世界とは違って魔法的な要素は比較的乏しく、超常的な力を操る「魔法使い」も現在時点ではかなり珍しくなっています。暦は1ヶ月=28日、1週間=7日で、日付は「○月第○週○曜日」という形式で表します。1年の長さは不明ですが、便宜上12ヶ月にしておいて下さい(小説版を見る限り太陽暦のようですので(月末に十六夜の月が見られる)、その点に気を付けた方が良いでしょうが)。

大陸
 詳しい点は一切不明です。適当に設定しておいて下さい(笑)。
 悠久シリーズの「大陸」とは魔法の普及度が違い過ぎるので別物の可能性が高いですが、「時代が違う」等の理由を付けて一緒にしてもそれはそれで構いません。ただし当然ながら、普通の精霊魔法程度で人間型精霊の召喚は不可能でしょうが。

ガーデングローブ地方
 大陸北方にある地方で、いくつかの大都市と小さな町、数多くの村により構成されている地方です。

メルデルビアの町
 レイテシア湖とエルファーロの森に挟まれた所にある小さな田舎町で、200年前は小さな漁村でした。生活に必要な施設は一通り揃っていますが、「悠久」シリーズのエンフィールドとは違い娯楽施設や農業以外の産業が乏しい事に気を付けて下さい。観光資源らしき物もメルデルビア出身の富豪アラン・バラーズの寄進により建設中の大聖堂くらいしかありません。住民の多くは田舎らしく「朴訥」や「正直」の特徴の持ち主でもあります。

エルファーロの森
 メルデルビアに隣接した森で、豊かな自然に恵まれ木こりや炭焼き、薬草取りがその恩恵を得ています。空間的に精霊界に近く、時折現れる「門」を通じて精霊達が出現します。

精霊界
 精霊や妖魔が住まう平行世界で、人間界とは自然に満ちた場所にある「門」で繋がっています。空には太陽や月や星も浮かびますが、昼夜の区別の無い空は常にぼんやりと光っています。ほとんどの種族が「義務感/自然」を持っている事もあり、人間界では稀なほど美しい自然に満ちています。穏やかで平和な場所ですが、その反面退屈に感じる事もあるでしょう。環境その物は人間界とさほど変わりはありませんが、小石が無い代わりに宝石や水晶がそこら中に転がっていたりしますし、生息する動植物には人間界と違う種類も含まれます。先代精霊王の方針により数十年間人間界との往来が途絶えていましたが、当代精霊王グアジンの人間界訪問を機に往来が再開されています。
 ちなみに、精霊界に通貨はありません。大量に存在する宝石や自然産出するパワーストーン、穀物や布で物々交換を行います。


+技術と魔法+

文明レベル
 人間界・精霊界のどちらでも4です(ちなみにエンフィールドは5、シープクレストは7)。ごく簡単な機械類は存在しますが、銃器の類は存在しません。ただし人間界では医学関係は飛躍的に発達しており、医療系技能のみは文明レベル6と見なします。

魔法について
 精霊の魔法は、自然界の元素に働き掛ける力です。ですので正確に言うと「魔法」ではなく、司る属性にのみ働き、それも自然界の理を無視したり超越したりする事はできません。しかしルール上は、精霊の能力も魔法の一種として扱います。なお精霊の魔法(以下の本文では便宜上「精霊力」と呼びます)は(「マジック完訳版」掲載の呪文なら)独習が可能で、しかも修得速度は普通に教わるのと差がありません。
 この世界で言う魔力とは、「理では推し量れぬ超常の力」……「魔の力」であり、これを多大に有する者が人間の魔法使いで(精霊力と「魔法」を同時使用できる「精霊の魔法使い」も極めて稀に存在しましたが、全員が人間とのハーフでした)、「妙に勘が鋭い」程度のレベルの能力も魔力あっての存在です。メルデルビアの占い師パメラにはかなりの魔力がありますが、インチキ予言者シドラーにはこれっぽっちも魔力は存在していません。
 マナの濃度は人間界では「並」、精霊界では「密」です。人間界でもエルファーロの森のように精霊界と近い所では、濃度が「密」である場合があります。


+キャラクターの作成+

 基本的にPC(プレイヤー・キャラクター)は、100CP〜150CP程度で作ります。このコーナーのゲーム本編の主人公や精霊達のデータはゲーム終了時点での物を想定していますので、その点は注意して下さい。


+特徴・技能+

 背景世界に特に関わらない点については、「GURPS moo Series Games」を参照して下さい。


+特徴+

「魔法の素質」
 人間が稀に持っている「理では推し量れぬ超常の力」か、精霊に備わっている「自然界の元素に働き掛ける力」を示す特徴です。基本的に人間が持っていれば「超常の力」を、精霊が持っていれば「元素に働き掛ける力」を示しますが、人間の血を引く精霊には極めて稀に双方を持つ個体が存在します(詳しくは種族データを参照)。いずれにせよ必要CPは変わりませんが、精霊が全員この特徴を所持しているのに対して人間の「素質」の持ち主は非常に希少な存在です(1万人あたり数人程度)。

「感情察知」「危険察知」「直感」
 人間の場合、微弱な「超常の力」とも見なされます。このため持ち主は《霊気感知》や精霊の魔力感知に反応しますが、それ以外にルール的な変化はありません。

「魔法の耐性」
 「素質」より更に珍しく、持っている事はまずありません。基本的にPCの取得は禁止され、NPCもよほどの理由が無い限り取得する事はできません。

「聖職者」
 魔法に関する能力はありませんので、「ベーシック」通りの5CPの特徴として扱います。ちなみにこの世界には神は実在しますが、加護を与える代わりに割とワガママな「小さな神々」はともかく、教会で信仰しているような「大きな神々」に実際に会ったという事は滅多に聞けません。

「近視/遠視」
 精度の良い眼鏡が入手可能ですので、現代社会と同じく−10CPの特徴となります。コンタクトレンズは存在しません。

「未成年」
 ガーデングローブ地方では18歳以上を大人と見なします。17歳未満のキャラクターはこの特徴を取らなくてはいけません。
 精霊界の成人は15歳です。ただし15歳以上でも「成人と認め難い」とされれば「未成年」1レベルを持たねばならず、そのようなキャラクターは大人としての扱いを受けられません。

「読み書き」
 ガーデングローブ地方では、読み書きは可能なのが普通です。読み書きできないキャラクターは10CP獲得できますし、貧乏な人々にはそう珍しい事でもありません。精霊界でも読み書きは一般的で、こちらでは文字が読めないという事は滅多にありません。

「常識」
 この特徴を持っていると、〈人間界知識〉〈精霊界知識〉に+4のボーナスを受けます。

「バーサーク」
 生まれ付き魔法を使える精霊は、バーサークの際にも魔法を使えます。もちろん破壊的な呪文だけですが。

「財産」
 精霊界にはお金はありません。財産はすべて現物になりますが、人間界を舞台とする場合は財産の1/10に限って現金を持つ事が可能です。


+技能+

 以下の技能は対象が人間界か精霊界かによって別の技能として扱われ(〈歴史/人間界〉と〈歴史/精霊界〉、〈生存/森/人間界〉と〈生存/森/精霊界〉のように)、お互いに−4した物を技能無し値として使用できます。特に注記されていない場合は、必ずキャラクターの出身世界の物として解釈されます。
 〈医師〉(薬に関する判定のみ)、〈気象学〉〈考古学〉〈植物学〉〈地質学〉〈哲学〉〈天文学〉〈動物学〉〈農業〉〈文学〉〈歴史〉、〈礼儀作法〉〈法律〉〈紋章学〉、〈毒物〉、〈生存/種別〉〈動植物知識〉
 ただし、〈医師〉〈気象学〉〈植物学〉〈動物学〉〈毒物〉〈動植物知識〉の場合、両方の世界に共通する事物に限りこのペナルティを受けません。例えば精霊が〈医師/精霊界〉で薬草を鑑定すると、ぎりぎりの成功でも名称や薬効は分かりますが人間界での市場価格を知る事は−4以上の成功をしないと不可能です。

医学系技能

 人間界の文明レベルは6、精霊界の文明レベルは4です。ただし薬に関する鑑定では、(「ベーシック」のルール通りの−3や−10ではなく)お互いに−4されます。

知識系技能

〈人間界知識〉(精神/並) 技能無し値:なし
 精霊界の知的種族(精霊や妖魔)が人間界の常識を知るための技能です。この技能は教師だけでは0.5CP分までしか修得できず、実地訓練の併用を必要とします。「常識」があれば技能レベルに+4されます。
 対象が人間界か精霊界かによって別の技能として扱われる技能に対しては、この技能が12〜14レベルなら1点、15〜17レベルなら2点、18〜20レベルなら3点、21レベル以上なら4点、別の世界に対する判定の際のペナルティを打ち消す事が可能です。対象技能にCPを消費していなくても、このボーナスは有効です。

〈精霊界知識〉(精神/並) 技能無し値:なし
 人間が精霊界の常識を知るための技能です。扱いは〈人間界知識〉に準じて下さい。ただし人間の場合「妄想/精霊は実在しない(−10CP)」を持っている者も存在し、そのようなキャラクターはこの技能にCPを消費する事はできません。

〈神学〉(精神/難)
 人間界、特にガーデングローブ地方には以下の物が存在します。
 〈神学/教会〉:そのままキリスト教的な物を想像して下さい。当然ながら細部は全く違いますが。
 〈神学/古き信仰〉:教会の教えが広まる前に一般的であった、自然一般や「小さな神々」への信仰です。現在ではかなり教会の教えと習合しており、信者は滅多に見られません。
 精霊は人間的な概念での「神」を崇拝しません。精霊王や先祖への崇拝は〈哲学〉に含まれます。

技術系技能

〈宝石屋〉(精神/難)
 精霊界には宝石が小石同然に転がっていますが、そのために精霊やその他の種族は宝石にあまり大きな価値を置きません(もちろん、魔力を持つパワーストーンや封呪石などは例外です)。精霊界では種類や組成の鑑定に限り、〈地質学〉をそのままで技能無し値にする事が可能です。

言語系技能

〈大陸北方語〉(精神/並)
 ガーデングローブ地方を含む、大陸北方で使われる言語です。学校教育が普及している事もあり、さほど方言差はありません。

その他の人間言語(精神/並〜難)
 大陸のその他の地域や大陸外で使われる言語です。その地域を舞台としない限り、実際に修得する価値は大してありませんが。

〈精霊語〉(精神/難)
 精霊(種族を問わず)や妖魔が使用する言語です。種族や地域や大まかな属性毎に訛りがありますが、精霊語を母語としないキャラクターが聞き分けるのは困難です。


+呪文+

魔化系

《生ける人形》(至難)魔化
 作り出したゴーレム(生物の姿の物のみ)に生命を吹き込み、生物と同様の存在にします。通常のゴーレムの特徴は失われますが、自分の意志で動くという点はどのようなゴーレムにも替え難い利点でもあるでしょう。能力値や特徴は自由に設定が可能ですが、人間型の場合は作成者と似ている場合が多くなります。
 この呪文でゴーレムを1体作る毎に術者は生命力を削られ、以後の外見以外の老化速度が2倍に(つまり寿命が半分に)なります。クリティカルすれば生命力に損傷を受けませんが、ファンブルした場合は1日以内に衰弱死します。
作成時間:6週間
消費:1000
前提:素質3+《ゴーレム》《知恵》《石を肉》


+種族+

・人間(0CP)
特になし
 この世界の人間も、基本的な資質は現世の人間と変わりありません。悠久シリーズとは違い、極端に強力なわけでもありません。一般人はせいぜい0〜50CPです。

・人間型精霊(40CP)
追加疲労点5点(15CP)、知力+1(10CP)、魔法の素質1レベル(15CP)、精霊の恩寵(20CP)、赤外線視力(15CP)、義務感/自然(−15CP)、お祭り好き(−5CP)、正直(−5CP)、強迫観念/誓いを必ず守る(−10CP)、生来の衣服(0CP)
 人間型精霊(以下では単に「精霊」と表記)は平行世界「精霊界」に住む種族で、精霊王と呼ばれる統治者によって統率されています。姿形は基本的に人間と変わりありませんが、個体によっては耳が尖っていたりする程度のバリエーションも存在します。精霊はそれぞれ特定の属性を司り、自然界の元素に働き掛けて魔法を行使します(超常能力を振るう人間の「魔法使い」との区別を忘れないで下さい)。性格も属性に応じた物が多いですが、必ずしもそうだとは限りません。精霊は誓いを重んじ、誓いを立てれば決して自分からは破りません。
 精霊は歌や演奏、踊り、お祭り騒ぎを好み、美的センスにも優れた(ただし属性に応じて偏りが激しい)種族ですが、一般に想像されるほど神秘的な存在では決してありません。家族との葛藤や恋愛感情といった悩みは人間と同じく存在し、王女を襲った暴漢を逆上した護衛が嬲り殺しにするような血腥い事件も起こるのです。ただし精霊は虚言や策謀を忌み嫌い、他者に煽動される事への嫌悪感も強いため、人間界から見ると信じられないほど社会が安定しています。もっともそのお陰で若い精霊達の間では、息詰まる精霊界を離れて人間界に行きたがる者が増えていますが。
・精霊の特徴
 特に定まった物はありませんが、司る属性のイメージ通りの者が多数を占めます。精霊は悪戯はできても嘘はつけないため、「虚言癖」を持っている事はまずありません(「正直」を「口堅さ」で買い戻してからなら構いませんが……。それに「虚言癖」を持っていても、人を陥れる嘘ではなく出任せの嘘に走ります)。
 精霊は、「GURPS moo Series Games」で取得を禁止された特徴以外に、以下の特徴を取る事が禁止されます。
  「軍人階級」「聖職者」「法の番人」「巨人症」「血友病」「原始的」「強欲」「誇大妄想」「サディスト」「色素欠乏」「社会的弱者」「痛覚過多」「盗癖」「読書障害」「偏執狂」「放火魔」「矮人症」
・精霊特有の特徴
「精霊の恩寵」(20CP)
(a)精霊は特定の「属性」と関係を持って生まれ、その属性と関係ある呪文系統3種類(副系統は数に入れない)、及びその最低限の前提呪文しか修得できません。そのうち1〜2種類は必ず四大精霊系ですが、2つ選択する場合は相反する系統同士(地―風、火―水)から選んではいけません。精霊召喚系(のうち、選択した四大精霊系と関連する呪文)、魔化系、呪文操作系、そして《体力賦与》《体力回復》はこの制限に関わらず修得できます。
 前提呪文は(1)対応する属性内で満たせる物>(2)対応する属性内で満たせないが必要な呪文数が少ない物、という順序で優先されます。特殊例は下の記述を参照して下さい。
  例:月を司る精霊であるイルミナが《暗視》を修得する場合、属性内で満たせる「光/闇系5種」のみが有効であり、属性内で満たせない《視覚強化》を前提とする事はできません。
  特殊例:「A種類の系統からそれぞれX種」という場合、「属性内で満たせる系統から(A×X)種、ただし系統1つにつき最低X種」と読み替えます。
  特殊例:《神託》は、属性と関わりの強い物1種類に限り《歴史》不要で修得が許されます。ただし前提条件の呪文は、属性と対応する系統内のみで満たして下さい。ただし精霊の使う《神託》は特殊な道具を必要としません。
 なお複数の系統に属する呪文への適用は、修得可能系統>修得不可能系統の順に優先されます。
  例:雷を司る精霊であるフラッシュが風霊系(修得可能系統)と水霊系(修得不可能系統)の双方に属する《雨》の呪文を修得する際は、修得可能系統に属する物と見なします。
 後述しますが、「魔法」の呪文に対してはこの特典は及びません。
〈属性と対応する呪文系統の一例〉
 「緑」:水霊系、動物系、植物系
 「雷」:風霊系、火霊系、音声系
 「花」:地霊系、火霊系、植物系
 「氷」:風霊系、水霊系、物体操作系
 「月」:水霊系、光/闇系、治癒系
 「炎」:火霊系、物体操作系、肉体操作系
 「風」:風霊系、移動系、情報伝達系
 ――――――――――――――――――――――――――――――
 「地」:地霊系、物体操作系、植物系
 「鋼」:地霊系、物体操作系、防御/警戒系
 「太陽」:火霊系、光/闇系、治癒系
 「生命」:水霊系、治癒系、死霊系
 「死」:地霊系、治癒系、死霊系
 「静寂」:風霊系、音声系、防御/警戒系
 「影」:地霊系、光/闇系、精神操作系
 「色彩」:水霊系、光/闇系、幻覚・作成系
 「力」:地霊系、物体操作系、移動系
 「翼」:風霊系、肉体操作系、移動系
 「獣」:水霊系、動物系、肉体操作系
 「嵐」:風霊系、肉体操作系、物体操作系
 「豊饒」:地霊系、水霊系、植物系
 「毒」:水霊系、治癒系、食料系
 「絆」:水霊系、情報伝達系、精神操作系
 「涙」:水霊系、精神操作系、治癒系
 「星」:火霊系、風霊系、光/闇系
(b)精霊は呪文の消費エネルギーが発動・維持どちらの場合にも−1されます(最低でも0。ただし「技能レベルが上がってもエネルギーを減らせない」と明記されている呪文を除く)。しかし呪文の媒体となるような存在が一切存在しない場合は、呪文その物を使用する事が不可能になります。
(c)司る属性に対して「非常に強い義務感」を抱きます。一時的にも義務感を抑え込んで冷静に活動するには「意思−4」判定に成功しなくてはなりません。また、属性に関する事物を好み逆の物を嫌います。
(d)1秒集中する事で、半径「知力+魔法の素質」m以内にある魔法を帯びた事象を自動的に感知できます。ただし大人のサイズより小さな(1.5m以下)場合は、大きさ/速度修正表(「ベーシック完訳版」P256参照)のペナルティを適用して別個に「知力+魔法の素質」判定を行って下さい。エネルギーは消費しません。
(e)生命力を永遠に1点減らす事で《大祈願》と同じ効果を及ぼします。ただし、効果を及ぼす手段として適切な呪文を持っていなければなりません。
(f)精霊は機嫌良く過ごす事により、司る事物に良い影響を与えます。逆も同様で、機嫌が悪ければ司る事物は悪い影響を受けてしまいます。具体的に何が起こるかはGMの判断次第ですが、影響が及ぶまでには通常は2〜3日は掛かるでしょう。
「生来の衣服」(0CP)
 「百鬼」の[衣裳]と同じく、精霊は生まれた時から属性に応じた色彩とデザインの衣服を身に着けています。「生来の衣服」は汚れる事はありませんし、破れても少しなら1時間、完全に失われても1日で元通りに持ち主の身元に戻ります。精霊が「生来の衣服」以外を着るには、意思判定が必要です。
「妖魔の血脈」(+5CP)
基本セットに加えて体力+1(10CP)、魔法の素質+1レベル(合計2レベル、10CP)、我慢強さ(10CP)、バーサーク(戦闘用魔法も使用、−15CP)、残忍(−10CP)
 精霊界に住む種族「妖魔」の血を引いています。普段は普通の精霊と性質的に変わりませんが、怒りが頂点に達すると妖魔としての性質が表面化して狂乱の原因に激しい攻撃を加えるのです。
 ゲーム本編のメインキャラクターであるフラッシュは妖魔の王族の血を引いており、その関係で精霊の王族とも遠縁に当たります。
「小祈願/祈願/大祈願」(20/50/200CP)
 それぞれ呪文《小祈願》《祈願》《大祈願》と同じ能力を、シナリオ1回につき1回だけ使用が可能です。自動的に成功してエネルギーも消費しません。基本的にNPC専用の特徴で、PCはGMの許可と他のプレイヤーの賛同無しでは使用する事は禁止されます。
「精霊の魔法使い」(10CP)
 精霊に修得を許された呪文以外を、「魔法」として修得が許されます(修得と使用については「ガープス・マジック完訳版」の記述に従います)。また精霊力と「魔法」の呪文は、同名でも別の呪文と見なされます。たとえ光や闇の精霊でも、「魔法」の《視覚強化》を前提として精霊力の《暗視》を取得する事はできません。基本的にNPC専用の特徴で、PCはGMの許可と他のプレイヤーの賛同無しでは使用する事は禁止されます。
「口堅さ」(5CP)
 普通の精霊とは違い、無条件な「正直」ではありません。真実を隠す際や思った事を口に出さない際に知力判定をする必要がなくなります。「虚言癖」と混同しないで下さい。
「お祭り嫌い」(−5CP)
 お祭りを好まず、「お祭り好き」を持たないキャラクターの反応に−1、持つキャラクターの反応に−2の修正を受けます。「お祭り嫌い」同士の反応に修正は受けません。
 精霊の場合は「お祭り好き」を買い戻しているため−5CPとなりますが、そうでない種族(人間など)は−10CPとなります。
「種族特有の特徴」(様々)
 人間型精霊にも様々な亜種が存在し、その亜種毎に独自の特徴が存在します。
 「血が宝石になる」(−20CP)
  一部の精霊の持つ特徴で、流した血が固まって宝石になります。モラルの無い人間に知られると、失血死するまで絞り取られてしまうでしょう。
・精霊特有の技能
 人間界と精霊界で別扱いとなる技能が多数存在しますが、「技能」の項目を参照して下さい。
・精霊の名前
 精霊には個人名以外の名前はありませんが、「〜を司る○○」という形で属性を姓のように使う事があります(家族内でも属性がばらばらになる事があるため、厳密には少し違いますけど)。高位の精霊は基本的に個人名で呼ばれず、精霊王のように称号で呼ばれます。
・精霊の地位
 精霊の地位は以下の通りになります。しかし精霊の場合、地位レベルに差があっても反応修正は最低でも−1にしかなりません。
7…精霊王
6…王族
5…四大(地水火風)の代表、フェアリータイプの精霊
4…一般的な属性代表、名門の家長、特に重要な広域管轄役
3…小勢力の属性代表、重要な村や町の代表、広域管轄役
2…町の長老
1…村落の長老
0…一般の精霊
−1…はぐれ者
−2…犯罪者

・フェアリータイプ精霊(95CP)
体力−3(−20CP)、追加疲労点5点(15CP)、敏捷力+1(10CP)、知力+2(20CP)、生命力−1(−10CP)、魔法の素質1レベル(15CP)、精霊の恩寵(20CP)、飛行(移動力は通常と同じ、30CP)、赤外線視力(15CP)、動物共感(5CP)、植物共感(5CP)、長命(通常の10倍、10CP)、地位レベル+5(25CP)、義務感/自然(−15CP)、お祭り好き(−5CP)、正直(−5CP)、強迫観念/誓いを必ず守る(−10CP)、体が小さくて通常の武具を使えない(攻撃された時の命中判定に−2のペナルティを与えるが、専用装備は重量1/3で価格1.5倍)(−5CP)、神聖な存在であるため行動に制約(「使命/たいてい(危険少)」扱い、−5CP)、生来の衣服(0CP)
 人間型精霊の先祖にあたる種族で、精霊界では神に近しい存在として崇められている種族です。しかし寿命の著しい長さが災いして頑固で無感動な「擦り切れた」性格となる事が多く、現在では個体数も激減して23人しかおらず、もはや絶滅に瀕しています。しかも最年少は144歳、その次は300歳強という状態であり、もはや数が増える事もないでしょう。自分達だけで生活する事もなく、通常は1人ずつばらばらに精霊界の町や村で過ごしています。
 特徴や技能については、特筆事項を除いて人間型精霊に準じて下さい。
・フェアリータイプ精霊の特徴
 「かんしゃく」「高慢」「狭量」「無感動」「ユーモア感覚の欠如」「強迫観念/孤独癖」をそれぞれ10人近くが持っており、人付き合いには適していません。メリルで穏和な方なのですから、他の個体の偏屈さは推して知るべしでしょう。
 なお年齢についてですが、設定上300歳より若くする事はできません。そもそも希少な存在でもあるため、GMの許可無しにPCとして使うべきではありませんが。

・その他の精霊や妖精
 この世界には数え切れないほどの精霊や妖精の種族が存在しますが、人間にとってその大半は敵対的だったり危害を加えるような悪戯を好んだり無関心だったりします。このような性格を持つため、これらの種族はPCにする事はできません。

・人形(55CP)
知力+1(10CP)、我慢強さ(10CP)、不老(15CP)、毒無効(15CP)、病気無効(15CP)、好奇心2レベル(−10CP)
 魔化系呪文《生ける人形》により作成者の生命力を注ぎ込まれた人形です。見た目はかなり人間に似ており、完全に独立した人格を持つ存在です。物を食べ、味わい、夜は眠り、怒り、喜び、悲しんで涙を流します。
 作成にはかなりの量の生命力を注ぎ込むため、大抵の場合作成者は長く生きる事ができません。そのため今までに作り出された人形の数は非常に少なく、ほとんど伝説上の存在となっています。
・人形の特徴
 普通の人間と変わりありませんが、親代わりともなる作成者の影響を受ける事がほとんどです。また存在の希少性も考えると、PCとなる事は滅多にないでしょう。


+キャラクター+
※修得呪文にはオリジナルの物も混ざっています。詳細は「無限の合わせ鏡」をご覧下さい。

カタン・デリシュベリー
 体力10、敏捷力12、知力16、生命力11、移動力5.75+1.25、よけ7
 人形、容貌/美人、意思の強さ2レベル、財産/大金持ち、記憶力1レベル
 誠実、平和愛好/専守防衛、内気(軽度)、義務感/精霊達とアイラ
 ――:精霊界知識18、神秘学16、歴史16、文学16、神学15、哲学15、動物学15、植物学15、化学15、調査16、その他学術系技能を各種15前後

アイラ(アイアルラ)・キルマー
 体力11、敏捷力15、知力14、生命力11、移動力6.5+1、よけ8、受け11
 容貌/美人、我慢強さ、戦闘即応、意思の強さ1レベル、器用2レベル、危険察知
 財産/貧乏、かんしゃく、強欲、義務感/精霊達とカタン
 空手15:精霊界知識15、地域知識/メルデルビア14、商人14、動物使役12、雑用12/16/15/12、裁縫14(16)、医師13、演技13、その他仕事と関係する技能を各種13〜14前後

フラッシュ
 体力12/17、敏捷力14、知力14、生命力11、移動力6.25+1、よけ8、受け11
 精霊(雷)、妖魔の血脈、容貌/魅力的、魔法の素質3レベル、戦闘即応、地位レベル3(精霊王の臣下)、口堅さ
 誠実、義務感/仲間、義務感/精霊王、使命/精霊王から(ほぼいつも)、誓い/ピアを女王に相応しく育てる
 槍術16、格闘16、呪文射撃/電光18、呪文噴射16:爆雷、電流噴射、落雷、電撃武器、音噴射、沈黙障壁など全て15〜20:人間界知識16、裁縫13、指導14、礼儀作法15、動植物知識12、神秘学14、医師14など

アッシュ
 体力13/18、敏捷力14、知力12、生命力12、移動力6.5+1.5、よけ9、受け11
 精霊(炎)、容貌/魅力的、魔法の素質2レベル、我慢強さ、戦闘即応、意思の強さ1レベル
 かんしゃく、直情、食いしん坊、好奇心1レベル、義務感/友人、強迫観念/年上の女性に逆らえない
 空手15、呪文射撃/火球16、呪文噴射16:爆裂火球、火柱、熱病、火炎噴射、すばやさ、怪力など12〜15:人間界知識13、神秘学12、動植物知識12、忍び14、跳躍14など

ルシエル
 体力11/16、敏捷力12、知力16、生命力10、移動力5.5+0.875、よけ6、受け9
 精霊(氷)、容貌/美人、魔法の素質2レベル、我慢強さ、常識、口堅さ
 好色、義務感/女性、お祭り嫌い、誓い/自分の意に添わない事は絶対にしない
 剣術14、呪文射撃/氷剣15:氷剣、凍傷、氷結武器、氷面、雹、粉砕、物質強化など全て16〜20:人間界知識21、吟遊詩人16、哲学15、文学16、神秘学16、性的魅力11など

ピア
 体力7/12、敏捷力13、知力14、生命力10、移動力5.75、よけ5
 精霊(花)、容貌/美人、魔法の素質3レベル、地位レベル6(王女)、カリスマ2レベル、植物共感、植物会話、幸運1レベル
 未成年2レベル(13歳、基準:体力8、敏捷力10、知力9、生命力9)、誠実、食いしん坊、好奇心2レベル、内気(軽度)、直情
 ――:植物治癒、植物復活、消火、防熱、肉を石、埋葬、聖土など全て15〜18:人間界知識15、植物学14、礼儀作法13、応急処置14、神秘学14など

メリル
 体力7/12、敏捷力14、知力15、生命力9、移動力5.75+0.75、よけ6
 フェアリー型精霊(緑)、容貌/魅力的、魔法の素質3レベル、動物会話、感情察知
 誠実、義務感/全ての精霊、かんしゃく、高慢
 呪文射撃/騒霊16、呪文噴射16:動物制御、昆虫制御、動物召喚、植物知覚、動く植物、枝矢、水上歩行、霧、雨傘など全て16〜20:人間界知識16、動物学16、植物学16、礼儀作法17、政治15、神秘学15、指導15など

イルミナ
 体力11/16、敏捷力12、知力15、生命力11、移動力5.75+1.25、よけ7
 精霊(月)、容貌/美人、魔法の素質3レベル、意思の強さ3レベル、時間感覚
 誠実、放心、平和愛好/専守防衛
 呪文噴射14、呪文射撃/癒しの矢14:大治癒、瞬間解毒、完全治癒、癒しの矢、閃光、光槍、灼光、闇視、雨傘、聖水など全て16〜20:人間界知識16、医師15、診断15、植物学14、毒物14など

フェイ
 体力11/16、敏捷力15、知力12、生命力12、移動力6.75+1.25、よけ9、受け11
 精霊(風)、容貌/美人、魔法の素質2レベル、我慢強さ、戦闘即応、柔軟、地位レベル1(名門のお嬢様)
 直情、好奇心2レベル、食いしん坊、強迫観念/束縛への反発、義務感/友人
 空手16、剣術15、呪文射撃/電光17、呪文射撃/火球17、呪文噴射17:空中歩行、嵐、風刃、爆風球、音噴射、音波剣、思考転送など全て12〜15:人間界知識14、料理13、裁縫13、踊り15など

精霊王(グアジン)
 体力12/24、敏捷力14、知力17、生命力12/24、移動力6.5+1.5、よけ8
 精霊(地(←推測ですが))、地位レベル7(精霊王)、財産/大金持、容貌/魅力的、魔法の素質3レベル、精霊の魔法使い、大祈願、カリスマ3レベル、意思の強さ3レベル、感情察知
 誠実、義務感/全ての精霊、誓い/人間界との交流を取り戻す、好奇心2レベル
 杖15、呪文射撃/石剣18、呪文射撃/石弾18、呪文噴射16:地霊系、物体操作系、植物系を全て18〜25以上、その他「魔法」各種を18〜21:政治20、外交20、神秘学19など

ザック・モルガン
 体力11、敏捷力13、知力14、生命力10、移動力5.75+0.875、よけ6
 容貌/魅力的、我慢強さ、魔法の素質1レベル、感情察知
 誠実、義務感/教会の信者、慈悲深さ(「百鬼夜翔」参照)、やせっぽち
 剣術14、格闘14:神学/教会17、指導13、外交13など

ジム・バルマン
 体力9、敏捷力11、知力15、生命力10、移動力5.25、よけ5
 常識、器用3レベル、意思の強さ2レベル
 強迫観念/パンと肉しか食べない、太り気味、誠実、平和愛好/非殺、義務感/友人
 ――:医師21(、診断17、手術16)、動植物知識16など

パメラ・ミルデシアス
 体力10、敏捷力12、知力15、生命力11、移動力5.75+1.25、よけ7
 魔法の素質3レベル、直感、危険察知、感情察知
 誠実、好奇心2レベル、けちんぼ、義務感/知人
 杖12:神託/各種、精霊系など全て16〜20:神秘学18、神学/古き信仰15、精霊語15など

クライム・バルガー
 体力12、敏捷力14、知力13、生命力12、移動力6.5+1.5、よけ9
 戦闘即応、頑強1レベル、柔軟
 容貌/悪い、意思の弱さ1レベル、嫉妬、強欲、怠惰、乱暴者、財産/貧乏、名声(大集団、−4、五分五分)
 ナイフ16、ナイフ投げ15、格闘14:裏社会14、忍び14、鍵開け14など


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