◆ガープス・メルヴェイユ(GURPS Merveille)α版◆

 大海原を駆け回るファンタジー大航海時代船団決戦ウェブゲーム・「海洋叙事詩Merveille」を、試しにガープス化した物です。
 ちなみにプレイ経験者によるバージョンアップ版として、「GURPS Merveilleαplus版」がアレクシス陣営ファンページ「Scarlet Moon」(緋影晶さん)から独立した「アオイタイヨウ」(緋影陰ル。さん)に存在しますので、そちらもご参照下さい。

 このコーナーでは世界の通称として、便宜上「メル(Mer)」を使っています。「Merveille」がフランス語で「驚異」を意味している事に気付かなかった当時に付けた物ですが(笑)、ラテン語の「Mer(海)」と仏教世界観における須弥山(スメール、メール)からインスピレーションを受けたのでしょう。断じて「PB」のメルフィ・ナーヴ嬢とは関係ない……はずです。


*「αplus版」とのルール上の相違!

・「高度文明」の必要CPが違いました(5CPに対して、「αplus版」では10CP)。意外と高度文明の産物が行き渡っているようでしたので、こちらでも10CPとしておきます。
・戦闘技能に関して「ベーシック」と扱いを変えた部分が一部ありました(同一系統武器の片手/両手使用時の技能の統合など)。ただし後で撤回しています。
・初期段階では通貨単位を「ヅーカ」ではなく「ドゥーカ」にしていました。ヴェネツィアの金貨「ドゥーカ」が元であると判断してそうしたのですが、よーく聞くと「銅貨」にも何となく似てますよね(笑)。
 あとドルへの換算レートも、最初は1ヅーカ=$1でしたが後に$0.1に切り下げ、最終的に「1ヅーカ=$0.02相当」となりました。この場合の価値換算は以下の通りです。
  アレク1日=$2000
  メシフ=$39.60(笑)
  ラグナ島からの荷物輸送依頼=$2000(メシフ主張は$60000)
  「静かなる貴婦人」号1週間航海=$20000
  ホキサン島の副賞カジノチップ=$200000
・人魚用の技能として〈ランニング/水中〉を追加しました。
・〈刀〉の格闘動作として【片手振るい】を導入しましたが、元データである「GURPS moo Series Games」を第2版に更新する際に、刀のデータを「マーシャルアーツ」の文庫版から完全版に変更したため削除します。第1版のデータは残っていますので、一応そちらを参照して下さい。
・〈手話〉のバリエーションと見なし、「言語能力」で〈旗信号〉〈灯火信号〉にボーナスを得られます。
・〈釣り〉の食糧確保ルールを見直しました。
・船舶データを一部変更しています。特に兵装値を増やした事と、大きさに関わらず速度を同一にした事には注意して下さい(船の場合、大きくてもその分帆が増えるため遅くはならないそうです)。
・船のカスタム化のバリエーションを増やしました。
・「αplus版」追加ルールを許可のもとに頂いてきました。
・その他追加データ


*簡易版キャラクター紹介*
 →キャラクター・データ

ファナ・チェイテ/Fana CHAITE
 鮮やかな赤い長髪をなびかせている、港湾国家チェイテの王女様で国王チェイテ4世の一人娘(なお国の産業は、貿易以外にも漁業も盛ん)。真面目で一途な性格だが意思が強く無茶もしがちであり、甘い物に対しては理性と欲望が(以下削除)。「波のかけら」を死んだ母の遺品として所持しており、乗るのはチェイテ王国艦隊を率いる白い大型船「リトル・プリンセス号」。
 冒険では地位の高い相手との交渉に本領を見せているが、インパクトの低さゆえかシーラ化現象を起こしていたのは気のせいだろうか(おい)。

クリエ/Clie
 ファナのペットで、メルヴェイユ出身の生物。淡い緑色のイルカのぬいぐるみのような姿をした知能の高い生物で、空を飛んだり動物と意思疎通をしたりする事が可能。泳げない。キャルによると正体はお兄ちゃんのジュリアーノらしいのだが、あくまでも夢であるので信用してはいけない(笑)。
 メインキャラ唯一の言葉を話せない存在であったが、七艦隊が幻覚でおかしくなった際に言葉を話した……ような集団幻覚が蔓延した(汗)。

キャル・クレメンツ/Cal KREMENZ
 クレメンツ武装商船団を率いる、くすんで日焼けした金髪とラフで男の子みたいな服装(←後述するお兄ちゃんの真似)が目立つ女の子。お節介なほど世話好きで、すぐに泣いてしまうほど繊細でもある。数百年前に先祖が「何か」(記録は全て処分されたため一切不明)を発見してから発展した超巨大商家クレメンツ家の成人の儀式としてメルヴェイユを探す途中で行方不明になった兄のジュリアーノを探しつつ、父からの一時金返済を兼ねて商売も行っている(本編の終わり近くで明らかになったが、ジュリアーノは家をキャルに押し付ける事に決めて冒険継続中)。父から出された課題の100万ヅーカ捻出のために先祖の「偉大なる冒険者号」をパーツ毎にばらしてサイン付き1000個限定で売った際に手元に残した操舵輪を、最新鋭商業船「静かなる貴婦人号」(それ自体も店舗で、船団で海上バザーも可能。通称「最強の補給艦」(笑))に取り付けている。
 父のドンは未開地域の異種族と鎧姿で取引を行うつわもので、バブルメタル(海水と反応して急速気化する)が気化する時の膨張力を利用してピストンを動かし運動エネルギーを得るバブルメタル反応炉機関の開発により多大な利益を上げている(なお技術は一般公開されている。これの応用で蒸気機関も発明されたのだが、燃料のスペースを取るため陸上や短距離の定期船くらいに使われているのが現状である)。商会は代々独占欲とは無縁で、「ライバルとの競争を」「互いに得をするのが良い商売」という主義。
 冒険が始まってから明らかになったが、船団ミスコンに許可を出したりアレクを雇ってご主人様と呼ばせたり深呼吸でプランクトンの幻覚物質を吸い込んでしまったり、結構お祭り好きで要領の良い、しかしたまにうかつな性格をしている。

メシフ・ダゴスティノ/Meshiv DAGOSTINO
 クレメンツ家に仕えている執事で、キャルの両親から命じられて付き添っているスーツ姿の青年。文武両道な上に家事もこなす逸材だが、あまりの献身ぶりを煙たがられている上に、完璧主義ゆえの様式美重視がキャルのペースに振り回される原因となっている。面白味は存在せず、ずっとキャルの世話をしているにもかかわらず遊び相手には少しもならない。
 船団のメンバー達の遊び熱心な所には頭を痛めてもいたが、海上でも漁師となり商売に勤しむ姿に感銘も覚えていた(笑)。

ミーニャ/Minya
 淡い金髪と虹色の鱗を持つ、迷子の人魚。平穏を好む人魚としては珍しく外界に憧れて一族に伝わる秘薬で人間の姿となり結界を抜け出したが帰れなくなり(らしい)、行き倒れてアシェアラに保護され、「ブルー・ラグーン2世号」を旗艦とする「リバタリア」の船団と共に人魚が住むと言われるメルヴェイユを目指す。口下手で人見知りが激しい自分がもどかしく、船の仕事を手伝おうとしても失敗する事が多い。水に濡れれば人魚に戻る。
 アクティブな性質でないのでアシェアラの方がかなり活躍していたが、ホームグラウンドの水中は彼女の活躍を十二分に見せていた。

アシェアラ・ゲイナー/Asherla GAYNOR
 威風堂々とした義理と人情を重んじる女海賊で、海賊団「リバタリア(自由の国)」の首領。ちんぴら海賊に襲われていたミーニャを保護し、彼女の持っていた「波のかけら」に従ってメルヴェイユを目指す。かなり遠方への航海経験を持ち、外洋やその異文化に関しても詳しい。若い頃に人魚に救われた事もある。年齢的に若くはないが、「おばちゃん」呼ばわりは失礼なのでしないよーに(爆)。
 リバタリアの中心的人物として活動し続けたが、ジャヘイラとのおばさんコンビが一部で定評を博しているとかいないとか(船縁からバンジージャンプの刑)。

アレクシス・レヴィン/Alexis LEVIN
 海賊団「ジャスティス・ガンズ」を率いる新米の海賊の若者で、大海に面した小さな半島の中ほどにある港町の宿屋の主人ミゲルの息子。海の冒険に憧れ、悪性腫瘍で急死した老海賊ドミニクからメルヴェイユを探すための「波のかけら」と海賊船「ホライゾン号」を受け継ぐ。直情的で曲がった事を嫌い、評判の悪い商人の船を集中的に襲っている。
 配下の参加者数で冒険を席巻した人物であるが、各艦隊リーダーでマクレーンの次に仕事をしていない人物でもある(笑)。戦闘中はホライゾン号の砲撃を担当しているらしく、細かい指令はほとんどカルロが行っている。

カルロ・イーヴス/Calro YVES
 アレクシスの幼馴染み兼世話係兼外付けブレーキ(笑)。料理や掃除が趣味で、とても良き妻になれるタイプ(←待てー!(汗))。漁業会社のオーナーの息子だったが家出して共に海に旅立つ。
 アレクのサポート役として働き続けたためエピソードも少ないが、プランクトンの幻覚物質入りの料理を出してしまい騒ぎを拡大した事も(笑)。更にその回では十三人衆の服装へのプライドを刺激して事件の発端となるのだが、その事すらアレクと勘違いしていたのは内緒である。だってそーゆー時だけ口調が同じだし(爆)。

コノハ・トモエ/Konoha TOMOE
 世界有数の工業国(生活レベルはあまり変わらないが……)シルバリア共和国に本拠を置く海上治安維持連合軍MSAF(Maritime Security Allied Forces)の見習いで、キャリアが浅いにも関わらず抜擢されてメルヴェイユ探索・発見・保護及び海賊・未認可船舶取締りを行う第28独立師団の副官となった。一途で頑張り屋だが融通が利かないため、同乗する冒険者達のペースに振り回されている。おまけに成績に反してかなりのドジで、「波のかけら」をゴミと一緒に廃棄しかけて回収船で昼寝をしていたモーリス師団長に救われた事も。最新鋭のシーモンスター級鋼鉄旗艦「シードラゴン」に搭乗しているが(なおこの船は、キャルの実家であるクレメンツ商会の開発した物)、軍上層部に陸軍入りを拒否されてやる気の無い師団長がいつもサボっているのが悩みの種。ちなみに眼鏡っ娘。
 元々事務系で戦闘指揮は苦手だったが、真面目に一途に実質的な指揮官任務を果たし続けてそれなりに大きくなった――かは不明。

モーリス・マクレーン/Moris McLANE
 コノハの上司である師団長。ゲリラ好きで自由闊達な性格を持つ。陸軍に配属されたかったのに軍上層部から却下されたため私情を交えて任務にやる気が全然無い。旗艦に様々な改造を施し、各所に隠し部屋があるようにしたのも本人が隠れるため(笑)。ちなみに喫煙者(--;)
 釣りに行って遭難騒ぎを起こしたり事務仕事をことごとく押し付けたり師団メンバーの結婚式招待状を渡し忘れたり通信文で海賊を寄せ集めたりと甚だしいトラブルメーカーであるが、師団にとって悪い結果になった事はあまりない。メルヴェイユに匹敵する奇跡であろう(笑)。

コリエル・ハート/Coriel HERT
 古き王国アムニスの山奥の村で牧畜を営む家にいた占星術のような特殊能力・「星詠み」の能力を持つ少女だが、国家規模で推進されているメルヴェイユ発見プロジェクトにより「メルヴェイユの巫女」としての立場を押し付けられている(ちなみに「星詠みの巫女」は元老院と共にアムニスを支えていたのだが、300年前から出現が途絶えていた)。元から大人しく感情を出さない性格なのだが、そのせいか余計に内気で引きこもりがち。困っている相手を放って置けない性格で、戦闘行為もできるだけ避けようとしている。
 大人しい割にかなり強硬な所もあり、単身ラスボスに会いに行って悩み相談を行う(違)という一歩間違えれば無謀な事も行っている。その際の会話で思わせぶりな事を言われているが、彼女の未来ははたして……。

ジャヘイラ・グリスウォルド/Jahala GRISWOLD
 大航海時代開始以来陸上貿易の中心から辺境の弱小国に転落している(汗)アムニス王国の最新鋭艦「シャイニングスター号」を旗艦とする白い艦隊を率いる、元老院の重鎮のおばさん。先代国王からも信頼されていた事もあり、過去の栄光に囚われた野心家である現国王アムニス13世も教育係であった彼女相手にはある程度意見を受け入れざるを得ない。実の娘か孫のように思っているコリエルの保護者として、様々な面でサポートを行っている。
 本編ストーリーが終わってもまだ航海は続くが、あの王様では知らない間に国が滅びていそうで何だか不安である(待て)。現在、某氏の参加キャラクターがメルヴェイユから拾ってきたセーラー服を密かに所持(汗)。

ティエン/Tien
 既知世界の東の果てにある小さな島々からなる国出身(ちなみにコノハの故郷は別の国です)。そこの一角に存在する「創造神の秩序の綻び」としてメルヴェイユを神聖視/忌避する一族・カマラーダ部族が、メルヴェイユから他者の手を排除するために育て上げた青年。高度な戦略を立案する頭脳と迅速な指揮能力、そして東洋風の長剣を振るう高度な戦闘能力を持つが、部族の命令を絶対視しており、冷静沈着だが一度戦うと決めたなら容赦はしない。黒い竜のような奇怪な船団を率いているという点から悪役視される(笑)。乗艦は木造だが鉄板装甲で強化し、小型戦闘艇も搭載した「流影号」(実は一族第一の試練として、同族のクァイが率いていたこの船と対戦した際に自分の「潜闇号」を相手の斬り込み隊もろとも自沈させている)。肉体は訓練や薬で強化され、遠くを見るのに望遠鏡も不要。趣味は瞑想だが、そうして巡らす哲学的思考もキャルには全然理解してもらえなかった。
 使命に支障を来さない範囲では、実は結構かっこいいシーンも見せたりする。メルヴェイユの一時的封印(というか人柱)をクァイとディの魂に代行され、彼の航海もまだまだ続くのだが……。

十三人衆/Thirteens
 ティエンの一族、カマラーダの長老から派遣された精鋭。13人ではなく12人おり(1人はかつて戦死)、部下でありそして監視役でもある。全員同じ服装とフードにより全く区別が付かないが、各々が得意とする技術を持っている(共振石通信の専門家「共振石使い」、幻覚物質を発するプランクトン「幻魔」を使いこなす「幻魔使い」など)。ただし特に代表はおらず、ティエン不在時の会談には12人全員が「代表」として現れる。キャルによるとこのうち1人の正体はお兄ちゃんのジュリアーノらしいのだが、あくまでも夢であるので信用してはいけない(笑)。
 実は結構お茶目な所もあり、カルロに服装の悪口を言われて素晴らしさを披露するために七艦隊の戦闘要員全員に十三人衆の服をこっそり着せた事もある。なお潜在能力を使いすぎた船員は、後で苦痛にのた打ち回る羽目になったそうな。


*世界*

 この世界は特別な名前を持ちませんが、ページの便宜上「メル(Mer)」と略称します。陸地は細切れで、大陸といっても大したものはなく、大海原に無数の島が浮かぶのが基本的な姿です。今の所世界の半分程度の地域が既知の物となっていますが、世界一周を成し遂げた者は未だに存在しません。主な種族は人間のみですが、各地に様々な少数種族が存在します。ただし人間とそれ以外との接触はあまり見られません。
 メルの文明レベルは4(現世のルネサンス〜産業革命、戦国時代後半〜江戸時代中期レベル)、マナは「並」です。しかしシルバリア等の先進地帯では鋼鉄汽船やコンクリート護岸も使用されており部分的には文明レベル5(現世のフランス革命〜普仏戦争、文化・文政年間〜明治初期レベル)に達していますし、一般の人間が魔法を使用する事もありません。
 (技術的には船舶関係のみ突出していますので、それ以外の技術は基本的に文明レベル3〜4と考えて下さい。「エンフィールドより一回り遅れている」水準がせいぜいです)

(文明レベルの指針…「ベーシック」P234〜235参照)
〜輸送〜
 陸上…馬、馬車、蒸気機関車(自動車は存在しない)
 海上…主に木造船(ごく稀に鋼鉄船も)、動力は帆が中心だが蒸気機関も一部使用、バブルメタル反応炉機関やバブルメタル・ジェットも併用
〜武器と防具〜
 火器…火薬、単発銃、大砲
 火器以外の武器…銃器以外も現役
 防具…基本的には中世後期レベル、ただし海上では軽装が普通
〜動力〜
 一般では水力や風力が精々、文明地帯では蒸気機関やバブルメタル反応炉機関(電力は存在しない)
〜医療〜
 一般的な文明レベル4〜5程度、麻酔やワクチンも先進地帯では存在、〈上級処置〉の治療薬はゲーム上の都合であってオフィシャル設定ではないので注意
〜その他〜
 通信:共振通信機(共振石の振動を使用、携帯は不可能)
 印刷:紙は普及しているが印刷技術は未熟
 時計:主に振り子式、ゼンマイ式はまだ高価
 コンクリート:現実世界とは違い、特殊鉱物を使用。シルバリア等の産出国以外ではまず使われない。

 財産は「標準」で冒険用が5万ヅーカ($1000に相当、1ヅーカ=$0.02、$1=50ヅーカ)、その他(船の船室やそこの調度品など)が5万ヅーカですが、ゲーム上必要ならば拠点とする船(船団の指導者から貸与された物か海軍の乗務艦)を1隻持たせても構いません。ただしこの場合乗組員の大半はNPCですので、必ずしもPCに従うわけではありません。任務に従うなら(課長に従う平社員のように)PCにも忠実ですが。


*メルヴェイユの特徴*

社会的特徴

「仲間」「情報屋」「後援者」「敵」「足手まとい」
 メルの冒険は、大海原を駆け回る物です。仲間や敵、足手まとい等の設定も、移動し続けて不自然でない海上商人や探検家や海軍軍人や海賊やその他諸々にする事をお奨めします。大規模な情報屋や後援者や敵ならそうでなくても構いませんが。

「聖職者」
 船乗りの間では海を司る神々への信仰が中心ですが、聖職者が特殊能力を持ち合わせている事はありません。このため5CPの特徴として扱います。

「法の番人」
 海軍に配属された軍務治安官(憲兵)や海上警備隊がこの特徴を所持していますが、あまりPCには向いていないでしょう。一般に船内の司法権は船長が行使する物ですが、他の乗組員達にも相談を行うのが普通です。
 MSAF(前述、コノハの解説参照)のメンバーは、これを1レベルで所持しています。ちなみにMSAFの船内では船籍を問わず本部所属地であるシルバリアの法律が適用されますが、MSAFその物はどの国や組織にも属していません(あくまでも、船内で発生した刑事事件や民事訴訟を取り扱うための措置です)。「αplus版」ではお得なセットで取れますので、そちらも参照してみて下さい。

「地位レベル」
 一般的なファンタジーの物に準じます。ただし最高レベルは7(国王、大統領)、最低レベルは−2(犯罪者)となります。

「軍人階級」
 各国の海軍やMSAFに所属する場合、この特徴が必須です。モーリス(MSAF独立師団長、6レベル)が冒険で出会える最高レベルですので、PCの軍人階級は最高5レベルまでになります。パーティを独立裁量で行動させたい場合には、少なくともメンバーの1人の軍人階級を3レベル(小隊指揮官)以上にさせて下さい。

「身元」「無登録」
 この特徴は存在しません。そもそもそこまで詳細な戸籍は大半の国で作られていませんし(笑)。

「読み書き」
 メルでは読み書きできるのが普通です。読み書きできない場合10CP獲得できますが、普通の船主は読み書きできない人間を雇わないのに何でここにいるのかをプレイヤーにきちんと納得の行く説明をさせて下さい。GMや他のプレイヤーが納得しない場合、キャラクターを作り直しましょう。

「社会的弱者」
 この特徴は取得を禁止されます。メルでは男女は平等に扱われますし、姓の上では父系社会ですが母系の繋がりも同等に存在します。身分的差別や偏見はありますが、海の上ではそのような見方の方が白眼視されるでしょう。

「未成年」
 メルでは15歳で成人と見なされます。14歳以下の場合のみ、この特徴の取得が可能です。

「高度文明(1レベル)」(10CP)
 シルバリアに代表される先進地域の住民、及びMSAFの構成員は必ずこれを取得しています(通常のキャラクターの文明レベル4に対して、これで文明レベル5になるわけです)。この特徴が無いと銃器や汽船を操作する事もできず、技能無し値で扱おうとしても文明レベルの差による−5修正を受けますが、例外としてバブルメタル反応炉(及びバブルメタル・ジェット)は文明レベル5であるにもかかわらず熟達した船乗り(〈船乗り〉12レベル以上)なら使用が可能です。「高度文明」を持つキャラクターが一般社会の技術を扱う際には、特に不利な修正は受けません。
 ちなみに、現在時点のメルではこの特徴を2レベル以上修得する(つまり、文明レベル6以上のキャラクターを作る)事はできません。
※この特徴で想定しているのは「世界の平均文明レベルを上回る地域が小島のように存在する」状況ですので、シルバリアのような地域が存在する「Merveille」世界に似つかわしいかと思われます。なお10CPの内訳は、
・文明レベルに+1される:単純に+5CP
・銃器や蒸気機関を見ても「何だこれ?」という羽目に陥らない:更に+5CP
 ……というものです。以前は5CPでしたが、特に銃弾に関してはMSAFなら補給してくれますし、交易のある地域なら高度文明の産物が結構流通していますので、「αplus版」に合わせて「高度文明」は10CPの特徴とします。

「原始的」
 1レベルまでなら、高度な技術と隔絶した集団の出身としてこの特徴を取得する事がPCにも可能です。2レベル以上取得する事は、基本的にNPCにしか許されません。

肉体的特徴

「追加HP」「追加疲労点」
 双方とも3CP/Lの特徴として扱い、各々基準となる能力値の半分(端数切り捨て)を上限とします。

「近視/遠視」
 眼鏡は存在しますが、完全に矯正する事はできません。近視の場合は手持ち武器の攻撃に−1、射撃の距離は1.5倍として計算します。遠視の読書速度は2倍、精密作業の修正は−1です。このため-15CPの特徴として扱われます。

精神的特徴

「魔法の素質」
 メルのマナは「並」ですが、通常の人間はこの神秘の力を扱う能力を持っていません。冒険の中で出会うNPCの中には所持している者がいるかもしれませんが……。
 魔法を取得したい場合には、GMの許可を得た上で「特殊な背景」に10CPを消費して下さい。「魔法の素質」だけをあらかじめ取得して将来への投資にする事も可能です。人魚は「特殊な背景」を持たずに魔法を学べますが、動物系、情報伝達系、水霊系、治癒系、光/闇系、幻覚系(作成系は含まない)、精神操作系、移動系、防御・警戒系、音声系、魔化系、呪文操作系とこれらの最低限の前提条件のみを修得可能です。ただし魔化系と呪文操作系は、この制限に引っ掛かる前提呪文を特例として学ぶ事はできません。
※「α+版」では人魚でも「特殊な背景」に5CP必要ですが、10CP消費すれば制限を無視して呪文の修得が可能です。

「超能力」
 GMの許可を得た上で「特殊な背景」に10CPを消費する事により、「テレパシー」「サイコキネシス」「ESP」「テレポーテーション」「ヒーリング」のうちどれか1系統に限定して取得が可能ですが、テレパシー使いでなくても[精神遮蔽]を単一技能として取得できます(他の超能力を持たずに[精神遮蔽]のみを修得する事はできません)。副作用は「特殊効果」のみ、限定は「制御不可」(と[精神遮蔽]の単一技能)しか取得できません。増強する事もできません。
 複数系統の超能力を取得したい場合には、GMの許可を得た上で「特殊な背景」に20CP以上を消費して下さい。
 余談ですがコリエルの「星詠み」は、「ESP」に属する[来歴探査]と[未来予知]の、それもかなり高いレベルの物です。特殊限定で「星が見えないと使えない:−30%」を施してありますが、コリエル以外の星詠み能力者が同時に存在する可能性は低いですので、PCがこの限定を取る事はできません。

「感情察知」
 超能力のルールを使用する際には、PL3の「テレパシー」の持ち主と見なします。しかしテレパシー系技能を[精神遮蔽]以外に修得しなければ、系統数の限定には含めません。

「危険察知」
 超能力のルールを使用する際には、PL5の「ESP」の持ち主と見なします。しかしESP系技能を修得しなければ、系統数の限定には含めません。サイコキネシス系の[念動防御]を修得するには不可欠です。

「放火魔」
 メルの船は防火処置を施していますが木造であり、放火されたらひとたまりもありません。このため放火魔には反応に−3の修正が与えられ、-15CPの特徴となります。不審火でもあれば真っ先に吊るされるのは確実でしょう。ただし単なる「炎マニア」なら、-5CPでも構いません。

「恐怖症」
 以下の恐怖症は、冒険を行う上で致命的な障害となるため取得が禁止されます。
 「海洋恐怖症」(海に出る事ができません)
 「閉所恐怖症」(キャビンに居住できません)
 「高所恐怖症」(舷側やマストの上に上がれません)
 「広場恐怖症」(甲板に出られません)
 「異人恐怖症」(未踏の地へ赴く事ができません)
 「武器恐怖症」(戦闘どころか支援すらできません)

「言語能力」
 〈旗信号〉〈灯火信号/種別〉にも、レベル分のボーナスを得られます。


*メルヴェイユの技能*

医学系技能

〈上級処置〉(精神/難) 技能無し値:なし 〈応急処置〉の技能無し値に〈上級処置〉(修正無し)を追加
 特殊な薬を用いて、効率良く傷を治す技能です。浅瀬で採取可能な海草・海藻数種類と魚油を配合した膏薬があれば、〈応急処置〉と同じ時間でHPを1D+1点回復させます(判定に失敗しても2点回復しますし、ファンブルしてもダメージは受けません)。膏薬の材料は〈上級処置〉で判定を行う事で採取でき、膏薬は密封しておけば1年近く保存が可能です。
 この技術は今のところ文明レベル4相当の物しか存在せず、MSAFの構成員でも技能の効果は変わりありません。

運動系技能

〈水泳〉(肉体/易)
 「ベーシック完訳版」P122〜123にある通り、自分から水中に入れば+3の修正を受ける事と、荷重レベルの倍のマイナス修正を受ける事を忘れないで下さい。
 また、この技能は海での冒険を中心とするメルでは生死を左右する非常に重要な技能です。最低でも13レベル以上にして、「軽荷」の状態で水中に放り込まれても半分を上回る率で生還できるようにしましょう。

〈荷重水泳〉(肉体/難) 技能無し値:なし、前提:〈水泳〉
 〈水泳〉と併用して、泳ぎ始める際に判定に成功すれば荷重による不利な修正を無視する事ができます。水に入る際に失敗しても、1分毎に再判定する事が可能です。判定は〈水泳〉技能の判定の前に予め行って下さい。

〈軽業〉(肉体/難)
 人魚の場合、水中でアクロバット的な泳ぎをするために使用します。

〈跳躍〉(肉体/易)
 人魚の場合、水面からのジャンプにこの技能を使います。たとえ人間に変身していても、地上でこの技能を使う事はできません。

〈ランニング〉(肉体/難) 生命力基準
 この技能による移動力の増加は、「よけ」の数値にも影響を与えます。移動力の増加は陸上でのみ有効ですが、「よけ」のボーナスは常に有効です。
 人魚は本来の姿では陸上で活動ができないので、「人間変身」がないと修得できません。

〈ランニング/水中〉(肉体/難) 生命力基準 技能無し値:なし
 自由に水中で活動が可能な種族のみが修得できる〈ランニング〉の水中版で、処理は〈ランニング〉に準じます。同様のデータで、空中種族用の〈ランニング/空中〉も存在します。何らかの能力により通常より速い移動ができる場合は、〈ランニング/水中〉のボーナスを足す→荷重のペナルティを引く→移動力に倍率を掛ける、という処理を行って下さい。

学術系技能

〈異種族・異文化学〉(精神/難)
 〈異種族学〉と〈人類学〉を統合した技能で、異種族や異文化に遭遇した際の基本的知識を得る事が可能です。

技術系技能

〈機械工/バブルメタル機関/文明〉(精神/並) 技能無し値:知力−5、技師/バブルメタル機関−4、機械工/蒸気機関−2(反応炉のみ、ジェットには−4)、機械工/その他−4
 バブルメタルと海水の反応を応用した、バブルメタル反応炉機関とバブルメタル・ジェットを扱う技能です。本来この技能は文明レベル5に属しますが、特例として〈船乗り〉を12レベル以上で所持していれば文明レベル4のキャラクターもこの技能の取得が可能となり、技能無し値の計算の際にも文明レベルの差による−5は適用されません。
 バブルメタル反応炉機関は蒸気機関と構造が似ているため、技能無し値が互いに−4ではなく−2になります。

〈造船/文明〉(精神/難)
 船舶に恒久的な修理を施すには欠かせない技能です。船団には必ず数人以上の船大工が確保されているでしょう。

〈共振通信機/文明〉(精神/並) 技能無し値:知力−5、技師/共振通信機−4
 共振石を使った共振通信機を使用するための技能です。この技能は文明レベル5に属しますが、特例として〈船乗り〉を12レベル以上で所持していれば文明レベル4のキャラクターもこの技能の取得が可能となり、技能無し値の計算の際にも文明レベルの差による−5は適用されません。

言語系技能

〈旗信号〉(精神/並) 技能無し値:なし
 メルの文明圏で共通して使われる、信号旗による船舶間の連絡に用いる技能です。通常のメッセージ以外を送りたい場合は、別口で〈暗号/種別〉でも取って下さい。「言語能力」を持っていれば、レベル分のボーナスを得られます。

〈灯火信号/種別〉(精神/並) 技能無し値:他の灯火信号−4
 夜間・濃霧などの視界不良時に用いる、灯火の明滅で通信する信号です。旗信号とは違い統一基準は存在しませんが、大まかな意味を他の信号の使い手が推測する事は可能です。灯火用の設備の無い場合はランプや焚き火で代用する事もできますが、明滅が不明瞭になるため最低でも−2の修正を受けます。「言語能力」を持っていれば、レベル分のボーナスを得られます。

〈暗号/種別〉(精神/易) 技能無し値:知力−2(同じ陣営の「軍人階級」所持者のみ)、暗号解析
 軍隊における連絡用の暗号です。簡単な合図には+1〜+4のボーナスが付きますが、本格的な暗号通信はCPを消費して技能を取得していないと行えません。「言語能力」を持っていれば、レベル分のボーナスを得られます。

各種言語(αplus版より)

〈共通語〉(精神/易)
 もともとはある地域で使われていた言語です。海の商人たちに使われたのをきっかけとして、瞬く間に国家間の共通の言語となりました。ほとんどのキャラクターは〈共通語〉を母国語(注1)として、「知力レベル」(注2)で修得しています。
 しかし、共通語が通じない地域があっても不思議ではありません。共通語が話せないことは-1CPの特徴として扱います。
(注1)本編ストーリーでは登場人物が平気で会話していましたので(笑)
(注2)グループSNEのルナルのエラッタで〈共通語〉が「知力−2」→「知力」になっていたのでこう設定しました。

〈チェイテ語〉(精神/並)
 チェイテ王国とその周辺の島々で使われている言語です。

〈アムニス語〉(精神/並) 技能なし値:古アムニス語−4
 現在、アムニス王国で使用されている言語です。下記の〈古アムニス語〉とは技能なし値がお互いに−4になります。

〈古アムニス語〉(精神/難) 技能なし値:アムニス語−4
 はるか昔、アムニス王国で使用されていた言語です。(特にアムニスにある)古い文献、遺跡に残された文字にはこの言語が使用されています。
 また、アムニスから遠く離れた場所の遺跡からこの文字が見つかる事があります。それは古代のアムニス王国がいかに栄えた国であったかを物語っています。
 上記の〈アムニス語〉とは技能なし値がお互いに−4になります。
(デザイナーズノート)元ネタは〈ラテン語〉です(笑)
  イメージは古い文献などに使われている文字です。

〈辺境群島語〉(精神/並) 技能なし値:他の辺境群島語−2
 辺境群島(カマラーダがある群島です)で使用されている言語です。島ごとに方言程度の違いが存在し、お互いに技能なし値は−2になります。
 これらの島々は地理的に前述のアムニス王国に近い位置にあるのですが、アムニス衰退期に島独自の文化と言語が発達しました。

〈カマラーダ語〉(精神/並)
 カマラーダでのみ使用されている言語です。他の〈辺境群島語〉を技能なし値として使用できない点に注意してください。カマラーダの一般人が使っています。
(デザイナーズノート)元ネタは〈薩摩弁〉です(笑)
  ティエン及び十三人衆たちが使う特殊音域言語は妖力「無言の会話」あたりで再現するというのはどうでしょう?

〈シルバリア語〉(精神/並)
 シルバリア共和国で使用されている言語です。MSAFでは公的な文章にこの言語が使用されます。

〈人魚語〉(精神/並)
 人魚たちが使っている言語です。言葉のほかに身振り手振りで意思を交わす手段も含まれています(相手も〈人魚語〉を修得している必要がありますが)。これは彼らが水中でお互いに意思を交わすために発達したといわれています。

〈異種族語〉(精神/様々)
 人間以外の種族が使用している言語です。種族ごとに別の技能とみなします。言語同士でお互いに技能なし値になるものもあるかもしれません。GMはこれらを自由に設定する事ができます。

〈メルヴェイユ語〉(精神/至難)
 メルヴェイユで使われている(とされる)言語です。ただし、ほとんどの単語の発音方法は失われています。「創造主」が創ったともいわれ、〈神聖文字〉とも呼ばれます。
(デザイナーズノート)イメージとしては怪しい古代遺跡にある怪しい文字です(笑)

車輛系技能

〈ボート〉(肉体/並)
 この技能で扱えるのは、手漕ぎボートや小型ヨットのような動力を持たない小さな船だけです。戦闘用の小型艇の操作には使えません。

〈ジェットボート/文明〉(肉体/並) 技能無し値:知力−5、敏捷力−5、ボート−3、モーターボート−4
 「ベーシック完訳版」の〈モーターボート〉とほとんど同じですが、バブルメタル・ジェットで推進するボートを扱います。大航海時代到来以降、以前から存在するボートレースに加えてジェットボートレースも広まりつつあります。

社会系技能

〈戦術〉(精神/難)
 船舶戦闘においても、船長が修得していれば行動順(サイコロでも移動力順でも)にプラス修正を受けます。

戦闘系技能
 メルの海上では、重装備は決して好まれません(ヘビー・プレートを着て水中に落ちれば、〈荷重水泳〉でも知らない限り確実に死ぬでしょう)。そのためかさばるポールアームや潮風で錆びる金属鎧は、海上では滅多に見られません。
 ここで紹介されていない武器でも、「GURPS moo Series Games」2nd Editionで追加された武器を購入可能です。

〈空手〉(肉体/難)
〈柔道〉(肉体/難)
 メルでは、「特殊な背景」を用いなくてもこれらの技能を修得する事が可能です。しかし難易度の高い技能のため、一般船員は〈ボクシング〉や〈格闘〉の方を学びます。

〈剣〉(肉体/並)
〈両手剣〉(肉体/並)
 一般人のたしなみというよりは、むしろ与えるダメージ量や鎧の装備を考慮した軍人や冒険者の使う技能です。

〈フェンシング〉(肉体/並)
 この技能で扱うサーベルが、メルでは比較的一般的な武器です(現世中世末期地中海の海賊を連想して下さい。分厚い鎧を着ないメルの船乗りもこの手の武器を愛用するでしょう)。もちろん飛び道具や槍の到達距離にはかなわないので、戦闘用というよりは護身用でしょうが。

〈刀〉(肉体/並) 技能無し値:敏捷力−5
 刀を行使する技能です。メルではあまり一般的な武器ではなく、刀を使う民族(辺境群島人など。「特殊な背景」に5CP消費)だけが使用できます。刀鍛冶の伝承する特殊な技術により、メルでも通常の価格で「上質」の物が購入できます。なおカマラーダの刀の形状は日本刀とは異なり、反りは入っていません。
*刀
 データは「マーシャルアーツ完訳版」の通りで、基本的に「上質」の武器です。(「最高品質」は4倍して130000ヅーカです)

〈黒色火薬銃/文明〉(肉体/易)
 この世界では火器は発展途上で、携帯用銃器は未だに黒色火薬使用が多数派です。「α+版」では、ここより豊富な銃が揃っています。
 〈黒色火薬銃〉〈銃器〉は馴染みの無い種類にペナルティが課せられますが(「ベーシック完訳版」P86参照)、専門化する必要はありません
 *火縄銃
 データは「ベーシック完訳版」のマスケット銃に準じます(ただしダメージ3D、正確さは3です)。射撃速度を20ターンに1発に変更しますが(火薬の工夫などで射撃速度を短縮できます)、何も準備をしていない状況では準備に60ターン掛かってしまいます。火種や《発火》の呪文、黄燐マッチを用意していなければ更に準備時間が掛かるでしょう。
 叩き/3D、抜撃18、正確さ3、半致傷100、最大射程600、5kg、20(60)ターンに1発、弾数1、必要体力12、反動−2、故障値15、20000ヅーカ、両手用
 弾薬:1個50g、100ヅーカ
 *燧石銃
 データは「ベーシック完訳版」のマスケット銃に準じます。射撃時の火打石によるぶれが大きいため、正確さは火縄銃より低くなっています。歯輪銃もデータ的には同じになりますが、正確さが3になる代わりに機構が複雑なため価格は2倍、修理の際の判定にも−3されてしまいます。
 叩き/4D、抜撃18、正確さ2、半致傷100、最大射程600、5kg、20ターンに1発、弾数1、必要体力12、反動−2、故障値15、20000ヅーカ、両手用
 弾薬:1個50g、100ヅーカ
 *燧石短銃
 データは「ベーシック完訳版」のフリントロック短銃に準じます。
 叩き/2D-1、抜撃11、正確さ1、半致傷75、最大射程467、1.5kg、20ターンに1発、弾数1、必要体力10、反動−1、故障値15、10000ヅーカ、片手用
 弾薬:1個50g、100ヅーカ
 *弾薬
 銃弾と火薬のセットで、別々に籠めるのが普通です。弾丸だけなら、1個50ヅーカで購入する他に、鉛を1個分25ヅーカで購入し〈武器屋〉〈黒色火薬銃〉で自作する事も可能です(火薬は〈爆発物〉で作成しますが、冒険中には不可能です)。3点の《発火》を装填済みの銃に掛けられた場合、持ち主の知力による抵抗に失敗すると爆発します(〈黒色火薬銃〉を持たないキャラクターの場合、「目標が見えない」と見なして呪文の判定に−5の修正を受けます)。

パーカッション・リボルバー(旧「黒色火薬式リボルバー」)(αplus版より、必要体力を一部変更しています)
 弾と火薬、雷管を別々に装填するタイプのリボルバーです。着火方式は『雷管式』です。旋条はありません。文明レベル5の装備なので「高度文明」の特徴が必要です。構造が複雑なために修理の判定に−5されます。
 「メル」ではまだ開発されたばかりで一般に普及するに至っていません。シルバリア共和国でのみ製造されています。合法レベルは0です。
 パーカッション・リボルバーには初期型と後期型が存在します。
 初期と後期型でも大半のデータは同じです。ただし、価格と再装填に必要な時間が異なります。後期型の価格は初期型の2倍になります。
 再装填時、初期型は銃の横を開き、シリンダーを丸ごと取り外します(90ターン)。
 次に弾をシリンダーに詰め込みます(弾1発につき20ターン)。(あらかじめ、弾を詰めたシリンダーがあれば、一瞬で済みます)
 最後にシリンダーを銃にはめ込みます(90ターン)。
 〈再装填/パーカッション・リボルバー〉判定に成功すれば、シリンダーの取り外し/取り付けにかかる18ターンと弾1発につき2ターンだけ短縮できます。
 後期型は前装(先込め)式です。
 弾1発につき20ターンかかります。〈再装填/前装式〉判定に成功すれば、弾1発につき2ターンだけ短縮できます。
*パーカッション・リボルバー(黒色火薬)
9式パーカッション・リボルバー
 叩き/2D-1、抜撃10、正確さ1、半致傷75、最大射程400、重量1.5kg、連射1、弾数6、必要体力9、反動-1、故障値15、価格35000ヅーカ($700)、片手用
10式パーカッション・リボルバー
 叩き/2D+1、抜撃10、正確さ1、半致傷100、最大射程600、重量1.5kg、連射1、弾数6、必要体力10、反動-2、故障値15、価格37500ヅーカ($750)、片手用
12式パーカッション・リボルバー
 叩き/3D-1、抜撃10、正確さ1、半致傷150、最大射程1000、重量2.0kg、連射1、弾数6、必要体力12、反動-3、故障値15、価格40000ヅーカ($800)、片手用

〈銃器/文明〉(肉体/易) 知力10〜11で+1、12〜で+2
 この技能は、文明レベル5である先進地帯の、しかも治安関係者や軍人でないと修得できません。
 開発途上の武器で得あるため、「moo Series Games」共通データより故障値が大きくなっています。また価格はM.S.A.F.や各国軍内部のものであり、外部での入手は事実上不可能です。もし闇ルートで入手できても、価格は最低でも本体で3倍以上、弾薬で10倍以上になるでしょう。
 *リボルバー(TL5)
 文明レベル5相当のリボルバーです。
 9式リボルバー
 叩き/2D-1、抜撃10、正確2、半致傷90、射程900、重量1kg、連射1、弾数6、必要体力9、反動−1、故障値15、15000ヅーカ、片手用
 10式リボルバー
 叩き/2D+1、抜撃10、正確2、半致傷100、射程1000、重量1.2kg、連射1、弾数6、必要体力10、反動−1、故障値15、17500ヅーカ、片手用
 12式リボルバー
 叩き/3D-1、抜撃10、正確2、半致傷120、射程1200、重量1.5kg、連射1、弾数6、必要体力12、反動−2、故障値15、20000ヅーカ、片手用
 弾薬:1個33g(3個100g)、50ヅーカ
 *ライフル銃(TL5)
 文明レベル5相当のライフルです。元込め式であり、装填する際に立ち上がる必要はありません。TL5初期の滑空式銃(銃身に溝が無い)は12500ヅーカで入手できますが、正確さは3に、射程は半分になります。
 10式ライフル銃
 叩き/4D、抜撃15、正確5、半致傷300、射程1500、重量2kg、連射1/4、弾数1、必要体力10、反動−2、故障値15、25000ヅーカ、両手用
 12式ライフル銃
 叩き/4D+2、抜撃15、正確5、半致傷360、射程1800、重量2.5kg、連射1/4、弾数1、必要体力12、反動−3、故障値15、30000ヅーカ、両手用
 13式ライフル銃
 叩き/5D、抜撃15、正確5、半致傷390、射程1950、重量3kg、連射1/4、弾数1、必要体力13、反動−4、故障値15、35000ヅーカ、両手用
 弾薬:1個50g、75ヅーカ
*上質の銃器
 試作段階の物や特殊な用途の銃器を除き、4倍の値段で正確さが+1されます。
*安物の銃器
 通常の60%の値段で、正確さが−1、故障値が−1された安物が入手できます。より性能の悪い銃器も稀に存在しますが、それは単なる整備不良の結果であるため売買する事はできません。
 *弾薬
 銃弾と火薬のセットで、黒色火薬銃とは違って薬莢に収まっています。徹甲弾やホロウ・ポイント弾は存在しません。3点の《発火》を装填済みの銃に掛けられた場合、持ち主の知力による抵抗に失敗すると爆発します(〈銃器〉を持たないキャラクターの場合、「目標が見えない」と見なして呪文の判定に−5の修正を受けます。キャラクターの属する文明レベルが5に達していない場合、誘爆を試みる事すらできません)。
 *銃剣
 元込め式の長銃の先端に取り付けるタイプの武器で、短い槍のように扱います。2000ヅーカ、0.5kg、ダメージは刺し/突き+2で、両手で銃身を持って使用します(攻撃には〈槍術〉を使って下さい)。銃剣で重い武器を「受け」た場合、3kg以上なら銃剣が、6kg以上なら銃身が壊れる可能性があります。

〈鎖〉(肉体/難) 技能無し値:敏捷力−5、フレイル−2
 長く、重い鎖を扱う技術です。詳しくは「マーシャルアーツ完訳版」P28を参照して下さい。
 絡み取らずにダメージを与えるだけなら、〈フレイル〉技能そのままで判定を行う事が可能です。
 *鎖
 長さが身長の倍はある鎖です。
 叩き/振り+2、長さ1〜4※、準備に長さと同じターン、3500ヅーカ、2.5kg、必要体力11
 絡み付き、長さ1〜4

〈特殊準備/種別〉(肉体/難) 技能無し値:なし
 攻撃などに使用すると非準備状態になる、いわゆる「バランスの悪い武器」を一瞬で準備するための技能です。バスタードソード、斧・メイス(片手用・両手用)、フレイル、ポールアーム、およびそれらに類する武器に使用できます。ただし、武器には特殊な改造(剣は価格1.5倍、それ以外の武器は価格10倍(「切り」「刺し」で上質なら3倍))が必要です。
 〈準備〉と同じく、「戦闘即応」があれば技能に+1の修正を受けます。

〈砲術/種別/文明〉(肉体/並)
 アーバレストと大砲が艦載武器(及び要塞防御兵器、対大型海獣武器)として存在します。データは船舶戦闘を扱った部分を参照して下さい。

動物系技能

〈貨物運送〉(精神/並) 技能無し値:知力−6
 〈荷役〉の船版ですので、厳密に言うと動物系技能ではありません(「動物共感」を持っていても、技能レベルにボーナスはありません)。荷役用動物ではなく船を使うという点を除いては、〈荷役〉と同一の技能です。

野外系技能

〈船乗り/文明〉(精神/易)
 メルにおいては、船乗りの基本知識として扱います。高等技術を要する行動については、後で紹介する特殊技能を使って下さい。

〈航法/文明〉(精神/難)
 メルにおいて、大海原における自分(とその船団)の位置を把握するには欠かせない技能です。航海器具がないと技能判定にペナルティを受ける事を忘れないで下さい。

〈生存/島・海岸〉(精神/並)
 航海中、または海辺での食料採取に使える技能ですが、〈釣り〉とは違い長時間の停泊(移動に関するルールを参照)を要します。

〈生存/海〉(精神/並)
 人魚(やそれに類する水中種族)のみが修得可能な、水平線より下を領域とする技能です。

〈釣り〉(精神/易)
 食料採取に用いる事が可能な、食費を浮かせ……もとい、移動しながらの補給に役立つ技能です。航海中に非番のキャラクターは、1時間掛けて技能判定(環境に応じて修正)を行う事により、「成功度/2」食分の魚介類を手に入れる事ができます(0成功の場合、ごく小さな魚や食べられない魚、ゴミやボトルメール等の冒険で価値の無い物が引っ掛かります)。釣りを行う前に〈動物学〉〈動植物知識〉〈生存/島・海岸〉のどれかで適切な餌や漁法、漁場を選択する事により、その成功度(及び失敗度)の半分(端数切捨て)を技能判定に足す事も可能です。餌や疑似餌が無い場合、技能判定に−5の修正を受けます。

航海系特殊技能

〈操舵〉(肉体/並) 技能無し値:船乗り−5、知力−5 前提:船乗り
 大型船の舵取りを行う技能です。周囲の海域の様子を判断して、潮の流れから判断される適切な進路を見抜く能力も含みます。

〈操帆〉(精神/難) 技能無し値:船乗り−5、知力−5 前提:船乗り
 大型船の帆を扱う技能です。

〈船舶修理/文明〉(精神/並) 技能無し値:船乗り−5、造船−3 前提:船乗り+造船
 事故や戦闘で破損した船を短時間で修理して、航海に耐えさせる技能です。詳しくは「α+版」を参照して下さい。


*メルヴェイユの種族*

・人間(0CP)

特になし

 この世界の人間で、能力は現世の人間とほとんど同様です。

・人魚(5CP)

水中呼吸(空中でも呼吸可能、10CP)、水中行動(10CP)、高速泳法1レベル(移動力2倍、10CP)、耐圧(100気圧まで、10CP)、暗視(10CP)、強靭な尾(「叩き/振り+2」ダメージ、攻撃は敏捷力か〈格闘〉で判定、15CP)、地上ではほとんど動けない(「片足喪失」相当、−25CP)、依存/水(1日以上離れると1時間に1点HPにダメージ、−15CP)、誠実(−10CP)、義務感/水中の自然(−10CP)

 上半身が人間、下半身が魚の姿をした種族です(ちなみに尾鰭は、イルカや鯨と同じ横向きです)。平穏を好み、メルの既知世界では人間の居住する地域から離れた所で結界を張って生活しているのが一般的ですが、接触が少ない種族ですので詳しい生活や文化はあまり知られていません。メルヴェイユに大勢住んでいるとも言われていますが、それが本当かは誰も知りません。
 人魚は基本的に陸上で行動する事はできないのですが、秘薬で人間変身が可能な個体だけは例外です。

人魚特有の特徴

「人間変身」(15CP)
 人魚に伝わる秘薬により、人間の姿への変身が可能です。全身が乾くと人間の姿に変化して、全身が水に濡れると人魚の姿に戻ります。桶の水を浴びた程度では戻りませんが、お風呂に下半身が浸かれば十分です。変身の過程を意思でコントロールする事はできません。
 なお、変身中に無効となる能力は以下の物です(陸上で無意味な物も含まれますが……)。変身しても水中呼吸は可能なままですので、盥で窒息させたりする事はできません。また、能力値も一切変化しません。
  「水中行動、高速泳法1レベル、耐圧、強靭な尾、地上ではほとんど動けない」

「嫌気性」(−35CP、「水中呼吸」「依存/水」買い戻し分も含む)
 空気を呼吸できず、水中から空気中に放り出されると「溺れた」と見なします。PCは取得できません。

・メルメル族

 今は滅びてしまった謎の種族です。呪いに長けていたとも言われていますが、今となっては実態は定かではありません。

・その他の種族

 メルには数多くの少数種族が存在しますが、人間と出会う事は多くありません。基本的にNPC専用です。


*アイテム*


 外洋航海を行う船で、この世界の文明レベルでは木造帆船が一般的です(文明レベル5の先進地帯では、鋼鉄製の船が存在します)。しかし現世とは違い、バブルメタル反応炉機関が文明圏の船にはほぼ必須装備であるため「帆と反応炉機関を併用した汽帆船」が一般的な存在になっています。蒸気機関も存在するのですが、大量の燃料を必要とするため用途は限られています。
 個人の資産で買えなくても、船室と家具を「冒険用でない財産」で確保するのは可能です。
※この世界の船のデザインは、現世と違って派手で個性豊かなデザインが多数を占めます。主帆に紋章を染め抜いたり全体を迷彩塗装するくらいは当たり前で、「静かなる貴婦人号」のような双胴船や「流影号」のようなジャンク型の船も存在します。
※「ベーシック完訳版」に準拠すると、他の移動手段の価格は以下の通りです。馬や馬車はPCが購入する機会は事実上ありませんが参考までに。
 乗用馬(〜175kg):6万ヅーカ
 騎馬(軍馬)(〜200kg):20万ヅーカ
 荷引き馬(〜300kg):10万ヅーカ
 1頭立て馬車(〜1t)+荷引き馬:12万ヅーカ
 2頭立て馬車(〜2t)+荷引き馬:23万5000ヅーカ
 4頭立て馬車(〜4t)+荷引き馬:45万ヅーカ
 ボート(〜500kg):2万5000ヅーカ

商船
 積載量が大きな反面防御力が低いのが難点ですが、大砲や大弩、強化装甲などである程度戦闘に耐える事も可能です(商船の武装は、通常は隠蔽されています)。商船は安定性も良く、客船としても使われます。

小型商船
 小回りが効き、大きさの割には速度も高い船です。しかし乗り心地は外洋向きではなく、船体も薄いため攻撃が命中するとひどい事になるでしょう。

中型商船
 標準的な商船です。外洋でも輸送用として比較的多く見られます。

大型商船
 大型の商船です。積載できる量が桁違いなのは魅力なのですが小回りがあまり利かないため、護衛の軍艦付きか高性能船でもない限り海軍の治安維持圏以外で見る事はまずありません。

軍艦
 積載量が大きさの割に少ないのが弱点ですが、大型なら武装で、小型なら機動性で優位に立てます。しかし安定性は悪く、使い手の腕が試される船ともいえるでしょう。
 また全ての軍艦に共通する点として、その船及び乗組員を味方だと自分で断定できない全ての相手の反応が−2されます。あからさまに敵対するような相手(海軍と海賊船など)の場合、マイナス修正は更に大きくなります。

小型軍艦
 海軍、海賊共に愛用する、巡洋艦クラスの軍艦です。通常は撹乱戦やヒット&アウェイ、伝令役で活躍させます。PCが乗る船も主にこのタイプです。

中型軍艦
 機動性と攻撃力の双方をある程度満たす、メルでは一般的な軍艦です。

大型軍艦
 高い攻撃力と装甲を備えた最強の軍艦です。滅多に見られる物ではなく、大きな艦隊や海賊団の中枢に見られる程度です。

船舶データ一覧
小型商船 積載量70トン 、総重量15トン、マスト3本
 移動力4、受動防御4、防護点4(甲板2)、HP100(船首・船尾・右舷・左舷)/80(甲板)、兵装値2、長射程攻撃の大きさ修正+6、体当たり修正+1
 価格40万ヅーカ
中型商船 積載量210トン、総重量35トン、マスト3本
 移動力4、受動防御4、防護点6(甲板3)、HP250(船首・船尾・右舷・左舷)/160(甲板)、兵装値5、長射程攻撃の大きさ修正+7、体当たり修正0
 価格120万ヅーカ
大型商船 積載量630トン、総重量80トン、マスト4本
 移動力4、受動防御4、防護点6(甲板3)、HP625(船首・船尾・右舷・左舷)/240(甲板)、兵装値12、長射程攻撃の大きさ修正+9、体当たり修正−1、サイズ2ヘクス
 価格360万ヅーカ
小型軍艦 積載量50トン 、総重量18トン、マスト3本
 移動力5、受動防御5(甲板4)、防護点6(甲板3)、HP120(船首・船尾・右舷・左舷)/100(甲板)、兵装値3、長射程攻撃の大きさ修正+6、操作修正−1、体当たり修正+1
 価格50万ヅーカ
中型軍艦 積載量150トン、総重量42トン、マスト3本
 移動力5、受動防御5(甲板4)、防護点8(甲板4)、HP300(船首・船尾・右舷・左舷)/200(甲板)、兵装値7、長射程攻撃の大きさ修正+7、操作修正−1、体当たり修正0
 価格150万ヅーカ
大型軍艦 積載量450トン、総重量96トン、マスト4本
 移動力5、受動防御5(甲板4)、防護点8(甲板4)、HP750(船首・船尾・右舷・左舷)/300(甲板)、兵装値18、長射程攻撃の大きさ修正+9、操作修正−1、体当たり修正−1、サイズ2ヘクス
 価格450万ヅーカ
※積載量やHPは船によって差が存在します。しかしその差は平均値の0.75倍、または1.25倍を越えないようにして下さい。
※〈砲術〉技能で扱う兵器には兵装値が存在し、その合計が船の兵装値を越えてはいけません。
※船の専門家ではないため、数値はかなり適当です(汗)。

カスタム化一覧
高度文明造船…価格同じ、操作修正+1、文明レベル5必要
高速型…価格+50%、移動力+1、操作修正−2
超高速型…価格+100%、移動力+2、操作修正−3、文明レベル5必要
抗波型…価格+50%、操作修正+2
多兵装型…価格+50%、兵装値×1.5(端数切り上げ)、操作修正−2
重装甲型1…価格+50%、受動防御+1、防護点・HP×1.2、操作修正−1
重装甲型2…価格+100%、受動防御+2、防護点・HP×1.5、操作修正−3、移動力−1、軍艦のみ可能
双胴船…価格+100%、積載量×2、HP×2、兵装値×1.5、操作修正−2、移動力−1
鋼鉄船…価格+50%、受動防御+1、防護点・HP×1.2、文明レベル5必要
汽帆船…価格同じ、積載量×0.9、蒸気機関搭載、文明レベル5必要
蒸気船…価格同じ、積載量×0.7、蒸気機関搭載、文明レベル5必要、帆柱が存在しないため操作修正+2
完全な帆船…価格−20%、バブルメタル反応炉機関&蒸気機関未搭載

バブルメタル反応炉機関
 バブルメタルと海水を反応させて作動する機関です。戦闘中に起動させていれば、〈操帆〉判定が不要になり、風向きに無関係に最大限の移動力を発揮できます。しかしバブルメタルは世界各地で産出するとはいえ高価なため、普段の移動には使えません。
 反応炉はかなり大きく、バブルメタルの保管も注意が必要(反応しない真水の水槽を使用)ですので、戦闘用の小型船には燃費は悪いが推進力も高く構造が簡単なバブルメタル・ジェットが搭載してある事があります。クレメンツ武装商船団の旗艦「静かなる貴婦人号」は、大型艦でバブルメタル・ジェットが搭載してある数少ない例です。
 バブルメタル反応炉機関の重量と価格は、通常の船の価格に含めています。

バブルメタル・ジェット
 バブルメタルを筒状の装置に入れ、内部で反応させた際の圧力を一方の端から放ち推進力を得ます。その分燃費は悪いものの、「高速型」の小型船には時折搭載されています。反応炉機関とは同じ〈機械工/バブルメタル機関〉で扱う事が可能です。
 バブルメタル・ジェットの重量と価格は、カスタム化した船の価格に含めています。

蒸気機関
 現世の蒸気機関と同じ、石炭を燃やして水を沸かし、その圧力で作動する機関です。反応炉機関と逆に真水を必要とするため、主に陸上で使われ、海上ではあまり使われません。文明の進んだ地域で頻繁に定期航路が存在する場所では時折見られますが、そのほとんどは帆走を併用する汽帆船です。
 反応炉機関の代わりに蒸気機関を積む船は、複雑で大型な蒸気機関とかさばる燃料積載スペースのために積載量は0.9倍(帆がないと0.7倍)になります。

衝角
 船首から突っ込む際の体当たりのダメージを2倍にします。相手の船体に食い込ませたままにする時の〈操舵〉判定にも+2されますが、相手の船体から離れるための〈操舵〉判定には−2されます。

難燃帆布
 炎によるダメージが半減し、着火率も半減する帆布です。通常攻撃に対する耐久力は普通の帆布と変わりません。価格が通常の5倍はするため、あまり実用化されていません。


*船舶戦闘*

 船舶戦闘とは、「ベーシック完訳版」P174〜177掲載の騎馬戦闘・車輛戦闘の一種です。しかしサイズや速度的に合わない点も多いですので、少々アレンジを加えてみました。

(キャラクターの役割分担)
 船を運航する際の役割には、概ね以下のような物が存在します。もちろん運航以外に関しても役に立つキャラクターの方が、陣営でも抜きん出る可能性は高いでしょう。

索敵手
 …行う判定:〈操帆〉〈旗信号〉〈灯火信号/自分の陣営〉
  高い知力、「鋭敏〜(特に視覚)」、「暗視」、「危険察知」はあると重宝する。高い生命力や「美声」も声を響かせるのに有効かも。
操舵手
 …行う判定:〈操舵〉
  〈戦術〉も必須。自分で〈航法〉〈気象学〉〈操帆〉もあれば言う事無し。
砲撃手
 …行う判定:〈砲術/大砲〉
  〈武具屋/大砲〉〈爆発物〉も必要。
機関士
 …行う判定:〈操舵〉〈機械工/バブルメタル機関〉
  冒険中のバブルメタル確保のために〈採掘〉があると役に立つ……かもしれない。

 行う判定の具体例は、「α+版」も参照して下さい。
 索敵手、操舵手、機関士の定員は1名〜2名、砲撃手の定員は艦載兵器の数までです。人数の足りない分はNPC船員(技能レベル12程度)が代行します。

(戦闘行動と移動)
 移動は車輛戦闘に準じ、1ターンを1分、1ヘクスを直径25mとして扱います。
 帆で移動している際には、ターン開始時に〈操帆〉判定に失敗するとそのターンの移動力が半減(端数切上げ)してしまいます。ファンブルすると風や潮に流されてしまい1ヘクス流されてしまいます。荒天時にファンブルしたなら船が横転し、沈没します。クリティカルしていればそのターンの移動力が1.5倍(端数切上げ)となります。風上への移動や凪の際の移動は、〈操帆〉に−1(風がやや弱い)〜−15(暴風に向けて突進)の修正を受けます。
 方向転換する際には〈操舵〉の判定が必要で、失敗すると移動中なら曲がり切れずにそのヘクスは直進しかできません。ファンブルするとバランスを崩し、再度〈操舵〉判定を行い失敗すると船が横転し、沈没します。
 バブルメタル反応炉機関で移動している際には〈操帆〉判定は不要で、風向きに無関係に最大限の移動力を発揮できます。帆と反応炉機関の切り替えはターンの初めに可能ですが、〈操帆〉〈機械工/バブルメタル機関〉双方の判定に成功しなくてはなりません(この2つの作業は別々に行うため、同一人物が一度に判定する事はできません)。片方だけに成功した場合、無動力状態ではそのターンは一切の移動を行えず、複数の動力が同時に作動してしまうとバランスを崩し〈操舵〉判定に失敗すると船が横転し沈没します。
 なお、「α+版」では全力移動のオプションが追加されています。

(攻撃)
 艦載兵器の中心は、〈砲術〉技能で扱う大砲です(アーバレストも存在しますが、あまり使う機会は無いでしょう。捕鯨銛として主に使用されます)。艦載兵器の搭載限界は兵装値に左右されますが、手持ち武器による攻撃はこの限界には含まれません(もちろん甲板に固まり過ぎると、砲弾1発で一掃されるのがオチですので自ずから限界はありますが)。通常艦載兵器は船体を、手持ち武器は相手の戦闘要員を狙うのが普通です。艦載兵器の射撃する矢や弾丸は大き過ぎるため、人間はダメージを半分(端数切り捨て)しか受けません(能動防御は「よけ」しかできませんし、ダメージ半分でも命中すれば大抵即死ですが……)。もちろん人間サイズでは歯が立たない大型海獣に対しては、そのままダメージを与えられます。
 また艦載兵器は船のバランスを取るように左右均等に配置するため、攻撃範囲が限定されます。左舷に搭載した兵器で右舷側を、右舷に搭載した兵器で左舷側を攻撃する事はできません。船首に搭載した兵器で船尾側を攻撃する事も不可能です(なお、普通の船は船尾に兵器を搭載する事はありません)。〈砲術〉を修得している人物が付いていない艦載兵器も、当然ながら何の役にも立ちません(基本的に、〈砲術〉要員を複数の艦載兵器で使い回す事はできません!)。

アーバレスト
 抜撃16、正確さ4、半致傷400、最大射程800、射撃速度1/60、刺し/5D、兵装値1
大砲
 抜撃16、正確さ1、半致傷300、最大射程1000、射撃速度1/60、叩き/10D、兵装値2
巨大大砲
 抜撃16、正確さ1、半致傷300、最大射程1000、射撃速度1/60、叩き/15D、兵装値3
強化大砲(TL5)
 抜撃16、正確さ3、半致傷300、最大射程1000、射撃速度1/60、叩き/15D、兵装値2
炸裂弾(TL5)
 強化大砲で使用。船へのダメージは通常と同一だが、叩き/10Dの手榴弾のように爆発して人間にも通常通りのダメージを与える
※ヘクスを使わない場合も考慮してあるため、距離の単位はメートルです。

 船舶戦闘では、これらの兵器は限界まで狙った物として毎ターン発射する事が可能です。もちろん海が荒れていれば十分に狙いを付けられなかったり、目標値に−修正を受けたりする事でしょう。船同士の相対速度の違いもお忘れなく。

(防御)
 船は「よけ」を行えません。通常の船の受動防御はせいぜい4ですが、木の船体の上に薄い鉄板で装甲を施した軍艦は5〜6程度の受動防御を持ちます。もちろんこの受動防御は、帆や帆柱を狙われた際には意味を持ちません。バブルメタル機関作動時の「よけ」に関しては「α+版」を参照して下さい。

船舶命中部位表
2D/修正
2 /−7 ―見張台(自動的に破壊され船員は甲板へ転落、戦況の把握や〈旗信号〉などに支障をもたらす)
3 /−5 ―帆柱(複数ある場合、狙いを付けずに撃った際の命中先はランダムに決定。同型小型艦の甲板の1/2のHPを持つ。汽船の場合は船体へ命中)
4 /−3 ┬帆(複数ある場合、狙いを付けずに撃った際の命中先はランダムに決定。同型小型艦の甲板の1/4のHPを持つ。汽船の場合は船体へ命中)
5 /−3 ┘
6 /±0 ┬右舷・左舷(面している方。船首か船尾側からの攻撃なら、狙いを付けずに撃った際の命中先はランダムに決定)
7 /±0 ┘
8 /±0 ┬船首・船尾(面している方。右舷・左舷側からの攻撃なら、狙いを付けずに撃った際の命中先はランダムに決定)
9 /±0 ┘
10 /−3 ―甲板(アーバレストでは狙えない。炸裂弾では+2されて修正−1)
11 /−5 ―艦載兵器(複数ある場合、狙いを付けずに撃った際の命中先はランダムに決定。自動的に射撃不可状態に)
12 /--- ―甲板要員に直撃!(敏捷力で回避可能、ダメージ半分(端数切り捨て))
※最初から甲板要員を狙う場合は、通常の修正に従ってその都度計算する。この場合防御は「よけ」のみ可能。

船舶戦闘クリティカル表
2D/効果
2 /攻撃により喫水線下に穴が開き、以降の移動力と全判定に−1。〈操舵〉に失敗すると沈没する。
3 /ダメージ3倍。
4 /ダメージ2倍。
5 /狙っていた部位が自動的に破損する。目標が船体なら通常ダメージ。
6 /防護点を無視。
7 /通常ダメージ。
8 /通常ダメージ。
9 /ダメージ2倍。
10 /ダメージ3倍。
11 /防護点を無視。
12 /乗組員に命中し、1D人が戦闘不能になる。

船舶戦闘ファンブル表
2D/効果
2 /反動が船のバランスを崩し、以降の移動力と全判定に−1。〈操舵〉に失敗すると沈没する。
3 /誤射で自分の船(兵器が配置されている側)を傷付ける。通常ダメージ。アーバレストの場合この結果は無視する。
4 /反動が兵器のバランスを崩し、次のターンは射撃不可。
5 /うまく発射されず1回分の矢や砲弾が無駄になるが、兵器本体に影響は無い。
6 /弾詰まり。直すには〈砲術〉−4か〈武具屋〉判定が必要。
7 /弾詰まり。直すには〈砲術〉−4か〈武具屋〉判定が必要。
8 /弾詰まり。直すには〈砲術〉−4か〈武具屋〉判定が必要。
9 /兵器が固定位置から離れる。1ターン掛けて元に戻さないと正確さによるボーナスを受けられない。
10 /大砲が加熱して、1ターン掛けて冷まさないと1/3の確率で発射時に爆発して砲手は3D点のダメージを受ける。アーバレストの場合この結果は無視する。
11 /兵器が故障して、1D時間掛けて〈武具屋〉判定に成功しないと元に戻らない。
12 /兵器が壊れ、大砲なら爆発して砲手は3D点のダメージを受ける。

(接舷)
 船舶戦闘では、相手を単に沈めさえすれば良いとは限りません。相手の船や積み荷、乗客、あるいは指揮官を狙って戦っているのですから。見知った相手同士の決闘では、手加減が不可能で致死的な射撃戦を嫌がる傾向も存在しています。
 まず、斬り込みを行うには船長が自分の行動順に船を移動させながら相手の船と同じヘクスに突っ込み、相手の船長と〈操舵〉で即決勝負を行い勝たなくてはいけません。負けると船は同一ヘクスの至近距離に留まったままとなります。この判定には小型船は+1、大型船は−1の修正が加わります。
 即決勝負に成功すれば、相手の船にぶつかりお互いに停止します。この際攻撃側の船長がダメージを与えない事を意図して〈操舵〉判定に成功しない限り、相手の船に5D点、自分の船に5D−5点のダメージが及びます(船体の防護点は有効です)。衝突した/された後離脱するのは容易な事ではありません。相手の船が邪魔となり〈操舵〉に−2の修正を受けてしまうのです。相手の船との間に鉤付き鎖を渡されたり渡し板を掛けられたりすると、このペナルティは更に増大します。
 衝突したターンに行うべき事は、やはり先に述べた通り鉤付き鎖や渡し板で相手の船へ突入する準備をする事でしょう。衝突状態でアーバレストを打ち込む事はできず、大砲を打ち込むと自分の船も全く同じダメージを受け、しかも1/3の確率で大砲が破壊されてしまいます。

(斬り込み)
 自分の船から相手の船に乗り移るには、普通は高低差があっても使用可能な梯子状の滑り止め付きの渡し板を使います(なお通常の渡し板は厚さ2.5cmと見なし、「刺し」型以外の武器で30点のダメージを与える事で破壊できます)。しかし相手も簡単に突入を許すほど甘くはありません。渡し板を最初に渡って来る相手に矢で総攻撃を仕掛け、いきなり殺して士気の消沈を狙っているはずです。盾かクロークを構えていて「よけ」「止め」が高く、「我慢強」く「戦闘即応」を持つキャラクターでないと、一番乗りを行うのは単なる自殺行為です。できる事なら複数の渡し板を同時に掛けて、敵の防御に穴を開ける事を狙って下さい。
 首尾良く乗り込んでも相手は「跳ね飛ばし」ダメージで水中に叩き落とそうとするかもしれませんので、味方の飛び道具の援護を受けながら制圧に移りましょう。しかし制圧が一定以上進むと、同士討ちの危険が上がるため援護射撃は期待できなくなります。


船舶戦闘(αplus版より)

1 抽象船舶戦闘
 船舶戦闘とは、B174〜177頁の騎馬戦闘・車輛戦闘の一種で船同士の戦闘を扱ったルールです。
 しかし、サイズや速度的に合わない点も多いですので、少々アレンジを加えてみました。
 この抽象ルールではヘクスを使用しません。
 また、船舶戦闘では1ターンを1分として扱います。

1・1 キャラクターの役割分担
 多くの場合、1隻の船を一人の人間だけで動かす事はできません。そこで船の操作を役割分担します。
 この役割を「主要船員」と呼びます。主要船員には索敵手、操舵手、砲撃手、機関士の4つがあります。

索敵手:
 …必要能力:〈旗信号〉〈灯火信号/自分の陣営〉〈操帆〉が必要です。
 作成したばかりのキャラクターには〈暗号/自分の陣営〉を教えてもらえる可能性は低いでしょう。
 高い知力、「鋭敏〜(特に視覚)」、「暗視」、「危険察知」があると重宝します。
 高い生命力や「美声」も声を響かせるのに有効かもしれません。

操舵手:
 …必要能力:〈操舵〉〈戦術〉が必須です。自分で〈航法〉〈気象学〉〈操帆〉もあれば言う事はありません。

砲撃手:
 …必要能力:〈砲術/大砲〉は必須です。〈武具屋/大砲〉〈爆発物〉もある方が良いでしょう。

機関士:
 …必要能力:〈機械工/バブルメタル機関〉〈操舵〉が必須です。
 冒険中のバブルメタル確保のために〈採掘〉があると役に立つ……かもしれません。

 1つの主要船員に1人のキャラクターを割り当ててください。
 キャラクターが余った場合、各役割の人数を増やす事ができます。
 この時、役割ごとの定員数を越えてはいけません。
 索敵手、操舵手、機関士の定員数は2人です。
 砲撃手の定員は船に搭載した兵装の数に等しくなります。
 キャラクターが足りない場合、NPC船員に役割を任せる事ができます。
 NPC船員の能力はGMが決定します。NPC船員は「必要な技能を12レベルで修得している」くらいが普通です。

各役割が行う判定
 索敵手:操帆、旗信号、灯火信号
 操舵手:操舵
 砲撃手:砲術/各種
 機関士:操舵、機械工/バブルメタル反応炉機関

1・2 イニシアティブ
 キャラクターごとではなく船ごとに行動順を決定します。
 この時、主要船員が〈戦術〉を修得していれば、ボーナスがあります。

1・3 行動の宣言
 異なる船に乗っているキャラクター同士ではお互いの行動の宣言を聞く事はできません。
 また、プレイヤー同士も相談できません。
 意志の疎通がしたい場合はお互いに〈旗信号〉または〈灯火信号〉で判定を行ってください。
 どちらか片方が失敗すると相手の意志を知らないまま、行動の宣言を行わなければなりません。

1・4 行動
 キャラクター1人につき、1ターンに1回ずつ行動を行う事ができます。
 行動によっては特定の主要船員にしか行えないものもあります。
 同じ船の中でキャラクターが行動する順番は自由に決める事ができます。

移動
 このルールでは距離関係は抽象的なものです。
 しかし、意味のある移動したい場合には以下のルールで処理してください。
 移動は操舵手と機関士が行う事ができます。

1)砲撃に有利な位置に移動する
 〈操舵〉で即決勝負を行います。帆走している場合は〈操帆〉を使用する事ができます(どちらか高い方)。
 勝った方は砲撃の命中判定に+2のボーナスを得ます。
 この修正は累積しません。さらに有利な位置には移動できないわけです。

2)敵の砲撃の死角に移動する
 〈操舵〉で即決勝負を行います。帆走している場合は〈操帆〉を使用する事ができます(どちらか高い方)。
 移動した側が勝った場合は敵の砲撃と射撃の命中判定に−2のペナルティを与えます。
 この修正は累積しません。さらなる死角には移動できないわけです。

3)位置交替
 上記の「有利な位置への移動」「死角への移動」の修正を受けている場合に行える行動です。
 「自船と敵船との位置関係の交替」を試みる事が出来ます。
 〈操舵〉で即決勝負を行ってください。帆走している場合は〈操帆〉を使用する事ができます。
 交替を試みる側(自船)は−2の修正です。
 自船が勝てば、自船と敵船の「命中判定への修正」が逆転します。

4)接舷する
 後述の「接舷状態」になるための移動です。〈操舵〉で即決勝負を行います。
 この時、判定に体当たり修正が加わります。小型船なら+1、大型船なら−1です。
 移動側が勝った場合には「接舷状態」なります。

5)体当たり
 敵船のいるヘクスに踏み込み、自船を敵船にぶつけます。この移動は操舵手のみ行えます。
 〈操舵〉で即決勝負を行います。この時、判定に体当たり修正が加わります。
 小型船なら+1、大型船なら−1です。
 攻撃側が勝った場合には相手の船にぶつかり、お互いに停止します。
 敵船に5D(衝角を装備している場合はダメージ10D)を与え、自船に5D-5のダメージを受けます。
 また、「接舷状態」なります。

照準
 索敵手のみが行うことができる、特殊な「狙い」です。
 索敵手は視覚判定を行ってください。天候が悪い場合はマイナス修正を受けます。
 成功すれば、最大限に狙いをつけた時と同じ修正を得る事ができます。
 命中判定に武器の正確さと+3の修正があります。また、抜き打ちによる不利な修正を打ち消します。
 照準は例え索敵手が2人いても1ターンに1回しか行えません。

狙い
 「ベーシック」におけるルールと同様です。索敵手と砲撃手が行えます。
 ただし、同じターンに別のキャラクターが「狙い」をつけた修正を得る事ができます。

砲撃
 船に搭載している艦載兵器で敵を攻撃します。砲撃手のみ行えます。
 命中判定には−5の修正を受けます。船が後述の「接舷状態」なら−2の修正です。
 距離と速度の修正は無視しますが、敵船の大きさによって修正を受けます。
 小型船なら命中判定に−1、大型船で+2の修正です。
 目標値が「抜き撃ち値」未満であれば、さらに−4されます。
 特に部位を狙わなかった場合、船体(船首・船尾・右舷・左舷)に命中します。

射撃
 船に乗っているキャラクターが敵船(または敵船のキャラクター)に対して射撃武器で攻撃を仕掛けます。
 命中判定には−10の修正があります。船が「接舷状態」なら−4の修正です。
 上級戦闘を使っている場合は通常どおり修正を求めてください。
 船本体に対して通常の射撃武器ではダメージを与える事はできません。

1)帆
 帆に対して攻撃するなら命中判定に+4の修正です。ただし、弓や銃では帆を壊す事はできません。
 《火球》なら通常どおりダメージを与えます。帆の受動防御と防護点は2です。
 火矢や《火球》が命中した場合、3分の1(難燃帆布なら6分の1)の確率で帆が燃え上がります。
 帆は3点分(難燃帆布なら4点分)の《発火》をかけられると燃え上がってしまいます。
 また、たいまつなどの火で10秒(難燃帆布なら20秒)以上、あぶられた場合も燃え上がってしまいます。
 燃え上がった帆は1ターンごとに1D点のダメージ(帆の防護点無視)を受けます。

2)敵船の船員
 敵船の船員に対して攻撃します。敵は能動防御するでしょうし、物陰に隠れるかもしれません。
 「上級戦闘」を参照してください。

動力の切り替え
 船の動力を帆と反応炉機関との切り替えを行います。
 索敵手と機関士の双方がこの行動を行わなければなりません。
 また、それぞれ〈操帆〉〈機械工/バブルメタル反応炉機関〉の判定に成功しなくてはなりません。
 どちらか片方に成功した場合、無動力状態ではそのターンは一切の移動を行えません。
 複数の動力が同時に作動してしまうとバランスを崩し、〈操舵〉判定に失敗すると船が横転し沈没します。

最大速力
 BM機関で航行している場合にのみ可能な行動です。機関士のみが行えます。
 自船の行動開始時に〈機械工/BM機関〉判定を行ってください。
 成功するとそのターンは移動力が1.5倍(端数切り上げ)になります。
 抽象船舶戦闘の場合は「移動」系行動の判定に+2の修正があります。
 ただし、上級の場合は「方向の変更」判定に−2の修正です。

1・5 接舷状態
 同一のヘクスに2つの船が存在している状態のことです。上級戦闘の近接戦闘と似ています。
 接舷状態では相手の船が邪魔となり、〈操舵〉判定に−2の修正を受けます。
 また、砲撃にも制限を受けます。「狙い」や「照準」といった行動を取る事はできず、「砲撃」にアーバレストを使用できません。命中判定の際の大きさによる修正は無視します。
 さらに砲撃を行うと敵に与えたダメージに等しいダメージを自分の船にも受けてしまいます。
 しかも3分の1の確率で砲撃に使用した艦載兵器が壊れてしまいます。

1)接舷状態からの離脱
 「接舷状態」から離脱するための行動です。操舵手のみ行えます。
 敵が離脱を許さないのであれば、〈操舵〉で即決勝負を行い、勝たなくてはなりません。
 この判定には次の修正がかかります。
 衝角を装備した船が自分から体当たりした後、離脱する場合は−2、相手の離脱を阻止する場合は+2の修正です。

2)鉤付き鎖や渡し板をかける
 敵船に対して、鉤付き鎖や渡し板をかけることで相手の離脱を阻止します。
 攻撃側と防御側の体力または敏捷度どちらか高い方で即決勝負を行います。
 複数のキャラクターがこの行動に参加する事ができます。
 その場合の目標値は双方のグループの最大の能力値にそれぞれ参加する人数に等しいプラス修正を加えたものになります。
 例えば、体力または敏捷力の最大値12、参加する人数3人の場合、目標値は12+3で15です。
 攻撃側が勝った場合は敵の離脱判定に−2の修正を与えます。このペナルティは累積します。
 防御側が勝てば、2点分のペナルティを打ち消す事ができます。

1・6 受動防御
 通常の船の受動防御は4、帆の受動防御は2です。
 軍船は木の船体の上に薄い鉄板で装甲を施しているため、5〜6程度の受動防御を持ちます。
 しかし、軍船でも帆柱の受動防御は通常の船と同様4とみなします。

1・7 能動防御
 船は基本的に能動防御を行えません。
 ただし、バブルメタル反応炉機関を稼動している時には「よけ」を行えます。
 「よけ」の数値は船の「移動力」です。判定は機関士が行います。
 もちろん船は「後退」を行えません。

1・8 船のHPとダメージの影響
 船は無生物なので攻撃型によるダメージボーナスがありません!(B103項、B162項)

1)小さすぎる目標
 敵船の船員に対して、砲撃を行う事もできます。
 命中判定には−10の修正があります。船が「接舷状態」なら−4の修正です。
 上級戦闘を使っている場合は通常どおり修正を求めてください。
 人間などの「小さすぎる目標」に対して、艦載兵器による攻撃は通常の半分(端数切り捨て)のダメージしか与えません。
 ただし、命中判定にクリティカルした場合は半分にしません。
 また、「炸裂弾」は常に10Dのダメージを与えます。
 巨大海獣(怪獣?)などの大きな目標に大しては通常どおりダメージを与えます。

2)沈没判定
 ダメージを受けた結果、船体HPが0以下になった場合、船が沈没する危険性があります!
 この場合、「操舵手」はただちに〈操舵〉判定を行ってください。
 判定に失敗すると船が沈み始めます。判定に成功すれば、何も起こりません。
 船は3D6船舶ターンかけて沈んでいきます。この間に脱出してください。
 また、「沈没判定」は以後、次の状態の時に行います
 ・船体HPがマイナス「船体HPの4分の1(端数切り上げ)」以下になった時に〈操舵〉−2
 ・船体HPがマイナス「船体HPの2分の1(端数切り上げ)」以下になった時に〈操舵〉−4
 ・船体HPがマイナス「船体HPの4分の3(端数切り上げ)」以下になった時に〈操舵〉−6
 HPがマイナス「船体HP」に達した場合、船は完全に破壊され、ただちに沈没し始めます。
 沈没判定は不要です。沈没を避ける事はできません。

3)船舶の修理
 〈船舶修理〉を使えば、船のHPを回復させる事ができます。この修理は1つの戦闘の後、1回だけ行う事ができます。
 修理には1日かかり、修理する船の「最低乗員」に等しい人数の作業員が必要です。

 また、修理が上手くいったかどうか〈船舶修理〉で判定が必要です。
 修理を行うキャラクターの内、技能レベルが一番高いもので判定を行います。判定には次の修正があります。
 航海しながら修理を行う場合−5、造船設備を使用できれば+3、作業員の人数が足りなければ、「最低乗員」に10人足りないごとに−2、作業員が多ければ、「最低乗員」を20人上回るごとに+1(最大+5)です。
 判定に成功すれば、HPは成功度1ごとに1D点回復します。
 船体と甲板の両方にダメージを受けている場合は半分ずつ回復します。
 端数はなるべく均等になるように振り分けてください。
 プレイヤーが望むならどちらか片方を集中的に修理しても構いません。
 回復したHP1点につき、20ヅーカの費用がかかります。
 その場で即座に払うのでなく次回の修復費と一緒に払う事にしても構いません。

 修理を造船所に依頼することもできます。
 判定は不要ですが、HPを1点回復するごとに20ヅーカの費用がかかります。
 また、修理には(状況によりますが)2〜3日程度かかります。

2 上級船舶戦闘
 上級船舶戦闘では1ヘクスを直径25mとして扱います。

2・1 移動
 帆走(帆で移動)している場合はターン開始時に〈操帆〉判定を行ってください。
 失敗すると、そのターンの移動力は半分(端数切り上げ)になります。
 ファンブルすると風や潮に流されてしまいランダムな方向に1ヘクス流されてしまいます。
 荒天時にファンブルしたなら船が横転し、沈没します。
 クリティカルならそのターンの移動力は1.5倍(端数切り上げ)になります。
 風向きによって、〈操帆〉に−1(風がやや弱い)〜−15(暴風に向けて突進)の修正を受けます。
 風が凪(無風)の場合、帆を使って、移動する事はできません。
 機関航行(バブルメタル反応炉機関で移動)している場合は〈操帆〉判定は不要です。
 風向きに無関係に最大限の移動力を発揮できます。

 帆走している場合は側面、背面のヘクスへは移動できません。
 機関航行している場合にはこの制限はありません。

向きの変更
 船の「向き」を変更する際には〈操舵〉判定が必要です。
 一度に120度向きを変更する場合は判定に−4の修正、180度なら−8です。
 失敗すると曲がり切れずにそのヘクスは前進しかできません。
 ファンブルすると船体のバランスを崩してしまいます。
 再度〈操舵〉判定を行い、失敗すると船が横転し、沈没します。
 向きの変更は60度ごとに移動力を1点使います。
 船はこれ以外の方法で向きを変えることはできません。


*追加分*

(会戦の掟)
 1艘対1艘から数百艘単位にまで及ぶ、船同士の会戦におけるルールです。この掟はあくまでも不文律ですが起源は大航海時代の遥か以前に遡り、一説ではメルヴェイユの誕生と同時に発生したとも言われます(そのような由来があるため、カマラーダはこの掟を破る事はありません。殲滅艦隊ですらほとんどの者は破る事に躊躇を覚えます)。
 なお、この掟は略奪や殲滅の際には適用されませんし、文明圏外の民族や異種族、掟破りが守る事はありません。
 ・降伏した相手を攻撃しない。降伏した船は攻撃を停止し、動力が生きているなら敵味方の船の邪魔にならない場所に移動する。
 ・水中に落ちた船員は、戦闘終了後に敵味方問わず救助し、速やかに元の船団に返す。救助する側・される側はどちらも、その際に相手に危害を加えてはならない。
 ・会戦により決定した事は必ず守る。
 ・特別な規則を制定する場合、当事者同士の強制抜きでの同意を必要とする。

>>>

(キャラクターの役割分担)
 索敵手、操舵手、機関士は、2名いる場合は各人が判定を行い、それぞれの成功度を合計します。ただしファンブルは、もう1人がクリティカルを出せば相殺できますが、それ以外の場合は常に優先されます。2名ともファンブルした場合、GMの判断で何らかの事故を起こして下さい。バブルメタル機関による「よけ」(「α+版」参照)のような緊急動作に限っては、判定できるのは1人のみです。
 砲撃手は複数いれば、それぞれが別の艦載兵器を操作できます。つまり兵装値18の大型軍艦が大砲を9門装備していれば、毎ターン熟練の砲撃手(技能レベル15以上)達が10Dの攻撃を9回放つという事になります。1つの目標には5〜6回が限界ですが。
 なお船長(個人艦の所有者)のルールは、小型艦では無視しても構わないでしょう。

>>>

(追加船舶・武装)
 船舶と武装を追加します。

潜水艇
 水中に潜って行動する事が可能な小型艇で、バブルメタルを推進力と空気の補充に使用しています。水中での行動の邪魔になるため、帆やマストはありません。一部の軍や海賊では偵察用として使っていますが、武装の搭載が難しいためにあまり普及はしていません。殲滅艦隊は爆弾を搭載して特攻兵器として用いましたが、それはあくまでも例外です。
 通常、潜水艇は海底探査船の母艦(小型〜中型軍艦扱い)に接続しています。潜水艇の操縦は〈操船/5〉で行いますが、慣れるまで−4の修正を受けます。

潜水艇、積載量1トン、総重量2トン、マスト無し(バブルメタル機関で移動)、TL5
 移動力2(潜行時2)、受動防御4、防護点5、HP80(全体)、兵装値0、長射程攻撃の大きさ修正+4、体当たり修正+1(潜行時±0)
 水中で操舵手が〈偽装〉に成功すれば隠密移動が可能。水中でバブルメタルが切れるとそのまま海底へ沈んで行き、乗組員は脱出できないと窒息死(下が深海なら圧死)する。

自爆用爆弾(TL5)
 純然たる自爆以外に、体当たりにも使用可能です。搭載した船と目標の船の操舵手同士で即決勝負(能動側に−5修正)を行い、搭載した船の側が勝てば体当たりに成功し、目標の船に叩き/50D点のダメージを与えます(体当たりの成功度が5以上ならダメージは命中した部位に集中。成功度0〜4なら均等に分散)。もちろんこの場合、体当たりの成功の可否を問わず爆弾を搭載した船は自動的に沈没し、乗組員は全員死亡します。潜水艇の場合、操舵手の〈偽装〉と目標の船の索敵手の視覚で即決勝負を行い、操舵手が勝てば相手に回避の余地は無く、しかもダメージは叩き/100D点に増えます。アンカーなどで固定されている場合も互いに回避の余地は無いですが、爆発した側と密着していなければダメージは25D点で済みます。
 搭載しても兵装値は消費しませんが、体当たり用に搭載している場合はダメージを受ける毎に操舵手が〈爆発物−8〉判定を行い、失敗すると即座に爆発します。

サーチライト
 巨大なオイルランプと数多くの特殊レンズを組み合わせ、遠方を照らし出す設備です。戦闘時には1船舶ターン(1分)毎に特定の船舶ヘクス全て(ヘクスを使わない場合は直径25m)を照らし出し、そのヘクスの目標への攻撃は暗闇によるペナルティを無視できます。船から1ヘクス以内の至近距離に対しては、特定の船を照らし出す事も可能です。
 文明レベル5の石灰灯(ライムライト)によるサーチライトは、範囲を即座に絞り込みヘクス内の特定の船だけを照らし出す事も可能です。

〈サーチライト/文明〉(肉体/易) 技能無し値:敏捷力−2
 サーチライトの照準を合わせるための技能です。船舶ヘクスを目標とする場合は、目標のサイズを25m(大きさ修正+7)として下さい。サーチライトの修理は〈機械工〉で行います。

オイル・サーチライト
 抜撃12、正確さ2、半致傷200、最大射程1000、兵装値1
ライム・サーチライト(TL5)
 抜撃10、正確さ4、半致傷500、最大射程2500、兵装値1

ゴージャス砲弾
 クレメンツ武装商船団による開発品で、砲撃によるダメージ1D毎に+1のボーナスを与えます。このボーナスは7点を2D点、4点を1D点と見なしても構いません。
 この砲弾を使用すると、大砲はダメージが10D+10点(12D+3点)、巨大大砲と強化大砲はダメージが15D+15点(19D+1点)になります。

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(同時射撃)
 基本ルールでは「1人の砲撃手による複数の艦載兵器の同時使用」は認めていませんが、本編において砲撃手がしばしば実行していました。
・同じ形式の艦載兵器と弾体を使う。
・兵器は互いに近い場所(最大5〜6m)にある。
・相手の船までの距離が1船舶ヘクス(25m)以下。
・狙いは付けられない。
・部位狙いはできない。
・同一の目標しか狙えない。
・技能レベルに−5修正。
 以上の条件を守れば、2つの兵器の同時操作を認めてもいいでしょう。

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(各種障害物)
 メルの海戦には、なぜか(笑)様々な障害物が付き物です。

広告ブイ
 クレメンツ商会が開発した宣伝用ブイで、大きさは浮きが1m、広告部分が2〜3mくらいです(通常は動力を持ちませんが、まれに自走式ブイも存在します)。ブイが浮かんでいるヘクスで〈操舵〉を行う際には−1〜−4の修正を受け、種類によっては更に特殊な効果が1船舶ターンの間発生します。主な乗組員1人ごとに「知力+鋭敏感覚」判定を行い、成功したキャラクターがどの広告ブイを発見したか決めて下さい。
 広告ブイは防護点0、HP10で、薄い木の壁に有効な武器で破壊できます。艦載兵器が命中すると自動的に破壊されます。

ホキサン島バトルレース場・広告ブイ種類表
1D
1 特定方向(1Dして1なら正面、2なら右前方、…6なら左前方)への視界を妨げる大きな広告ブイ。
  目撃したキャラクターの射撃や砲撃、視覚判定、〈旗信号〉〈灯火信号〉に−2。
2 興味深い広告ブイ。
  意思判定に失敗すると内容が気になり、全ての判定に−2。
3 普通の広告ブイ。
  特殊効果はなし。
4 つまらない広告ブイ。
  意思判定に失敗すると、「かんしゃく」と同様に攻撃的になる。元から「かんしゃく」なら抑え込む際の意思判定に−4。
5 いかがわしい広告ブイ。
  特殊効果はなし。ただし「朴訥」なキャラクターは、知力判定に失敗すると内容をそのまま信じてしまう。
6 ボス・サリーノの関連企業の広告ブイ。
  特殊効果はないが、「激走! バトルレース!!」終了後は広告が消され、「スポンサー募集中!」と記されている。スポンサー料は1個1ヶ月で1000ヅーカ。

クレメンツ武装商船団・広告ブイ種類表
2D
2  新型小型艦の宣伝。
  機関士は意思−2判定を行い、失敗すると全ての判定に−4。ファンブルするとバブルメタル機関が停止し、直すには〈バブルメタル機関〉判定が必要。
3  「クイズに答えて賞金を貰おう。お買い物するならク○○ンツ」とあるキャンペーンの宣伝。
  索敵手は意思−2判定を行い、失敗すると全ての判定に−4され、悔しさのあまり「レメ〜!」と叫んでしまう(笑)。
  戦闘中にこれを目撃した場合、戦闘後にキャラクターは「静かなる貴婦人」号で応募が可能。結果は下記の表で決定する。
4  キャラクターが欲しがるような物の宣伝。「オーダーメードのぬいぐるみ作ります」など。
  対象となるキャラクターは意思−2判定を行い、失敗すると全ての判定に−4。
5  大砲・砲弾の宣伝。「波避けカバー付き大砲、5割引」「砲撃するだけでウエストの引き締まる大砲あります」「ゴージャス砲弾、5割引」「滑り止め付き砲弾、5割引」「今、砲弾を1つ買うと、もう1つ付いてくる」など。
  砲撃手は意思−2判定を行い、失敗すると全ての判定に−4。
6  魚の宣伝。変な歌を流している。
  操舵手は意思−2判定を行い、失敗すると全ての判定に−4。
7  生活用品や航海用品の宣伝。「船酔いに効く薬あります」など。
  特殊効果はなし。
8  バブルメタルの宣伝。「よく気化するバブルメタルあります」など。
  機関士は意思−2判定を行い、失敗すると全ての判定に−4。
9  火薬の宣伝。「高級火薬、5割引」など。
  砲撃手は意思−2判定を行い、失敗すると全ての判定に−4。
10 美女の等身大看板。
  索敵手は意思−2判定を行い、失敗すると全ての判定に−4。索敵手が女性なら意思判定に修正なし。
11 割引券内蔵型。
  衝突か破壊されると「アタリ」という声がして、クレメンツ商会の割引券(特注品とバーゲン商品以外が2割引)が出てくる。
12 その他。「旗艦被弾保険あります」など。
  プレイヤーはGMと相談して、特定の品物1種類を半額セールにさせてかまわない。ただしGMは無茶な要求を却下できる。

クレメンツ武装商船団・キャンペーン応募結果表
3D
3 特別賞。賞金15万ヅーカ+「静かなる貴婦人」号模型キット。
4 1等賞。賞金5万ヅーカ+キャル人形+「偉大なる冒険者」号舵輪レプリカ。
5-6 協賛賞。賞金1万ヅーカ。更に1Dして以下から決定する。
 1…チェイテ賞。ファナ人形+クリエのぬいぐるみ。
 2…アムニス賞。コリエル人形+祭壇型ランプ。
 3…リバタリア賞。ミーニャ人形(水上バージョン&水中バージョン)。
 4…ジャスティス・ガンズ賞。アレク人形+ビーチバレーセット。
 5…海上治安維持連合軍賞。コノハ人形+MSAF海図最新版。
 6…カマラーダ賞。ティエン人形+十三人衆コスプレセット。
7 2等賞。賞金5000ヅーカ+武装商船団レターセット。
8-9 3等賞。クレメンツ商会の商品券1000ヅーカ分。
10-16 残念賞。クレメンツ商会の商品券100ヅーカ分。
17 記入漏れがあり失格。
18 クイズを間違え失格。

船の残骸
 撃沈された、あるいは遭難した船の残骸です。〈操舵〉を行う際には−1〜−4の修正を受けます。
 残骸を攻撃で散乱させる事はできません。

機雷
 1〜1.5mほどある接触式の機雷です。〈操舵〉に失敗すると衝突し、叩き/7D点(文明レベル5の機雷は叩き/10D点)のダメージを与えます。
 機雷は艦載兵器の攻撃により5点以上のダメージを受けると爆発、消滅します。投石や投げ槍などの重い投擲武器で一度に5点以上のダメージを受けても爆発しますが、銃や弓矢で爆発させる事はできません。

火山灰
 視界を阻害され、視覚判定と射撃に−1〜−4の修正を受けます。

火山弾
 毎ターン全ての船に降り注ぐ目標値7の艦載兵器と見なして、命中すると叩き/10D点のダメージを与えます。「よけ」で回避が可能です。

海草
 船の舵や蒸気船のスクリューに絡みやすい海草は、メルの各地の海に繁茂しています。この海草が浮かんでいるヘクスで〈操舵〉を行う際には−1〜−4の修正を受けます。

海草栽培網
 海上生活者が食用海草を栽培している網です。〈操舵〉に失敗して突っ込むと網を破壊して、1D×5000ヅーカの被害を与えてしまいます。

火消しの風
 亡霊の出没する海域で吹く事のある生暖かい風です。この海域で銃や大砲を扱うと、13以上の出目は自動的失敗になります。

幽霊
 人間の幽霊や幽霊船です。出現すると恐怖判定を行わなくてはなりません。通常の幽霊には実体は無く、攻撃に対しては《幻覚》として扱います。幽霊船は大きいため、通常の手持ち武器で破壊する事はできませんが、艦載兵器で攻撃すれば紙を引き裂くように消えてしまいます。

幻覚物質
 「幻魔」と呼ばれる夜行性のプランクトンが放つ毒です。「幻魔」が繁殖している海域で夜に戦闘を行うと、ターン開始時に生命力判定(−2修正。海水を浴びて、または飲んでいると更に−1〜−5)に失敗すると幻覚に襲われます。1つの幻覚は1分間(1船舶ターン)しか続きませんが、幻覚症状は夜が明けてから1時間毎に生命力判定を行い成功するまで治りません。昼間でも海水を浴びたり飲んだり、空気を深く吸い込んだりすると、生命力判定(浴びたなら修正無し、飲んだなら−5修正)に失敗すると同様に幻覚を見てしまいます。幻覚を見ている間は、全ての判定に−5の修正を受けます。
 この幻覚は集団幻覚を非常に起こしやすく、撹乱兵器として使われる事もあります。

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(船の命名)
 メルの船舶は通常、出身国を問わず「形容詞+名詞」という構成の名前を付けられます(静かなる貴婦人、ブルー・ラグーン(青い礁湖)、流影(流れる影)など)。大型船は割と普通の名前が付いていますが、小型船は他の船との識別性を重視するあまり突飛な名称が数多く見られます。小型船の名称に困った場合、辞書を適当に開いて付けても構いません。
 ただし稀にこの法則に従わない名称の船(ホライゾン(水平線)など)もありますし、小型船の場合は通し番号を打って管理を行う場合(レンタル艦60028号など)も見られます。

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(地名メモ)
 以下の場所は、本編で冒険の舞台となった地域です(なお、全てM.S.A.F.の活動範囲内=既知領域内です)。

ナァ・ナーダ島:同名の王国がある小さな島。海竜が島を守護している。島が小さいためバブルメタルは産出せず、産物は食料が中心。
ホキサン島:東方海域の主要海路から離れた島で、巨大歓楽施設を擁している。クレメンツの手により開発されたが現在は手を引いている。
呪われし大陸:火山が噴火を繰り返すため、周辺海域で多くの船が沈んだ大陸。巨大地底水路や遺跡も存在する。
トレアドール海域:船上国家シャエールドが漂っていた海域。流れが速く非常に危険な「永遠の海流」トレアドール海流が存在する。
テンパラス海:重要な商船ルート。横行していた海賊はマクレーンにより調査区域(アレーヌ海峡から300シード南)におびき寄せられ(?)M.S.A.F.と七艦隊の攻撃により壊滅した。
ヘイデン諸島:聖なる巨大ガメの島が存在する海域。現在島はクレメンツが管理している。
アンダラーサ海:恐らくは殲滅艦隊の根拠地。ベッカー海流の流域で七艦隊と殲滅艦隊の決戦が起きた。


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